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【福岡】2025年6月 西鉄天神大牟田線で非協力乗車

2025年6月3日の朝、西鉄柳川駅から西鉄福岡駅(天神)まで非協力乗車会を行いました。

過去の活動報告をご覧いただければお分かりいただける通り、西鉄は男性が非協力乗車すると駅員(助役)がぴったり最後までついて来ますが、今回はどうだったかご覧ください。


西鉄柳川駅で

6月3日朝7時過ぎ、西鉄柳川駅周辺はあいにくの雨模様である。

今日はここから西鉄福岡駅(天神)まで西鉄電車に非協力乗車を行う。

柳川駅前は雨
同左

参加予定の会員が揃ったので、改札口を抜けてホームに降りると既に通勤通学の人々がホームに並んでいた。

この後、7:18発の急行に乗車する人々だ。

私達はこの列車には乗らず、もう1本後の7:29発の西鉄福岡行き急行に乗車する。

この7:29発の急行は柳川駅始発の列車である。

西鉄柳川駅ホーム。
ホームに到着した7:18発の急行

7:18発の急行が発車してホームに人が少なくなったところで私達はホームに並んだ。

ホーム端で次の列車を待つ
ホームの女性専用車両乗車口表示

西鉄の女性専用車両は7両編成の最後尾にある。

つまり端のほうということになるが、西鉄柳川駅のホームの端のほうには屋根がない。

まだ小雨がポツポツと降っていたため、傘を差しながら並んでいると「この列車の最後尾の車両は女性専用車両です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」という肉声放送が流れた。

しばらくすると、大牟田側から私達の乗る7:29発の急行が到着。柳川駅始発のため、当然だが誰も乗っていない。

ドアが開き私達が着席すると、しばらくして1人の女性客が他の席からわざわざこちらに来て「女性専用車両です」と言いにきた。

会員の1人が「知ってます」と返すとその女性客はすぐ元の場所に戻っていったが、ここでもし女性客が引き下がらなかったりすると大きなトラブルに発展することもある。

しばらくして車掌が「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」と肉声でアナウンスした。

わざわざ「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております」を2回繰り返すなど何とかして私達を移動させたいようだが、任意協力である以上、私達に移動する義務はない。

発車時刻になり、車内にわずかに空席のある状態で柳川駅を発車。

西鉄柳川→西鉄福岡(天神)

柳川駅を発車してしばらくしてから「ただいまから車掌が車内へと参ります。」という車内アナウンスが流れ、車掌が車内を巡回しにきた。そして座席にいる私達の目の前を通り過ぎたが、声かけはしてこなかった。

また、先ほど柳川駅停車中に声かけしてきた女性客も私達が乗っていることを車掌には申告しなかったようである。

急行は柳川駅を出ると次は大善寺駅まで停まらない。大牟田駅から久留米駅までの間は急行も特急と停車駅は同じ(大牟田→新栄町→西鉄柳川→大善寺→花畑→西鉄久留米)である。

雨が降る中、列車は次々と駅を通過して大善寺駅に到着。ここでややまとまった乗車があり空席が埋まった。特に声かけなし。

大善寺駅発車後しばらくして車掌が再度肉声で「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」とアナウンスした。

またも「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております」を2回繰り返しアナウンスしたわけだが、私達は承知の上で敢えて乗車している。私達を移動させるためというより、私達が乗車しているのを見て他の男性客が乗ってこないようにしているのだろうか。

大善寺駅発車後の車内

大善寺駅発車後はラッシュ時で列車が詰まっているのか、それとも他に理由があるのか、これまでのような快調な走りではなく速度を落として走行。

津福駅では反対方向の大牟田行きが行き違い待ちをしていた。

大善寺駅からこの先の聖マリア病院前駅(旧:試験場前駅)までの間、線路は単線である。

天神大牟田線は大部分が複線だが久留米以南ではまだ所々、虫食いのようにこのような単線区間が残っている。

今走っているこの区間は久留米市の中心部にもほど近く、利用も決して少なくないと思われるが線路際まで住宅などが建て込んでいるところもあり、複線化は難しそうだ。

九州新幹線の高架下をくぐり、こちらも高架に上がって久留米市の中心部へと向かって行く。

高架で久留米市内を走行

聖マリア病院前駅を通過し、ここからは複線区間に。

信号が赤なのか線路上でしばらく停車。再び動き出すと西鉄久留米駅の1つ手前の花畑駅に到着。

多数の乗車があり立ち客が一気に増えた。花畑駅を出てすぐ隣の西鉄久留米駅にも停車。ここでもややまとまった乗車があり、車内は混雑し始めた。

特急は西鉄久留米駅を出ると西鉄二日市駅まで一気に駅を通過して行くが、急行はここからほぼ1~2駅おきくらいに停車するようになり、特急よりも圧倒的に停車駅が多くなる。

次に停車した宮の陣駅でもまとまった乗車があり、立ち客で車内が見通せなくなってきた。

西鉄小郡駅では降りていく人もそこそこいた。車内は相変わらず結構な混雑。急行はこまめに停まるが駅間ではかなり飛ばす。恐らく時速100kmは出しているだろう。

列車は三国が丘駅、筑紫駅、朝倉街道駅と停車。それぞれの駅で乗り降りがある。西鉄二日市駅でもまとまった乗車があった。

西鉄二日市駅発車後に車掌がまた女性専用車両の案内肉声アナウンスを流した。

しばらく走って、次の停車駅の下大利駅に到着。比較的最近(2022年)に高架化されたので駅はきれいである。

白木原しらきばる駅を通過し、さらに高架を走り続けて春日原かすがばる駅に到着。ここも下大利駅と同時期に高架化されたため駅はきれいだが、混雑した車内に次々と人が乗車して混雑がさらに増した。

福岡市内に入り、昨年新しく開業した桜並木駅を通過。さらに雑餉隈ざっしょのくま駅、井尻駅を通過して大橋駅に到着。ここからもまとまった乗車があり、車内はもう少しで押し合いへし合いになる状態である。

急行は本来なら大橋駅を出ると薬院駅まで停まらないが、この急行はイレギュラーで大橋駅から西鉄福岡(天神)駅まで各駅停車になる。

車掌が「お客様にご案内いたします。この列車、大橋から福岡天神までは各駅に停まります」とアナウンス。本来急行が停車しない高宮駅、西鉄平尾駅にも停車して薬院駅に到着。

ここで「本日、この列車は5分ほど遅れて到着しております。朝のお忙しい時間に列車遅れまして申し訳ございません」とアナウンスが入った。先ほど西鉄久留米駅を出てから、駅間でやたら飛ばしていたのは遅れを取り戻すためだったのか。

もちろん今回は柳川駅で女性客が一言声をかけてきただけで特に大きな問題はなかったので私達が原因ではない。

そういえば大善寺駅を出た後、花畑駅までノロノロ運転したり駅手前で止まったりしていたが、ラッシュ時で列車間隔が詰まっていたからではなく、そこで何かあったのだろう。

薬院駅で多数の人が降りて車内はやや混雑が緩和された。薬院駅を出ると次は終点の西鉄福岡駅である。

辺りはビルが建ち並び、完全に都会の風景である。ここで再び車掌のアナウンスが入り、「本日約8分遅れで福岡天神駅に到着いたします。本日は列車遅れまして申し訳ございません」とお詫びがあった。

そして8:39頃、西鉄福岡駅のホームに到着した。

西鉄福岡駅に到着(折り返し花畑行きになるようだ)
多数の人々が行き交う(西鉄福岡駅)

少し前に実は…

今回、車内アナウンスが少々しつこかったものの、駅員や乗務員が声をかけてくることはなく、また以前のように途中駅から助役がずっとついてくるということもなかった。

実は今回の乗車会よりも以前に関西のある会員が個人的に九州に旅行に行き、そこで地元福岡の会員と共に西鉄福岡駅の案内所を訪問して「女性専用車両は任意協力か?」「男性が女性専用車両に乗車したら声をかけるのか」等を尋ねたことがある。

対応した職員の答えは「任意協力であり、男性の乗車を禁止するものではない」だった。

そこで会員が「以前、男性が女性専用車両に乗車すると、駅員(助役)が一緒に乗車してきて付いて来たりしていたが、今もしているのか」と尋ねると、「現在はしておりません」とのことだった。

もちろんこれは九州に旅行に行った会員が旅行先で福岡在住の会員と会い、個人的に行ったもの(その日が祝日だったため、女性専用車両の実施がなく乗車活動は出来なかったらしい)で、会としての正式の活動ではなかったから活動履歴として記事にはしていない。

しかし、そのときに西鉄職員の言っていた「現在はしておりません」という言葉が本当かどうか、今回の乗車会で検証するような格好になった。

今回は西鉄柳川駅を出たところで車内を巡回してきた車掌が私達の目の前を通り過ぎながらも一切声掛けしてこなかったことや、さらに途中の停車駅から助役などが乗り込んでこなかったことなどから、西鉄福岡駅の職員の言葉は本当だったと見て良いだろう。

とは言え、任意協力であるにも関わらず『女性専用車両』という名前で現在も列車が走り続けている以上、今後も継続して任意周知を行う必要はある。

福岡やその周辺にお住まいの方で入会してみようと思う方(もちろん福岡以外でも全国的に会員は随時募集している)は是非当会まで入会申し込みいただきたい。

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【熊本】2025年6月 熊本市電で非協力乗車

2025年6月2日朝、熊本市電の女性優先車両に非協力乗車を行いました。

今回、乗務員からも女性客からも声掛けなどは全くありませんでしたが、途中で車内に貼り出されていた「女性優先車両」の案内掲示に変化があることに気づきました。


乗車会前日に一部区間が不通

昨年(2024年)から事故やインシデントが止まらない熊本市電。昨年も走行中にドアが開いたり、脱線したりするなど10件以上の事故・インシデントを起こしたが、今年(2025年)の3月25日にはついに10名以上の負傷者を出す衝突事故を起こしてしまった。

そのため当会内からも「熊本市電に乗るのはやめておいた方が…」という声まで出たくらいだが、こんな状態でもやはり熊本市交通局(市電)はまだ女性優先車両をやっているのかどうか、それを確かめる意味もあり今回、乗車会を行うことになった。

現在、熊本市交通局のウェブサイトには女性優先車両導入当初の過去記事が「お知らせ」のコーナーに残っているだけで、それ以外は全く触れられておらず、サイトを見るだけでは現在も女性優先車両をやっているのかどうか分からない状態である。

当会が昨年(2024年)の3月に乗車会を行った際、交通局サイトには(過去記事以外)全く女性優先車両の記載が無い一方で実際に市電の電停に行ってみると、電停の時刻表に「平日7時~9時前後を運行する低床車両には女性優先車両があります」と表示されている状態だった。

地元の利用客以外にはなるべく女性優先車両の存在を知らせないようにして、できるだけ批判をかわそうとしているのだろう。

恐らく今回も昨年3月の時と同じ状態(=ウェブサイト時刻表に記載なし&現地でのみ「女性優先車両があります」と案内)だと思われるが、とりあえず実際にやっているかどうか確認するということで、乗車会前日(6月1日)の夜に熊本駅前電停の時刻表を見に行った。

熊本駅前電停の時刻表は印刷ではなく、モニター画面に時刻やその他いろいろ表示されるタイプのものである。

熊本駅前電停のモニター時刻表(写真は過去の乗車会の際のもの)

画面を見てみると小さい文字ではあるが『平日7時~9時前後を運行する低床車両には女性優先車両があります』の表示があった。やはり女性優先車両は今でも実施されているのだ。

なお画面上に『時刻表はホームページでもご覧になれます』とあるが、ホームページ(交通局サイト)の時刻表では、女性優先車両の案内がない。

熊本駅前電停の時刻表(画面)にあった女性優先車両の案内

ここで画面(電停に設置の時刻表)を見ていた会員の1人があることに気づいた。

画面に表示された「次の電車」の行き先が「臨:辛島町行」となっており、時刻表と違うと言うのだ。

熊本駅前電停から出る電車はA系統の健軍町方面行きと上熊本方面に向かうB系統の2種類があるが、時刻表上ではA系統の電車はその多くが終点の健軍町電停まで行く。つまり通常、辛島町止まりはほとんど運転されない。

乗客が多すぎて臨時便でも走らせているのかとも思ったが、今はGWやお盆などの多客期でもなく、また沿線で何か大きなイベントがあるという話も聞いていない。乗客が多すぎて臨時便を出しているというわけではなさそうだ。

周りで電車を待っている人々の会話から、どうやら辛島町電停から先の一部区間で運休になっているらしいことが分かってきた。

そこでスマホで検索をかけて調べると、辛島町電停から水道町電停までの間が現在も運休になっており、熊本市電A系統は中間が運休していて、その両側で折り返し運転をしている状態らしいことも分かった。

運休になった理由は今日の日中に走行中の列車で異音が発生したことから線路の点検・復旧のため一部区間運休にしているとのことである。

どうやらレールが破損していたために異音がしたということのようだが、ただでさえ、相次ぐ事故やインシデントで利用者の信用を失っているだろうに「またか」という感じだった。

明日は通常ダイヤで運行されるのかどうかも分からないが、とりあえず明日の朝に一応、集合場所に集まろうという話になった。

朝、集合場所の電停で

一夜明けて6月2日朝、集合場所は市立体育館前電停である。

先述の通り、朝から通常ダイヤで運行されるのかどうかも分からない状態だったが、目の前の電停にやって来る列車は「熊本駅前・田崎橋」「上熊本」などの表示を掲げて走っており、どうやら今日は運休区間はなく平常ダイヤで運行されているようだ。

今日はここから熊本駅前方向に向かって非協力乗車を行う。とはいえ、この状況で女性優先車両は実施しているのだろうか。

市立体育館前電停

電停の時刻表によれば、女性優先車両があるのは平日朝の2両編成の低床車で、7:39発の熊本駅前・田崎橋行きがそれに該当するようなので、とりあえずその電車を待つことにした。

市立体育館前→熊本駅前

電停でしばらく待っていると、その7:39発の列車がやってきた。

列車が電停に入ってくる際、後ろの車両に着脱式の女性優先車両表示が掲出されているのを確認した。

到着した列車

ドアが開いたので電停にいた他の乗客と共に私達も乗車。車内はすでに立ち客が結構いる状態だった。

今回は単純に熊本駅前方向に向けて一回乗るだけで、途中下車や折り返し乗車などはしないため一日乗車券は購入せず、各自ICカードで乗車。

私達が乗車した女性優先車両にはドアの所(つまり今、私達がいるすぐ近く)で扉の開け閉めなどの操作をしている乗務員がいたが、私達には全く声掛けはしてこなかった。

さらに車内にはすでに男性が1人乗車していて、座席に着席していた。

熊本市電は女性専用車両(現在は女性優先車両)を導入して以来、男性が乗車しても声をかけることはしていないようである。当会も過去何度か熊本市電で非協力乗車しているが、男性が乗車しているからということで乗務員に声をかけられたことはこれまで一度も無かった。

それ自体は良いのだが、熊本市電の女性優先車両がとんでもない理由・背景で導入されたことは当サイトでも過去に何度か触れているので、出来れば改めてよくご覧いただきたい。

表向きは「迷惑行為防止対策・いろいろな取り組みをしてきたが(痴漢などの)迷惑行為が減らないため導入に踏み切った」ということになっているが、決して痴漢被害が深刻なために取ったやむを得ない措置ではない。

熊本市議会の議事録にも「コロナウイルスで人(利用客)が減っているので、アイデアの一つとして」とあり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による減収対策として(つまりは客寄せと収益アップのために)女性専用(優先)車両を設置したことが分かる。

これは公営の公共交通機関がするべきことではない。

(参照)

2021年3月 当会からの質問状に対する熊本市交通局の回答および熊本市議会議事録について

2022年3月 熊本市電の女性優先車両の本格導入とその後の動向、当会とのやり取りについて

(熊本市議会の議事録より)

列車は市立体育館前電停を発車。乗務員だけでなく周りの女性客も私達には何も言ってこなかったが、次の電停に到着する直前になって会員の1人が市立体育館前電停で乗車した際にICカードをタッチし忘れたことに気づき、近くにいる乗務員に「前の電停から乗ったが、そのときにタッチし忘れてしまった」と申し出た。

すると乗務員は「今タッチして下さい。全然問題ありませんので」と丁寧に対応した。

熊本市電の運賃は乗車区間に関係なく一律200円である。だから必ず乗った電停でタッチしなければならないということはない。(余談だが、この乗車会の前日の6月1日から200円に値上げになった)

以前から何度も乗車しているが、熊本市電の乗務員は接客の丁寧な人が多いように思う。

それだけに、上層部の利益優先思考で女性優先車両を導入したことで現場の乗務員を含めて、一部の人々(当会も含め)から「熊本市電は女性車両を導入する差別的な事業者」となってしまうのは残念なことである。

もちろん、COVID-19感染症の大流行で人(乗客)が減ったからと「話題作り・客寄せ」のため女性専用(優先)車両の導入を推し進め、それを表向き「迷惑行為防止の取り組み」とサイトで発表した交通局がとんでもないことに変わりはないが…

一応、熊本市電の女性専用車両(現:優先車両)は、現場の運転士のアイデアだったということになっている。お偉方から「感染症の大流行で乗客が減っている状況を打開するアイデアはないか?」と現場に問いかけたところ、そういうアイデアが出てきたというのだ。

しかし、これがもし本当だったとしても上層部がこんな意見を採用して実際に実行に移した時点で、交通局自身が公平性を強く求められる「公営の公共交通事業者である」という自覚にあまりにも欠けていたと言え、利益優先思考になっていたと言わざるを得ない。

列車は新水前寺駅前電停で多数の乗客が乗車してかなりの混雑になった。恐らくJR豊肥本線からの乗り換え客だろう。男性客も何人か女性優先車両に乗車してきた。

しばらく混雑したまま進んでいくが、電停に停車する度に少しづつ人が降りて、水道町電停辺りまで来ると、女性優先車両は少し余裕が出てきた。

熊本市電では女性優先車両の運行時は車外の他、車内にも着脱式の女性優先車両の表示を出す。

先ほどまで車内が混雑していたため気づかなかったが、よく見ると車内の女性優先車表示に

●男性のお客様のご協力により運行しています

男性のお客様もご乗車いただけます

と明記されていることに気づいた。

「男性のお客様もご乗車いただけます」と明記

以前はこういう表示はなかったのではないか?

女性専用(優先)車両導入の経緯があまりにもひどいものだったことに加え、昨今の事故・インシデントの連発で強いお叱りを受けた結果なのだろうか。

今回、熊本市電が女性専用(優先)車両を実施している鉄道事業者の中では恐らく初めて「男性のお客様もご乗車いただけます」と案内を出したわけだが、本当は日本国内で「女性専用車両」とか「女性優先車両」と表示されている列車は全て「実は男性も乗れる」のである。

しかし、現時点で熊本市電以外の鉄道事業者では全くこのような案内はされていない。

そういう意味では熊本市電の表示は一歩前進と言えるのではないだろうか。

さらに熊本市内中心部を走行し、通町筋電停では家族連れと思われる男性も乗車してきた。そしてその次の熊本城・市役所前電停では多数の乗客が降りて車内の立ち客はまばらになった。

辛島町電停を過ぎ、ここからは(JRの)熊本駅前に向けて走って行く。

熊本は熊本城・市役所前電停や辛島町電停周辺が中心部でありJRの熊本駅はやや街外れにある。列車も市街中心部で多数の乗客を降ろしたため、今は女性優先車だけでなく、前の車両も車内に余裕がある。

いくつかの電停を過ぎて8:14頃、熊本駅前電停に到着。私達はここで下車し、今回の乗車会はここで終了とした。

車外の女性優先車両表示。『男性のお客様もご乗車いただけます』と明記

下車した後、車外に掲出されていた女性優先車両の表示を改めて撮影した。

こちらにも「男性のお客様もご乗車いただけます」と明記されていた。

熊本駅前電停でほとんどの乗客が降りてガラガラになった列車はしばらく停車したあと、終点の田崎橋電停に向けて発車していった。

熊本駅前電停で降りた電車を見送る

追記

後日、このページを編集している時に熊本市電の電車が動かなくなり牽引というニュースが入ってきた。

本当にトラブル続きで大丈夫なのかと思う。

こんな状況で(男性も乗れると明記したとは言え)女性優先車両などやっている場合だろうか。

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【関西】2025年5月 阪急神戸線で非協力乗車会

2025年5月26日の朝、阪急神戸線で非協力乗車会を行いました。

過去の活動報告にも記載していますが、阪急大阪梅田駅7:13発の高速神戸行き通勤特急には毎日乗車してくる「超賛成派」の女性客(女性客A)がおり、今回は関東から田中副代表が参加していて、田中副代表とその女性客Aとが相対することになりました。


阪急神戸線 大阪梅田→神戸三宮

阪急大阪梅田駅に7:00集合。大阪梅田駅から阪急三宮駅の間を1往復する。

まず乗車するのは7:13発通勤特急高速神戸行き。

この列車には毎日同じ時刻に乗ってくる「超賛成派」の女性客がいる(以下、女性客A)。

この女性客A、私達とは過去何度も遭遇しており、車内に男性の姿を見つけるたびに「キモい」「キチガイ」などと暴言を吐き、徹底的に降車させようとしてくる。そしてそれでも男性が降りないと分かると今度は駅員を連れてくる。

(参照)阪急神戸線の「女性客A」が登場する過去の乗車会報告

2025年2月 関西本部:阪急神戸線&神戸高速線で非協力乗車会(ページ後半で登場)

【関西】2024年9月 阪急神戸線で非協力乗車会

今回、関東から田中副代表が参加しているが、それ以外の関西のメンバーは女性客Aに顔を覚えられていると思われるため、7:13発の通勤特急の女性専用車両に副代表が乗車し、それ以外のメンバーは隣の車両に乗車して様子見することにした。

隣の車両から見ていたため、声などは聞こえてこないが、早速女性客Aが田中副代表に反応したようだ。

あとで副代表に話を聞くと、女性客Aが「変態の方ですか?」「つんぼ」「キチガイ」などと話しかけてきたらしい。

しばらくすると阪急の職員が車内にやってきた。

以下、職員と田中副代表のやり取り。

_____________________________

阪急職員A(以下、阪急):ごめんなさい、お客様。呼んで下さいとのことだったのでお呼び致しました。

田中副代表(以下、田中):あの方(女性客A)は私にすごい差別用語で「つんぼ」とか「キチガイ」とか言ったんですよ…

阪急:どの方ですか?

田中:この方(向かいの座席にいた女性客Aを指す)

阪急:まず、対応するんでしたら降りていただくことになるんですけども。

田中:じゃ、一緒に降りればいいんじゃないですか?いいですよ。降りましょう。

ここで阪急の職員が女性客Aにも降車を促すが、拒否。

田中:じゃ、降りないってことですね。

阪急:お客様は女性専用車両に男性が乗っているからということで言われただけだと…

田中:でも差別用語を言っちゃいけないよね?

阪急:降りていただいて対応になりますけども。

田中:じゃ、お願いします

阪急:こちらのお客さん(女性客A)降りないので。

田中:トラブルになったんだったら当事者を(両方降ろさないと、私だけ降りても意味ないじゃないですか?

阪急:このまま乗られるんでしたら、西宮北口で対応になりますがよろしいですか?

田中:はい。

そこで隣の車両から私達も女性専用車両に移動した。

車内ではまだ女性客Aと副代表、そして阪急職員の間でやりとりが行われている。

阪急職員B:電車を遅らすと他の乗客の方に迷惑がかかるんですよ。

田中:それはこの人(女性客A)に言って下さいよ。言う相手を間違えてますよ。

私はただ乗っていただけで誰かに暴言を吐いたわけではないですから。

この時、阪急職員Aは女性客Aに何か(少し離れていたので聞き取れなかった)を話していた。

後に判明するのだが、このとき職員が「つんぼ・キチガイなどと(田中副代表に)言ったかどうか」を確認したのに対し、女性客Aは「そんなことを言った覚えはない」と平然とウソをつき、シラを切っていたのである。(あとで対応した職員から聞いた)

やがて定刻より少し遅れて列車は大阪梅田駅を発車。

大阪梅田駅を発車してすぐ女性専用車両の自動案内放送。車内は座席が埋まる程度で混雑はしていない。

淀川を渡って次の停車駅である十三じゅうそう駅に到着した。

十三駅から多数の乗客が乗ってきて立ち客が出始めた。

車内の少し離れたところでは、まだ女性客Aと会員が添乗してきた駅員を挟んでやり合っているようだ。

そこへ十三駅から乗車した阪急の職員も加わり、列車がしばらく十三駅に止まったままになった。

一方、女性客Aとは別に私達の近くでそわそわしている、様子のおかしい小柄な女性客がいた(以下女性客B)。

結局7:19頃に十三駅を発車。発車後また女性専用車両の自動放送。

神崎川駅、園田駅を通過して塚口駅に停車。ここで車掌が肉声で「お客様対応を行ったため、列車が遅れましたことをお詫びします」とアナウンスした。

女性客B:ここは女性専用車両

会員A(筆者):知ってます!

会員B:「車両名」の紹介やめてもらっていいですか?トラブルの元になるので、声かけはしないで下さい。

女性客B:車内対応になってる…(この時点でもまだ車内の少し離れた場所で、女性客Aと田中副代表が駅員を交えてまだやり合っていたようだ)

すると近くにいた女性客Cが「こいつらは頭がおかしいんだからほっときなさい」などと女性客Bに言っていた。

「今、頭おかしい言うたな! 侮辱罪(刑法231条)やぞ!」と言ってやろうかと思ったが、向こうで女性客Aと副代表がやり合っている状況で女性客B・Cにまで構っていられないので仕方なく黙認することにした。

塚口駅からも駅員が乗車。

そのまま列車は塚口駅を出て武庫之荘駅を通過。

走行中に副代表からチャットで連絡があり、「西宮北口で駅員対応になったので西宮北口駅で降ります」とのこと。

西宮北口駅に到着し、筆者(会員A)と会員B・Cがホームに降りたが、車内で少し離れた場所にいた副代表と会員Dは乗車したままドアが閉まり、発車してしまった。

どうやら女性客Aが降車を拒否したらしい。

西宮北口駅の駅標
西宮北口で下車したが…

その後、田中副代表から「三宮まで行きます」とまたチャットで連絡が入り、こちらからは「後続の列車で三宮まで追いかけます」と返事した。

そして私達は副代表達を追いかけるべく、後続の西宮北口7:37発の通勤特急に乗車した。

私達が乗車しても特に声かけなどは無くそのまま西宮北口駅を発車。しばらく何事もなく走行していたが、途中の岡本駅に到着した時に少し離れたドアから副代表と会員Dと駅員達が一緒に乗車してくるのが見えた。

「三宮まで行く」と言っていたのになぜ岡本駅から乗ってきたんだろう?と思っていると、田中副代表からチャットで「降りる駅を間違えてしまいました」と連絡があった。

さらに「一緒に乗車してきた駅員さん達が女性客Aを呼び止めるよう、行き先の駅に連絡してくれています」とのこと。

しかし、添乗していた駅員の努力むなしく、三宮駅に連絡が行った時点で当該列車の到着直前になっていたものだから、三宮駅の駅員がホームに行ったときにはすでに当該列車のドアが開いており、女性客Aを見つけることは出来なかったとのこと。

ちなみに田中副代表と会員Dが岡本駅で降りてから後続の通勤特急(=つまり今、私達が乗っている列車)が来るまでの間、ホームで阪急の職員といろいろと話していたらしい。

その阪急の職員の話によると、職員が(大阪梅田駅停車中の)車内で女性客Aに対し「つんぼ・キチガイなどと(副代表に)言ったかどうか」を確認すると女性客Aは平然と「そんなことを言った覚えはない」と惚けたらしい。大ウソつきである。

ちなみにこの女性客A、過去の乗車会で筆者に対しても「キモっ!」と侮辱発言を行ったことがある。

生まれてから今まで「一度たりとも全くウソなどついたことはない」という人は恐らくほぼいないだろうが、しかしながらまともな人間ならウソをつくことに抵抗感や罪悪感を感じるものである。

この女性客Aのようにウソをつくことに何の抵抗もなく、まるで息をするかのように平然とウソをつくというのはやはり人間性という点でどうかと思う。というか、公衆の面前で人に「キチガイ」「つんぼ」などという言葉を平然と吐く時点ですでに論外だろう。

筆者は心理学などには詳しいわけではないが、こういう「平然と息をするように何の抵抗もなくウソ(特に自己保身のためのウソ)をつける人間」はサイコパスの傾向があると聞いたことがある。

こう言うと「女性専用車両に乗る男のほうが人間的に問題」という反論もあるだろうが、そもそも女性専用車両は『女性専用車両』という名前が付いているだけで実際は誰でも乗れる「ただの一般車両」である。

そういう意味では鉄道会社もウソをついていることになる。

そのまま列車は三宮に向けて走り続け、結局この列車内では特にトラブルは無く、神戸三宮駅で一旦全員下車してホームで合流した。

また添乗していた駅員には神戸三宮駅で別れる際、翌日以降に大阪梅田7:13発の通勤特急に件の女性客(女性客A)がいるから、女性客Aがこれ以上「何を言ってもやっても構わない」と思い上がらないようにするためにも駅員が出向いて「女性専用車両に男性が乗ることも正当」ということをしっかり説明して欲しい旨を伝えて別れた。

後日この駅員から田中副代表に連絡が入り、「上司と話した結果、特別に特定のお客様に女性専用車両の説明を行うことは公平性の観点からふさわしくないため行えない」との回答があった。

阪急の言う『公平』とはもはや何なのだろう。意味不明である。要は「男性も乗れる」ということを利用客に知らせたくないがために、理由をこじつけているということだろう。

その理屈なら、男性だけに個別に声をかけるのも「公平性の観点から問題」である。

あるいはその駅員に対して、上司から「男性が乗れるということは明かすな」と指示でもあったのだろうか。

つまり今回のようなことがあって、また電車が遅れることになっても構わないという姿勢である。

これではもう駅員は当てにならないため今後も乗り続けるしかない。ここで引き下がってしまったら女性客Aは「自分が勝った」とさらに思い上がることだろう。

そして私達が乗車した結果駅員がやってくるのであれば、その際に今度こそ私達の目の前で女性客Aに「女性専用車両に男性が乗ることも実は正当であること」を説明するよう、強く要求するまでである。

さて、話を現場に戻そう。

三宮駅で合流した私達は全員そのまま一旦、改札の外に出た。

今回は1日乗車券ではなく通常の切符やICカードでの乗車なので、改札を出ずに折り返すのはNGだからである。

阪急三宮駅で一旦改札の外に(改札外から改札内を撮影)

阪急神戸線 神戸三宮→大阪梅田

神戸三宮駅の改札内に戻って、8:06発の通勤特急大阪梅田行きで折り返すことにした。

しかし、ホームで待っていたが時間になっても電車が来ない。先ほどの女性客とのトラブルで折り返し列車の時刻にも影響が出ているのだろうか。

阪急神戸線が遅れると阪神や山陽電鉄の列車にも影響する可能性がある。高速神戸駅と新開地駅の1駅間だけだが、阪神・山陽電鉄の電車が阪急と同じ線路を共用するからだ。

以前、阪急神戸線の女性専用車両の設定は「大阪梅田~神戸三宮間の上下列車」だったが、2025年2月のダイヤ改正より、神戸三宮を超えて神戸高速線の新開地駅までが女性専用車両の運行区間となっている。

阪急三宮8:06発通勤特急に乗車する
神戸三宮駅の駅標

よく「法律上は乗れても男は乗らない方がいい。男が乗るからトラブルになる」などという者がいるが、「トラブルを回避するため」という理由で男性が乗らないようにすれば、これは「差別になるから法的に強制できないもの」を(法的な問題を回避しながら)事実上強制にしようとする鉄道事業者の思うつぼである。

そして女性専用車両でトラブルになって列車が遅れても、これは任意協力であることを知らせない鉄道事業者の問題である。

「男性も乗れるんだったら『女性専用』の意味が無い」という者もいるが、そもそも現日本国憲法下で本当の「女性専用」の車両は作れない。

作れるのは「女性専用車両という名前のついた、誰でも乗れる一般車両」である。

結局、定刻から約2分ほど遅れて列車が到着したので、私達も乗車。車内は僅かに立ち客がいる程度の乗車率。

途中、王子公園駅を通過したあたりで「通勤特急運行時、一番後ろの車両は女性専用車両です」と車掌の肉声放送が入った。

阪急御影駅付近を走行

さらに次の停車駅の岡本駅でもやはり肉声で同じような女性専用車両アナウンスが流れた。

そして、岡本駅の次に停まった夙川しゅくがわ駅では、ホームに駅員がおり、大声で「一番後ろの車両は女性専用車両になっておりま――――す!!」と連呼していた。

どうやらホームから男性が乗らないようにして、形骸化を阻止しているらしい。

夙川駅で多数乗車したため、車内はかなり混雑してきた。

私達は次の西宮北口駅で一旦下車した。

そして西宮北口駅から後続の8:31発の通勤特急梅田行きに乗り換えることにしたのだが、駅のホームで女性専用車両の案内が自動アナウンスで流されたあとに肉声放送でも女性専用車両の放送が流れた。

そして列車が到着し乗車すると、車内では日本語だけでなく英語でも女性専用車両の自動アナウンスが流れた。

阪急は個別の声掛けはあまりしてこなくなったが、その分駅や車内の放送を強化して男性を乗せないようにしているようだ。

列車はこのあと十三駅に停車し、大阪梅田駅には8:49頃到着。

乗車会はここで終了とした。

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2025年5月 関西本部:JR西日本線&大阪メトロ御堂筋線で非協力乗車会

2024年5月23日の夜にJR線と大阪メトロ御堂筋線で非協力乗車会を行いました。

今回はJR新大阪駅からJR京都線と大阪環状線で天王寺まで行き、大阪メトロ御堂筋線で新大阪まで戻りました。


今回のルート

今回はJR新大阪駅に18:30集合。以下のルートで乗車した。

  • 新大阪→大阪(JR京都線)
  • 大阪→天王寺(JR大阪環状線外回り)
  • 天王寺→新大阪(大阪メトロ御堂筋線)

JR京都線 新大阪~大阪

新大阪18:38発に乗車
JR新大阪駅の駅標

JR新大阪駅の2階(改札階)での発車標には「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は、足元の女性専用車マークの位置でお待ち下さい」というテロップが流れていた。

18:38発の新三田行き普通に乗車するため、1階に降りて大阪方面の7番ホームで並んで待っていると先に向かい側の京都方面の6番ホームに高槻行きの普通列車が入ってきた。高槻行きの女性専用車内に男性らしき乗客がいるのが確認できた。

ホームでは女性専用車の案内自動アナウンスが流れ、駅員も肉声でやはり女性専用車の案内アナウンスをしている。

しばらくして私達のいるホームに新三田行きが到着。私達のすぐ近くに駅員がいたが、特に何も言ってこなかった。車内は金曜日の帰宅ラッシュ時と言うことで結構混雑していたが、押し合いへし合いするほどではない。

私達が乗車した時にドア横の手すりの所で立っていた1人の女性客が小声で「女性専用…」と言って来たが、こちら側が無視しているとそれ以上は言ってこなくなった。

新大阪駅を発車し、淀川を渡り1駅で18:43頃に大阪駅に到着。

大阪駅で下車。夕ラッシュ時で人が多い

JR大阪環状線(外回り) 大阪~天王寺

大阪駅で大阪環状線のホームに移動。

18:48発の大阪環状線外回り列車(大阪から京橋・鶴橋方面)に乗り換え。

大阪駅から大阪環状線に乗り換え

車内は立ち客がちらほらいる程度。男性と思しき乗客の姿も何人か見える。

大阪駅発車直後、車掌が肉声で「この列車の前から〇両目は終日女性専用車になっております」とアナウンス。

天満・桜ノ宮と過ぎ、京橋駅に到着。ここでさらに任意周知をするため一旦下車し、後続列車に乗り換えた。

京橋駅のホームでしばらく待って、19:00発天王寺行きに乗車。

やってきたのは関西万博キャラクター「ミャクミャク」ラッピング車両である。

車内は座席が埋まっている程度。特に声かけは無し。

しばらく走って、鶴橋駅あたりで空席が出始めた。両隣の車両は立ち客の姿が見える。

鶴橋駅から桃谷駅、寺田町駅を過ぎて、終点の天王寺駅には19:17頃到着。放送によると列車は少し定刻より遅れての到着らしい。

JR西日本の駅ではよくあることだが、天王寺駅も女性専用車がぴったり階段の位置に停まる。

天王寺に到着。階段の位置に女性専用車

これは大阪環状線ホームだけでなく、大和路線ホームでも同じである。

過去何度も書いているが、JR西日本は意図的にできるだけ女性専用車を階段などに近い位置に来るようにしている。

改札を出て、そのまま大阪メトロ御堂筋線の天王寺駅に向かった。

天王寺で大阪メトロに乗り換え

大阪メトロ御堂筋線 天王寺→新大阪

御堂筋線天王寺駅改札
御堂筋線天王寺駅ホーム

JR天王寺駅の改札を出てから階段で地下に降り、御堂筋線の天王寺駅へ。

そして御堂筋線の天王寺駅ホームでしばらく待って、やってきた19:27発の箕面萱野行きに乗車。車内は空席もある。

動物園前駅、大国町駅と過ぎ、なんば駅からは多数の乗客が乗ってきた。

私達以外に外国人2人含む男性3人と、そのほかにも1組の男女が乗車。

車内にはこれ以外にも男性が乗車したようだ。

次の心斎橋駅ではホームに駅員がおり、会員の1人が声掛けがないか確認のため一旦ホームに降りて再び乗車したが、駅員は特に何も言ってこず。

心斎橋を出て次の本町駅でさらに乗客が乗ってきて、やや混雑してきた。

本町駅から乗車してきた乗客の中にも男性がいた。

淀屋橋駅を過ぎて、大阪キタの中心地である梅田駅で多くの乗客が下車したが、入れ替わりに同じくらい乗車してきた。ちなみに梅田駅はJR大阪駅と名前は違うが、ほぼ同じ場所にある。

梅田駅の次の中津駅を過ぎるとその先で地上に上がり、夜の大阪の街中を高架で走って行く。

中津駅の先から地上を走る

並行する道路の車と併走しながら淀川を渡り、西中島南方にしなかじまみなみかた駅に到着。地下鉄の駅だが地上の高架駅である。

西中島南方駅を出て少し走ると新大阪駅に19:50頃到着。

私達はここで下車し、解散した。

御堂筋線、新大阪駅で下車

今回の乗車会はJR・大阪メトロとも女性専用車に結構な数の男性が乗っており、また最初のJR新大阪駅で女性客が少し声掛けしてきたのみで大きなトラブルもなく、平和に終わった。

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2025年4月 関西本部:JRゆめ咲線等で非協力乗車会

2025年4月13日の朝に新大阪駅から快速エキスポライナーでJRゆめ咲線終点の桜島駅まで乗車会を行い、その後大阪駅まで折り返し乗車しました。

開始早々、新大阪駅停車中に駅員が車内に乗り込んできて声掛けしてきたり、他にもいろいろありました。


大阪・関西万博初日のエキスポライナーで非協力乗車

2025年4月13日。今日は大阪・関西万博の開催初日である。

現在、新大阪駅からJRゆめ咲線(桜島線)の終点、桜島駅の間で『臨時快速エキスポライナー』が日中、1時間に1本程度の頻度で走っている。

土休日の時刻

この列車は新幹線で遠方からやってきた万博客を(JRとしては)会場の最寄り駅である桜島駅まで運ぶためのものだ。

普段、大阪環状線とゆめ咲線以外で走ることのない323系電車が新大阪駅や大阪駅うめきたホーム(地下ホーム)に顔を出したり、普段走ることのない梅田貨物線を走ったり、さらに普段は各駅停車しか走らないゆめ咲線で安治川口駅を通過するなど、鉄道ファン的には見どころ満載の列車だが、もちろん私達の目的はそちらではない。

万博輸送目的のこの列車にもしっかりと女性専用車の設定があるのだ。

大体、万博に来る客と言えば家族連れや恋人・友人同士など、痴漢するような人間とはおよそ関係のなさそうな客層だと思われるが(家族連れや恋人連れの男性が普通、痴漢等の迷惑行為をするとは考えにくい)。

もちろん当会としてもこれは女性専用車が「やむを得ない緊急の痴漢対策」ではなく「あって当たり前」になってしまっていることの表れであると見て、今回エキスポライナーを対象とした乗車会を行うことにしたものである。

今回は以下の順で乗車した。

  • 新大阪→桜島 エキスポライナー(JRおおさか東線→JRゆめ咲線)
  • 桜島→大阪 普通(JRゆめ咲線→大阪環状線外回り)

新大阪駅で

今回は9:25に新大阪駅集合。

9:41発の快速エキスポライナー桜島行きに乗車する予定である。

集合場所に会員A(筆者)、会員B、会員Cが集まり挨拶を交わした。

9:41発エキスポライナーに乗車

駅の案内によると9:41発のエキスポライナーは新大阪駅2番ホームからの発車らしい。

そこで早速2番ホームに移動した。

発車まで少し時間があるため、まだホームに列車は入っていない。

とりあえずホームの女性専用車位置に並ぶことにした。

ホームには駅員と警備員がいた。

駅員は普段からよくホームにいるが、警備員は万博のために配備されているのだろう。

私達が女性専用車位置に並んでも駅員も警備員も特に何も言ってこなかった。

9:35頃に折り返しエキスポライナーになる列車が大阪駅寄りからホームに入ってきた。

車両には万博キャラクターの「ミャクミャク」の全面ラッピングがなされている。そのせいかは分からないが、入線してきた列車にカメラを向け撮影する人がちらほらいた。

新大阪駅に入ってきたエキスポライナー
「期間限定」エキスポライナーの側面表示

そしてここでホームに「女性専用車のステッカーがある車両は終日女性専用車となります」という肉声での案内放送が流れた。

もちろん私達はそのような放送には構わず、到着した列車にそのまま乗車。

新大阪駅に停車中の車内で…

ホームにいた乗客が乗ると、車内は少し空席もあるくらいの乗車率で立ち客はいなかった。

万博初日だが、やはり会場には大阪メトロで向かう人が多いのだろうか。

私達は車内の座席に着席して発車を待つことにしたが、しばらくすると外国人の男性が女性専用車の表示に気づき移動しようとしていた。

どうやら女友達数人と一緒に乗車したものの、自分が男性だから移動しなければならないと思ったようだ。

そこで私達から英語で「You can ride」「All men can get on this car」などと言ったが、結局この男性客だけ隣の車両に移動して行った。

任意協力なのに「女性専用」「women only」などと表示を出すから(本当は強制したらNGなものを)強制的なものと思い込まされてこの男性客のように自分から避けるよう仕向けられてしまう。

鉄道事業者からすれば「男性が自分の意思でご協力くださったので問題ない」というところだろうが、男性客からすれば単に「自分は乗車禁止」だと騙されてのことだろう。

これはJR西日本に限ったことではないが、鉄道事業者のアンフェアなやり方である。

その後、車内を清掃員が通り抜けたが何も言って来ず。

それは良いのだがこの後、今度はホームにいた駅員が車内に乗り込んできて私達の目の前まで来て「こちらは女性専用車です」などと言ってきた。

会員A:知ってます!

会員B:JR西日本さんは声掛けしない方針になったと聞いていたのですが、変わったんですか?

駅員:いや、あのですね…、お客様が迷惑かからないかを心配してお声掛けさせていただきましたのでね。

会員B:声掛けが迷惑だし失礼なんですよ!

車内に乗り込んできた駅員に抗議

以前(何年も前)はJR西日本も男性が女性専用車にいると高い確率で声掛けしてきていたし、時にはかなりしつこいこともあってトラブルになったりしたこともあったのだが、ここ数年は駅員や乗務員が声をかけてくることはJR西日本に関してはほぼ無くなっていた。

JR西日本でもまた声かけが復活してきたのだろうか?とも思ったが、よく考えてみるとこの列車は遠方から新幹線で来た万博客を会場近くまで運ぶためのものである。

つまりは乗客の多くが「女性専用車の存在を意識していない」または「日中や休日は女性専用車解除だと思っている可能性が高い」と思って声掛けしてきたのではないだろうか?

※女性専用車を土曜や休日まで毎日終日やっているのは関西だけである。

痴漢対策と言いつつ、混雑のない日中や土休日まで終日運行している方が異常なのだが…

近年では痴漢対策になっていないと分かってきたのか痴漢対策という文言は使わず、「迷惑行為防止の観点から」と言い換えられているが、これも男性を排除しようとするための言い訳にしかなっていない。

女性専用車両・女性専用席 | 鉄道 :JRおでかけネット

この声掛けに関してはこの駅員の個人的判断(勝手判断)のような気もするが、もし上からの指示であればこれは問題だ。

いや、上からの指示でなくても任意協力だと知らせずに声掛けして移動させようとするのはまずいだろう。実質、騙して移動させようとしているようなものだから。

駅員が去った後、私達の隣に恐らくは恋人同士だろうか、若い男女が着席してきた。

しばらくして男性の方が女性専用車の表示に気づいたらしく移動しようとしたので「乗っても大丈夫ですよ」と言ったのだが、

男性客:エキスポライナーに関しては大丈夫と言うことですか?

会員B:そうじゃなくて、女性専用車とあっても任意協力なんです。差別になるので法的にも強制は出来ませんから…

すると何を思ったのかこの男性客は「ご解説ありがとうございました!」などと言って、一緒にいた女性を連れ、隣の車両に移動してしまった。

先の外国人男性といいこの男性客といい、ものの見事に『女性専用車』という虚偽表示に騙されている。そして車内に乗り込んできてまで声をかけてきた駅員…

これは今後、何度もエキスポライナーで乗車会をする必要がありそうだ。

新大阪→桜島(おおさか東線&ゆめ咲線)

停車中にいろいろあったが列車は定刻通り9:41に新大阪駅を発車。

しばらくして淀川を渡る。そして淀川を渡った先で大阪駅(既存の高架ホーム)に向かうJR京都線と別れ、こちらは同じ大阪駅でも地下にある「うめきたホーム」に向かう線路に入る。

関東で例えるなら東京駅の総武線ホームのようなものだ。

しばらく地上を走った後で地下に潜り、大阪駅のうめきたホームに到着した。

ここは列車の扉の位置に合わせてホームドア自身が移動するという、最新式(?)のホームドアが設置されていることでも知られている。

そして私達の乗ったエキスポライナーはそのホームドアのあるホームに到着。

ここから会員Dが乗車。私達と合流した。

そして女性客に交じって男性客が2人ほど乗車してきた。

合流して早速会員Dが「新大阪で何も問題なかったですか?」と尋ねてきたので「いや、問題大ありでしたよ」と答え、新大阪駅での一部始終を話した。

エキスポライナーはここ大阪駅(うめきたホーム)でもしばらく停車した。

車内は少し乗客が増え、若干立ち客も出てくるぐらいの乗車率になった。

会員Dによると、大阪駅うめきたホームではエキスポライナーの女性専用車案内表示や駅構内での女性専用車の案内放送はなかったとのこと。

大阪駅うめきたホームでの案内表示(女性専用車位置だが、女性専用車の表示がない)

大阪駅うめきたホームでは普段、おおさか東線の久宝寺方面行き以外には女性専用車のある列車がないので、恐らくはホームの案内表示装置や放送などが対応していなかったのかも知れない。

とはいえ、任意協力なのに女性専用を名乗る「ウソの女性専用車案内表示・放送」はしなくて正解である。

大阪駅うめきたホームを出てしばらく地下を走ると、勾配を上り再び地上に出た。

今走っているのは梅田貨物線だ。貨物列車の他、定期列車だと特急くろしおや関空特急はるかなどがここを通る。

地上からさらに勾配を上って高架線に上がり、ここからは大阪環状線と梅田貨物線がぴったりと並行して走る。

やがて大阪環状線の野田駅を通過(正確には野田駅の脇を貨物線で通り抜けただけ)。

車内では特に私達のことを気にしているような人はおらず静かだった。列車の走行音以外はほとんど聞こえてこない状態である。外はどんより曇っているが今のところ雨は降っていない。

そしてしばらくすると今度は西九条駅を通過(正確には西九条駅の…以下略。)

大阪環状線(梅田貨物線)を走行中の車内
西九条駅を通過

西九条駅を通過した後もしばらく貨物線を走り、その先でゆめ咲線に合流する。

しばらくゆめ咲線を走り、安治川口駅の手前で「まもなくユニバーサルシティでございます」との案内が入りその直後、安治川口駅を通過。

野田駅、西九条駅と違ってこちらは本当に通過である。ただ放送のタイミングと駅の通過速度がそれほど速くないことから、一瞬ユニバーサルシティ駅に着いたのかと錯覚しそうになる。

安治川口駅通過後、少し走って次の停車駅ユニバーサルシティ駅に到着、ここで乗っていた乗客の半分くらいが降りた。

この列車はエキスポライナーと名前が付いているが、実際にはユニバーサルスタジオジャパン(USJ)へのアクセス列車としての需要もかなりありそうだ。エキスポライナーは万博期間中(2025年10月まで)のみの運転だが、万博終了後もUSJへのアクセスのために運行しても良いかも知れない(ただし女性専用車を設定するのは論外)。

ユニバーサルシティ駅でしばらく停車した後、列車は終点の桜島駅に向けて発車した。

ここから桜島駅まではもうあと1Kmもない。

ほどなくして列車は終点の桜島駅に到着、私達も含め乗車していた乗客が全員下車した。下車した際に乗客の中に1人男性客がいるのを確認した。

万博初日の桜島駅で

ホームには警備員が何人も配備されていた。

また通常の改札口とは別に万博用の臨時改札口も設けられており、乗客の多くはそちらに向かうようだ。私達もここで切符を買い直す必要がある(今回は大回り乗車やフリー切符などでの乗車ではない)ので、万博用改札口から外に出ることにした。

桜島駅に到着。万博に向かう人が一斉に降りた
桜島駅に設けられた臨時万博改札口

万博に行く客はここからバスに乗り換えて夢洲(万博会場)に向かうようだ。

人は多かったが、激混みという状況でもない。

これは推測だが、やはり新大阪からでもJRのエキスポライナーに乗る乗客より、大阪メトロ御堂筋線に乗って本町駅から同じく大阪メトロの中央線に乗り換えて万博会場に行く人の方が多いのではないか?

新幹線で新大阪まで来てそこから大阪メトロ御堂筋線、中央線を使った場合、新大阪駅と本町駅で2回乗り換えが発生するが、大阪メトロ中央線ならバスに乗り換える必要がなく、直接万博会場まで電車で行けるからそっちの方が都合が良いかも知れない。

切符を買い直し、私達は再び桜島駅の改札内に入った。

桜島→大阪(ゆめ咲線&大阪環状線外回り)

桜島駅からは10:18発の京橋行きに乗車する。

ホームでしばらく待っていると、その京橋行きになる列車がホームに到着した。

桜島駅は行き止まりの終点だからここまで乗ってきた乗客が全員降り、列車は折り返して京橋行きになる。

そして過去に何度か触れているが、ここ桜島駅もJR西日本の他の多くの駅同様、ちょうど階段の位置に女性専用車が停まる。(現在設置されている万博臨時改札からは離れているが…)

桜島駅の階段と女性専用車

とりあえず乗車したが、まだ発車までしばらく時間がある。

車内は今のところ私達だけだ。しばらくしてホームを車掌と思われる職員が歩いて通りかかった。

こちらを少し見たが、気づかないふり(?)をしてそのまま通り過ぎていった。

その後、発車時刻までに女性客が数人ほど乗ってきたが、結局車内は完全にガラガラの状態のまま桜島駅を発車。

本当にガラガラの車内(桜島~ユニバーサルシティ間)

すぐに次のユニバーサルシティ駅に到着した。ここで乗ってくるかと思ったが、さすがにまだ午前10時過ぎである。今からUSJを後にして帰るような乗客はほとんどおらず、ユニバーサルシティー駅からも数人程度乗ってきただけ。

ユニバーサルシティー駅で数分ほど停車している間に反対側のホームに桜島行きが入ってきた。

こちらから男性は乗車していないか見てみたが、桜島行きの女性専用車内に男性と思しき乗客はどうやら乗っていないようだ。

ユニバーサルシティー駅を出て少し走ると、先ほどエキスポライナーが通過した安治川口駅。

ホームにそこそこ人はいるが、こちらには乗車して来ず。安治川口駅は上下共用の島式ホーム一面なので、ホームにいた乗客は桜島方面の列車を待っていたのかも知れない。

安治川口駅を出て西九条駅までの間はこれまでより少し駅間距離が長い。

やはりガラガラのまましばらく走って、大阪環状線に合流する西九条駅に到着。

西九条駅もこちら側のホームはそれほど人がおらず、女性専用車にも女性客が数人ほど乗ってきただけ。一方で反対側のホームは人でいっぱいだった。

恐らくこれからUSJか万博に向かう人々だろう。

ここで、会員の1人がスマホアプリで今私達が乗車している列車の混雑率を画面に表示して見せてくれた。

画面では女性専用車の両隣が「ほぼ空席なし」「ゆったり立てる(つまり空席なし)」になっており、やはり女性専用車と両隣の車両で乗車率が異なるのが分かる。

私達が今乗っている女性専用車は「空席あり」の表示になっており、見ようによってはそこそこ座席が埋まっているような印象を受ける表現だが、実際は私達以外に女性客が10人ほどいるだけで、西九条駅の時点でもまだかなりガラガラだった。

列車は大阪環状線外回りに入り、先ほどエキスポライナーで通過した(脇をすり抜けた)野田駅と福島駅に停車。この両駅でも乗車してくる乗客はさほど多くなかった。

福島駅では階段を登ってホームに上がってきた家族連れの男性客が『女性専用車』の表示を見て隣の車両までホームを走って乗車したのを見た。

先の桜島駅もそうだが、関西圏のJR西日本線は階段やエスカレーター・エレベーターのちょうど前に女性専用車が停車する駅が多い。そして、これはいつも言っているがJR西日本はわざとそうしているふしがある。

乗客がホームを走るのは安全上あまりよろしくないが、女性専用車を階段やエレべーター・エスカレーターの目の前に停まるようにしていると、こういうことが起きがちになる。

そこまでして女性専用車を一番便利な位置に持ってくるのはいかがなものか。

福島駅を出ると左からJR神戸線(東海道本線)が合流してきて、10:35に大阪駅の地上(高架)ホームに到着。

私達はここで全員下車し、乗車会もここで終了とした。

大阪駅に到着。ここで解散した
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2025年3月 関東本部:京王線で任意確認乗車会

2025年3月26日の夜、京王線で任意確認(非協力)乗車会を実施いたしました。

京王新宿~調布間で2回行いました。

また、この乗車会の2日後に「女性専用車両は女性を守るためのものであり、優遇ではない」「差別だとの主張は女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」という主旨の、非常に賛成派寄りのニュース記事がインターネット上で配信されたので、それについても当記事中で触れ、考察(反論)することにいたしました。


今回の乗車会

過去の乗車会でも女性客からの声掛けや女性客から会員が足を蹴られるなど、関東の路線の中では乗車会の際の事件が多い京王線。

JR山手線を挟んで反対側のTX(つくばエクスプレス)など、私達が乗車しても声かけなどは非常に少ない路線とは対照的である。

今回はそんな京王線に以下の順に乗車を行った。

  1. 新宿20:09発 特急橋本行き
  2. 笹塚20:26発 特急八王子行き
  3. 千歳烏山20:43発 特急橋本行き
  4. 新宿21:45発 急行八王子行き

新宿→笹塚(特急橋本行き)

今回は新宿駅の京王西口の券売機前に20時集合。

京王新宿駅改札
京王新宿駅の駅標


改札を抜け、ホームに向かう階段を降りるとまもなく乗車予定の20:09発、特急橋本行きが入線してきた。

折り返しのため、発車までしばらく時間がある。

私達はこの列車に早々に乗車したわけだが、声かけなし。

京王新宿駅ホームの立て看板
20:09発橋本行き特急に乗車


3分程待って列車は定刻通り20:09に発車。
車内はそこそこ混雑しているもののまだ余裕がある。

京王新宿駅を出ると長い地下トンネル内を走り、ようやく地上に出たかと思うとすぐに笹塚駅に到着。
ひと駅間だが特に何事もなく、ここで下車。

後続列車に乗り換えて少しでも多く任意周知をするためである。

笹塚→千歳烏山(特急八王子行き)

笹塚駅で10分程待って後続の20:26発、京王八王子行き特急に乗り換え。

笹塚駅の駅標
笹塚駅でしばらく待つ

定刻通り到着した特急列車の乗務員室付近の4番ドアから乗車。京王の女性専用車両は下り(橋本・八王子方面)の場合、最後尾の車両であり、ワンマン運転ではないので車掌がいる。
私達が車掌の目の前で乗車したせいか、この特急列車では先ほどの橋本行きの特急と違って女性専用車の案内がしつこかった。
この列車の車掌は女性専用車賛成派なのだろう。

笹塚駅停車中に肉声で2回女性専用車のご協力のお願いの放送をし、さらに笹塚駅~明大前駅間走行中も車内自動放送(プログラムによる既定の自動放送か車掌のタブレット操作かは不明)で女性専用車のご協力のお願いの放送をした。

笹塚駅を出てしばらく夜の街を走って代田橋駅を通過し、明大前駅に到着。

ここでは降りずに乗車し続ける予定だ。明大前駅停車中にも車掌は肉声放送で女性専用車のお願いをし、明大前駅~千歳烏山駅間走行中も車掌のタブレット操作か車内自動放送で女性専用車のお願いの放送が流れた。

列車は下高井戸駅、桜上水駅、上北沢駅と通過しながら夜の住宅密集地を駆け抜け、千歳烏山駅に到着。

私達はここでも後続列車に乗り換えるため下車した。

千歳烏山駅に到着

しつこい女性専用車アナウンスと女性専用車の任意性について

ここまで述べてきたように、京王新宿駅では乗客からも駅員からも直接の声かけは無かったが、私達が笹塚駅から女性専用車に乗車すると車掌が(任意協力であるにも関わらず)まるで男性は乗れないかのように、私達が千歳烏山駅で降りるまでしつこく女性専用車アナウンスを流してきた。

いつも言っていることだが「女性専用車」という名称であっても実際は何の法的根拠もなく、また本当に女性専用(男性乗車禁止)にすると「差別」に当たってしまい、法的にもまずいので名前だけ女性専用にして実際は任意協力にしているのである。

もちろん私達は鉄道事業者が隠している「任意協力であること」を周知するために乗車しているのだから、いくらしつこくアナウンスしようと当然降りるわけはない。しかしこの車掌は女性専用車両(という名前の一般車両)に男性がいる場合、こうすれば降ろせると思っているのだろう。

そしてそれでも私達が降りないから降りるまで徹底的にしつこく案内しているのだろうが、こういうことをしても私達には無駄だ。

こういうと「痴漢対策のために女性専用車を設けているのにそれに従わない男共が悪い。『女性専用』なのだから!」と言い出す情報弱者が必ず現れるのだが、任意協力でしかないばかりでなくそもそも「痴漢対策」という理由自体も極めて怪しい。(何故怪しいのか、詳しくは後述する)

しかも女性専用車両を導入しても痴漢は減らないことが多い。

京王線でも2005年春にそれまで京王新宿発23時頃以降の下りのみだった女性専用車両を朝の上りにも新設した上、下りも夕方(18時頃)から終電までの設定に拡大したが、拡大してから痴漢が逆に増えてしまった(拡大導入前2004年121件→拡大後2005年146件 情報元:2006年8月8日朝日新聞

一方、2009年にJR埼京線で導入された車内防犯カメラは(他の記事でも言及したが)痴漢の認知件数を半分以下にまで減少させるという素晴らしい効果を発揮した。しかも女性専用車のような差別の問題も生じない。

「女性専用車は痴漢対策だから差別じゃない」と詭弁を弄する者もいるが、そういう人には「なぜ女性専用車が『女性専用』と言いつつ任意協力になっているのか」をよく考えていただきたい。

「痴漢対策だから差別じゃない」が通用するのなら、女性専用車を「専用と言いつつ任意協力」にする必要など無い。

京王線でも車内防犯カメラの設置は進んでいる。しかし防犯カメラがJR埼京線に導入された当時、他の多くの鉄道事業者は当初(JR埼京線の痴漢6割減の実績があるにも関わらず)「防犯カメラの設置は費用が莫大だから出来ない」などと言ってなかなかやろうとしなかった。これはつい先日の活動報告でも触れたとおりだ。

(そしてその後、地方の赤字ローカル私鉄が車内防犯カメラを導入し始めたため、「費用の問題で出来ない」がウソだとばれてしまったのも先日の活動報告の記事で述べたとおり)

また、これも先日の記事でも触れたのだが「痴漢がいるのだから女性専用車はやむを得ない」「女性専用車に反対するなら他に有効な痴漢対策を出してからにしてください」と言っていた女性専用車賛成派が、(有効な痴漢対策である)JR埼京線の防犯カメラのことを知った途端「カメラごときに何ができる」などと一斉に防犯カメラ叩きを始めた。

本当に効果的な痴漢対策を望んでいるならJR埼京線で実績を出した車内防犯カメラに飛びつきそうなものだが、そうではなく「女性専用車両が防犯カメラに取って代わられては大変」とばかりにカメラ叩きを始めたのである。

つまり、女性専用車両賛成派が実は効果的な痴漢対策など望んでおらず、女性専用車両を正当化し維持するために痴漢やその被害者の存在を口実にしているだけだったということが露呈してしまったのだ。

現在では多くの鉄道事業者が車内防犯カメラの設置を推進しているが、鉄道会社が防犯カメラを設置してもその代わりに女性専用車両を廃止しないと分かって女性専用車両賛成派も安心したのか、カメラ叩きはしなくなった。

しかし、これだけ見ても女性専用車両賛成派の中に「女性専用車両がほしいだけ」の者がたくさんいることがよく分かる。

「女性専用車両は痴漢対策だから差別ではない」という世論誘導

そんな中、つい先日も「女性専用車両=痴漢対策」を絶対に疑いのない当然の前提として「女性専用車両は女性を守るためのものであり、優遇ではない」「差別だとの主張は女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」という主旨のニュース記事が掲載された。

https://news.yahoo.co.jp/articles/053ed239719d220f82d525d17b1f749f41275df9

【魚拓】

要は「女性専用車両=痴漢対策」を拠り所にして女性専用車両反対の声を駆逐しようとしているわけだが、女性専用車両問題についての知識を持っていない人だと「まさにその通りだ。女性専用車両を差別だとか優遇だとか言う人は何も分かってない!」と思ってしまうことだろう。

しかし女性専用車両賛成派が

「女性専用車両は女性を守るためのものであり、優遇ではない」

「差別だとの主張は女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」

などと言っていたとしてもそれが信用に値するかどうか、先に述べた「痴漢対策として効果的な防犯カメラ」が出現したときに「カメラ叩き」をした賛成派の反応などからよく考えてみてほしい。そしてその上でもう一度上記リンクのニュース記事を読んでみてほしい。

痴漢対策と言っておけば実態が優遇であっても「優遇ではない」と正当化できるのだ。

少なくとも「くさいオヤジが居なくて快適」とか「空いててラク」等と言っている女性客は明らかに女性専用車両を(痴漢対策ではなく)優遇と捉えていることだろう。

あと、もう一つ言っておくと「女性専用車両の成り立ち」は痴漢対策のためではない。

上記ニュース記事では全く触れられていないが「痴漢対策を表向きの理由として、一部の政党・政治家が選挙対策や実績作りのために推進したから」である。

そして当時の国土交通省が動いたのも「痴漢被害が深刻だから」ではなく、ある政党が女性専用車両導入を呼びかける署名を集め国土交通省に提出したからである。

(なお「御堂筋線事件がきっかけで女性専用車両ができた」というのは【デマ】

※議員の方のポストについては、公人のため氏名や画像を隠す処理を行っていません

また、女性専用車両には女性向け広告媒体として、商業目的の手段となっている側面もある。

その辺の事情を無視して「(差別だとの主張は)女性専用車両の成り立ちや目的を無視したものであり、批判は的外れだ」と言うのはそれこそ「的外れ」だろう。

あと、当会は弱者男性の団体ではない。いろいろな立場の人がいるし、既婚者も普通にいれば女性の会員もいる。また女性専用車両に「感情的に反発している」のでもなければ、女性を敵視しているのでもない。

あくまで女性専用車両やそれを運行する鉄道事業者に対し、意見を述べ活動しているだけである。

当会の活動対象は「鉄道事業者」と「女性専用車両を推進している者」であり、「女性」ではない。

任意確認(非協力)乗車会も鉄道事業者が「任意協力であること」を隠して女性専用車両を運行しているから行っているのである。

つまり、鉄道事業者が男性を(しつこい声掛けなどで)排除しにかかって来ても、私達が断固として応じない(=降車しない)ことで、乗り合わせた乗客達に「男性も乗れること」を周囲にアピールするとともに「排除にかかっても無駄」だということを認識してもらうために行っているのであって、女性客に抗議することが目的ではない。

よって乗り合わせた女性客には何の用もないし、女性客から私達に文句を言ってこない限りはこちらから女性客と「論争」するようなこともしない。

これは言っておかないと、このニュースを真に受けて「女性専用車両反対派は自分たちの恵まれない立場から感情的になって吠えている哀れな弱者男性どもの集まりだ」などと本気で思い込んでしまう人も出てくるかも知れない。だから今ここで言っているのだ。

そして弱者男性というと、そこから所謂「インセル」を連想する人もいるだろう。

インセルとはご存じの方も多いかと思うが、自分が女性に相手にされないのを「自分(男)を見る目がない女どもが悪い」などと逆恨みし、場合によっては殺人事件なども起こしてしまう男性のことである。

もちろん当会はインセルなどとは一切無関係である。

当会が「会の活動趣旨を理解し賛同して下さる方であれば、性別にかかわらず入会可能(女性も入会可能)」としていることからもそれはお分かり頂けるだろう。

当会が「女嫌い・女性憎悪の会」なら女性の入会を可能にするわけがない。

もちろん今このページをご覧の皆様のような「メディアリテラシーのある人」ならばここまで言わなくても分かると思うが、世の中そういう人ばかりとは限らないので、敢えてここで言わせていただいた。

千歳烏山→調布(特急橋本行き)

さて、防犯カメラやネットニュースの話が長くなったが、乗車会の報告に戻ろう。

千歳烏山駅でも10分程待って後続の20:43発、特急橋本行きに乗車。

千歳烏山20:43発に乗車


この列車の車掌は私達が乗車するのを見るとすぐ(千歳烏山駅停車中に)肉声で女性専用車のご協力のお願いをした。

ただ、この列車ではさっきの列車の車掌と違って千歳烏山~調布駅間走行中には肉声でも自動でも女性専用車の案内はなかった。

列車は再び夜の街中を走りながら仙川駅、つつじヶ丘駅、柴崎駅を通過し国領駅の手前から地下に潜る。

調布駅到着直前に「女性専用車が調布で終了する」旨の自動放送が流れたが、結局この列車では千歳烏山駅での肉声放送とこの自動放送のみ。

特に声かけなどは無く、列車は定刻通りに調布駅に到着した。

調布駅

もう一度任意確認乗車をするため、調布駅から上り列車(女性専用車無し)で京王新宿駅に戻った。

京王新宿→調布(2回目)

京王新宿駅まで戻って21:45発の急行京王八王子行きに乗車。

京王新宿駅停車中の急行京王八王子行き
京王新宿駅21:45発

女性専用車も隣の車両のどちらも非常に混雑していたが、混雑率に若干の差があり女性専用車の方はやや余裕があったように思う(誤差の範疇かもしれないが)。

京王新宿駅を時刻通り発車したが、時間も遅くなってきていることから1回目のような「途中駅で降りて後続列車に乗り換える作戦」はとらず、そのまま女性専用車の設定が解除となる調布駅まで乗車した。

今回は調布駅まで特に声かけは無く、女性専用車が解除になったためか調布駅から乗車する男性の姿もちらほら見られた。

昔に比べると、鉄道事業者の女性専用車への熱量も少しは下がったのだろうか。

やはり完全に廃止となるまで、こういった主張は続けていかねばならないと感じた。

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2025年3月 関東本部:JR中央線(快速)で任意確認乗車会

2025年3月21日、JR中央線(快速)にグリーン車が導入された翌週末、立川~東京駅間で任意確認乗車(非協力乗車)を行いました。


JR立川駅からスタート

今回は午前8:00にJR立川駅の女性専用車位置に集合。

今回は以下の順で乗車した。

立川駅 8:04発
国分寺駅 8:19発
三鷹駅 8:33発
中野駅 8:51発
新宿駅 9:01発

立川→国分寺

JR立川駅ホームの女性専用車の前で会員AとBが合流。

立川駅の駅標
立川駅で


軽く挨拶を交わし、8:04発のJR中央線(快速)の女性専用車に乗車。

列車は定刻に発車。声かけ等なし。

立川駅発車の時点では思ったほど混雑していなかった。
隣の車両との混雑差も見たが顕著な違いは見られなかった。

定刻で国分寺駅に到着。ここで一旦下車。

途中で下車して後続列車に乗り換えるのは、少しでも多く任意周知を行うためである。

また、今回はここからもメンバーが参加し合流することになっている。

国分寺→三鷹

予定通り国分寺駅から会員CとDが合流し、人数が増えたところで8:19発のJR中央線(快速)の女性専用車に乗車した。

こちらも声かけ等はなく列車は定刻に発車。

国分寺駅から後続列車に乗車

途中、車掌がグリーン車の案内をし、その中で「4号車と5号車は特別車両のグリーン車です。グリーン券をお持ちでないお客様はいかなる理由でもグリーン車にはご乗車いただけません。」という肉声案内を行った。

女性専用車の案内で

「男性のお客様はいかなる理由でも女性専用車にはご乗車いただけません。」

とか

「女性のお客様の他、小学生以下の男の子やお体の不自由な方とその介助者の方以外のお客様はいかなる理由でも女性専用車にご乗車いただけません。」

などという案内はこれまでされたことはなく、ただ

「女性のお客様の他、小学生以下の男の子やお体の不自由な方とその介助者の方にもご乗車いただけます。」という例示列挙の案内

(→限定列挙ではないので、実は小学生以下の子供や障がい者介助者だけでなくそれ以外も実は乗れる)や、

「女性専用車にご理解とご協力をお願いします。(→どういう理解が必要で、どういう協力が必要なのかの明言はない[※])。

という(先程のグリーン車の案内と違って)乗れない人がはっきりしない案内しかされていないのに、どうして一部の人は「(健常者の)男性は乗れない」などという勘違い(あまつさえ男性に対して排除行為)を起こすのか不思議である。

[※]例えばエスカレーターならば「立ち止まってご利用頂きますよう、ご理解とご協力をお願いします。」と言われ、この言い方だと『立ち止まって』と言われているので、『エスカレーターは立ち止まって乗る乗り物という理解』と『エスカレーターに立ち止まって乗ることが協力になる』と理解できる。

細かいことだが以下の話である。

●[名詞や名称]+[ご理解とご協力を]:その名詞や名称に対してどんな理解とどんな協力が必要か分からないため、日本語としておかしい。

●[名詞や名称]+[動詞]+[ご理解とご協力を]:動詞があることによってどんな理解とどんな協力が必要かが分かる。日本語として正しい。

●[動詞]+[ご理解とご協力を]:動詞が特定の名詞のみに使われるのであれば、その動詞だけでもどんなご理解とどんなご協力が必要かが分かる。日本語として正しい。

(例:募金、献血)

結局この列車では走行中も声かけはなく、定刻で三鷹駅に到着。

ここでも一旦下車して後続列車に乗り換え。

三鷹駅の駅標
三鷹駅で

三鷹→中野

三鷹駅からさらに会員Eが合流した。三鷹駅8:33発のJR中央線(快速)の女性専用車に乗車。

こちらも声かけ等はなく、無事定刻での発車となった。

吉祥寺駅で先行列車の発車が遅れ出したことで今、私達の乗車している列車も併せて遅れ出し、低速運転になったり、駅間で一時停車するなど若干団子運転状態になったため、荻窪駅には2分遅れで到着。


荻窪駅でも降りて後続列車に乗車する予定だったが、現在乗車中の列車の荻窪駅到着が乗車予定の後続列車の発車時刻と同じになっており、参加者の中に乗車会後、予定があって時間的余裕がないメンバーがいたので、後続列車への乗車は諦めてそのまま中野駅まで乗車し続けることにした。

中野駅にもそのまま遅れを引き摺り、約2分遅れで到着。
中野駅で予定のあるメンバーが離脱した。


残った会員達はまだ時間的余裕があったので、中野駅では予定通り後続列車に乗り継ぐ(本来は荻窪駅から乗るはずだった列車)こととした。

中野駅の駅標
中野駅ホーム

中野→新宿→東京

中野駅からは8:52発(本来は8:51発)の女性専用車に乗車した。
そして新宿駅にそのまま1分遅れの8:56に到着。

新宿から9:01発の予定のJR中央線(快速)の通勤特快の女性専用車に乗車。
列車は1分遅れの9:02に発車した。声かけ等なし。

東京には更に遅れて9:22頃に到着。
ここで乗車会は終了となった。

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【関東】2025年3月 TX(つくばエクスプレス)線任意確認乗車会 

2025年3月18日に夜のTX(つくばエクスプレス)線で任意確認乗車を行いました。

女性客や鉄道係員からの声かけはなかったものの、私達以外に女性専用車に乗車する男性はほとんどおらず、形骸化とはほど遠い状況でした。


秋葉原→北千住

東京・秋葉原。

つくばエクスプレスはここが始発駅である。

つくばエクスプレス線(以下、TX線)はJRや地下鉄などの路線と異なり、TXは近年になってから作られた路線であることから、駅はかなり地下深いところにある。

今回は以下の順で任意確認乗車を行った。

  1. 秋葉原20:10発 区間快速
  2. 北千住20:25発 普通
  3. 八潮20:38発 区間快速


20時にTX線秋葉原駅の改札前に集合。

集合場所に集まった参加メンバー同士で軽く挨拶を交わし、改札内に入って秋葉原のホームに降りると既に20:10発の区間快速つくば行きが発車待ちをしていたのでその女性専用車に乗車。

秋葉原20:10発の区間快速に乗車
秋葉原駅停車中の時点ではさほど混んでいない

席は埋まっているが立ち客は少なく、反対側のドアに余裕で移動できる程度でそんなに混んではいない。

私達の乗ったところからドア1つ離れたところで男性らしき乗客が1人いるのが確認できた。

程なくして列車は発車。

新御徒町、浅草、南千住と止まっていくが、降りる人はほぼおらず、乗ってくるのは数名程度。

ふと見ると車内には防犯カメラが設置されていた。

今では多くの鉄道路線で見られる車内防犯カメラだが、ほとんどの鉄道事業者で遅々延々と進んでいない現状がある。

これは多くの市民が痴漢対策として求めるものが女性専用車両であって車内防犯カメラを求めていないことが原因のひとつになっているのかもしれない。

そんな中、TXではつい最近、全ての列車に車内防犯カメラの設置が完了したと発表があった。

すでにご存じの方も多いと思うが、車内防犯カメラはJR埼京線で2009年に導入され「痴漢認知件数6割減」という大きな効果を発揮している。

導入後、路線によっては逆に痴漢が増加した女性専用車両(例:JR中央線・導入前2004年188件→導入後2005年217件 情報元:2006年8月8日朝日新聞に比べ、素晴らしい効果であり、しかも女性専用車両のような差別の問題も生じない。

しかし「痴漢がいるのだから女性専用車両はやむを得ない」「女性専用車両に反対するなら他に有効な痴漢対策を出してからにしてください」と言っていた女性専用車両賛成派が防犯カメラのことを知った途端に「カメラごときに何ができる」などと一斉に防犯カメラ叩きを始めた。

つまり(防犯カメラを叩く)女性専用車両賛成派が実は効果的な痴漢対策など望んでおらず、女性専用車両を正当化し維持するために痴漢やその被害者の存在を口実にしているだけだったということが露呈したのである。

当時、鉄道事業者の多くも防犯カメラの設置をやりたくないから「車内防犯カメラは費用が莫大だから出来ない」等とウソがミエミエな言い訳をしており、また女性専用車両賛成派もそれに同調して主にインターネット上などで「女性専用車両の代わりに防犯カメラを設置しろとかいう奴は【莫大な費用】という現実を見ていない。そんなにカメラカメラ言うならお前らが費用を負担しろ!」などと発言するなど、女性専用車両が防犯カメラに取って代わられるのを何としてでも阻止しようとしていた。

後に島根県の一畑電鉄(現:一畑電車)という赤字ローカル私鉄が車内防犯カメラを設置し始めたため、「車内防犯カメラは莫大な費用がかかるから出来ない」というのが【真っ赤なウソ】であるとバレてしまったのだが…。

現在では多くの鉄道事業者が車内防犯カメラの設置を推進しているが、鉄道会社が防犯カメラを設置してもその代わりに女性専用車両を廃止しないと分かって女性専用車両賛成派も安心したのかカメラ叩きはしなくなった。

しかし、これだけ見ても女性専用車両賛成派の中に「女性専用車両がほしいだけ」の者がたくさんいることがよく分かる。

しばらく走って列車は北千住駅に到着。

私達はさらなる任意周知のため、後続の列車に乗り継ぐべく北千住駅で降りた。

北千住駅の駅標

北千住駅からは私達と入れ替わりに見渡す限りでは女性らしき客ばかりがたくさん乗っていき、男性らしき客は見当たらなかった。

女性専用車は結構な混雑となって出発していった。

北千住→八潮

秋葉原駅から乗ってきた区間快速を見送り、ホームで数分ほど待っていると後続の北千住20:25発の普通守谷行きが到着した。

北千住駅で


普通列車は空いているかなと思ったが、そうでもないようだ。

普通列車の停車直前に外から見た女性専用車はかなり混雑していた。ドアが開いて乗客が乗り降りした後に最後に私達も乗車したが、やはり車内は混雑したままだった。

先ほどの区間快速は北千住まで車内で移動ができるレベルだったが、この列車の混雑ではもはや反対側のドアに行くことはできない。

周りを見てみたが女性専用車内に私達以外に男性らしき乗客は見えない。

列車は青井駅、六町駅と停まっていくが若干の降車があるだけで乗車客はほぼおらず。
やがて八潮駅に到着。

八潮駅では私達と共に結構な乗客が降りていった。

私達はここでも任意周知のため後続列車に乗り継ぐことにした。

八潮駅の駅標

八潮→南流山

数分待って八潮20:38発の区間快速つくば行きが到着。

この列車も結構な混雑で八潮駅のホームに入ってきたが、ここでそこそこの乗客が降り、車内に余裕ができたところで私達が乗車した。

八潮20:38発のつくば行きに乗車
八潮駅に到着した列車

やはり男性らしき客は見えない。

次の停車駅の三郷中央駅でややまとまった降車があり、列車は空いてきた。

そして乗車会終了駅の南流山駅に到着。

南流山駅でもややまとまった降車があった。

私達が乗車してきた列車は秋葉原乗車時と同じくらいの車両の反対側に余裕で移動できる程の空き具合で発車していった。

時間がなく、隣の車両との混雑差までは確認できなかった。

時刻も21時近くなり、今回はここで解散となった。

今回の乗車会を振り返って

今回の乗車会を通して係員や女性客からの声かけなどは一切なく、状況としては男性も女性専用車に乗りやすいと感じた。にも関わらず、男性らしき乗客は最初に秋葉原駅で確認した1人のみであり(声かけが全く無いため形骸化しやすい状況なのに)形骸化には程遠いと感じた。

以前、JR埼京線の夜間の女性専用車に乗ったときは車内の乗客の約半数が男性らしき乗客で、女性専用車の案内放送もされていたものの、それで移動する男性らしき乗客は皆無で完全に形骸化していた。

しかしTXではこの状況。この差は何なんだろうと思う。

TXでは女性専用車を案内する際「〜女性専用となります」と案内している(「『女性専用車』となります」ではなく、「『女性専用』となります」と案内している)

要は後ろに「車」(または「車両」)が付くか付かないかだが、実はこれだけで大違いなのである。

「何を細かいことを」と思うかも知れないが、女性専用車(車両)なら「そういう名前であると言うだけで、実は誰でも乗車できるただの一般車両」という解釈をすることも何とか出来なくはないのだが「女性専用となります」と言ってしまうと、これは完全に「男性は乗車禁止」と言っているも同然であり、女性専用車両(という名前の一般車両)が任意協力であるという事実に完全に反することとなる。

つまり「女性専用なります」という案内はそれ自体が「真っ赤なウソ」なのだ。

そしてそのすぐ下には「男性は小学生以下や障がい者・介助者以外乗車禁止と勘違いさせる案内も(字は小さいが)しっかりとされている。

TXの駅ホームドアにある女性専用車案内
左のアップ(女性専用となります)

当会がいつも言い続けているように「女性専用車は任意協力」だから、つまり「男性が自由に乗っても良いから差別ではない」ということでまかり通っているのである。

女性専用車という名前に騙されて「男性は乗ってはいけない」と思って(男性が自ら)乗らないようにしていたら「差別だと言われないようにしつつ、事実上は男性排除をしようとする鉄道事業者」の思うつぼになってしまう。

そして今や多くの鉄道事業者は女性専用車両のことを「痴漢対策」とは言わなくなっている(「迷惑行為防止」とか「安心して乗車できるようにするため」等と言い換え、「痴漢対策」というワードを明らかに避けている)。

一方で世間の女性専用車両賛成派やマスコミは今でも「女性専用車両=痴漢対策」を前面に出して、女性専用車両は不当であるという批判を「的外れ」と切り捨てようとしている。

TX沿線の方の中からもこの問題に関心を持っていただける方が出てくれば幸いである。

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【関西】2025年3月 JR西日本線で非協力乗車会

2025年3月1日、関西地区のJR西日本各線(大阪環状線や大和路線、おおさか東線など)で非協力乗車を行いました。乗車会の最後の方で女性客から少し声かけがあっただけで駅員や乗務員からの声かけはなく時折、男性客の乗車も見られました。


大阪環状線外回り:京橋→天王寺

今回はJR大阪環状線の京橋駅に18時集合。

以下の順で非協力乗車を行った。

  1. JR大阪環状線外回り:京橋→天王寺
  2. JR大和路線:天王寺→久宝寺
  3. JRおおさか東線:久宝寺→新大阪
  4. JR京都線:新大阪→大阪
  5. JR大阪環状線外回り:大阪→天満

まずは京橋駅18:11発の大阪環状線外回り電車に乗車した。

車内は立ち客が少し。

私達が乗車しても特に声かけはなく、列車は夕暮れ時の大阪市内を大阪城公園、森ノ宮、玉造と各駅に止まりながら走って行った。

森ノ宮駅や玉造駅で少しずつ乗車があり、車内にはやや立ち客が増えてきた。

夕暮れの大阪市内を走る(玉造駅付近)

鶴橋駅でややまとまった降車があり、車内が少し空いた。

続いて桃谷駅で男の子2人をつれた家族連れが乗車。

桃谷駅の出発直後に「車内で痴漢などの犯罪に遭われた方、見かけられた方は…」という自動放送が流れた。流されるタイミングは大体決まっているようだ。

過去の乗車会でも桃谷駅付近でこの放送が流されることが多く、特に女性専用車に男性が乗っているからといって流しているわけではないと思われる。

次の寺田町駅ではすれ違った逆方向(内回り)の電車に男性が1人いるのを確認した。

寺田町駅を出てほどなく18:25に天王寺駅着。

天王寺は大阪市内の主要駅の一つでもあり、ここでほとんどの乗客が下車した。

私達も下車。

女性専用車が階段の目の前(天王寺駅)

当会サイトをいつもご覧の方ならご存じかと思うが、JR西日本は女性専用車をわざわざ階段などに近いところに設定している。当会サイトでも過去何度も言い続けてきたが、天王寺駅もご覧の通り(上記左の写真)である。

そして、写真の右の資料は(過去に何度も紹介しているが)2004年にJR西日本が女性専用車を阪和線と大和路線に拡大した時のもので「お客様のわかりやすさとご利用の動線を考慮し…」と記載されており、女性専用車が一番便利な位置に来るよう、車両の位置を決めていることが分かる。

他社路線でも偶然、女性専用車が階段やエスカレーターなどの真正面に来ることはあるが、JR西日本の場合は意図的にそのようにしていることが分かるだろう。

大和路線:天王寺→久宝寺

私達は天王寺駅の大阪環状線ホームから階段を上り、大和路線のホームへ向かった。

そして階段を降りると、こちらもやはり目の前が女性専用車両の停車位置である。

大和路線ホームも女性専用車が階段の目の前(写真は過去の乗車会の時のもの)
天王寺駅大和路線ホームの駅標

すでに女性専用車の停車位置に乗客が並んでいたが私達はその後ろに並んだ。

次に乗車するのは天王寺18:42発、大和路線の普通王寺行きである。

近くのホーム上で駅員がマイクを持って案内放送をしていたが、女性専用車について「女性専用車の表示のある車両は土曜休日も含めて終日女性専用車です」という「毎日・終日実施であること」を強調するような案内をしていた。

JR西日本の駅員や車掌がアナウンスする際に「女性専用車にどれくらい触れるか」は人によって異なる。ある程度各個人の裁量に任せられているのかも知れない。

この駅員はかなり女性専用車の案内を念入り(?)にしていたが、これは私達が並んでいたからだろうか?

あるいは駅員自身が根っからの女性専用車賛成派なのか?

列車到着の際にもこの駅員はマイクで「足元△印3号車は女性専用車です。ご協力をお願いします」と肉声放送していた。

天王寺駅に到着した王寺行き

ドアが開き私達も乗車したのだが、車内は立ち客が多く混雑していた。押し合いへし合いするほどではないが、車内での移動は不可能なくらいの乗車率だった。

周りを見ると、私達の他に男性と思われる乗客が1人いるのを確認。

大和路線の列車の多くは天王寺駅で数分ほど停車する。この列車もしばらく停車したままだったが、停車中に車掌が「この電車の前から3両目、3号車は終日女性専用車です。ご理解ご協力をお願いします」と念入りにアナウンスした。この車掌も賛成派なのだろうか…

世間は痴漢対策と信じ切っているが、およそ女性優遇客寄せ策としか思えない女性専用車に私達は協力などするわけはない。

こう言うと

「女性専用車は痴漢対策に決まってるじゃない」

「お前らが勝手に『痴漢対策ではない』と言っているだけ」

という人が現れるだろうから、JR西日本が過去に女性専用車をどのように宣伝していたか(これも過去何度も紹介しているが)ここに貼っておくことにする。

JR西日本が女性専用車を「女性向け客寄せサービス」と位置づけているのがお分かりいただけるだろう。

「痴漢のせいでこうなったのだから男の責任。男が悪い」

「女性専用車両は差別だけど痴漢がいるから仕方がない」

等と言っている人間は、こういう実態もよく知っておくべきだ。

そもそも土日祝日ダイヤの日などは平日のラッシュ時と違って男女のグループや家族連れなどが多いし、また混雑もしないから「痴漢対策」と称して導入した建前上、多くの鉄道事業者では女性専用車両を平日朝ラッシュ時に限定しているのである。

しかし、平日の朝限定の路線でも女性専用車両を女性向け広告を出すための媒体にして割高な広告料を設定して商業利用したり、あるいは都営大江戸線のように「感染症(COVID-19)の流行による外出控えで混雑率が下がって導入しやすくなったから」と(痴漢は混雑が激しくなると発生しやすくなるという法則に逆行して)導入した例もあるなど、およそ痴漢対策とはかけ離れていると言わざるを得ない。

ましてやJR西日本のように土日祝日まで含めた毎日終日実施した上「365日いつでも女性専用車」などと宣伝しているのは、もう「痴漢対策とはかけ離れている」というレベルではなく「痴漢対策とは似ても似つかない別物」と言っても過言ではないだろう。

とは言え、女性専用車を自分の既得権益と捉えてそれを守りたいがために「痴漢、痴漢」と言っているような女性専用車賛成派はこういう実態を知ってもそれをスルーして、

「痴漢被害者のことを考えろ!」

「そんなに反対するなら代替案を出せ!」(←こういう人間に限って代替案を出すと今度はそれを全力で潰そうとする)

などと言い出すのかも知れない。

ちなみに今ではJR西日本も他社同様、女性専用車については「車内における迷惑行為防止の観点から、安心してご利用いただける環境を提供するため」を表向きの理由にしていて、なぜか「痴漢対策」というワードを一切使わずに言い換えている。

痴漢対策のために設けたのなら「痴漢対策」と言えば良いのになぜ「(痴漢対策以外の意味も含む)迷惑行為防止の観点から」などと言い換えるのだろうか?

過去にJR西日本に対し「女性専用車導入で痴漢は減ったのか」と当会から質問したところ「公表するために女性専用車をやっているのではない」などと回答してきたことがある。(詳しくは2016年1月 関西本部:阪急宝塚線で非協力乗車会と阪急・JR西日本・南海本社訪問の報告③参照)

要は答えられないような結果しか出ていないのだと思われる。

女性専用車が痴漢減少に効果的であるならば、それを前面に出してくるはずだ。

また、他社でも多く採用されている「女性専用車限定広告」なるものがJR西日本でも実施されており、これは「女性しかいない場所に女性向け広告を出すと広告効果が高い」ということで、他の車両とは別枠でかなり割高な広告料を設定し、広告主を募集しているものである。

女性専用車限定広告で儲けているのが鉄道事業者とは限らない(関連会社等の場合もある)が、少なくとも女性専用車がビジネスの道具になっており、痴漢対策などとは全くかけ離れているのがよく分かるだろう。

「女性専用車を無くしたいなら痴漢をなくせばいいだけ。差別、差別とわめく前にお前ら男が痴漢をなくすように努力しろ」などという賛成派がいるが、これは完全な的外れである。

痴漢を完全になくすことは事実上ほぼ不可能だから、こう言っておけば反対派をギャフンと黙らせることができるだろうと思っているのだろうが、痴漢対策が建前に過ぎない以上、痴漢をなくしても女性専用車はなくならない。

そして反対派は賛成派のこうした言動に対し、ビシッと反論できるようにこうした情報も知っておく必要がある。

さて、混雑した車内で数分が過ぎたが周囲の女性客は特に何も言ってこなかった。

発車時刻になり、ドアが閉まって列車は天王寺駅を発車。

次の東部市場前駅ではあまり乗り降りはなく発車。

続いて停車した平野駅ではホームのスピーカーから「車内対応お願いします」という肉声放送が流れてしばらく停車した。

誰かが「男が女性専用車に乗っている」などと告げ口したのか?と思ったが、その後「車内対応完了」という放送が流れて列車はそのまま発車した。どうやら私達のことではなかったらしい。

平野駅の次の加美駅でまとまった下車があり、車内が一気に空いた。

そして入れ替わりにここから男性が1人乗車した。

加美駅を出てすぐおおさか東線の高架が左から近づいてきて大和路線と合流するとほどなく久宝寺駅である。

久宝寺駅には18:52に到着。おおさか東線に乗り換え。

久宝寺駅で下車

おおさか東線:久宝寺→新大阪

次に乗車するのは19:01発のおおさか東線経由大阪行きである。

しばらく時間があるのでホームで待つことにした。

久宝寺19:01発に乗車

しばらくして列車がホームに入ってきた。

私達含めホームにいた乗客が乗車したが、久宝寺駅始発のためか車内はガラガラ。

車内はクロスシート(特急や新幹線のような、向かい合わせで座る座席)である。

私達は二手に分かれて数人ずつそれぞれ別のボックス(4人掛け座席)に座った。

クロスシートのため車内の混雑状況などが分かりづらいが、JR長瀬駅辺りで座席はほぼ埋まったようだ。

JR俊徳道駅ではわざわざ女性専用車を避けて隣の車両に乗車した男女のグループがいた。

JR河内永和駅辺りで少しだが立ち客も出始めた。

放出はなてん駅で学研都市線の列車と連絡。若干の乗り降り、乗り換えあり。

その次の鴫野しぎの駅でも男性客が避けて隣の車両へ行くのが見えた。

19:34に新大阪駅に到着。ここでJR京都線に乗り換え。

JR京都線:新大阪→大阪

新大阪駅でJR京都線(大阪・神戸方面)のホームに移動。

新大阪駅京都線ホームに移動

ホームの女性専用車の停車位置に駅員がいてマイクで案内放送していたが、女性専用車位置に並んでいた私達には声かけなし。

しばらくして19:38発の普通新三田行きが到着。私達の並んでいた前に男女のペアがいたのだが、車体の女性専用車ステッカーを見てホームを移動。何も移動する必要はないのだが…

車内は立ち客が少しいる程度。

近くにいた女性客は私達のことは気にならない様子で何気ない会話をしていた。

淀川を渡り、市街地に入って大阪駅に到着した。

大阪駅近くの市街地
大阪駅ホームに滑り込む(車内より撮影)

大阪環状線:大阪→天満

大阪19:48発、大阪環状線内回り列車に乗車。

大阪駅に着いた時点ですでに3人ほど男性が乗っていた。

さらに大阪駅から私達以外に5人くらい男性客が乗車してきた。

車内は立ち客がちらほらいる程度。

座席に座った会員の1人に隣の女性客が「ここ女性専用車ですよ」と言ってきたが、会員が無視しているとそれ以上言ってこなくなった。

私達もトラブルを起こすのが目的で乗車しているわけではない。

大阪駅から2分で次の天満駅に到着。

先ほど、おおさか東線のJR俊徳道駅で女性専用車の表示を見て隣に移動した男女連れがいたが、ここでも女性専用車の表示を見て女性専用車から隣の車両に移動していく男女がいた。

今回の乗車会はここ天満駅で終了のため私達は下車したが、私達以外に乗車していた他の男性客を乗せたまま列車は発車していった。

私達は列車を見送った後に改札を出て解散した。

天満駅に到着。

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活動履歴

2025年2月 関西本部:阪急神戸線&神戸高速線で非協力乗車会

2025年2月25日、阪急神戸線(神戸高速線も含む)で非協力乗車会を行いました。

本年2月22日にダイヤ改正が行われるのに伴って、阪急神戸線では女性専用車両設置列車の本数が一気に増加し、さらにこれまで設定のなかった神戸高速線内にも設定されるようになりました。

土日祝日には設定がないことから女性専用車両の拡大初日は2月25日の火曜日となる(24日は祝日)わけですが、最初が肝心ということで神戸市内の新開地駅から大阪梅田駅の間で重点的に乗車活動を行いました。

以下その報告です。


今回の乗車会の概要

阪急神戸線ではこれまで、平日の朝ラッシュ時に「神戸三宮駅~大阪梅田駅」間で「10両編成の通勤特急に限って」上下両方向で女性専用車両を実施していたが、今回は8両編成の列車にも設定されて女性専用車両のある列車本数が大幅に増加する上、それまで女性専用車両のなかった新開地駅~神戸三宮駅間の神戸高速線にまで新たに設定されることになったのである。

もちろん「神戸高速線内で痴漢被害が深刻だから拡大された」のではない。

今回のダイヤ改定から10両編成の列車がなくなるため、これまで設定の無かった8両編成に女性専用車両が設定されることになったのである。

そして8両編成の通勤特急は(神戸三宮駅~大阪梅田駅間だけでなく)新開地駅と大阪梅田駅の間でも走っているから、結果的に神戸高速線にも設置されることになったのだ。

要するに「運用の都合」である。

10両から8両に減車し、その上女性専用車両は存続となると他の車両は混雑が増してかえって痴漢が発生しやすい環境となるだろう。もちろん冤罪もである。

そういう意味からもこれは完全に痴漢対策からかけ離れていると言える。

「女性専用車両ができると女性がそちらに行き、他車両から女性がいなくなるので痴漢は減り、男性も痴漢冤罪から逃れることができる…」みたいな思い込みがあるが、これは何の根拠もない「ただの思い込み」である。

そもそも「女性専用車両があると女性がみんなそちらに行く」というのが大間違い。女性専用車両があっても他の車両に女性は普通に乗ってくる。

なぜ女性専用車両を設けても痴漢が減らないのか、よく考えてみれば良い。

さて、今回は以下のルートで乗車した。

  1. 新開地6:08→大阪梅田6:44
  2. 大阪梅田7:13→高速神戸7:49
  3. 高速神戸8:01→神戸三宮8:05
  4. 神戸三宮8:18→新開地8:26
  5. 新開地8:31→(ここから新開地~高速神戸間3往復)→新開地8:58
  6. 新開地9:04→大阪梅田9:41

そして、今回は阪急・阪神1dayパス(1日乗車券)を購入。

これを持っていれば、券面に表示されている区間では1日、自由に乗り降りができるし、同じ所を改札を出ずに何度も往復しても問題ない(通常の切符でそれをやるとアウト)

拡大導入初日の新開地駅で

今回は朝の神戸高速線・新開地駅に6:00に集合。

6:08発の通勤特急に乗車する。

新開地駅6:08の列車に乗車する

改札から地下のホームに降りていくと、すでに6:08発の大阪梅田行き通勤特急がホームに停車しており、すぐ隣には山陽電鉄の車両も停車していた。

ここには阪急・阪神・山陽の3社が乗り入れており、それぞれの車両が同一ホーム上で顔を合わせるのである。

新開地駅の駅標と阪急電車
新開地駅ホーム。左の列車は乗り入れの山陽電鉄の車両(画像上やや左寄りの時計は故障中のようだ)

阪急の列車はここが始発駅となる。

始発駅でしかも朝早いためか車内にはほとんど人が乗っていなかったが、女性専用車両内に助役が立っており、乗車してくる男性に個別に「こちら本日から女性専用車両になっておりますので」と声かけをしていた。

その助役が車外に出て、今度はホームにいる男性客にも声をかけていた。

ここで私達は女性専用車両に入り、ほぼ誰もいない車内で着席したのだが、車外(ホーム上)で助役が近づいてきた男性客に声かけしているのを見て、会員A(筆者)の隣に座っていた会員Bが立ち上がり、抗議しに行った。

新開地駅で。女性専用車両前に助役が立っている(車内より撮影)

車内でも女性専用車両の自動アナウンスが流れていたが、会員Bの抗議により助役が声かけしなくなったため、男性客がこれまで通り(?)乗車してくるようになり、発車直前の時点で女性専用車両内に10数人の乗客がいて、そのうち約半数が男性という状態で新開地駅を発車した。

阪急神戸高速線→神戸線 新開地~大阪梅田

新開地駅から地下を600mほど走り、すぐに次の高速神戸駅に到着。

ここで会員Cがホームから乗車してきて私達と合流。早速会員Cに先ほどの新開地駅でのことを話した。

列車はさらに地下線内を走り次の花隈駅へ。花隈駅も地下駅である。

ここではあまり乗り降りはなく、しばらく走った先で地下トンネルから地上に出て神戸三宮駅に到着する。

外はまだ夜が明けきっておらず、薄暗い。

ここでもホームに男性乗車防止の駅員が立っているかと思いきやそれらしき駅員の姿はなかった。

今回新規に設定区間が拡大されたのは新開地駅から神戸三宮駅の間であり、今私達がいる神戸三宮駅から先、大阪梅田駅まではこれまでからも女性専用車両があった区間である。だから特に駅員は配置していなかったのかも知れない。

しかしながら神戸三宮駅からも男性客が複数乗ってきた。

三宮は神戸の中心部であり、普段は多くの人々が乗り降りするが、まだ朝早いためかそれほど乗り降りは多くなかった。

新開地駅出発時より乗客は増えたが、神戸三宮駅を出た時点でもまだ空席がある。

新開地駅からここ阪急神戸三宮駅までは特急・通勤特急を含め、全列車が各駅に停車するが、ここから先は列車の速度が上がり、通勤特急は岡本、夙川しゅくがわ、西宮北口、塚口、十三じゅうそう以外の駅は全て通過する。

阪急六甲駅付近を走行中。外はまだ完全に夜が明けきっておらず薄暗い

春日野道、王子公園、阪急六甲、御影の各駅を通過し、次に停車した岡本駅からも少し乗車があった。ここでも複数の男性が乗車。

まだわずかに空席があるが、車内の半分くらいが男性である。少なくとも今日のこの列車に関しては女性専用車両はほぼ形骸化していると言って良いだろう。

芦屋川駅を通過して次は夙川しゅくがわ駅に停車。ここでは少しまとまった乗車があり、なんとその多くが男性。
車内の座席が埋まった。

夙川駅の次は神戸線の途中の主要駅である西宮北口駅。ここからもまた男性が乗って来た。

ここもラッシュ時などは多数の乗客が乗り降りする駅だが、やはりまだ朝早いせいか乗り降り自体はあまり多くない。

西宮北口駅から会員Dが合流。

西宮北口駅発車後にも女性専用車両の自動案内アナウンスが流れたが、ここで合流した会員Dが「(男性が多くて)車両を間違ったのかと思った。」と言っていた。

武庫之荘駅を通過し、次の停車駅は塚口駅である。

ここでもまた乗り降りがあり、男性も複数乗車してきた。
車掌が「大阪梅田行き通勤特急です」と肉声アナウンスしたが、女性専用車両には触れず。

塚口駅を出て園田駅、神崎川駅を通過し、次に停まるのは十三駅。

十三駅から会員Eが合流した。

十三駅で多数の乗客が降り、車内は立ち客がいなくなった。しかし相変わらず車内の乗客の半分以上が男性。

十三駅を出てすぐ淀川を渡り、中津駅を通過するとまもなく終点大阪梅田駅。

6:44に到着した。

大阪梅田駅に到着

大阪梅田駅で

私達が新開地から乗ってきた列車は折り返し大阪梅田6:54発の新開地行き通勤特急になる。

大阪梅田駅から神戸方面行きの列車にも女性専用車両の設定がある。

大阪梅田で折り返し、新開地行きとなる


私達はこの後の7:13発の列車に乗る予定なので、ホームでしばらく様子を見ることにした。

6:54発の折り返し列車も男性が次々と女性専用車両に乗車し、私達が様子を見ている間に7〜8人くらいにはなっていただろうか。そこへ駅員2人がやってきて車内に入り「こちら女性専用車両です」と言おうとしたため会員BとDが車内まで行き抗議。


それに対し、車内にいた他の男性客が「うるさい奴だな」と言ってきて一時、女性専用車両内で男性同士が口論するという異様な状況となった。

結局その男性客は降りていき、乗ってきた駅員も声かけをやめたためそれ以上のトラブルにはならなかったが、私達はここで二手に分かれることにし、会員Dはそのまま6:54発の通勤特急で新開地駅まで乗車することになった。

そして会員Dを含め10人くらい男性が乗った状態でその通勤特急は大阪梅田駅を発車して行った。

筆者含め、他のメンバーは会員Dの乗った通勤特急を見送り、引き続きホームで様子見。


続いてやってきた大阪梅田駅7:05発の新開地行き通勤特急にも男性が複数乗車した。

しばらくして運転士がホームを歩いてきたが、車内の男性には声をかけなかった。

結局7:05発の通勤特急は10数人の乗客を乗せて発車(ラッシュと逆方向なので空いている。神戸寄りで混み出す)
その約半数が男性。

私達はそれをホームで見送り、7:13発の通勤特急に乗車するためホームに並んだ。

7:13発の通勤特急に乗車する
到着した高速神戸行き通勤特急

実はこの7:13発の通勤特急には毎日この列車を利用している”超”賛成派の女性客がおり(とりあえずここでは女性客Aとする )、女性専用車両で男性を見つけると徹底的に声をかけて排除しようとしてくる。

この女性客Aには過去の乗車会で何度も遭遇していて、2024年9月の乗車会の際には筆者も「ここ女性専用車両!」と声をかけられたことがある。

その2024年9月の乗車会報告ページにも記載しているが、その時はこちらから「知ってます」と返したところ「きもっ!」と侮辱発言をし、それでも諦めず今度は駅員を呼んできて「警察呼べば?営業妨害だし…」などと言うのでこちらから「呼んでもいいですよ」と返してやった。

そもそも女性専用車両は任意協力であり男性乗車禁止ではない(男性乗車禁止のように鉄道事業者が装っているだけ)。しかもこちらは正規の運賃を支払って乗車しているのだから、おとなしく乗っている限り営業妨害でも何でも無い。

今回も来るだろうかと思って乗車していると、しばらくしてから会員Cが「あ、来ましたよ」
私達が乗車しているのを見つけた女性客Aは直接声をかけても私達が移動しないのは分かっているので駅員を呼びに行った。

しばらくして助役と思われる駅員が車内に乗り込んできて「他のお客様から申し出がありましたので」と前置きして「任意ですがご協力お願いします。」ときた。

もちろん、応じるわけはない。

この助役と思われる駅員も「他のお客様から申し出がありましたので」「任意ですが」と前置きするあたり、私達が敢えて乗車していると分かっていたのだろう。

会社がこんな車両を設けて、しかも任意なのに「女性専用」などと表示するからこういう女性客が出てくるし、お客様(女性客)から言われた以上、声掛けしないわけにも行かない。

駅員の方もご苦労様である。

とはいえ駅員も駅員で、女性客からの申し出があった場合には私達に声かけする前に、その場で任意協力であることをしっかり伝えるべきかと思うのだが…(ただこの女性客Aの場合、任意協力だと説明されても全く承知しないのかも知れない)

駅員が引き下がってしまったので、女性客Aは私達を排除しようとするのはとりあえず諦めたようだったが、今度はあとから女性専用車両に乗車してきた男性客に「女性専用車両!」と声をかけて追い出そうとしたので、私達から男性客に「乗っても構いませんよ」と伝えた。

その男性客はそのまま空いた座席に着席した。

それにしてもこの女性客A、なんとしても男性を排除しないと気が済まないらしい。

過去に車内でトラブルを起こした際にも「女性専用車両は任意協力」であると何度も言われているので、任意協力であることを知っているはずだが、それでもこの有様。

女性専用車両を自分(を含めた女性)の「縄張り」だと勘違いしているのだろう。

阪急神戸線→高速神戸線 大阪梅田~高速神戸

いろいろあったが列車は7:13定刻に大阪梅田駅を発車。
車内は20人程度。その半数近くが男性という状態で、すっかり夜も明けて明るくなった大阪の街を走りだした。

中津駅を通過して次の停車駅である十三駅に到着。

十三駅に入る際、駅の構内アナウンスで「一番前の車両は女性専用車両です」と自動放送で流しているのが車内からも聞こえてきた。
しかし、十三駅から乗車してきた乗客の中に男性多数。

車内は立ち客が結構いるくらいの乗車率となった。十三駅でかなり乗車したようだ。

十三駅を発車したあと、すぐに女性専用車両の自動案内アナウンス。
しばらくして1人の男性客が立ち客の間をくぐるようにして隣の車両に移動していった。移動する必要は無いのだが…

もしや先ほどの女性客Aに出て行けと言われたのだろうか?

次の塚口駅でも普通に男性が乗車してきて、この列車も女性専用車両はほぼ形骸化している状態だった。

西宮北口駅に着く頃には車内は立ち客でいっぱいになり、座席に座っている私達から少し離れた位置にいる女性客Aの姿は見えないが、今度は西宮北口駅から乗車してきて私達の前に立った女性客(女性客Bとする)が独り言のように「女性専用車両…」と言ってきたが、それ以上は言って来なかったので、相手にしなかった。

西宮北口駅を発車した後、女性専用車両の自動案内アナウンスがあった。

次の夙川駅ではあまり乗り降りなし。

岡本駅でホームを駅員が歩いて行ったのを見て女性客Bが手で合図を送るも気づかれず。

任意協力だから駅員に「男を排除してください」と言ったところで無駄なのだが、やはり女性専用車両という名前に騙されているのだろうか。

もし任意協力だと知っていて排除しようとしているのなら先の女性客Aと同様、悪質であると言える。

岡本駅を出て神戸三宮駅には7:44頃着。多くの乗客が降り、車内は立ち客がわずかにいる程度になったが、相変わらず男性の数が多い。

神戸三宮駅を出てすぐ地下に潜り、花隈駅を過ぎて高速神戸駅に7:49着。

この列車はここが終点だったので私達も全員ここで降りたのだが、ホームにいる私達を女性客Aが通り過ぎながら、睨み付けるようにじ~っと見ていた。もはや野生動物のようなものすごい縄張り意識だ。

ここで少し時間があるので、先ほど大阪梅田駅6:54発の新開地行き通勤特急で私達と別れて先に新開地駅まで行った会員Dと連絡を取った。

電話に出た会員Dによるとその大阪梅田駅6:54発の通勤特急も特に声かけは無く、また男性が多数乗車していてほぼ形骸化していたとのことである。

「後で合流しましょう」と言って通話を終えた。

阪急神戸高速線 高速神戸~神戸三宮~新開地

私達は高速神戸駅から8:01発の大阪梅田行き通勤特急に乗車した。

ここから神戸三宮駅まで乗車し、そこで降りてまたこちらに戻ってくる予定である。

高速神戸8:01に乗車

列車がホームに入ってきたので乗車した。車内は比較的空いている。
ホームを車掌が移動していったが声かけなし。

高速神戸駅を発車後、車掌が肉声で「この電車の一番後ろの車両は女性専用車両となっております」と女性専用車両の案内アナウンスを流した。

花隈駅を出て地上に上がってきて、そのまま神戸三宮駅に到着。ここで私達は全員下車した。

やはりラッシュの時間帯に入ったからか、ホームは多くの人がいた。

とはいえ、ラッシュにしてはまだ比較的余裕がある。

ホームには今回のダイヤ改定で神戸線に初めて設定された「快速」が停車していた。

ダイヤ改定で登場した神戸線の快速(神戸三宮駅で)
神戸三宮8:20発の通勤特急を待つ


しばらく待って、神戸三宮駅8:20発の新開地行き通勤特急が到着。多くの乗客が下車したが、その中に男性も数人いた。
神戸三宮駅でしばらく停車の後に発車。車内は立ち客がわずかにいる程度。私達以外に男性の姿もちらほら見られる。

花隈駅を過ぎ、高速神戸駅で先ほど電話した会員Dが乗車してきて私達と再合流。

高速神戸を出てすぐ終点の新開地駅に到着。新開地駅ではホームの女性専用車両位置に駅員が立っていた。

私達の乗った列車はそのまま折り返し、新開地8:31発の大阪梅田行き通勤特急となる。1日乗車券があるので下車することなく私達はそのまま乗車し続けた。

ホームで立っている駅員が「こちらは女性専用車両になります」と乗客に声かけしていたので、会員BとDが「任意なら任意だということをちゃんと言うように」と抗議した。

阪急神戸高速線 新開地~高速神戸~新開地(3往復)

車内はガラガラのまま通勤特急は8:31定刻に新開地駅を発車。

特に何も無く、次の高速神戸駅で降りて逆方向の列車(女性専用車両なし)で新開地駅まで戻った。

新開地駅に着くと、ホームに8:44発大阪梅田行き通勤特急が停車していた。
最初はガラガラだったが、続々乗車があり座席が埋まっていった。

ホームでは駅員が肉声で「一番後ろの車両はダイヤ改正に伴い、女性専用車両となっております」と繰り返しアナウンス。車内でも女性専用車両の自動アナウンスが流れた。

しかし、それでも女性専用車両内には私達以外に10人以上の男性が乗っていた。
一方、ホームの駅員は私達の見えないところで個別に声かけしていたので会員Bが抗議した。

8:44の発車時点で立ち客もちらほら。

新開地駅を発車してすぐに高速神戸駅に到着。また反対方向の列車で新開地駅に戻った。

高速神戸から新開地に引き返す(列車は山陽電鉄の姫路行き直通特急。女性専用車両なし)

新開地駅に戻ると先ほどの駅員はどこかに姿を消していた。

ホームには8:54発大阪梅田行き通勤特急が停車中。座席の多くが埋まっていた。男性もちらほらいる。

車内で女性専用車両の自動案内アナウンスが流れたが移動する男性なし。

この列車も時刻通り発車。次の高速神戸で下車し、逆方向の列車で新開地に戻った。

阪急高速神戸線→神戸線 新開地~大阪梅田

新開地駅からは9:04発の大阪梅田行き通勤特急に乗車。
車内は空いているが男性客が複数乗っている。
その後少しずつ乗客が乗ってきたが、ラッシュは過ぎたのか乗車率は低めだった。

次の高速神戸駅でも男性客が数人乗車。そのうち2人は隣の車両に移っていったが、他の男性客はそのまま乗車し続けていた。

花隈駅を出て地上に上がると外はすっかり太陽が昇っていた。

すっかり太陽が昇った神戸三宮駅付近
神戸三宮駅の駅標

神戸三宮駅を出てすぐ、女性専用車両の自動案内アナウンスが車内に流れたが移動する男性なし。

車掌室には(車掌を含めて)2人の職員がいたのだが、そのうち1人が車掌室から出てきて車内を巡回した。

私達の目の前を通り過ぎたが声かけなどはなく、そのまま隣の車両へと通り抜けていった。

岡本駅からも男性が1人乗車。

夙川駅からも3人ほど男性が乗車してきて、このあたりから立ち客も出始めた。

次の西宮北口駅では警備員と思しき人物が女性専用車両前に立っていた。
何も言って来なかったが、ホームドア設置工事の関係だろうか。

西宮北口駅からも男性客が5人以上乗ってきた。

西宮北口発車後にまた女性専用車両の自動案内アナウンス。

しかし誰1人として移動しなかった。

外はすっかり良い天気で、車内も普段女性専用車両に非協力乗車している時のような緊張感のある状態ではなく、何だか普通に電車で移動している時のように穏やかな空気が流れていた。

車内で居眠りをしている女性客や他の席でやはり居眠りしている男性客の姿もあった。

外はすっかり良い天気

先ほどの女性客Aのような「ここは私(達)の縄張りだ!」みたいな人間がいたらこんな雰囲気には絶対にならない。

鉄道事業者にも防犯対策自体はきっちりとやってもらいたいが、女性専用車両は本当に考えものだ。「女性専用車両に反対=防犯対策に反対なんだろう」という短絡的なものの見方しか出来ない人間が少なくないが、何も女性専用車両でなければ防犯対策が出来ないなどということはない。

もっと言えば女性専用車両を設けても痴漢は減らない(痴漢が他の車両などで痴漢行為に及ぶだけ)し、また関西ではJR西日本や神戸市営地下鉄など、ガラガラの列車に女性専用車両が終日設定されているような例も珍しくない。

そして他の記事でも触れたとおり、鉄道事業者は今や女性専用車両の設置理由を「迷惑行為防止」「安心して乗車いただけるため」などとはぐらかしており、痴漢対策だとは(少なくとも公式には)まず言わない。

次に停車した塚口駅からも男性客が乗って来た。

この先、園田駅を通過して少し行ったあたりで兵庫県から大阪府に入る。

大阪府豊中市内を快調に駆け抜け、神崎川駅を通過して十三駅に到着。ここでややまとまった数の乗客が降りていった。

車内にちらほら立ち客もいる状態で十三駅を発車。

そして9:41頃に大阪梅田駅に到着。ここで乗車会は終了となった。

乗車会を終えて

今回、新開地駅などで声かけのための駅員が立っていたり、車内でも女性客Aに呼ばれて来た助役と思われる駅員が私達に声かけしてきたりなどはあったものの、それでも女性専用車両に多くの男性が乗車し、今日に限って言えば阪急神戸線の女性専用車両は形骸化していたと言えるだろう。

しかし、これを今日1日だけで終わらせてはならない。

女性専用車両は「任意だから差別ではない」ということになっているのであり「任意といいつつ、事実上の強制」にしてはならないのだ。

新開地駅には「男性が乗車している場合、声かけすることがあります」というポスターが貼ってある。

このポスターは、神戸高速線、神戸線と宝塚線も貼られております。

このポスターだが、「男性が乗車していたら声をかけることがある」という記載以外にも当会が現在指摘している近年の鉄道事業者の「問題点」がしっかりと記載されている。

「女性専用車両は、小学生以下のお子様、お身体の不自由なお客様とその介助者の男性もご乗車になれます」という案内

「それ以外の男性は乗車禁止」と利用者(特に女性客)が思い込む原因。

よく見れば分かるが、あくまでも「小学生以下や障がい者・介護者は乗れる」と言っているだけで、「それ以外の男性は乗れない」とは一言も言っていない。

「女性専用車両は任意協力であり、実は誰でも乗れる(女性専用は名前だけ)」という事実を隠そうとしているのかと勘ぐられても仕方ない。

先ほど、ポスターの写真のすぐ下に【このポスターは、神戸高速線、神戸線と宝塚線も貼られております。】と記載したが、これはポスターの女性専用車両の案内(女性専用車両は、小学生以下のお子様、お身体の不自由なお客様とその介助者の男性もご乗車になれます)と同じ文体で書いてあることにお気づきだろうか?

この表現だと、まるで神戸高速線・神戸線・宝塚線の駅だけにしかポスターがないような印象を受けるが、実はこれらの路線だけでなく阪急京都線にも同じ案内ポスターが貼られている。

「京都線の駅にはポスターがない」などとは一言も言っていないのだが、こう表現するだけで阪急京都線の駅にはポスターがないように錯覚させることができる。

もちろん「京都線の駅にはポスターがない」とは言っていないので、ウソをついていることにはならない。

「女性専用車両は、小学生以下のお子様、お身体の不自由なお客様とその介助者の男性もご乗車になれます」という案内がいかに狡いものかよくお分かりいただけるだろう。

実は京都線の駅にもあるポスター(茨木市駅で)

導入理由を「痴漢対策」と言わず「迷惑行為防止」「安心してご乗車いただけるよう」とはぐらかしている。

これは先の【阪急高速神戸線→神戸線 新開地~大阪梅田】の項でも少し触れたが、女性専用車両が「痴漢対策ではない」と暗に認めているようなもの。痴漢対策ならそう書けば良いのになぜ「痴漢対策」というワードを避けるのか。

しかし、よく気をつけて見ないと「迷惑行為防止」や「安心して乗車いただける」という文言が単なる「痴漢対策というワードの言い換え」のように映るので、鉄道事業者が「女性専用車両のことを痴漢対策とはすでに言っていない」と見破るのは難しい。

このように鉄道事業者(阪急に限らず)は、ポスターやその他の案内では未だに利用客に「女性専用車両は男性乗車禁止」「女性専用車両は迷惑行為防止であり、安心して乗車いただけるようにするための正当なもの(ならばなぜ「痴漢対策」というワードをここまで徹底的に避けるのか?)」と思わせる案内を続けている。

しかしそれでも以前に比べると、鉄道事業者の対応は徐々に変化しつつはある。2016年に阪急神戸線に女性専用車両が新規に設定された時と比べてもかなり変わってきている。

鉄道事業者の中でも当会のような活動が存在することが知れ渡り、それに伴って女性専用車両が任意協力で実は強制できないものであると言うことも、やはり知れ渡っている(鉄道事業者も社員教育で「女性専用車両を強制してはならない」と教えざるを得なくなるから)ということだろう。

例えば今回でも大阪梅田駅7:13発の列車で車内に入ってきて(女性客から声かけするように言われたとはいえ)私達に声かけをしてきた駅員の対応を見てもそれは分かる。

もちろんこれは阪急に限ったことではない。他の多くの鉄道事業者においても言えることである。

当会ではさらに活動に参加してくださる方を老若男女問わず随時募集している(もちろん関西だけでなく、関東や名古屋など全国で募集している)。

この活動は時間はかかっても根気よく続けること、そして1人でも多くの人が参加することが必要なのだ。

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【関西】2025年1月 神戸市営地下鉄&JR神戸線で非協力乗車会

2025年1月19日に神戸市営地下鉄西神・山手線などで非協力乗車会を行いました。

前日からの大学共通試験に合わせて警備が強化されていることも踏まえ、男性排除がなされていないかを確認する意味も含めて実施しました。

今回は朝から午後にかけて結構長時間乗車しましたが、特に何事もなく終わるかと思っていたところ、最後の方になって女性客が私達に移動を要求し、こちらが断ったにも関わらず、それでも要求してきたことからトラブルに発展しました。

以下その報告です。


地下鉄三宮駅からスタート

今回は朝7:30に神戸市営地下鉄三宮駅東改札口に集合。

参加者全員が揃った後、地下鉄1日乗車券を全員が購入した。

1日乗車券

今回は以下のルートで乗車を行った。

(凡例:■…神戸市営地下鉄/◆JR神戸線)

  1. ■三宮→西神中央
  2. ■西神中央→谷上
  3. ■谷上→西神中央
  4. ■西神中央→新長田
  5. ◆新長田→三ノ宮
  6. ■三宮→谷上
  7. ■谷上→三宮
  8. ◆三ノ宮→尼崎

地下鉄西神・山手線 三宮→西神中央

各自、購入した1日乗車券を自動改札に通して改札を抜け、そこからさらに深い地下にあるホームまで降りた。

そしてホームで7:40発の西神中央行きを待つために女性専用車両乗車位置に全員で並んだ。

多数の男性が並んだので結構目立ったと思うが、周囲の乗客は特に何も言ってこなかった。

やがて西神中央行きが到着し、私達も乗車。

西神中央行きが到着

車内は座席がほぼ埋まる程度の乗車率で、すぐ近くにいた女性客2人組は何気ない会話を続けたりするなど車内の女性客達は私達のことを特に気にしているような様子はなかった。

そしてそのまま特に声かけも無く、乗車率もあまり変わることもなく何駅か過ぎた。

途中の新長田駅で1人の男性客が乗ってきて、その男性客はしばらくしてからそのまま着席した。

新長田駅の次の板宿駅で停車後ドアが閉まる瞬間に兵庫県警の警察官1人がホームを巡回しているのが見えたが、私達には声かけはもちろん合図などもしてこなかった。

女性専用車両に男性が乗っても違法にならないことを知っているのだろう。それは良いことである。

しかし時折、走行中にドアの上にあるモニター画面では「この電車の4号車は終日、女性専用車両です。」と表示されていた。

地下トンネルを抜け地上に出たところで名谷みょうだに駅に到着し、先ほど新長田駅から乗車してきた男性客はここで下車していった。

名谷駅から先は終点の西神中央駅まで地下鉄の車両が地上を走る。各駅で少しずつ乗客を降ろしながらいつしか車内はガラガラになり、終点のひとつ手前の西神南駅を発車。

そして8:12頃に終点の西神中央駅に到着した。

地上を走る神戸市営地下鉄
終点、西神中央駅に到着

結局この列車では声掛けなし。

全員が1日乗車券を持っていたので改札を抜けずに谷上方面の列車で戻っても問題ないが、この列車は西神中央駅に到着後は回送列車となるため、全員一旦下車した。

地下鉄西神・山手線 西神中央→板宿→谷上

ホームでしばらく待って、その後やってきた8:29発の谷上行きの女性専用車両に乗車。

8:29発谷上行き

折り返しのため発車までしばらく時間があったので、車内で乗務員による声掛けがないかどうかの確認をすることにした。

西神中央駅は終着駅のため、ここで列車最後尾にいる車掌と先頭にいる運転士が場所を替わるためにホームや車内を移動するので、その際に女性専用車両に乗車している私達に声をかけてこないかどうか確認するのである。

しばらく経ってから運転士と思われる乗務員が私達の前を通り抜けていったものの、声かけはしてこなかった。

その後、車内に親子と思われる女性と男児の2人組が乗ってきた。

やがて発車時刻になり、列車は西神中央駅を後にした。

西神南駅、伊川谷駅と先ほど走ってきたところを戻りながら、神戸市郊外の山林と住宅等が入り交じる風景の中を列車は走行していく。

車内では周囲の女性客達は(先ほどの西神中央行きと同様)何気ない会話をしたりする等しており、特に私達のことを気にしているような様子もなかった。それで良いのである。

やがて名谷駅から再び地下に潜り、板宿駅には8:47頃に到着。

ここで任意周知のため一旦下車して後続の電車に乗り換えることにした。

しばらくして8:53発の谷上行きが到着。女性専用車両に乗ると、既に1人の男性客らしき乗客が座っていた。

このままいくつかの駅を過ぎ、三宮駅で多くの乗客が入れ替わった。

三宮駅から乗ってきた乗客の中に1人の男性客を確認。

三宮駅の次の新神戸駅で乗っていた男性客らしき乗客が2人とも(うち1人は板宿駅で既に乗っていた男性)降りていった。

ここでも声かけ等はなく、新神戸駅からは約8kmに渡って延々と地下トンネル内を走り、地上に出るとすぐ終点の谷上駅に9:17頃到着。

谷上駅。停車中の列車は神戸電鉄の車両

列車はこのまま折り返し西神中央行きになるため、しばらく車内に留まって車内を巡回していた乗務員が声掛けしてこないかどうかチェックしたが、何も言ってこなかった。それで良いのである。

地下鉄西神・山手線 谷上→西神中央

一旦ホームに降り、しばらく待って9:41発の西神中央行きが到着したので乗車。

終着駅で折り返すため、しばらく停車時間がある。

しばらくすると乗務員が車内を巡回してきたものの、やはり何も言って来ず。

また、周囲の女性客はここでも何気ない会話を続ける等しており、特に私達のことを気にしているような様子は無し。

発車寸前になって1人の男性客が女性専用車両に乗ってきた。

やがて列車は谷上駅を発車。

発車直後に車内で「この電車の先頭車両から4両目は女性専用車両です。皆様のご協力をお願いします。」という自動アナウンスが流れた。

神戸市営地下鉄では車内や駅構内などで女性専用車両の案内放送をすることは基本的に無いが、例外として西神中央方面行きの列車が谷上駅を発車した直後に一度だけ、こうして車内に女性専用車両の自動放送が流れる。

おそらくは現在、神戸市営地下鉄の一部になっている谷上駅~新神戸駅間が以前、北神急行電鉄という別会社であった名残ではないかと思われる。

谷上駅から新神戸駅を過ぎる辺りまでは立ち客がそこそこ多かったものの、神戸市の中心部になる三宮駅で女性専用車両は座席がかなり空いた。

しかしふと両隣の車両を見ると、結構な混雑差が見られた。

私達は三宮から先も乗車し続けたが、結局この列車でも声かけ等はなく、終点の西神中央駅には10:22頃に到着した。

地下鉄西神・山手線 西神中央→新長田

西神中央駅10:29発の新神戸行きの女性専用車両に乗車。停車中に乗務員がホームを歩いて通り過ぎたが、やはり声かけはしてこなかった。

車内には老夫婦と思われる男女が既に着席していたものの「女性専用車両…?」などと呟いていたので会員の1人が「(移動しなくて)大丈夫ですよ。」と伝えた。

当サイトをいつもご覧の皆様なら当会で「非協力乗車中は原則、他の乗客にこちらから話しかけない」というガイドラインを設けて、それに沿って行動しているということはご存じかと思うが、これはあくまで「こちらから他の乗客に喧嘩を売らない」という意味であり、今回のように女性専用車両と表示があるからと移動しようとする乗客に「移動する必要はないですよ」と話しかけることはある。

女性専用車両と表示があっても、強制すればアパルトヘイトと同様の差別に当たるので実際には「専用と言いつつ実は任意協力」になっているのは女性専用車両問題に関心のある方なら恐らくはほとんどの方が知っている通り。

神戸市営地下鉄では先ほど述べた通り、女性専用車両の案内放送は西神中央方面行きが谷上駅を発車した直後にあるのみで、それ以外は女性専用車両の案内放送は一切無く、基本的に自動放送で「次は○○(駅名)でございます」と、案内などをするだけなのだが、この列車の車掌は駅到着前にマイクを通じて肉声で「歩きスマホはおやめください。スマホ操作は電車を降りてからしてください。」と啓発放送を流していた。

もちろんそれだけなら何も言うことはないのだが、この車掌は途中の総合運動公園駅発車後「お客様にご案内致します。前から3両目は女性専用車両となっております。ピンク色のステッカーが貼っております。お客様のご協力をお願いします。」と肉声で女性専用車両のアナウンスを流した。

これが普段、女性専用車両の案内を車内でする鉄道事業者なら(しつこくしない限り)あまり問題にはしないのだが、神戸市営地下鉄は先ほどから何度も言っているとおり、基本的に女性専用車両の案内放送はしない鉄道事業者である。

私達も10年以上前から神戸市営地下鉄で何度も乗車会を行っているが、今回のように車掌が肉声で車内に女性専用車両の案内を流したのは私達が知る限り今回が初めてである。

「誰かが車掌に『女性専用車両に男が乗っている』と告げ口したのでは?」と疑う会員もいたが、真相は不明。

今日は大学共通試験当日でもあるし、その辺りのことも意識して放送したのだろうか?

しかし、任意協力である女性専用車両から男性を排除することは出来ないし、このような放送をしたり、係員が声かけをしたりすればかえってトラブルの元になるのだが。

以前会員が個人的に非協力乗車をし、それを他の乗客が「女性専用車両に男性が乗っている」と告げ口して、係員が会員に声かけしたためトラブルとなり、列車が6分遅延する事態となったこともあった。

JR西日本や神戸市営地下鉄では声かけはしない方針だというが、女性客などから申告があった場合は声かけすることがある。

しかし、任意協力の車両から(任意協力であることを言わずに)男性を移動させようとして声かけすればトラブルとなり、列車が遅延することがあることも鉄道事業者は認識しておくべきだろう。

というより、そもそも任意協力で強制力も無いのに「女性専用車両」などと強制力のあるような表示をして乗客を騙すのが悪いのである。

ちなみに個別の声かけはなく、10:49頃に予定通り新長田駅で下車した。

地下鉄(西神・山手線)新長田駅

地下鉄 新長田駅で抗議

新長田駅で下車したのはここから地下鉄海岸線に乗り換えるつもりだったからだが、その前になぜ普段は肉声で女性専用車両のアナウンスを行わない神戸市営地下鉄がそのようなアナウンスを行ったのかについて、改札口の駅員に聞いてみた。

すると「駆け込み乗車に対する啓発と同じです。」との答え。

確かに駆け込み乗車や歩きスマホなどをやめるよう啓発する分には安全のためにも賛同するが、女性専用車両のアナウンスをわざわざするのは任意協力であることを知らせずに「男性乗車禁止」と勘違いした男性が自ら出て行くよう仕向けているようなものであり、賛成しかねる。

そしてもし今回「私達が乗っていたから放送を流した」のであれば、これは当てつけのようなものであり、当然私達としては気分が悪い。

この辺も含めて駅員に尋ねてみたのだが、そのような意図はないとのこと。

内心「本当か?」という気持ちは拭いきれなかったが、窓口の駅員は当該車掌ではないのだからここで問い詰めても本当のことは分からないし、この先の予定もあるのでここで切り上げ海岸線のホームに向かうことにした。

西神・山手線のホームから長い通路を歩いて海岸線のホームに移動したが、ホームの発車時刻表に貼り紙があり、沿線イベントのため安全上の理由から(普段、土日も含めて毎日・終日運行している女性専用車両を)9:00~16:00まで中止とのこと。

混雑するときだけ(終日運行の)女性専用車両を解除

地下鉄海岸線はわずか4両編成の短い列車が走る路線で、そのうちの1両が毎日終日女性専用車両である。しかも普段、特に日中などはほぼ全区間ガラガラで走っていることが多い。

つまり女性専用車両を痴漢対策として見るならば、およそ必要のないガラガラの時間帯にも終日走らせ沿線イベントがあるときだけ列車が混雑するので「安全上の理由から中止」というのは本末転倒も良いところである。

(実際、痴漢の多くは混雑時に発生しており、混雑率が下がるだけで痴漢件数も大きく減少する)

しかしながら(こちらからざっと見る限り)女性専用車両賛成派は「女性専用車両=痴漢対策」一色である。

「痴漢被害がいかに深刻か」を強く主張し、女性専用車両の必要性をどんどん主張する。

そして反対する者には「痴漢を撲滅したら女性専用車両はなくなりますよ」などと(痴漢がなくならないと分かっていて)反対派を黙らせるために「痴漢を撲滅しろ」と言う。

(実際には痴漢対策とは名ばかりで、選挙対策や実績作りのため女性専用車両拡大を活動目標にする政党・政治家がいることや、「女性専用車両限定広告」と称して割高な広告料を設定するビジネスが存在するなど、女性専用車両で得をする人間がいるから、痴漢が無くなっても女性専用車両はなくならない)

その一方で鉄道事業者は女性専用車両の導入・実施理由について、近年では「痴漢対策」という言葉を徹底してものの見事に避けている。

鉄道事業者のサイトを見ても「迷惑行為防止」とか「安心して乗車できるため」などとはぐらかしていることが多く、少なくとも公式には痴漢対策とはまず言わない。これは全国どこの鉄道事業者でも同じである。

先日、当会の会員数名が札幌市交通局を訪問した際も「女性は体が弱いので満員電車の中でつぶされてしまわないように守る必要がある」などと、およそ痴漢云々とは全く関係の無い理由を出してきていた。これでは男性に対する差別であるのと同時に、女性に対する慈悲的差別でもあると言われても仕方ないだろう。

そして、鉄道事業者が女性専用車両を「痴漢対策」と言わないのは「女性専用車両が痴漢対策ではない」とバレてきていることを、鉄道事業者が実はすでに察知しているということでもある。

(しかし「迷惑行為防止」とか「安心して利用できるように」という表現は、利用者からすれば「痴漢対策」の言い換えのように映る可能性が高いので「鉄道事業者が女性専用車両のことを痴漢対策だとは言っていない」と見破るのは難しいかもしれない)

海岸線の女性専用車両が中止されているので予定を変更し、JR神戸線で三ノ宮駅(地下鉄とJRで駅名の表示が異なる。地下鉄は「三宮」)まで乗車することにした。

JR神戸線 新長田→三ノ宮

地下鉄新長田駅の改札を出て地上に上がるとすぐJRの新長田駅がある。

もちろんだが、地下鉄1日乗車券はここでは使えないので各自切符を買ったりICカードで入場したりした。

JR新長田駅
同左(列車は通過中の快速列車)

次の三ノ宮方面は11:18発の普通高槻行きのようだ。

ホームの女性専用車マークの位置で並んでいると、女性専用車に関する自動アナウンスが流れた。

しばらくして列車が到着。全員乗車した。

新長田駅に到着した普通列車

私達が乗車しても特に声掛けなどはなく、車内の女性客達も私達のことは特に何も気にならない様子で何気ない会話を続けていた。

この日の神戸は爽やかな快晴。車内に冬の柔らかい日差しが差し込む中、列車は神戸の市街地を快調に駆けていく。

車内も車外も平和だ。

快晴の神戸市内をJR神戸線で駆け抜ける

結局11:27頃に三ノ宮駅に到着するまで声かけは全くなく、ここで予定通り下車して三宮駅近くの飲食店で食事休憩することにした。

テーブルを囲んでみんなで歓談し盛り上がる、ひとときの楽しい時間である。

三宮で昼食

地下鉄西神・山手線 三宮→谷上

食事を終えて地下鉄三宮駅まで歩き、12:53発の谷上行きの女性専用車両に乗車。

今度は1か所に固まるのではなく、2人ずつくらいで3か所に分かれて乗車した。

すると一緒に座席に座っていた会員Yと会員Zに向かいの座席の女性客(女性客Aとする)が、「ここは女性専用車両だから出て行ってください」などと言ってきたので「法的根拠はない」「任意協力だから出て行く義務はない」とはっきり移動を拒否したにも関わらず、「ここ(神戸市営地下鉄)の女性専用車両は土日も含めて毎日始発から終電まで女性専用です!」と返してきたため「強制する気か!」とトラブルに。

女性客Aの態度が高圧的だった上にしつこかったため、口論するうちに騒ぎが大きくなり、車内にいた乗客が次々と隣の車両へ移って行った。

先に女性客Aが高圧的な態度をとってきたこと、およびトラブルが大きくなりこのまま収まりそうもないと判断したことから、会員Zが非常ボタンを押した。

実はこの会員Zだが、過去に神戸市営地下鉄でトラブルになった際に神戸市交通局側からも「もしトラブルになった場合は車内非常ボタンを押すように」と言われていたとのこと。

またこれは国土交通省にも以前に別の会員が確認しているが、「女性専用車両は任意なのでトラブルになった場合は非常ボタンを取り扱っても問題ない」とのことであった。

トラブルに気付いてやってきた乗務員に会員が事情を説明すると、あとから駅係員3人がやってきた。

この女性客A、西神・山手線での女性専用車両の実施時間帯や実施日を即座に正確に答えるなど、女性専用車両について(表向きの)知識は深いようだ。しかし「女性専用車両」と名乗りつつ「実は任意協力で男性であっても誰でも乗れる」であるという「表向きではない本当のこと」についてはご存じなかったようだ。

恐らく「小学生以下のお子様と、障がい者・介護者の男性も乗れる」という案内も「小学生や障がい者・介護者は男性であっても例外的に女性専用車両に乗れる」と解釈していることだろう。もちろん実際は任意協力であるので、誰でも乗れるのだが…

鉄道事業者もマスコミも触れない「インターネットでしか知ることの出来ない本当の情報」が、女性専用車両問題でも存在するということである。

結局、女性客Aは駅員から「これは強制できないものなので…」と説明を受けた後、大きな声で「すみません!! 」と謝罪してからその車両を出ていった。

騒ぎを起こしてしまったことに対する謝罪というより「絶対に間違いなく自分のほうが正しい」と思っていたのにあとから任意協力であることを知らされ、少々頭に血が昇ってしまったのではないだろうか。

もちろんそうだとしても、こうなるのは鉄道事業者が本当のこと(任意協力)を知らせないからである。

これまで当会が過去何度も指摘して来たように、車両などの「女性専用車両」の表示は実は単なる商品名である「朝専用缶コーヒー」と同程度の意味しかない。

つまり、女性客Aは鉄道事業者から本当のことを知らされていなかったせいで「朝専用缶コーヒーを夕方や夜に飲むのは違反だ!」と主張するのと同じような恥をかいてしまったのである。

女性客Aと会員Y・Zが口論している様子を見て、遠くの方から別の女性客(女性客Bとする)が「嫌なやっちゃな!」(嫌な奴だな!)大声を上げたものの、こちらも鉄道係員の1人から「私達から強制的に降ろすことが出来ません」という説明を受けた後、車内に向けて「すんませーん」と謝罪していた。

個別の声かけ自体が失礼な行為だが、最初に声かけしてきた女性客Aがせめて1回目の声かけの後すぐに引き下がればここまでの事態にはならなかったのではないか。

トラブルが一段落し、駅係員らが去ろうとした時に1組のカップルが乗ってきてそのまま着席した。

結局約5分ほど遅れて発車し、車掌が肉声アナウンスで「お客様対応により列車の発車が遅れましたことをお詫びします…」とアナウンスを流した。

こういう状況になると決まって「男が女性専用車両にわざわざ乗るせいで列車が遅れた」等と言い出す者が出てくるのだが、私達は「任意協力」という鉄道事業者側が設定している条件に従って乗車しているだけであり、列車が遅れるのは私達を排除しようとしてくる乗客がいるからである。

そしてそういう乗客が現れるのは鉄道事業者側が任意協力であるにも関わらず「女性専用車両」と表示を出し、さらに「小学生以下のお子様や障がい者・介護者は乗れます」などと、まるで「それ以外の男性は乗車禁止」であるかのように見せかけているからである。

(先ほども少し触れたが、実際は小学生以下のお子様や障がい者・介護者だけでなく、男性であっても誰でも乗れる。…というより性別を理由に乗車を禁止にできない。

「小学生以下のお子様や障がい者・介護者も乗れる」という案内は「それ以外の男性は乗車禁止」と利用客に勘違いさせる原因である。)

神戸市営地下鉄に限らず、鉄道事業者は車両名を女性専用車両という名前にして任意協力であることは普段言わずに「男性乗車禁止」であるかのように利用客を勘違いさせている。

そうしておけば男性は誰も乗らないだろうし、一方で「差別」だとか「憲法違反」だとか言われたときには『強制していない(任意協力)なので、差別には当たりません』とうまくかわせるということなのかも知れないが、これはあまりにも汚いやり方というものである。

女性専用車両の導入当初は私達のような「任意協力であることを隠そうとするな!」と敢えて乗車する団体が現れることなど完全に想定外だったのかも知れない。

もっと言えば世間では痴漢対策ということになっているが、実際には痴漢対策という理由自体が世間に「痴漢する男がいるのだから仕方が無い」と思わせるための方便である可能性が高い。

「本当か?」と思う方は先ほどの(神戸市営地下鉄)海岸線のように「ガラガラの列車に終日女性専用車両を運行する一方で、沿線イベントで混雑するときだけ解除」という状況があることも思いだしていただきたい。

その他、他社局の状況を見ていても、例えば都営地下鉄大江戸線のように「コロナで乗客が減って混雑率が下がり、女性専用車両を導入しやすくなったので、この機会を逃さず女性専用車両導入を!」とばかりに一部の政党や政治家がごり押しし、もはや女性専用車両の設置自体が目的としか思えないような状況で導入されたようなケースもあるし、JR西日本のように(こちらも神戸市同様ガラガラの電車に終日設定しながら)「毎日終日運行しているからいつでも乗れる」「行きも帰りも女性専用車もう私の習慣です」と、あからさまに客寄せサービスとしか思えないような宣伝をしていたケースもある。

(ついでに言うとJR西日本の女性専用車はわざわざ階段やエスカレーターにできるだけ一番近い位置に停まるように設定されているなど、どこまでも女性優遇客寄せサービスと化している)

※議員の方のポストについては公人のため、氏名や画像を隠す処理を行っていません

さらには熊本市交通局のように「感染症(コロナウイルス)の大流行で乗客が減ったから」と、明らかな減客・減収対策として客寄せ目的の女性専用車両(→市議会議事録に証拠あり。下左)を導入し、それを表向き「迷惑行為防止の取り組みの一環」と自らのサイト上で発表した(下右)例もある。

さっきも言ったが、今はどこの鉄道事業者も女性専用車両の導入理由について「痴漢対策」だとは(少なくとも公式には)まず絶対に言わなくなってきている。先日の札幌市交通局もそうだった。

「今の女性専用車両は世間が痴漢対策だと思い込んでくれているから設置し続けられている」と言っても恐らく過言ではないだろう。

次の新神戸駅では三宮駅でトラブルの後に乗ってきたカップルが降りていき、代わりに1人の男性客が着席した。

その男性客は先ほど私達に「嫌なやっちゃな」と声かけしてきた女性客Bのすぐ近くに座ったものの、特に声かけされたような様子はなかった。

そして終点の谷上駅には13:08頃に到着。

谷上駅では同一ホーム上で神戸市営地下鉄から私鉄の神戸電鉄に乗り換えることができる。

ホームの向かい側には神戸電鉄の三田行きの電車が停車しており、地下鉄からの乗り換え客を拾って谷上駅を発車していった。

とはいえこの神戸電鉄も、神戸市営地下鉄での三宮駅でのトラブルの影響により2分遅れて発車した。今回は地下鉄からの接続待ちをしていたが、場合によっては遅れが増延して谷上駅で三田行の列車と接続できない場合もある。

そうなると次の列車まで待たなくてはならず、15分くらい遅れて目的地に到着となってしまうことも肝に銘じておくべきである。

何度も言うが、トラブルを起こしたのは私達ではないし、またトラブルになるかも知れないからと「任意協力」の車両を避けなければならない義務もない。というかそんな理由で乗車しないようにしたらそれこそ「任意協力なのに女性専用と名の付いた車両を走らせる鉄道事業者」の思うつぼである。

私達は谷上駅のホームに留まり、次の西神中央行きを待つことにsいた。

地下鉄西神・山手線 谷上→三宮

折り返し、13:11発の西神中央行きの女性専用車両に乗車すると、私達以外にも3人の男性客が乗車してきて着席した。

谷上駅停車中に乗務員らしき鉄道係員がホームを走って行ったが、私達には声かけなし。

谷上駅発車後にまた車内で(谷上駅発車直後限定の)女性専用車両に関する自動アナウンスが流れた。

この列車でも周囲の女性客達は何気ない会話を続けていて、男性が多数乗車していることを特に気にしているような様子はなかった。

次の新神戸駅からは更に男性客2人が乗車。そして三宮駅には13:21頃に到着。

私達はここで下車した。

JR神戸線 三ノ宮→尼崎

私達は地下鉄三宮駅をあとにし、JR三ノ宮駅に向かった。

JR三ノ宮駅ホームでは女性専用車に関する自動アナウンスが流されていた。

しばらくしてやってきた13:43発の普通京都行きの女性専用車に乗車すると、私達の他に1組の男女が乗ってきてそのまま着席。

13:43発、普通京都行き

その他にももう1組の男女カップルが既に座席に座っており、三ノ宮駅から途中の住吉駅まで2組とも女性専用車に乗り続けていた。

途中、芦屋駅や西宮駅などを過ぎ、尼崎市内の立花駅停車中にいつの間にか高齢の男性らしき乗客が優先座席に座っているのを確認した。

結局この電車では声かけ等はなく14:13頃に尼崎駅に到着。ここで解散し乗車会は終了とした。

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【札幌】2025年1月 札幌市営地下鉄任意確認(非協力)乗車会

2025年1月15日の朝に札幌市営地下鉄東西線および南北線で女性と子供の安心車両に任意確認のため乗車会を行いました。

札幌市交通局のサイトの説明では「任意によるものなので、拡否することはできません。」「このため、男性のお客さまが乗車されましても、乗務員が直接注意を行うことはありませんが、~」とありますが、さっぽろ駅で駅員が乗車しようとした私達に声掛けしてきただけでなく、腕を伸ばして制止しようとしました。

以下その報告です。


大通駅からスタート

朝7時20分に大通駅に集合。

まだ朝ラッシュには少々早いためか、改札口付近に人影はまばらであった。

まずは自動券売機で地下鉄専用1日乗車券を各自購入。

大通駅の改札。まだ人影はまばらである
1日乗車券

他の地域の1日乗車券と同じく、これを持っていれば改札を出ずに同じところを何度重複して乗車しても問題ない。

1日乗車券を購入している最中に突然自動放送で「地下鉄では平日の始発から午前9時まで女性と子どもの安心車両を運行しています。皆様のご協力をよろしくお願いします」と安心車両の案内が流れた。

今回は

①東西線:大通→宮の沢

②東西線:宮の沢→大通

③南北線:大通→麻生(途中さっぽろ駅で任意確認のため後続乗り換え)

④南北線:麻生→大通

⑤東西線:大通→大谷地

の順で乗車した。

東西線 大通→宮の沢

大通駅改札口から中に入り階段を降りると南北線のホームである。ここを歩いて通り抜け、さらに階段を下りて東西線ホームに。

7:26発宮の沢行きに乗車。車内は座席が埋まり、立ち客がわずかにいる程度。

停車中に男性客が数人通り抜けて行ったが、パッと見た感じ車内に留まっている男性はいないように見えた。しかし次の西18丁目駅で下車した乗客の中に1人男性がいるのを確認した。

車内の様子

円山公園駅で空席が出たので私達も着席。その次の西28丁目駅で乗客がさらに下車して車内は空席が目立つようになった。

琴似駅の手前で男性が車内を通り抜け。琴似駅でもさらに降りて車内はガラガラに。

終点の宮の沢駅には7:41着。宮の沢駅に着いた時点で私達以外に女性客が6人乗っていただけだった。

宮の沢駅に到着(車内より撮影)

東西線 宮の沢→大通

私達が乗ってきたこの列車は宮の沢駅からそのまま折り返し7:47発の新さっぽろ行きになる。

私達がホームに降りるのと入れ替わりにホームで待っていた乗客が一斉に乗車。

一旦ホームに降りた私達も再度、新さっぽろ行きとなったその列車に乗車。

今回、1日乗車券を使用しているので改札を出ずに折り返し乗車をしても問題なし。

車内では周囲からの視線は感じたが、声掛けはなし。少し空席があったので私達も着席した。

しばらくして、折り返しのため運転士が車内を通り抜けて先頭車両まで移動。着席している私達の目の前を通ったが何も言ってこず。

その後に男性が1人乗車して着席。さらに他にも男性の通り抜けがあったものの、着席した男性客は安心車両だと気づいたのか隣の車両に移動してしまった。

発車時刻近くなると「女性と子どもの安心車両」にも立ち客が出始めた。そして時刻通り7:47に宮の沢駅を発車。

次の発寒南駅でさらに立ち客が増えて車内は見通しが利きにくくなってきた。宮の沢駅から1駅走っただけだが、やはり札幌市中心部に向かう列車はかなり混雑するようだ。

その後も各駅で次々乗ってきて本格的なラッシュになった。時々車内に高齢者や障害者向けの専用席(他の鉄道会社で言う優先座席のことだが、なぜか札幌市営地下鉄では優先座席ではなく専用席になっている)のアナウンスが流れるが、ここまで安心車両の車内アナウンスはない。

かなりの混雑のまま8:03頃に大通駅に到着。ここで乗客の多くが一斉に降りてホームはあっという間に人でいっぱいになった。

人でいっぱいになった大通駅東西線ホーム

南北線 大通→麻布

東西線ホームから階段を上り、南北線のホームに移動。

南北線ホームに移動

そこへやってきた8:07発の南北線麻生あさぶ行きに乗車。車内は混んでいるが、大通駅で大勢が下車したためか押し合いへし合いするほどにはなっていない。

大通駅から1駅だけ乗車して次のさっぽろ駅で下車した。

後続列車に乗り換えて少しでも多く任意周知するためである。

さっぽろ駅でいったん下車

8:17発の麻生行きに乗車しようとすると、ホームにいた駅員Aが「こちら安心車両です」と言って声掛けしてきた上、私達の前に腕を伸ばして乗車を制止してきた。

札幌市交通局のサイトには「任意によるものなので、拒否することは出来ない」「男性が乗車しても、乗務員が直接注意を行うことはない」とある。(下記画像)

女性と子どもの安心車両に男性のお客様が乗ることについて

しかし、私達に直接声をかけてきている時点でサイト上の「男性のお客様が乗車されましても、乗務員が直接注意を行うことはありません」という記載に反している。

しかも声掛けだけでなく腕を伸ばして制止までしたのだから、これはサイト上に「(乗車を)拒否することは出来ません」とあるにも関わらず「乗車を拒否しようとした」と取られても仕方がないのではないだろうか。

(今回声をかけてきたのは乗務員ではなく駅員だが、声をかけてきたのが乗務員だろうと駅員だろうと「安心車両が任意によるものであること」に変わりはないだろう)

なお、声掛けの件とは少し外れるが上記ページの下部には「女性と子どもの安心車両導入の背景について」という項目もあり「アンケート調査において利用者の半数以上が「本市における女性専用車両の必要性」を感じている結果であり…(中略)…本格導入することといたしました」

などとあるが、実際には一度アンケートを採って「反対多数」の結果が出たので再度アンケートを採り直している。(詳しくはこちらを参照)

つまり、利用者の多くが賛成しているかどうかには関係なく、最初から女性専用車両(安心車両)の導入は決まっていたのである。そして、アンケートは交通局が「女性専用車両の導入は正当なんです。ちゃんと利用者にも意見を聞いて多数が賛成しているので…」と言えるようにするために採られた『出来レース』であった可能性が高い。

上記の事実に加え、札幌においても公明党が交通局に女性専用車両の導入を強く迫っていたことも考え合わせれば、女性専用車両(安心車両)が「痴漢被害から女性を守るためにやむを得ず採られた措置」などとは似ても似つかない代物であることがよく分かる。

「痴漢対策」とか「女性を守るため」とかは建前なのだ。

「男が痴漢するから女性専用車両ができた。だから男が悪い。そんなに女性専用車両が気に入らないなら差別だ何だとごちゃごちゃ言ってないで痴漢を撲滅すればいいのにそんなことも分からないのか!」などと反対派に上から目線で言っている人は自身が単なる情弱(情報弱者)であることを自覚した方がいい。

さっぽろ駅で私達に腕を伸ばして乗車を制止しようとした駅員Aもおそらく「女性と子どもの安心車両」にこんなウラや過去があるなんて全く思いもよらないことだろう。

もちろん私達は協力するつもりはないということを駅員Aに告げ、構わず乗車した。

車内は座席がほぼ埋まる程度。次の北12条駅で空席が出たので私達も着席。

札幌市の中心部から離れていくため乗客が減っていき、北24条駅の時点でガラガラに。

終点の麻生駅には8:29着。

南北線 麻生→大通

麻生駅に到着したが、1日乗車券があるので下車せずそのまま引き続き乗車。列車は折り返し真駒内行きになる。

しばらくして折り返しのため運転士がホームを歩いて移動していった。私達への声掛けはなし。

真駒内行きとなったこの列車は8:31に発車。

麻生駅を発車した時点で車内は立ち客がそこそこいる状態。

朝はやはり街の中心部に向かう列車の方が混むようだ。そして次の北34条駅で多数の乗客が乗り、車内は早くも混雑し始めた。

そこで「青色の座席はお年寄りや体の不自由な人の専用席になっています。ご協力をお願いします。」と専用席の自動アナウンス。

安心車両のアナウンスは車内では流していないようだ。

列車は混雑した状態のままさっぽろ駅に到着。ここで多数下車。

替わりに乗って来たのが少しだけだったので車内が一気に見通せるようになった。

本当はこのまま南北線で真駒内駅まで行くつもりだったのだが、先ほどさっぽろ駅で麻生行きに乗ろうとした際の駅員の対応があまりにも問題なので、予定を変更して大通駅から東西線に乗り換え、大谷地駅前にある札幌市交通局の本局を急遽訪問することにした。

さっぽろ駅を出て大通駅には8:43着。

ここで東西線に乗り換え。

再び東西線へ

東西線 大通→大谷地

先ほどは大通駅から宮の沢方面に向かったが、今度は逆方向の新さっぽろ方面に向かうことになる。

ホームに8:45発の新さっぽろ行きが到着。ホームに駅員がいたが声掛けはなく、私達以外にも男性が1人乗車。

安心車両は立ち客がわずかにいる程度だが、隣の車両はそこそこ混んでいる。次のバスセンター前駅で多数が下車し、安心車両は空席が出始め隣の車両も立ち客が減った。数駅進んで東札幌駅あたりからはガラガラに。

結局この列車では特に何事もなく、交通局のある大谷地駅でちょうど午前9時になり安心車両は解除。私達もここで下車した。

大谷地駅に到着

札幌市交通局を訪問

大谷地駅に到着した私達は、まず改札を出てとりあえず札幌市交通局の総務課に電話を入れた。

今回は事前にアポを取っていたわけではなく急遽だったので、まずは対応していただくことは可能かどうか確かめておく必要があるからだ。

こちらから「女性と子どもの安心車両について、いろいろとお聞きしたいことがあるのですが」と伝えると、電話口の総務課の職員は「それでしたら業務課の方へ行っていただけますでしょうか」とのことだった。

札幌市交通局

「ありがとうございました」と言って電話を切り、ここで業務課に行く前に札幌市交通局のサイトを確認し(安心車両に男性が乗車しても)「任意によるものなので、拒否することは出来ない」「男性が乗車しても、乗務員が直接注意を行うことはない」

という記載が現在もサイト上にあることを事前に確認した。

業務課は建物の4階である。エレベーターで4階まで上がり、対応に出た業務課の方2人に

突然すみません先ほど交通局さんの総務課にお電話させていただきまして『女性と子供の安心車両について、担当者の方にお話を聞きたい』と伝えたら『業務課に行っていただけますか』とのことだったので、こちらに来させていただきました」と、これまでの事情を話すと、担当者の方が出てきて対応くださった。

担当者に約35分にわたり抗議

会議室のようなところに通され、まず挨拶を交わしてから(さっぽろ駅で駅員から声掛けされたり手で制止されたことは言わずに)個別の声掛けはするのかどうか尋ねてみた。

会員A:安心車両に男性が乗車していたとか、あるいはしようとしている場合、

交通局さんとしては(現場の方々に)声かけするように言ったりはしているんですか?

担当者:女性と子供の安心車両についてはあくまでもお願いをさせていただいている立場でございますので、

ご協力のお願いをさせていただくことはあります。

↑「ご協力のお願い」と言っても、これでは「放送によるお願い」なのか「個別に声をかけてお願いする」のかが分からない。そこで個別声掛けをするのかどうか確認した。

会員A:乗客個人に直接声をかけることは無いんですか?

担当者:お声を掛けることに関しては、あのー、放送等でのご案内はさせていただきますが、あのー、できる限り直接の声掛けというよりは、放送等での声掛けをさせていただいているところになります。  

【できる限り】直接の声掛けと言うよりは放送等で…」とのことだが、これは言い換えれば「場合によっては個別に声掛けもする可能性がある」と言っているようなもので、『乗務員が直接注意を行うことは【ありません】』と言い切っている交通局サイトの記載とは明らかに食い違う。

「男性が乗車していても直接注意することはない」とサイトに明記されているのだから担当者もはっきりと「放送等でお願いすることはありますが、個別にお声を掛けることはありません」と言えばよいのだが、担当者はなぜそう言わないのか。

会員B:大通駅では自動アナウンスをしていましたが、それだけしかしていないんですか?

担当者:ご案内は放送でさせていただいているということですね。

会員A:直接の声掛けについて、交通局さんは(現場の職員に)「するな」と言っているのかそれともそういうことは言ってないのでしょうか?

会員B:「するな」と言っているのか、個人の判断に任せているのか、どちらですか。

担当者:うーん…。そこについてはちょっとあのー、なかなか…

そうですね啓発活動を兼ねて行っているところになるので「するな」っていうような完全に控えてもらうというようなことはしていないですね。

↑この担当者の発言内容だと「啓発活動を兼ねているので個別の声掛けを容認している」とも取れてしまう(もしそうだとすれば、交通局サイトの「男性が乗車していても直接注意することはない」という記載と話が違うということになる)。

少なくとも交通局が「個別の声掛けをしないようにという指導は特にしていない」とは確実に言えるだろう。

ここで、交通局のサイトに「個別の注意はしない」と記載があることを担当者に伝え、さらにさっぽろ駅の駅員が声掛けしてきただけでなく、手を伸ばして制止しようとしてきたこと、そして駅員の氏名なども伝えた。

さらに「乗車しようとしたら手を伸ばして制止するのは乗車拒否ととられても仕方ないのではないか」とも伝えた。

これについては後で改めて駅員本人に事情を聞くとのこと。

この後も話が続くが、全部記載すると長くなりすぎるので、ここからはすべての発言をそのまま記載するのではなく、大体の話の流れを記載する。

会員C:性別は選べないです。本人が選べない属性を理由に排除しようとする女性専用車両(安心車両)は小中学生のいじめレベルだと思います。女性と子供の安心車両という名前で運行してますけど、女性と子供以外は安心でなくても良いのですか?

特に男子については『小学生までは安心の対象だけど中学生になったらもう男子は安心の対象じゃない』というメッセージを発しているわけですけど、交通局さんもそのように考えているんですか。

会員A:人に迷惑をかけたり不安に陥れたりするのは、男性とは限らないわけで、先日も神戸で女が刃物を振り回す事件があったり、過去にも名古屋の地下鉄の女性トイレで女が殺人事件を起こした(※2010年9月5日に、名古屋市営地下鉄金山駅の女性トイレで23歳の女がたまたま近くにいた81歳の高齢女性を突然刃物で刺して殺害する事件があった。)こともありましたが『安心な車両を作る』といいながら一方的に男性を排除しようとするというのはあまりにも男性を悪者にしすぎだと思います。

強制したら差別になるからということで、女性しか利用出来ないように思わせながら「実は任意協力」みたいなことをするのは、言い方は悪いかも知れませんが、これでは利用客を騙しているようなものじゃないですか?

担当者:ご理解いただきたいのは、私達も悪意を持ってこの取り組みをしているのではないということはご理解いただけるかなと思いますが、あの、どうしても女性の方ですとか子供のお客様ですとか比較的に身体的に体の線が細かったり骨格が細かったり、満員電車に乗ったときに例えば圧迫されてしまうとか、そういったことを考えたときに、やはり男性の方より比較的に体として弱い部分はあるというのは皆様男性の方になりますので分かるかなと思うんですけども…

↑世間では女性専用車両(安心車両)=痴漢対策ということになっているが、いつから「女性は身体が弱いから満員電車で潰されないようにするためのもの」になったのだろうか?

もはや女性専用車両(安心車両)は「あるのが当たり前」という前提になっていて、存在理由の方が曖昧になってきているようにも取れる。もちろん最初から「痴漢対策」という導入理由自体が怪しかったのは先述の通り。

また「女性は弱いから保護する必要がある」と考えているのであれば、これは差別の一種である「慈悲的差別」に当たる可能性がある。(※慈悲的差別は施しをすることで個人の自立や成長を阻害しており、長期的にはより劣った個体にされてしまう差別である。)

会員A:それは傾向の話であって、若い健常者の女性と足腰もおぼつかない高齢の男性ならどちらが弱者なんですか。そもそもこんな「任意協力であること」を隠さなければならないようなことを公共交通機関がしてよいのですか?まして交通局さんは公営ですよね。

会員B:加えて今はご存知かと思いますが外国人観光客が多くなっておりますね。アメリカやイギリスや台湾などのような先進国では女性専用車両は性差別ということで廃止されましたので、外国人には性差別を意識しておられる人が多いと思われます。

そして最後は「お忙しいところ、お時間を取っていただきありがとうございました」と述べて交通局をあとにした。

乗車会・交通局訪問を終えて

今回、交通局を訪問したことでおそらくしばらくの間は安心車両に男性がいても声掛けされることは無くなるだろう。

しかしこれは札幌に限らないが、しばらく活動を行っていないと声掛けは復活するし、さらにそのままだといつしか「任意協力であること」すら忘れ去られてしまう。

札幌市やその周辺にお住まいの方で、活動したいという方は是非当会に入会申し込みをしてほしい。

もちろん札幌市周辺以外でも15歳以上の方(中学生不可)であれば老若男女を問わず大歓迎である。

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活動履歴

【関西】2025年1月 JR阪和線で非協力乗車会

2025年1月7日朝、JR阪和線で非協力乗車会を行いました。

JR阪和線を走る特急くろしお号の女性専用席について任意性が担保されているかを確認するためです。
以下その報告です。


天王寺駅から特急くろしおに乗車

今回はJR天王寺駅に朝7:45に集合して天王寺駅から和歌山駅まで特急くろしおの女性専用席に非協力乗車し、和歌山駅からはJR阪和線の普通や快速を乗り継いで天王寺駅まで戻ってくる予定である。

真冬のこの時期、朝7時を過ぎても太陽はまだ低く、辺りは少々薄暗い。

JR天王寺駅のすぐ向かいには日本一高いビル(まもなくその座を他に譲るが)として有名な「あべのハルカス」がある。

あべのハルカス
JR天王寺駅

もちろん今回の目的地はそちらではないのでそのままJR天王寺駅に入り、7:59発の特急くろしお1号新宮行きを待つことにした。

ホームで他の参加メンバー達と合流。私達のいるホームはそれほど混雑していなかったが線路を挟んて向かい側の大阪環状線のホームはこれから朝ラッシュ時ということもあり、徐々に混雑しはじめていた。

天王寺駅の駅標
天王寺駅ホームの様子

やがて案内放送と共に乗車予定の特急くろしおがホームに入ってきた。

特急くろしおは5号車の一部の座席が女性専用席になっている。

特急くろしおが到着

※ここからは過去記事でも述べた内容なので、すでに知っている人は次項【特急くろしお 天王寺→和歌山】まで飛ばして下さって構わない

JR西日本の女性専用席は2007年に北陸本線の特急サンダーバードで発生した暴行事件の直後、特急サンダーバードと、関西から和歌山方面に向かう特急くろしおに設置された。(後にJR神戸線の特急ラクラクはりまにも設置)

事件の直後に設置されたので防犯対策だと思われがちだが、当のJR西日本自身が「以前から要望があり、サンダーバードの事件とは直接関係ない」とマスコミを通じて発言していたこと(情報元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070823-00000923-san-soci=現在はリンク切れ)や、導入当初に女性専用席を『「あったらいいな」からできました。』などと宣伝していたことから、こちらも通勤電車の女性専用車と同じく、防犯対策の仮面を被った「女性優遇客寄せサービス」であると思われる。

JR西日本はこのとき同時に車内SOSボタンも設置している。こちらは事件を受けての対策と思われるが、女性専用席は上記の理由からおよそ防犯対策とは考えにくい。

また、女性専用席のある車両だけトイレが女性専用になっていることなどからも、やむを得ない防犯対策ではなく、女性を主眼にした客寄せサービスであることが伺える。

いわば、レディースデー的な感覚で設置されていると思われるが、一般のサービス業とは異なり、鉄道は公共交通機関である。

特急くろしお 天王寺→和歌山

列車のドアが開いたので私達はそのまま乗車した。

車内は空席が目立ち、それほど混んでいる感じではない。

5号車の一画、10数席ほどが女性専用席とされており、そこだけシートのカバーの色が違う。

私達は事前に予約していた座席に各自着席したが、周囲の乗客は特に何も言って来なかった。

指定券の券面には「女性のみ利用可」と表示されており、また特急券をネットや券売機で予約する際も「女性のお客様および同伴される小学生以下の男性のお子様に限りご利用できる座席です」と画面に表示されるが、実際は通勤車両の女性専用車と同様で何ら強制力はない。

つまり、「女性のみ利用可」は完全な虚偽なのだ。

もちろん私達が勝手に言っているのではない。国土交通省にも確認済みである(下記動画参照。音声のみ)。

しばらく停車のあと、列車は時刻通り天王寺駅を発車。

天王寺駅を発車

阪和線に入るための渡り線を通って高架に上がり、そこから先は杉本町駅付近まで大阪の市街地を高架で駆けぬける。

しばらくして、列車が鶴ヶ丘駅付近に差し掛かった辺りで車掌が突然筆者に声かけしてきた。

車掌:すみません。こちら女性専用席になっておりますが…

筆者:はい。

車掌:お客様ご自身でご予約されたものですか? 女性の方が予約されて、その方から受け取られたとかではないですか?

筆者:自分で予約しましたが…(女性専用席という名前であっても)本当は男性も利用できますよね?

車掌:はい、分かりました。

車掌はそう言って、他のメンバーには声をかけず去っていった。

やがて列車は高架から地上に下り杉本町駅を通過。その先で大和川を渡って浅香駅、続いて堺市駅を通過。

さらにおおとり駅、和泉府中駅などを通過していくうちに周囲は都会の風景から徐々に郊外の住宅地へと変わって行く。

列車は再び高架に上がり東岸和田駅を通過。だんじりで有名な岸和田市の駅である。

東岸和田駅を通過

再び地上に下りて熊取駅を通過し、次の停車駅の日根野に到着。

日根野は大阪府泉佐野市にある駅で、元々は特急はおろか快速列車にも通過されてしまう小駅だったが、平成6年に関西空港が開港したことで関西空港へ向かうJR関西空港線がここから分岐するようになったため、快速はもちろん特急も(一部を除き)停車するようになったという、関西空港のおかげで「大出世」した駅である。

日根野駅に停車

日根野駅を出ると次の停車駅は和歌山である。

和泉砂川駅付近まで来ると沿線には田畑の向こうに山が見えるような長閑のどかな風景が広がる。

さらにそこを過ぎて和泉鳥取駅あたりから線路は南に進路を変え、山越えにかかる。

阪和自動車道と交差しながら深い山の中へ入り、山中渓やまなかだに駅を通過。

その先で大阪府から和歌山県に入る。

のどかな風景が広がる(和泉砂川駅付近)
山中に入って大阪と和歌山の県境を越える(山中渓駅付近)

やがて和歌山の街並みを見おろしながら徐々に高度を下げ、紀伊駅、六十谷むそた駅、紀伊中ノ島駅を通過して紀の川を鉄橋で渡るとまもなく和歌山駅である。

紀の川を鉄橋で渡る(紀伊中ノ島~和歌山間)

和歌山駅で

和歌山駅には8:46に到着。

下車してホームに降り立つと車掌が業務引継ぎをしているのが見えた。

どうやらここで車掌が交代するようだ。

そこで先ほど鶴ヶ丘駅付近での声かけについて尋ねてみた。

筆者:すみません、今ちょっとお時間良いですか?

車掌:はい。

筆者:先ほど私に声をかけられた方ですか?

車掌:はい、そうです。

筆者:(車掌が立ち止まったので)あ、歩きながらでいいですよ。さきほど声をかけられた理由はなんですか?見た目で男性と判断されたからですか?見た目男性でも、心は女性という方もいらっしゃいますし…

車掌:すみません。先程お声掛けさせていただいたのは時々女性の方が切符を購入されて、それを受け取った男性の方が知らずに乗車していることがありますので確認のために声をかけさせていただきました。

筆者:まあ、あなたに言っても仕方ないかもしれませんが、任意協力なのに「女性専用」席という名前で、しかも「女性のみ利用可能」と(券面に)表示するのは事実と違いますし、良くないんじゃないですか?

車掌:確かに表記としては女性専用ですが、事実とは異なる表示になっていますね。

ここで駅の改札口に到着したので、「お忙しいところ失礼しました」と伝えて私達は改札外に出た。

ふと思ったこと

しかしここで思ったのは「男性のお客様が知らずに座っている場合があるので確認のため声かけさせていただきました」とのことだが、もし男性が本当に知らずに座っていた場合、移動するように言うのだろうか。

ちなみに特急くろしおは全席指定で自由席はない。男性であるというだけで目的地まで立って乗車になるのだろうか?

先ほど【天王寺から特急くろしおに乗車】の項でも述べた通り、女性専用席は当のJR西日本が「サンダーバードでの事件とは関係ない」と発言するなど、防犯対策とはおよそ言えない代物である。

実際には強制力がないとはいえ「女性のみ利用可」など、実質強制であるとしか思えないような案内をしており、私達のように「実は男性が利用してもOKであること」を知っていないとまず利用できない。公共交通機関がこのようなものを設置している時点でかつてのアパルトヘイトを連想してしまう。

これでは男性に対する人権侵害だと言っても過言ではなかろう。

もちろん本当に強制したら法的にもまずいから、実際にはどんな男性でも正しい乗車券と指定席券を持っていれば座れるのだ。

しかしそこを隠して強制であるかのように装って運用し続けるのはいかがなものか…

予定を変更

和歌山駅からは快速や普通を乗り継いで天王寺駅まで帰るつもりだったがこの時間帯は和歌山駅から出る阪和線の列車には女性専用車がないことが判明した。阪和線で女性専用車があるのは6両編成の普通・快速のみで、4両編成および紀州路快速には女性専用車がない。

そこで急遽予定を変更し、和歌山9:50発京都行きの特急くろしお12号で引き返すことにした。

くろしお12号の発車まで、あと約1時間ほど時間がある。

すぐに座席の予約を済ませ、9:50まで和歌山駅で時間潰しをすることにした。

JR和歌山駅
9:50発の特急くろしお12号に乗車

特急くろしお 和歌山→天王寺

しばらく時間を潰したあと、発車時刻が近づいて来たので私達は再び改札内に入ることにした。

そしてホームでしばらく待っていると特急くろしお12号が到着。私達は乗車した。

筆者は通路側の席だったが、窓側の席はお茶のペットボトルが置いてあるだけで人はいなかった。

おそらくお手洗いに行っているのだろう。

列車はそのまま和歌山駅を発車。

しばらくして隣の席の女性客が帰って来た。何か言って来るかと少々緊張したが、特に何も言って来なかった。

やがて列車が和歌山県と大阪府の間の山間部に入ったあたりで車掌が車内を回ってきた。

さっき和歌山駅で話をしたあの車掌だ。

どうやら新宮行きのくろしおに和歌山駅まで乗務したあと、そこでしばらく休憩(?)して、折り返し新大阪・京都方面のくろしおに乗務しているらしい。

もちろん今回は何も言わずに通り過ぎて行った。

その後は特に何事もなく、次の停車駅である日根野駅を出て天王寺駅には10:33到着。

私達はここで降りてホームから京都に向けて発車していく特急くろしおを見送った。

天王寺駅で下車、列車を見送る

そして天王寺駅の改札を出たところで解散。乗車会は終了とした。

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活動履歴

【関西】2024年12月 JR西日本線(JR東西線、JR神戸線等)で非協力乗車

2024年12月28日、JR西日本線で非協力乗車を行いました。

その途中で女性客からの声掛けがあり、JR西日本が任意性を周知していないためであると考えられることから新大阪駅で抗議したのですが、対応した駅員がとんでもない発言をしました。

以下その報告です。


大阪環状線がストップ

2024年12月28日、当会の関西の活動としてはおそらくこれが年内最後になるであろう非協力乗車会をJR(西日本)線にて行った。

当初の予定では大阪駅に17時に集合してJR京都線で京都駅まで行き、そこからJR奈良線で木津駅まで南下し学研都市線に乗換えて京橋駅まで乗車。最後は大阪環状線の天満駅まで乗車することになっていた。

しかし、乗車会開始直前の16:30頃に突然大阪環状線の内回り電車がストップし、一部メンバーが待ち合わせ場所である大阪駅まで到着できなくなった。

駅や車内などでの放送によると、大阪環状線の大正駅~弁天町駅間で架線にビニール袋が引っかかっていることで電車の運行ができなくなったとのこと。

仕方がないので集合場所を大阪駅からJR東西線の北新地駅に変更し、以下のようなルートとした。

  1. JR東西線:北新地→尼崎
  2. JR神戸線→JR京都線:尼崎→新大阪
  3. JRおおさか東線:新大阪→鴫野
  4. JR学研都市線→JR東西線:鴫野→大阪天満宮

JR東西線:北新地→尼崎

北新地駅で改めて集合。そこから17:52発の普通西明石行きの女性専用車に乗るべくホームで並んでいると、自動アナウンスで「この電車には女性専用車があります。ご利用のお客様は足元の女性専用車マークの位置でお待ちください。」と放送が流れた。

北新地駅ホーム
列車が到着

近くに男性客数人のグループがいたのだが、女性専用車(と名のつく一般車両)には乗車せず隣の車両に向かった。

別に移動する必要はないのだが、やはり女性専用車という名前がついていると乗車してはいけないみたいに思ってしまうのだろう。実際は「男性だから」というだけで同じ運賃を取りながら排除するわけにはいかないので「任意協力」ということにして、名前だけ「女性専用車」にして法に触れないようにしつつ、半ば乗客を騙す形で男性を乗せないようにしているのだが…

車内は座席がほぼ埋まっている程度で立ち客はほぼおらず、空いている。

次の新福島駅で何人か降り、車内は空席が目立つようになってきた。

新福島駅からも海老江駅、御幣島みてじま駅とずっと地下を進んでいく。海老江駅から御幣島駅の間は少し距離が長い。

これは大阪市内を流れる大きな河川である淀川の地下をトンネルでくぐっているためだ。しかしJR東西線はほぼ全線が地下トンネルなので車内にいても淀川を渡っていることには全く気づかない。

加島駅を出ると地上に出てJR神戸線と並行しながら今度は神崎川を鉄橋で渡る。といっても、もうすでに日が落ちて、辺りは街明かり以外は真っ暗である。

結局この列車では声かけは全くなく、尼崎駅に18:04頃に到着。

下車してここからJR神戸線の大阪方面の列車に乗り換え。

JR神戸・京都線:尼崎→大阪→新大阪

尼崎駅で女性専用車から降りるとエスカレーターがちょうど目の前。

そしてそのエスカレーターを上がると駅のコンコースに出る。そこからJR神戸線大阪方面のホームに向けて降りるエスカレーターに乗ると、これまた降りたところがちょうど女性専用車の目の前。

他社線でも偶然そうなることはあるがJR西日本の場合は意図的にそうしているふしがある。(下記資料参照)

下記の資料は平成16年にJR阪和線と大和路線に女性専用車が導入された際のものだが、「お客様の分かりやすさと動線を考慮」し(て位置を決めている)とある。もちろんJR尼崎駅だけでなく、関西地区のJR西日本の路線ではこのような「女性専用車が階段やエレベーターエスカレーターのちょうど前」という駅が非常に多い。

コンコースからエレベーターで降りていくと、ちょうど目の前に大阪方面行きの普通列車(18:07発、普通高槻行き)が停車していた。

女性専用車がエスカレーターの目の前(尼崎駅)

エスカレーターを降りてすぐ眼の前が女性専用車のため、すぐ乗車することができた。

実に便利が良い。世間では女性専用車両はやむを得ない痴漢対策と思われているが、JR西日本の女性専用車が「迷惑行為防止」(とJR西日本のサイトに書いてある)の仮面を被った「客寄せサービス」的な側面があるのはいつも言っている通り。

男性客(高齢者なども含む)のことをあまりにも軽く見ているのではないだろうか?

しかも鉄道は非常に公共性の高い事業であるにも関わらず、である。

尼崎駅を発車。車内は空席もあり空いていた。

次の塚本駅でさらに乗客が降り、車内はさらに空席が増えた。

塚本駅を出てしばらくすると、先ほどJR東西線で気づかないまま渡った(くぐった)淀川を、今度は地上の鉄橋で渡り、大阪キタの中心市街地に入る。

そのまま大阪駅に到着するかと思われたが、到着直前に列車の速度が落ち「列車の到着が少し遅れる」旨の放送があった。大阪環状線とは乗り入れなどはしていないものの、やはり間接的にダイヤ乱れの影響があったのだろうか。

この列車でも特に声かけはなく、大阪駅には定刻より少し遅れて18:16頃に到着。このまま降りずに乗り通してもおおさか東線との乗換駅である新大阪駅までは行けるが、任意周知のため、大阪駅で一旦下車して後続に乗り換えることにした。

大阪駅で下車。列車を見送る
大阪駅の駅標

後続の18:25発の普通京都行きの女性専用車に乗車するためホームに並んでいると、女性専用車の自動アナウンスが流れた。

更には後ろから高齢の女性客が「ごめん、お節介やねんけど、ここ女性専用の並ぶトコ…。」と声かけしてきた。

「知ってます!」と言ってやろうかと思ったがいかにも無知そうな感じだった。

何も知らないお婆さんと同じ土俵で争ってもしょうがないと思い、そのときは敢えて無視した。

しかし電車が到着すると、またその高齢の女性客は「ここ女性専用、女性専用…。」と下に指を指しながらしつこく言ってきた。

流石にひとこと言ってやろうかと思ったが列車のドアが開いたのでそのまま乗車。

しかし、この時私達以外にも数人ほどの男性客(日本人と外国人らしき男性)が一緒に女性専用車に乗車してきた。大阪駅から多数乗車したせいか車内は結構な混雑になっていた。

大阪駅で後発予定の快速列車が遅延していたため、その快速列車を待って私達の乗った列車も約5分遅れで大阪駅を発車。

発車後に車掌が肉声で「この電車の前から3両目、5号車は終日女性専用車です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」とアナウンスした。

しかし車内が混雑していたこともあってか、男性客は誰も隣の車両へは移動せず。

しばらくして今度はまた淀川(先ほど塚本駅付近で渡ったところよりも少し上流)を渡り、18:35頃に新大阪駅に到着。ここでおおさか東線に乗り換えるため下車したのだが、下車する際に大阪駅で確認した男性以外にも男性客が乗車しているのを確認した。

新大阪で下車

JR新大阪駅で抗議

新大阪駅コンコース

新大阪駅に到着してから先の大阪駅で女性客からのしつこい声かけがあったことについて、やはり任意であるにも関わらず「女性専用車」という名称で車両を運行しているせいだと考えられることから、手が空いてそうな駅員(以下、駅員A)を探してから抗議した。

ここまであったことを全てまとめてA氏に話したのだが、駅員A氏の回答はとんでもないものだった。

駅員A氏:女性専用車には男性のお客様は立入禁止です。

「女性専用車が任意協力である」ということを前提に(国土交通省にも直接確認済み)活動している私達としてはビックリ。

先のお婆さんのように、何も知らない無知な乗客ならまだわかるが、本職の鉄道員が「女性専用車に男性は立ち入り禁止」と発言するとは思わなかったのでなおさら驚いた。

会員A:法律で決まっていないどころか差別に当たりますので強制できないはずですし、それにJR西日本の運送約款にも女性専用車のことは書かれてないはずですが…。

それに土日とかほとんど混雑していないし、例えばゆめ咲線とかはほとんどカップルとか家族連れとかだし、そんな時間帯に必要ないのではないですか。

A氏:当社では曜日や時間帯に関係なく、毎日始発から終電まで女性専用車があるので、男性のお客様の乗車はお断りさせていただいております。

会員B:今の日本国憲法下で女性専用車を強制する事は法的にもまずいからできないはず。だから女性専用車と名乗っていても実際には強制していない。これはJRさんに限らずどこの鉄道事業者でも同じ。あなたはこの仕事をしていてそんな事も知らないのか?

A氏:少々お待ちいただけますか?

A氏はそう言って一旦、駅の改札口にいた上司と思しき職員に聞きに行き、しばらく経ってから戻ってきた。

A氏:あくまでもお願いベースです。

会員B:あの、失礼ですが新人さん?

A氏:ここの職場では新しいですね。

どうやら女性専用車が任意協力であることを本当に知らなかったようだが、これはJR西日本が「きちんと社員教育を行っていない」ということの表れでもある。

女性専用車は文字だけ見れば「女性専用」という強制力のある(としか思えない)表示を出して毎日走り続けている。つまり、何も知らない人間に対して「これは男性立ち入り禁止です」というメッセージを常に送りながら走っているようなものだ。

だから私達のように敢えて乗車して任意協力であることを主張する者がいなければ任意協力であることは忘れ去られ、女性専用車は事実上の強制になってしまう。

だからこそ継続して乗車活動をひたすら続けて任意協力であることを忘れ去らせないようにする必要があるのだ。

しばらく話していると上司の当直駅長T氏が出てきてA氏に「君は下がっていいよ」という手振りをして、代わりに私達の対応をした。

ちなみに当直駅長とは、駅長が不在の場合に駅長の業務を行う、いわば駅長代理のような役職である。

T氏が「どのようなご要件ですか?」と尋ねてきたので、大阪駅で女性客に声をかけられたことや「女性専用車」という名前が勘違いのもとになっていると思われること。

そしてそれを駅員A氏に抗議したら「女性専用車両は男性禁止」というので「それは違うでしょう」という話をしていたところだった等、これまでのことを簡潔にまとめてT氏に話した。

T氏:あくまでも男性のお客様にはお願いしてるだけで強制ではありません

会員B:これはちゃんと社員教育するべきではないですか?

T氏:先ほどは事実と異なる回答をしたようで申し訳ございませんでした。

会員C:電車に乗っていて、男性であると言うだけで女性客から暴力を振るわれたらあなたはどう思いますか?

T氏:それはもう、すぐに通報してください。これは女性専用車が任意かどうかということとは全然違う話になりますので。

会員B:これ、実際にあったんですよ。JRさんではないですが他路線(神戸市営地下鉄)で。

その後、いろいろな話が出て少々長くなったのでT氏が

「結局、私はどうしたらよろしいのでしょうか?」と言ってきた。

そこでこちら側からは主に

「単刀直入に言いますが差別的な女性専用車を廃止すべきです。」

「今日は土曜日でしかも年の瀬ですが、明らかに家族連れやカップルが多い土日祝ダイヤでの女性専用車の設定なと『論外』と言えるレベルです。」(他の鉄道事業者で土日祝に設定している所はほとんどない)

「百歩譲って女性専用車を運行し続けるにしても本来なら土日祝どころか平日でもどんな男性客も乗れるので、表示のやり方を変えないと下手したら女性客のほうから暴力を振るう等の事件が誘発される場合があります」

というようなことを上層部に伝えるよう要請した。

JRおおさか東線:新大阪→鴫野

新大阪駅での抗議を終えて19:13発のおおさか東線普通久宝寺行の女性専用車に乗るべくホームで待っていると女性専用車の自動アナウンスが流れた。

しばらくして電車が到着。車内には既に1人の男性客が座っており、更には新大阪駅からカップルと見られる男女なども女性専用車に入ってきた。

確認できただけで私達以外に3人ほどの男性客が乗っていた。

JR淡路駅でも1人の男性客が乗車してきたが、車内に空席がないと分かるとそのまま隣の車両に移動して行った。

JR淡路駅を出てしばらくすると、またまた淀川(新大阪駅付近で渡った地点よりもさらに上流)を鉄橋で渡る。JR東西線の地下トンネルで淀川をくぐったのを含めると、今日はこれで淀川を4回も渡ったことになる。

この電車では声かけはなく、19:26頃に鴫野しぎの駅に到着し、JR学研都市線・東西線に乗り換え。

鴫野駅に到着
鴫野駅の駅標

JR学研都市線→JR東西線:鴫野→大阪天満宮

鴫野駅からは19:42発の普通西明石行きの女性専用車に乗車。

19:42発西明石行に乗車
鴫野駅ホーム

列車到着までしばらく時間があったのでホームで雑談していると、会員の1人がホーム上の女性専用車位置表示と共に「他の乗車口をご利用ください」と記されているのを発見。

鴫野駅ホームの案内

最初は「何でこんなことを書いているんだろう?」「女性専用車には乗るなということ?」等と話していたのだが、他の会員が「ここがちょうどエスカレーターの前で朝のラッシュ時とかに混雑するから他の乗り口にも分散しろということじゃないのか?」と言った。

もしそうだとすれば、わざわざ一番混雑するような位置に女性専用車を持ってくること自体に悪意を感じる。

やがて、西明石行きの普通列車が到着。車内は乗客が少なくガラガラ。

西明石行が到着

次の京橋駅では停車中に隣の車両から男性も含めた家族連れが女性専用車に入ってきてそのまま着席。

京橋駅を出るとここから先はJR東西線になり、すぐ地下に潜る。

地下に潜って大阪城北詰駅に停車。

大阪城北詰駅の次は乗車会終了予定の大阪天満宮駅である。

結局この電車でも声かけはなく、大阪天満宮駅には19:49頃に到着し、解散した。

大阪天満宮駅で下車、解散した
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【関西】2024年11月 JR京都線&学研都市線等で非協力乗車会

2024年11月9日にJR西日本線で非協力乗車を行いました。

今回はJR京都線大阪駅から京都駅まで特急サンダーバードを利用。京都からJR奈良線(女性専用車の設定はないが「女性専用車」表示のある車両が走っている)にも乗車しました。

その後、JR学研都市線と大阪環状線にも乗車しました。


今回の乗車ルート

今回は13:45にJR大阪駅に集合。

これから以下のルートで乗車する予定である。

  1. 大阪→京都(JR京都線・特急サンダーバード)
  2. 京都→木津(JR奈良線・みやこ路快速、女性専用車なし)
  3. 木津→京橋(JR学研都市線・快速)
  4. 京橋→天満(JR大阪環状線内回り・普通)

JR京都線 特急サンダーバード:大阪→京都

今回はいつもと異なり、大阪駅から京都駅までは特急サンダーバードの女性専用席に非協力(任意確認)乗車である。

14:12発の特急サンダーバード27号・敦賀行きに乗車するべく、私達は大阪駅11番ホームに向かった。

通常の通勤用電車と異なり、特急サンダーバードは全席指定のため乗車にはあらかじめ指定券を購入する必要があるが、今回は参加者の分を事前に予約していた。指定券に「女性のみ利用可」とあるがもちろん法的根拠はない。

なぜならこれは公共交通機関での差別になりかねず、本当に強制すると法的にもまずいからである。

なお今回、指定券を購入しないメンバーは京都からの参加となる。

14:12発のサンダーバードに乗車
指定券

今回は大阪駅から大阪環状線の天満駅までの140円の切符を使った「大回り乗車」である(大阪から参加のメンバーに限る)

すでにご存じの方も多いと思うが、東京や大阪など大都市の近郊の区間のJRでは、途中で改札を出ず、かつ同じところを2度通らなければ、どのような経路を取っても特例として切符の値段は「乗った駅と降りた駅の最短ルート」で計算される。

だから今回のように大阪駅から京都駅・木津駅・京橋駅を経由して、最終的に大阪駅の隣の天満駅で降りるようなことをしても「特例」で初乗りの140円切符でもOKなのである。

しかし、鋭い人ならここで「確か大阪駅から京都駅までは特急サンダーバードに乗車だったはず。特急に乗るなら指定席特急券の他、大阪から京都までの乗車券(要するに普通の切符)も買わなければならないのでは?」と思われたことだろう。

ところが(これはあまり知られていないが)実は有効な特急券さえ持っていれば、大回りルートに特急を含めても先述の「乗車券の特例」の範囲内であり問題ないのである。

なお、過去にも何度か触れているがJR西日本の女性専用席も2007年に特急サンダーバードで発生した暴行事件の直後に設置されたので防犯対策だと思われがちだが、当のJR西日本自身が「以前から要望があり、サンダーバードの事件とは直接関係ない」とマスコミを通じて発言していたこと情報元=現在はリンク切れ)や、導入当初に女性専用席を『「あったらいいな」からできました。』などと宣伝していたことから、こちらもJR西日本の通勤電車の女性専用車と同じく、防犯対策の仮面を被った「女性客寄せサービス」であると思われる。

これでは事件に便乗して一部の女性客の我儘に応えた形で女性専用席を設けたと思われても仕方ないだろう。

JR西日本はこのとき同時に車内SOSボタンも設置している。こちらは事件を受けての対策と思われるが、女性専用席は上記の理由からおよそ防犯対策とは考えにくい。

大阪駅11番ホームに着いたが、まだ14:12の発車まで少し時間がある。

全車指定席のためか、ホームに乗車を待つ人の列ができることはなく、大阪駅11番ホームは人はいるものの比較的余裕があった。

大阪駅11番ホームの案内
サンダーバードが到着

10分くらい待っただろうか。

放送が入り、サンダーバードがホームに入線してきた。大阪駅始発なので当然ながら車内には誰も乗っていない。

私達は女性専用席のある3号車に、他の乗客とともに一斉に乗車。

特急サンダーバードの3号車はすべての座席のうち、敦賀寄りの16席が女性専用席となっており、座席のカバーの色が他と違う。

今回、多人数で女性専用席に着席したので、周囲の女性客や車内を回ってきた車掌など乗務員はどういう反応をするだろうか。

通勤車両の女性専用車ならこれまでこれまで数え切れないくらい乗車して勝手が分かっているが、女性専用席は乗車した経験が多いわけではないので、正直なところ少し緊張した。

しかし周囲の女性客からは特に何も声かけはなく、しばらく大阪駅に停車した後、列車は静かに大阪駅を発車していった。

大阪駅を出ると市街地をしばらく走ってから淀川を渡り、すぐ次の新大阪駅に停車する。新大阪駅でも少し乗客が乗ってきたが、私達に声をかけてくる者はおらず、新大阪駅も静かに発車。

新大阪駅を出ると次の停車駅は京都である。

途中、長岡京駅(通過)付近で車内を回ってきた車掌が私達のところで立ち止まったので「なにか言ってくるか?」と思ったのだが、しばらく立ち止まったあと何も言わずに去っていった。

近くにいた別の会員によると「(車掌が)手に持った機器を操作していた」とのこと。

恐らく私達のことを「座席指定券を買わずに飛び乗って女性専用席だと気づかず座っている乗客」と思ったのではないか?とのことだった。

京都駅の手前で列車の速度が落ちて停車。車掌が「前を走っている列車が遅れておりますため…」とアナウンスをしていた。

京都駅には定刻の14:39より少し遅れて14:41頃に到着。

私達は奈良線に乗り換えるため降車した。

京都駅で下車
京都駅の駅標

JR奈良線 みやこ路快速:京都→木津

京都駅奈良線ホームに移動
同左

JR奈良線はJR京都駅から同じ京都府内の木津駅までの路線で、よく「奈良県内を通らない奈良線」などと言われる(列車は木津駅から大和路線に乗り入れ奈良駅まで直通)。

このJR奈良線には女性専用車の設定はない。しかし設定がないにも関わらず「女性専用車」のステッカーが貼られた電車が多数走っている。

これは女性専用車の設定があるJR大和路線や和歌山線(王寺~高田間など)と車両を共通で運用しているからである。

以前、JR大和路線では201系という電車のみに女性専用車があり、同じく大和路線に入っている221系には女性専用車の設定はなかった。

201系
221系

しかし、国鉄時代からの「年代物」である201系が引退することになり、大和路線は普通も含めすべての列車が221系で統一されることになった。

そのまま行けば大和路線から女性専用車がなくなるところ、女性専用車を残すためこれまで女性専用車のなかった大和路線の221系(6両で運行される列車のみ。8両の大和路快速は対象外)にも女性専用車が設定されたのである。

先述の通り221系は大和路線・和歌山線だけでなくJR奈良線でも共通で運用されているため、JR奈良線にも女性専用車ステッカーの付いた221系が入ることになった。

そのついでに奈良線にも女性専用車を導入するということまでは流石さすがにしなかったものの、これでJR奈良線では女性専用車がないにも関わらず、女性専用車ステッカーの付いた列車が多数走るという、ややこしい事になったのである。

私達はJR京都駅15:06発、JR奈良線みやこ路快速奈良行きの3号車、つまり女性専用車のステッカーがある車両に乗った。

女性専用車ステッカーの付いた221系
JR京都駅の電光掲示板

京都駅始発で、発車までまだ10分以上時間がある。

駅ホームの電光掲示板には「一部の電車に女性専用車の表示がございますが、JR奈良線には女性専用車の設定はありません。あらかじめご了承ください。」という字幕が流されていた。

私達の乗車した「女性専用車と表示されている車両」には男性客もそれなりに乗っていたものの、その一方で「女性専用車」の表示を見て勘違いして隣の車両へ入って行った恋人同士と思しき男女もいた。

やがて発車時刻となり、列車はゆっくりと京都駅を発車。

次の東福寺駅は停車駅なので停車し、更にその次の稲荷駅にも(本来は快速通過駅だが)今日は休日で伏見稲荷大社への観光客が多数いたことから停車したのだが、これらの駅でもやはり女性専用車の表示を見て、乗車せずに避けて行く乗客の姿が見られた。

そこからJR藤森駅・桃山駅を通過し、次の停車駅は六地蔵駅。

六地蔵駅を発車後に車掌が肉声で「3号車に女性専用車の表示がありますが、JR奈良線に女性専用車の設定はありません。」とアナウンスしていた。

最初からそういう紛らわしい表示を貼らなければ良い話だが…

その後は宇治駅、城陽駅、玉水駅と停車し、学研都市線との乗換駅である木津駅には15:44に到着。ここで下車した。

JR学研都市線 快速:木津→京橋

木津駅からは15:59発の新三田行き快速に乗車する。

木津駅の駅標
到着した新三田行き快速

しばらく時間があるのでトイレ休憩なども挟んでホームで待っていると、発車時刻の5分くらい前に折り返し列車として到着。

女性専用車内は私達の他には女性客が数人いるだけでガラガラ。

木津駅停車中に乗務員がホームを歩いて通り過ぎるも、私達には声かけなし。

その後、1人の男性客が乗ってきてそのまま着席した。

発車時刻になったが、ここで接続予定の加茂行の大和路快速が遅れていたため、この列車も約5分遅れの16:04に木津駅を発車した。

発車後もガラガラのまま西木津駅を過ぎ、途中の祝園ほうその駅で乗っていた男性客は降りて行った。

祝園駅辺りから京田辺駅付近まで近鉄京都線と並走するが、途中のJR三山木駅付近で近鉄の新車である8A系電車が車窓に現れた。

途中の京田辺駅で座席がほぼ埋まる程度にまで乗客が乗ってきたが、周囲の女性客らは何気なく会話を続けており私達のことを気にするような様子は無し。

途中の四条畷しじょうなわて駅あたりで多くの乗客が乗ってきて、立ち客が目立つようになった。

その後も声かけ等は全くなく、そのまま住道すみのどう駅、放出はなてん駅を過ぎ16:52頃に京橋駅に到着してから降車。

京橋駅で下車

JR大阪環状線内回り 普通:京橋→天満

京橋駅学研都市線ホームから階段を上り、大阪環状線ホームに移動すると16:55発の環状内回り電車が停車していた。

京橋駅大阪環状線ホーム。人が多い

女性専用車に乗ると車内はやや混雑していたものの、その中に確認できただけで5~6人ほどの男性客が乗っていた。

両隣の車両はもっと混んでいるように見えたので、各車両の混雑率をアプリで見てみた(下画像)

やはり女性専用車の両隣が混雑している。

こちらも声かけ等は全くなく、16:59頃に天満駅に到着して降車。解散した。

天満駅で下車。ここで乗車会は終了とした
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【関東】2024年10月 東武東上線&西武池袋線・新宿線&東京メトロ有楽町線で任意確認乗車

2024年10月11日の朝、東武東上線、西武池袋線および西武新宿線、そして東京メトロ有楽町線で任意確認(非協力)乗車会を行いました。

有楽町線の車内で女性客から声かけがありました。


東武東上線:高坂→川越市

東武東上線の高坂駅から7:16発の池袋行きの準急列車の女性専用車に乗車した。

車内はガラガラで空席も結構あるくらいだった。

私達が乗車しても声かけは無し。

そのまま川越市駅まで乗車したが、この列車では特に何もなかった。

西武線に乗り換えるため、私達は駅の改札から外に出た。

西武新宿線&池袋線:本川越→所沢→池袋

東武東上線の川越市駅から西武新宿線の本川越駅までは少し距離があるので徒歩で移動。

本川越駅は西武新宿線の終点の駅であり、当然ながらここから出る列車はすべて当駅始発である。

私達はホームで発車待ちをしている7:47発の急行西武新宿駅行きの女性専用車に乗車し、車内でここから参加の会員と合流した。

当駅始発とはいえ、席が全部埋まらないほどガラガラだったので今回も私達は座って乗車した。

向かいの座席の女性が時折、私達を睨みつけていたが特にこちらを盗撮したり声をかけてくることはなかった。

途中の新所沢駅で1人の男性が乗車してきて私達の前に立った。

私達が所沢駅で席を立って降りた際にその男性は私達が座っていた席に座った。

ここまで女性客や係員からの声かけは無し。

所沢駅

所沢駅は西武新宿線と池袋線が交差する駅で相互に乗り換えができる。

余談だが、ここでは同じ東京方面に向かう列車でも北上してから東に進路を変える池袋線と、南下してから東に進路を変える新宿線とでは列車がそれぞれ逆の方向に発車していくため、初めてこの所沢駅を利用する人は一瞬戸惑ってしまうかもしれない。

私達はここから8:18発の池袋線の通勤急行に乗り換えた。

私達以外の男性客は見つからなかったが、特に何もなく石神井公園駅まで乗車。

さらに石神井公園駅から後続列車の8:48発急行池袋行きに乗り換えて池袋駅まで無事に乗車。

石神井公園8:48発の急行に乗り換え

東京メトロ有楽町線:池袋→飯田橋

西部池袋駅から東京メトロの池袋駅まで徒歩で移動。

最後に有楽町線の池袋駅から9:12発新木場行きの電車に乗車した。

9:12発の新木場行きに乗車
列車が到着

次の東池袋駅でまた1人の男性が乗車してきた。

東池袋駅を出て、護国寺駅の手前あたりで女性客から声かけされた。

女性客:すみません、ここ女性専用

会員A:分かって乗ってます。協力できません。

女性客:(溜息)

会員A:(これは)任意協力なので協力する義務はないです

女性客:そうですか(納得したそうな声で)

会員A:はい。

あとから思ったのだが「分かって乗ってます、協力できません」とか言わず「男性に協力する義務がないこと」だけを伝えた方がよかったと思う。

「協力できません」という言葉だけでは「どうして協力できないのか」が相手には分からないので、最初から「(女性専用車は)任意協力で成り立っているので男性が乗車を控える義務はありません」の旨を伝えた方が相手をもっと早く納得させられるのではないかと思った。

もし相手が「いやいやいや」と言うなどして私達の言葉を信用しなかったとしても過去の判例を挙げたりしてそこから会話のキャッチボールができるだろうから。

会員B:何で車掌とか駅員に言うんじゃなくて

女性客:なんかこの時間帯は女性専用なので。。。

会員B:女性専用じゃないってことを確認済みなんですけど

女性客:すみません、どこから来てるんですか?

会員B:答える義務はないんですよね?あなたが答えたら答えましょうか?

女性客:ちょっと

会員B:何処から来たって(女性専用車に乗車することと)関係あるんでしょうか?

女性客:(私)外国から来てるから。

会員B:それじゃ責任のある駅員とか車掌さんに言ってください

私達からするとこの女性客の反応は理解できなくはない。

「男性が女性専用車に協力する義務がないこと」をきちんと伝えていないのは鉄道会社だから、それを知らない女性客に非はない。このように会話のキャッチボールがズレているように見えるのもお互いの認識が違うことが原因である。

このような「女性専用車は任意協力である」ことを知らない人が恐らくは沢山いそうだから、その旨をきちんとこちらから伝えた方が絶対いいと改めて思った。会話のキャッチボールが出来ないことで得する人はいないから。

もう1つ気になった点は「どこから来てるんですか」の質問が突然すぎると思ったこと。

後でその質問をした理由が分かってきた(=女性客自身が外国人で、かつ私達のことを日本語が読めない外国人だと思っていたから)ものの、突然どこから来たのかを尋ねるのは個人情報の詮索であり、悪い人に教えてしまえばストーカーされる原因にもなりかねないため、誤解を招く場合がある。まして前にも言った通り、女性専用車は男性に乗らない義務を負わせないものであるため、外国人でも日本人でも関係なく男性も乗ることができるから、結局関係ない質問であることには変わりない。

過去何度も述べているが、現在の日本国憲法下では車両に「女性専用車」という名称をつけたところで(国籍関係なく)男性に乗らない義務を負わせることは出来ない。性別や人種による差別に当たるためである。

飯田橋駅に降りた時点でもう女性専用車の設定時間が終了したのでここで解散することにした。

飯田橋に到着

なお、有楽町線では池袋〜飯田橋の間で女性専用車付近に係員がいる駅はなく、また列車もワンマン運転のため進行方向最後尾の車両(通常は車掌がいるところ)に女性専用車が設定されているものの車掌がいない。

そのためか係員や乗務員から声かけされることはなかった。

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2024年9月 名古屋市交通局訪問の報告

2024年9月30日名古屋市交通局を訪問しました。

前回訪問してから5年ほど経っており、この度再度申し入れを行うことにしたものです。



名古屋市交通局の場所

名古屋市交通局の最寄り駅は地下鉄名城線の名古屋城駅。

かつて「市役所」と呼ばれていた駅である。

その名の通り、名古屋市役所へはホームから地上に出ること無く、改札を出て地下から直接入ることができる。

交通局はその市役所の中にあるのだが、今回訪問したのは福山代表と会員B。

本当は3名以上で訪問したかったのだが、交通局側から2名までという制限が付いたので今回はこの2名での訪問となった。

今回の訪問で申し入れたこと

今回は主に以下の内容について、要請や申し入れを行った。

  1. 「女性専用車両」という名称があらゆる誤解やトラブルを招く要因となっているため、可及的速やかに女性専用車両を廃止すること。

    さらに、すぐ廃止できないのなら、以下のことを実施していただきたい。

  2. 名古屋市営地下鉄の場合、他の鉄道事業者の運用と大きく異なる点として、障害者の男性が単独で乗車出来ないかのように「女性が介護者として同行する障害のある男性」「障害のある女性に介助者として同行する男性」の場合は乗れるといった表記をしているが、これは「一定の配慮が必要な男性などが乗車されていることもございますがご理解をお願いします」と表示が併記されていることから不要であり、早急に削除していただきたい。

  3. 熊本市電の「女性優先車両」のように強制力を持たない車両であると乗客が理解できる名称へ速やかに変更していただきたい。

  4. 女性専用車両は男性の任意協力に基づいて運行している旨を目立つ方法で駅ホームや車両内外に表示し、合わせて案内を行っていただきたい。

  5. 女性専用車両の表示に従来の「小学生以下の男児」「障がい者とその介護者」以外に
    ●高齢男性
    ●子供連れの男性
    ●その他配慮が必要な男性(LGBT等)
    を加えていただきたい。

  6. 犯罪にあうのは女性のみではない。加害者は男性のみでもない。あくまで「総合的な安全性を重視」した犯罪対策を行っていただきたい。具体的には
    ●すべての地下鉄車両に防犯カメラを設置してください
    ●警察官や犯罪に遭遇した人が被害を申告しやすいような体制を構築してください。

  7. 統計的根拠から男性全体を属性により「推定犯罪者」であるかのように仮定し、特定の車両の利用を制限することは人権侵害であり、憲法で定められた男女平等の理念から大きく逸脱し、現代社会が推進しているジェンダー平等の理念とも逆行するものであることを認識していただきたい。

まず、女性専用車両の廃止について「差別であること」そして差別に当たるから「任意協力ということにしてそのことを乗客には知らせず、強制であるかのように思わせて運行していること」について、当会から

「当然ながら防犯対策をするなとは言わないが、やり方というものがある。防犯対策を理由にすれば何をやっても良いわけではない。公共交通機関は誰でも同じ運賃を支払えば公平に利用できなければならないのが原則であるし、まして名古屋市交通局は公営の事業者である。公営の公共交通機関がこのようなことをやっても良いものか。

導入された当時は「痴漢被害が深刻だからやむを得ない」という理由で反対意見を押し切って導入したが、今では女性専用車両を導入しても痴漢が減らないこと、また「あってもわざわざ乗らない」という女性が少なくないことが判明し、そして車内防犯カメラのほうが【JR埼京線などで痴漢6割減の実績を残す】など「絶対に女性専用車両でなければならない」という理由などないということが明らかになっているのになぜ女性専用車両を任意なのに『〇〇専用』と偽ってまでいつまでも続ける必要があるのか?

と担当者に突っ込んだのだが「女性専用車両にはいろいろな意見があるのは承知しているが、廃止することは考えていない」とのこと。

そして、防犯カメラについては効果を認め、今後推進していくことも明らかにしたものの「女性専用車両とそれらの対策を組み合わせることで、より効果を発揮できるのではないかと考えている」と回答した。

しかしながら「女性専用車両と防犯カメラを組み合わせるとより効果的」などというデータなどどこにも存在しない。

また、私達は効果云々以前に公共交通機関での差別を問題にしているのだが、こうして見た限りでは、名古屋市交通局にはその観点は全く無いようだ(あるいは意図的にスルーしているのかもしれない)

今では全国の多くの鉄道路線で当たり前になった車内防犯カメラも(これは名古屋市交通局に限ったことではないが)当初は「設置費用が莫大だから出来ない」などと、どこの鉄道事業者も口を揃えて「設置できない理由」にしていた。

そしてインターネット上でも、主に女性専用車両賛成派と思われる者達が同じように

「車内防犯カメラは費用が莫大だから出来ない」

「監視カメラごときに何ができる」

「カメラを設置しろとかいうならお前らが金を出せ」(→この理屈だと、女性専用車両を導入させた公明党が女性専用車両に関する費用を出さなければならないことになるが、なぜか防犯カメラなど「女性専用車両の代替案」を出したときだけ、こういう声が上がる)

等と一斉に車内防犯カメラを叩いていた。

しかし、島根県の一畑電鉄(一畑電車)という赤字ローカル私鉄が車内防犯カメラを設置したことから「費用が莫大」というのは単に「女性専用車両に代わって防犯カメラを設置しろ」という声をかわすための”方便”に過ぎないことが判明した。

女性専用車両と防犯カメラを併設すれば、防犯カメラだけの場合よりもさらに費用はかかる。

というのも、女性専用車両の案内掲示類など(老朽化等で)定期的に取り替える必要があるため、会社や路線にもよるが取り替えるたびに数百万円から数千万円ほどかかるという。

この回答を見る限り、名古屋市交通局も「女性専用車両」という名前で利用客に「男性の乗車は出来ない」と思わせて、私達のような反対意見はやり過ごしてしまおうという考えであるようにも思える。

実際(2024年)9月27日に東山線で乗車した時「一定の配慮が必要な男性以外は乗れないんですよ!」と私達に言ってきた女性客がいた。

女性”専用”車両という表記と「一定の配慮が必要な男性は乗れる」(=「それ以外は乗ってはいけない」と誤解させる表示)で、実際に利用客に「男性は乗車禁止」だと思わせているのだ。

しかしこの様子だと、交通局に改善しようという意図は全く見えない。

上記2.の「女性が介護者として同行する障害のある男性」「障害のある女性に介助者として同行する男性」の表記についても、恐らく撤廃する気はないのではないだろうか。

見るからに「(たとえ小学生以下の子供や障がい者などの弱者であったとしても)男性は可能な限り乗せたくない」というのがありありと伝わってくる。

以前は名古屋以外の鉄道事業者でもこのような表記をしている鉄道事業者は多かった。

しかし「障がい者の男性より、健常者の女性を優先するのか?」という異論があったことなどから、関東や関西では今では「障がい者や介護者は(男性だけでも)乗れる」としている。(本当は男性であっても、乗れない人は一人もいない)

ここまでご覧いただいても分かる通り、名古屋市交通局は反対意見を適当にやり過ごして片付けようとしているように見える。当会のことを「極々少数意見だから相手にする必要もない」と思っているのかもしれない。

実際には私達のように実際に動く人間が少ないというだけで、女性専用車両のことをよく思っていない人間自体は決して少なくはないだろう。多数派とまでは言えないにしても。

また、女性専用車両が「痴漢対策のためという正当な理由があって設けられた車両」という社会の思い込みも一因しているかもしれない。

実際は過去に何度も述べた通り、公明党や共産党の選挙対策や実績作りのネタになっており、導入すること自体が目的になっている(つまり実態は痴漢対策でもなんでもなく、ただの差別)ということがもっと世間に知れれば状況もある程度は変わってくるだろう。

※議員の方のポストについては、公人のため画像や氏名を隠す処理をしていません。

こういうと「女性専用車両は御堂筋線事件という悲惨な事件がきっかけでできたものだから、ただの差別だなんてことはない。女性専用車両がどうしてできたか知らないから反対できるんだろう」などと言ってくる者がいるが、女性専用車両賛成派の間で当然の事実のように語られている「女性専用車両の導入は御堂筋線事件がきっかけ」は、2001年頃に現在の女性専用車両が導入され始めてから15年以上も経った2017年頃に突然現れて広まった、根も葉もないデマである。

(参照)女性専用車両の導入は御堂筋線事件がきっかけ」というデマについて

とはいえ、私達も主に会社員などで構成されている市民団体であり、今回のように交通局に直接申し入れを行おうとしても平日は仕事があるので、なかなかそう度々足を運ぶわけにもいかない。

結局、現状では非協力乗車を重ねて反対派の存在をアピールし、交通局が反対派のことを無視できなくするしかないのである。

よく「女性専用車両に乗り込むんじゃなく交通局に直接抗議したらどうだ?女性専用車両に無理やり乗り込んで乗客の女性に文句を言ったって何も変わらないのに」という人間がいるが、これは何も分かっていない人間の言うことである。

私達の目的は乗客の女性に文句を言うことではないということぐらい、分からないものかと…

男性の乗車が多くなってくると一部の女性客が「男が乗っている。交通局は何をやっているのか?男を乗せるな!きっちり仕事しろ!」とクレームをつけることだろう。

しかし女性専用車両と名前はつけていても、実際には強制はできないわけだから交通局としては困るわけである。「任意なのに専用」と嘘をついてやり過ごそうとしても出来なくなるわけだ。

そしてその結果「女性専用車両を設置すると面倒だな…」と鉄道事業者に思わせるようにするしかないのだ。もちろんこういうことをしたからといってすぐ女性専用車両が廃止されるということはないだろう。

しかし、こうすることによって鉄道事業者に今後のさらなる拡大を躊躇わせる効果があることも忘れてはならない。

約1時間にわたってやり取りしたが…

その他、女性専用車両とは直接の関係はないものの男性差別の観点から、名古屋市交通局内のトイレにおいて、女性側のみに通報ボタンがあり、男性側にないことについても申し入れたが、それについては「部署が異なるので直接私達の方でどうこう出来ないが、そちらの方を担当する部署に伝える」とのことだった。

※当然ながら当会男性会員が女性用トイレに侵入して確認したわけではない。女性用トイレは当会女性会員に確認してもらったものである。誤解なきよう。

トイレで犯罪といえばどうしても性犯罪がイメージされがちで「性犯罪は女性が被害者」という固定観念に陥りやすいが、何も犯罪は性犯罪に限ったことではない。

例えば不良やチンピラがおとなしそうな男性をトイレに連れ込んでカツアゲをしたりするような場合も考えられる。

先にも言ったが「犯罪にあうのは女性のみではない。加害者は男性のみでもない。あくまで【総合的な安全性を重視した犯罪対策】を行っていただきたい」ものである。

そのまま約1時間弱にわたって交通局側とやり取りしたが、当会からの質問について文書で回答を求めたが、今の口頭での回答で回答したことにしてほしいと言われ、文書での回答はいただけなかった。

最後に「お忙しいところお時間を取っていただきありがとうございました」と礼を述べて交通局を後にしたが、先にも言った通り、名古屋市交通局は反対の声を「やり過ごす」つもりのようである。

まだまだ名古屋地区での活動を強化する必要がある。

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2024年9月 名古屋市営地下鉄 名城線・名港線と東山線で非協力乗車会

2024年9月30日朝、名古屋市営地下鉄名城線・名港線、および東山線で非協力(任意確認)乗車を行いました。途中何度か女性客からの声かけがあったものの大きなトラブルにはなりませんでした。

しかし、名城線・名港線のあと乗車した東山線の名古屋駅ホームで駅員が私達に個別声掛けしてきたため、その場で抗議しました。


朝の名古屋市営地下鉄線で非協力乗車

今回は名古屋市営地下鉄の栄駅に朝7:00集合。

今回の乗車列車は以下の通りである。

  1. 名 城 線 左 回 り:栄~金山
  2. 名 城 線 右 回 り:金山~栄~名城公園
  3. 名港線直通名城線左回り:名城公園〜東海通
  4. 名城線右回り直通名港線:東海通〜金山~栄~名城公園
  5. 名 城 線 左 回 り:名城公園〜栄
  6.   東  山  線  :栄〜千種
  7.   東  山  線  :千種〜名古屋
  8.   東  山  線  :名古屋〜栄

栄をはさんで、主に金山と名城公園の間を行ったり来たりするルートだが、今回も地下鉄24時間券(1日乗車券)を使用した。

①名城線左回り:栄→金山

午前7時前、地下鉄栄駅名城線ホーム。

まだ朝早いためか人の姿はまばらである。

栄駅、名城線ホームの駅標
7:02発に乗車。朝早いためかまだ人は少ない

まず最初に乗車したのは7:02発の名城線左回り。それほど混んでおらず、女性専用車両内は空席がある。隣の車両は立ち客が出始めているようだ。

声かけはなく、列車は栄駅を発車。

矢場町駅を過ぎ、その次の上前津駅では少し乗車があり、隣の車両との混雑差が目立つようになってきた。

東別院駅を過ぎて、金山駅には7:09着。

この列車では特に何事もなかった。

金山駅のホームは人がたくさんおり、これから朝のラッシュが始まろうとしているような感じであった。

②名城線右回り:金山→栄→名城公園

金山駅で下車した後、栄方面に引き返すため階段を上って反対側のホームに回った。

金山駅で下車
反対側のホームに回る

そして金山駅7:12発の名城線右回り大曽根行きに乗車。立ち客が少々いるくらいで混んでいない。

次の東別院駅発車後、女性専用車両の自動案内アナウンス。上前津駅、矢場町駅を過ぎて7:21頃に栄駅に到着。

一旦下車して後続列車に乗り換え。

栄駅のホームでしばらく待ち、後続の7:25発の名城線右回りに乗車。まだ混雑というほどではないもののの先の列車より立ち客が少し増えてきた。

隣の車両は混んでいて、こちら(女性専用車両)と混雑差がある。

栄駅に入ってきた名城線右回り
車内。女性専用車両(手前)は混んでいないが、隣の車両(奥)は混んでいる

次の久屋大通駅でも乗車があり車内はやや混雑してきた。その次の名古屋城駅でかなり多数の乗客が下車。車内は一気に空席ができる程度まで人が減った。

名古屋城駅はその名の通り名古屋城に近いが、かつては「市役所」という駅名で、駅改札口から名古屋市役所まで、地上に出ることなく地下を歩いて行くことができる。

名古屋城駅を出て、次の名城公園駅に7:31着。ここで下車。

③名城線(名港線直通):名城公園→東海通

名城公園駅からは反対方向の左回りの列車に乗り換え。

やってきた7:42発名古屋港行きに乗車。こちらは名城線を一周せずに金山駅から名港線に入る。

名城線は東京のJR山手線や大阪のJR大阪環状線と同じように環状運転を行っているが、名港線はその名城線から分岐する行き止まりの支線である。

先ほど乗車した右回りも混雑し始めていたが、こちらも結構混んできた。

金山駅を出て名港線に入って最初に到着するのは日比野駅。

日比野駅を出てすぐ車内に女性専用車両の自動案内アナウンスが流れた。

この時点でも車内はかなり混んでいる。

次の六番町駅でややまとまった下車があり、車内は少し余裕が出てきたがまだ立ち客が多い。

六番町駅を出てその次の東海通駅で下車。

東海通駅の駅標
東海通駅で降りた列車を見送る

東海通駅でもそこそこ降りる人がおり、列車は空いた状態で終点の名古屋港に向けて発車して行った。

朝の名港線・名古屋港方面は終点に行くほど乗客が減っていくようだ。

④名港線(名城線直通):東海通→金山→栄→名城公園

東海通駅で反対側の金山方面のホームに回り、8:07発の名城線直通列車に乗車。こちらは座席が埋まる程度でそれほど混んでいない。

六番町駅を過ぎ、日比野駅あたりから立ち客が出始める。  

日比野駅を出て金山駅の手前で「名城線・名港線では平日の始発から午前9時まで、女性専用車両を設けております。皆様のご協力をお願いします」と、女性専用車両案内の自動アナウンス。

金山駅には8:13着。ここで一旦下車。

ラッシュが本格化し、金山駅のホームも人でいっぱいになり、ホームに乗車待ちの長い列ができている。

後続の金山8:17発、右回り大曽根行きに乗車。

かなりの混雑になっている。

近くにいた女性客が「女性専用車両」と声かけしてきたが構わず乗車。ドアが閉まり金山駅を発車。

次の東別院駅を出てすぐ女性専用車両の自動案内アナウンス。

混雑した状態のまま栄駅に8:24着。ここでも一旦下車。

多数の乗客がここで降り、ホームが人で一杯に。

しばらく待って後続の8:28発、右回り列車に乗車。ここから私達の他に男性が1人乗車。かなりの混雑。

この列車も名古屋城駅で乗客が一気に下車。車内は立ち客が少しいる程度の状態に。

次の名城公園駅には8:33着。ここで折り返し。

⑤名城線左回り:名城公園→栄

名城公園8:35発、名城線左回りに乗車。

次の名古屋城駅では車内にいた女性客が会員に英語(?)で声掛け。

もちろん承知している旨を伝えた。

名古屋城駅から男性が1人乗車。

列車はそのまま次の久屋大通駅を過ぎ、栄駅に到着。

名城線・名港線の女性専用車両は午前9時までなので少し早いがここで東山線に乗り換え。

⑥東山線:栄→千種

栄駅の名城線ホームから階段を上がって東山線のホームに移動。

栄駅 東山線ホーム

東山線ホームでは「女性専用車両のステッカーのある車両は、女性専用となっております」という虚偽の自動放送が何度も繰り返し、何とかのひとつ覚えのように繰り返し流されている。

女性専用車両という名前なだけで実は任意協力の車両(つまり名前だけで、実際は女性専用にはなっていない)のことを「女性専用となっております」と案内するのはウソを案内しているようなものである。

ちなみに他社では「女性専用車両となります」「女性専用となります」といった案内されている場合が多い。遥か過去のことだが、当会でも東京メトロに対してこうした表示の改善を求め、実際に改善につながったことがある。

2012年4月 関東本部:東京メトロの表記改善に対する報告

要は女性専用の後ろに「車」または「車両」がついているだけの違いだが、それでも女性専用車(女性専用車両)ならまだかろうじて「そういう名前の車両である(女性専用はあくまで名前だけ)」という解釈も不可能ではない。

しかし「女性専用となります」と言ってしまうと、これはどう解釈しても「本当に女性専用である」と読むことしかできず、任意協力の車両を「女性専用」つまり「男性は乗車不可能である」と繰り返し放送しているようなもので、虚偽放送と言わざるを得ない。

こういうと人によっては「何を細かいことを…」と思うかもしれないが、本当は「女性専用車両」とか「女性専用車」という表示であっても、先にも述べた通り「女性専用(車両)という名前なだけで、任意だと解釈する余地がゼロではない」というだけで、それ自体決して良い表示だとは言えない。

ましてや「車・車両」をつけず、「女性専用になります」と言ってしまえば、その「かろうじて任意だと解釈する余地すらないのだから論外」だと言っているのである。

名古屋市営地下鉄はこうした放送のほか、ホームの女性専用車両位置の案内も「女性専用乗車口」と表記されているなど、そうした点での問題点が多い。

ホームの位置案内。乗車位置まで「女性専用」であるかのようだ
ホームドアにも「女性専用」乗車口の表記

さて、栄駅からは8:45発の藤が丘行きに乗車。押し合いへし合いするほどではないが結構混んでいる。

次の新栄町駅で多数下車。発車後「東山線では女性専用車両を平日の始発から終発まで運行しています皆様のご協力をお願いしますと、女性専用車両の自動アナウンスが流れた。

千種駅には8:49着。

ここで下車して名古屋方面に引き返し。

⑦東山線:千種→名古屋

千種8:50発高畑行きに二手に分かれて乗車した。車内は立ち客が多い。

栄駅から名古屋駅の間は名古屋の路線で最も混雑する区間だが、この時間帯は立ち客がいるもののそれほど混んでいない。

名古屋駅手前で女性専用車両の自動アナウンス

名古屋駅には9:00に到着した。

⑧東山線:名古屋→栄

名古屋駅で下車し、藤が丘方面に折り返そうとホームを歩いていると、女性専用車両の位置に駅員が立っていて「只今の時間、この車両は女性専用車両とさせていただいております」と、ホームを通行している乗客に呼びかけていた。

そして私達が女性専用車位置に並ぶと声をかけてきた。

駅員:すみませんちょっとこちらは女性専用車両とさせていただいておりますのでご協力をお願いします。

会員A:協力しません

会員B:個別の声かけって失礼じゃないですか?

「今日、ヘルプマーク忘れてきちゃったの」…って人いると思いますけど、どう思います?

駅員:失礼いたしました

会員B:個別に声掛けするように上から指示されているんですか? 自己判断ですか?

他の駅では(個別声かけを)されなかったんですよ。

駅員:駅の業務でお願いをさせていただいてまして…

会員B:栄とか他の駅にも駅員はいたんですけど、個別の声かけはされなかったんですよ。

でもあなたは(個別声かけを)したってことは、独断で?

駅員:申し訳ございません。

↑自己判断かどうかを聞いているのであって、別に謝罪を求めているのではないのだが…

会員B:独断ですね?

自己判断かどうか答えようとしなかったが、状況から見てどうやら上からの指示ではなく、この駅員の自己判断でやっていたようだ。

名古屋駅ホームに並ぶ人々

そのまま女性専用車両位置に並んで、名古屋9:05発の藤が丘行きに乗車。

この列車では特に何もなく栄に9:09着。ここで乗車会は終了とした。

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活動資料

当会に寄せられたX投稿の数々について

※このページは2024年9月 名古屋コミティア65出展の報告の記事で触れた、ポストへの解説(場合によっては反論)です。

「女性専用車両に反対するのは痴漢がしたいんだろう」

まず、多かったのは「痴漢がしたいから女性専用車両に反対するんだろう」というもの。

当会の会員が痴漢で捕まったというようなことは過去に一切ないので、単なる心象を悪くする為のレッテル貼りがしたいだけだろうが、当然ながら当会をはじめとする反対派イコール痴漢ではない。

そもそも本当に痴漢がしたいのなら、そのために女性専用車両に反対する必要はない。

女性専用車両があると痴漢する者が痴漢できなくなってしまうわけではなく、女性専用車両があっても女性専用車両以外の他の車両で十分痴漢ができるので痴漢は何も困らない。つまり痴漢する者が女性専用車両に反対する理由はない。

現に女性専用車両が導入されても(他の車両で痴漢が起きるだけだから)痴漢が減っていないし、路線によっては逆に増加したケースまである。

それどころか理屈で考えれば、そもそも痴漢という犯罪は多くの男性に紛れて自分が犯人とわからないように息を潜めながら行われる犯罪態様であるから、痴漢する気でいる者がわざわざ自分が目立つ女性専用車両に乗るわけがない。女性専用車両では痴漢などすれば世間に痴漢イコール男という固定観念があることも相まって、その男性が痴漢をした者と決めつけられてすぐさま御用となってしまうわけだから、むしろ「女性専用車両に乗る男性」のほうが痴漢とは非常に程遠い存在と言えるであろうことは明白である。

よって、当会のことを「痴漢がしたいから反対しているんだろう」というのは完全な的外れ…どころか、むしろ逆なのである。

※ついでに言うと、女性専用車両が男性の痴漢冤罪防止になるというのも完全な的外れ

当会サイトをきちんと読んでいれば
「当会が痴漢を容認する団体でない」ことも
「女性専用車両が絶対唯一の痴漢対策ではない」ことも
「当会がより効果的かつ差別にならない痴漢対策を鉄道事業者に対して提案し続けている」ことも
分かるはずなのだが、こういう「痴漢がしたいから反対しているんだろう」などという投稿をしている時点で当会サイトもロクに見ずに批判している事が明白である。

本気で痴漢対策するなら車内防犯カメラをつけたほうが女性専用車両よりよほど効果的である(JR埼京線で痴漢6割減の実績がある)し、差別にもならない。また、駅や車内の監視強化を図ることで抑止力が働き、犯罪は起きにくくなるし被害者も被害を訴えやすくなる。

にも関わらず、「女性専用車両に反対=痴漢対策に反対」という考え方をするのはいかがなものだろうか。

また、女性専用車両賛成派の中には「女性専用車両を設ければそこでは絶対に痴漢が起きない」などと、非常に視野狭窄なことを言う人がいる。

女性専用車両ができた分、痴漢被害は他の車両で今まで以上に発生している(下記画像の記事参照)わけだが、そういう人はなぜかそれについてはダンマリで、しかも「車内防犯カメラでは痴漢がゼロにならない」などと言う。

こうした賛成派の中には「女性専用車両を設けると痴漢冤罪の防止にもなって男性も救われる」などと、根拠もなく男性にもメリットがあるというデタラメを主張する者も少なくない(先にも述べた通り、女性専用車両を設けても痴漢が他の車両で悪さするだけだからそこで冤罪も発生する。よって冤罪防止には一切ならない)。

なんなら、にわかには信じがたいだろうが世の中には女性による女性への痴漢行為というものが存在する。

「痴漢は男性が女性に対して行うもの」という固定観念からか、このようにXで同性からの被害を訴えるのはごく一部だと思われ、ほとんどの被害者は被害を訴えるどころか、このようにXなどのSNSでポストすることもせず泣き寝入りしているだろうということは想像に難くない。

もちろんそうした女性から女性への性犯罪は女性専用車両では当然防げない(上記画像の痴漢被害も女性専用車両内)。しかしながら、車内防犯カメラなら男女間の痴漢等はもちろん、同性間のこうした犯罪も防ぐ効果が期待できる。もちろん女性専用車両のような差別にも当たらない。

以前、当会サイトで「47歳の女が電車内で10代女性の耳を舐めて逮捕」というニュースを掲載したが、この事件も車内防犯カメラの映像が決め手となって犯人逮捕に至った。しかし、その手の賛成派はこれだけ防犯カメラの有用性を説明しても「防犯カメラがそんなに効果的だと言うなら、女性専用車両と防犯カメラを両方同時にやればいい」などと言い出す。

もちろん「女性専用車両が差別になる」という意見も完全に無視。

防犯カメラの導入がまだ進んでいなかった頃は女性専用車両賛成派は「防犯カメラは費用が莫大だから現実的ではない」「そんなに防犯カメラ防犯カメラ言うなら費用を出せ!出せないんだったら防犯カメラをつけろとか無責任なことを言うな!」などと防犯カメラ設置に猛反対していたのだが、実際に防犯カメラの設置が進みだすと、今度は「女性専用車両と防犯カメラを一緒にやれば良い」とは…

両方同時に推進すれば防犯カメラだけの場合よりもさらに費用はかかるのだが、両方併設した場合の費用については一切何も言わない。

結局、女性専用車両を自分達の既得権益と捉えて守ろうとしていただけであり、女性専用車両が防犯カメラに取って代わられないようにするため「費用!費用!」と吠えていただけである。

「『車内防犯カメラは費用が莫大』と言っていた賛成派と『女性専用車両とカメラを同時にやれば良い」と言っている賛成派は別人だ!』という反論もあるかもしれないが、防犯カメラが設置される前はあれほど「費用!費用!」と大合唱していたのに「女性専用車両とカメラの併設」となるとそうした意見が全く出て来ない時点で「車内防犯カメラのみの設置」に「費用を口実にして反対していた者」がいるのは明白である。

「痴漢被害者のことを考えろ!」という言葉もそういう人間(賛成派)にとっては被害者を慮るように見せかけて実は女性専用車両を維持するため、反対派を「被害者のことを考えられない奴」と決めつけて叩くための言葉でしかない。

「女性専用車両は御堂筋線事件からできた」 ※デマ

「反対派は痴漢」と並んで多かったのが

「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけでできた」

「どうして女性専用車両ができたかを良く考えてください」

という勘違い意見である。

※御堂筋線事件とは

1988年に大阪市営地下鉄(現:大阪メトロ)御堂筋線車内で痴漢を注意した女性が下車後、逆恨みした痴漢達に連れまわされたうえ、マンション建設現場で暴行されたという事件。女性専用車両登場のきっかけとなったかのように言われているが、実は女性専用車両の導入とはおよそ無関係である。

「女性専用車両は御堂筋線事件という悲惨な事件がきっかけでできたものなのに、それに反対するのは女性専用車両が御堂筋線事件からできたという経緯も知らないからだろう」と言いたいのだろうが、これ自体「壮大な勘違い」である。

まず、これまで20年以上も女性専用車両問題に取り組んでいる当会が御堂筋線事件を知らないわけはない。

また、御堂筋線事件が女性専用車両導入のきっかけになったというのは、1988年の御堂筋線事件から30年近く、2001年に女性専用車両が実際に導入され始めてからでも15年以上経った2017年末ごろに突然現れて広まった【デマ】である。

実際に「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけでできた」という情報は個人的なブログやサイト以外で、事業者が発信している公式なニュースやいずれの鉄道事業者のサイトでもそんな説明がされているものはない。そればかりか、鉄道事業者に問い合わせても否定されるか「知らぬ存ぜぬ」の回答をされてしまう。

もし仮に事実なら、そもそも現在の女性専用車両が導入され始めた2001年からSNSで「御堂筋線事件がきっかけ」などと言われ出した2017年の間に(女性専用車両に関する)報道記事や各種資料にちょこちょこ御堂筋線事件のことが出てくるはずであるが、それがまったくないのである。

当会サイトで以前から、「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけというデマについて」という記事を公開しているのだが、当会にこういう「女性専用車両が御堂筋線事件からできたのを知らないのか!」などという投稿をしてくる者はやはり当会サイトもろくに読まずに批判してきているのが丸わかりである。

そして、簡単にデマを真に受ける人間である(つまり、乗せられやすく騙されやすい)ということでもある。

こういうと「デマだなんて、どうせ女性専用車両に反対する会の言うことだから耳を傾ける必要なし。女性専用車両は御堂筋線事件からできたに決まっている!」と、話も聞かずに切り捨てようとする人間が現れるが、これは当会が勝手に言っているのではない。

御堂筋線事件を機に発足し痴漢撲滅運動を続けてきた「性暴力を許さない女の会」つまり【当事者】が御堂筋線事件と女性専用車両の関係を全面的に否定している。

(下記資料参照)

ツイッター上で、女性専用車両は地下鉄御堂筋線事件が「きっかけ」で導入されたと言っている人が目に付く。わたしはこれに全く同意できない。「きっかけ」というからには、時間的接着性があるはずだ。地下鉄御堂筋線事件が起きたのは1988年。女性専用車両の試験導入は2000年暮れ、しかも、東京だ。大阪では、2002年にJR西日本が試験運行したのが最初である。御堂筋線事件が「きっかけ」ならば、事件から遠くない時期に、御堂筋線にまず導入されていたはずだ。

2018年に、地下鉄御堂筋線事件を機に発足した「性暴力を許さない女の会」の方たちにお話を伺った時のこと。女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけだったと言っている人がいるんですよ、と言ったなら、一笑に付された。時期が違う、と。そりゃそうだ。事件から干支が一回り以上(古い言い方でごめんなさいよ)たってからの導入を、事件がきっかけだったというのはあまりにも杜撰だ。

https://www.lovepiececlub.com/column/14065.html?fbclid=IwAR2MaeuWQS0Tkf-Eq7lXqQMEHQG8FvRpf8xcOaIBocTxxXIxh3vHgoGmnmg

当会はこれを言っているだけだ。

ウソだと思う人は(少し長いが)先ほどの「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけというデマについて」の記事をよく読んでいただきたい。

先ほども言った通り、女性専用車両問題に20年以上も取り組んでいる当会が御堂筋線事件を知らないわけがないのだが、X上では「女性専用車両はこんな悲惨な事件があったからできたんですよ。よーく見てくださいね」と言わんばかりにウイキペディアのリンクを貼ってきた者(なおウィキペディアにそんなことは書かれていない【参照】<2024年10月時点>)や、当会が御堂筋線事件を知らずに女性専用車両に反対していると思い込んで当会に「この無知め!」と罵倒の言葉を投げつけてきた者もいる。

しかしながら逆に「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」がデマだと知らず、それを真に受けて当会にこんな投稿をしているこれらの投稿者こそ正真正銘の【無知】である。

まずウィキペディアは登録さえしていれば誰でも自由に編集できるので、事実ではないことを書き込むことも自由にできるのだが、その辺を全く考慮せず信じ込んでいるのは浅はかである。この様子だと恐らくは以下の事実(一部は当記事内ですでに触れたが)も全く知らないまま、「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」と信じ切っているのだろう。

  • 御堂筋線事件を機に発足し、痴漢撲滅運動を続けてきた「性暴力を許さない女の会(つまり当事者)」が御堂筋線事件と女性専用車両の関係を全面的に否定していること。
  • 御堂筋線事件がきっかけという言説が1988年の御堂筋線事件から約30年、2001年に京王で女性専用車両が導入され始めてからでも15年以上経った後の2017年末に突然現れ、広まったデマであるということ。
  • さらにはその発生源が(女性専用車両と御堂筋線事件が関連しているかのような記載のある)2016年の大阪府人権局の資料であり、それを見たある一般人が2017年の11月頃にマストドンというSNSに「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」と投稿したことから広がったということ。
  • もともと女性専用車両を推していたのは公明党などの政党であり、痴漢対策と言いつつ実際には選挙対策や実績作りと化していること。(つまり女性専用車両は御堂筋線事件とはもともと関係ない)

これらのことも全く知らずに、当会に上から目線で「何で女性専用車両ができたんだか知らないんだろ?無知め!」とは…もう笑うしかない。

「無知はどっちなんだよ」と。

本人は全く自覚がないのだろうが正直な話、見ているこっちが恥ずかしくなってくる。

女性専用車両に反対する会はミソジニー(女性嫌悪)だ

今回に限ったことではないのだが、当会を「女嫌いをこじらせたミソジニーの集団」などと吹聴する輩がいる。今回も当会をミソジニー呼ばわりするポストがいくつか見られた。しかしながら当会は鉄道事業者の女性専用車両というやり方に異を唱えているだけであって、女性を嫌悪しているわけではない。

当会は活動趣旨に賛同していただける方なら男性だけでなく女性も入会可能だし、実際に女性の会員もいる。そもそも当会がミソジニーなら女性を入会可にするわけがない。寝言は寝てから言ってほしいものだ。

「女性専用車両をなくしたかったら痴漢をなくせ」

「女性専用車両をなくしたかったら痴漢をなくせ」と言うのはこれまでに女性専用車両が導入された経緯を知らない無知から出る言葉である。

なぜなら

  • 開業当初から女性専用車両を設置した路線がある
  • 痴漢が減っていたのに女性専用車両を設置した路線がある

という事例がこれまであったからである。

前者の「開業当初から女性専用車両を設置した路線」は「つくばエクスプレス(TX)」である。

「痴漢被害が深刻だからやむを得ず女性専用車両が設置した」のなら、この「女性専用車両をなくしたかったら痴漢をなくせ」という言い分もわかるが、TXでは痴漢の発生が深刻だというデーターもない(開業当初だからあるはずもない)のに開業当初から女性専用車両を設置した。つまり痴漢被害が深刻だから設置されたわけではなく、最初から”標準装備”であるかのように設置されたものであるため、この言い分とは矛盾する。

後者の「痴漢が減っていたのに女性専用車両を設置した路線」は「都営大江戸線」で、感染症の大流行による自粛要請でテレワークが増えて混雑が減少し、そのおかげで痴漢が半減したら「今なら女性専用車両を設置しても混乱は最小限に留まるだろう」としてこれを女性専用車両導入の機会と捉えて導入されたからである。

感染症の大流行時はそもそも通勤ラッシュの混雑がだいぶ緩和され、それにより痴漢が半減(記事)したことは周知の事実であるからして、女性専用車両を本当に痴漢対策とみなすなら「混雑が緩和したから女性専用車両を導入しよう」というのは完全に本末転倒である。

※議員の方のポストについては公人のため、画像や氏名を隠す処理を行っていません

都営大江戸線への女性専用車両導入には公明党や共産党が絡んでいたわけだが、要するに「混雑が減少して導入しやすくなったので『この機をとらえ』導入しよう」ということであり、表向き痴漢対策と言いつつ、実は「導入させることそのものが目的」だったわけである。

つまり「女性専用車両は痴漢対策ではない」

よって痴漢をなくしても女性専用車両はなくならないことはわかり切っているのである。

なお、この項の冒頭で紹介したポスト主(=女性専用車両なくしたいなら、女性専用車両ができた原因の痴漢撲滅をしたら良いのにね)も含め、当会サイトもろくに読まず「女性専用車両に反対する会は痴漢対策には全く無関心で、女性専用車両に反対だけしている」と思い込んでいる者が少なくないと思われるので、ここでも言っておくが、

当会はあくまで、女性専用車両は差別になるから反対しているだけで、痴漢対策自体に反対しているわけではない。女性専用車両以外の方法で痴漢対策はどんどんやれば良い。

さらに当会はいろいろな(女性専用車両以外の)痴漢対策を主張するだけでなく、実際に鉄道事業者に直接提案もし続けている。

当会サイトをきちんと読んでいれば「女性専用車両なくしたいなら、女性専用車両ができた原因の痴漢撲滅をしたら良いのにね」などという発言は出てこないはずである。

「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」

「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」というのも実はおかしな主張である。

なぜなら(実際に痴漢が減る・減らないは別にして)もし「女性専用車両が痴漢を減らすもの」だと仮定するならば「女性専用車両をなくせば、それは即ち同時に痴漢を減らす効果もなくなる」ということにもなるからだ。

もし仮に痴漢がゼロになったとして「痴漢がなくなったから女性専用車両も必要ないので無くす」のであれば、無くした後は痴漢がまた増えることとなり(個人発信の場が少なく、オールドメディアが強かった2001年頃ならいざ知らず)個人発信が容易になった昨今において、痴漢が再度増加したからといって女性専用車両を再設置することは現実的にほぼ不可能だからである。

つまり前述の「女性専用車両が痴漢を減らすもの」という仮定を前提として「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」と言う者は、それこそ内心では「女性専用車両では痴漢をゼロにすることはできない」と思っていて、女性専用車両を維持するための方便として「痴漢がいなくなれば女性専用車両も必要なくなる」と言っているわけである。

「痴漢をゼロにすることなんてできるわけないんだから『痴漢がなくなったら女性専用車両もなくなりますよ』とさえ言っておけば、反対派は何も言い返せなくなってギャフンと黙るだろう」という魂胆があるからこそ、そういう事を言うのである。

また前述の「女性専用車両が痴漢を減らすもの」という仮定を前提とするならば、「痴漢がゼロになったら、それは女性専用車両の効果だ」と認められるということでもあり、また先述の通り、痴漢が再度増えたとしても再設置はほぼ不可能なわけだから、本当に痴漢撲滅や女性のことを慮っているならば、痴漢がゼロになったあとでも女性専用車両を廃止せよとは誰も言わないはずである。

万引きがなくなったからといって店内監視カメラの設置をやめたお店なんて聞いたことがないのと同じである。

「男性専用車両を作るべき」

この他にも「女性専用車両を廃止するのではなく男性専用車両も作れと言うべき」という意見も多かった。

そもそも当会は女性専用車両だけでなく男性専用車両にも反対の立場である。

当会がなぜ男性専用車両を求める活動をしないのかについては当会サイトの「当会について」に理由を書いているので、知りたい人はそちらを見てほしい。

それに加えて言えば、そもそも鉄道事業者も男性専用車両など全くやる気がないし、仮に作っても女性専用車両と同じく「専用という名前だけど任意」でしか作れない。また朝のラッシュ時に女性専用車両1両だけでも他の車両の混雑を激化させて「お客様混雑のため」として度々解除になっている(当会としてはなぜこういう解除には賛成派が鉄道会社に一切文句をつけないのか不思議ではあるのだが)のに、その上から男性専用車両を追加など現実的に見てもほぼ不可能。

また、「男性専用車両も作ればいいのに」と言っている者の中には「どうせ男性専用車両など実現できないだろう」と見くびった上で、女性専用車両に異論を唱える者を黙らせるため「男性専用車両も作ればいいのに」と言っている者もいるということもある。

そういう人間は実際に男性専用車両が出来そうになったら途端に手のひらを返して猛反対し始めるであろう。

というのも以前、現在の女性専用車両がまだ導入され出して間もない頃、ネット掲示板などで「男性専用車両も導入すべきだ」というような書き込みがあると、それに男性専用車両に反対する返信が山のように付いていたからである。

今では鉄道事業者に男性専用車両を導入するつもりが全くないと分かったからか「男性専用車両を導入しろ」という者がいてもそれほど叩かれなくなったが、こうしてみると「女性専用車両には賛成だが、男性専用車両は一切認めたくない」という層もいるようだ。

当会はもちろん「どちらにも反対」だが。

「女性専用車両は男性の痴漢冤罪対策にもなるのになぜ反対するの?」

「女性専用車両があっても他の車両でいくらでも痴漢行為が出来てしまうので痴漢は何も困らない」ということは先程、このページの【女性専用車両に反対するのは痴漢がしたいんだろう】の項で解説したが、賢い人ならそこからさらに

女性専用車両があっても男性の冤罪防止には全く効果がないどころか、下手をすれば女性専用車両ができた分、他の車両に痴漢被害がしわ寄せされていることから、他の車両にいる男性が冤罪に遭う可能性が却って上がっている可能性すらある

ということを理解できるものだが、世の中にはそれが理解できない人が少なからずいる。

今回も「男性の痴漢冤罪対策にもなるのになぜ反対するの?」と、本気で女性専用車両が男性の痴漢冤罪対策になると思い込んでいるポストがX上に散見された。

女性専用車両を導入しても痴漢する輩の人数自体が減ることはないし、また痴漢が「女性専用車両があるからこの路線ではやめよう」などと思うはずがない。そう思っている御仁には逆に聞きたいのだが、なぜ痴漢をする犯罪者の性善説を信用しているのか。

上記の通り、痴漢犯は他の車両に移動して痴漢をするだけである。

実際に女性専用車両導入後、痴漢の件数が逆に増えてしまった路線は少なくない(上記の記事でも導入後、痴漢が増えたとある)。

そして男性が乗っているのは通常その「他の車両」であるから、女性専用車両以外の車両では、女性専用車両が導入される前より痴漢や冤罪のリスクが上がっているとさえ言える。

女性専用車両ができたからといっても女性に「女性専用車両に乗るよう」促しているわけでもないのだから女性がみんな女性専用車両に行くということもなく、女性専用車両以外の他の車両から女性がいなくなるわけでもない。もちろん女性専用車両によって痴漢冤罪が何件減ったとか何%減ったというデーターなども一切ない。

しかし、この手のポストをする人の頭の中では「女性専用車両には男性の痴漢冤罪を防ぐ効果があって当然」になっているのである。

こういう「女性専用車両で男性も冤罪から守られる」などという主張をする人間がいかに現実を見れていないか、よく分かるだろう。

「女性専用車両をなくしたいなら女性専用車両に乗り込んで女性に抗議するんじゃなくて鉄道会社に乗り込んで抗議しろ」

これも当会サイトを良く見ていればすぐ分かることなのだが、当会は女性専用車両で乗り合わせている女性に抗議するために女性専用車両に乗っているのではない。

女性専用車両に乗っているのは、それこそ鉄道事業者は女性専用車両に男性が乗ることを嫌がっているわけなので、その鉄道事業者に対して男性が乗っているアピールをし、更にはそれを目撃している他の男性にも女性専用車両に男性が乗れることをアピールするための活動である。

にも関わらず、一部の乗り合わせた女性が私達の活動の邪魔をして降ろそうとするから、面前で発生した活動の障壁を排除するために活動の邪魔をしてきた女性に抗弁しているだけである。

そもそも私達から何もしていない女性に声掛けすることはない。

しかも、当会は鉄道事業者にアポを取って訪問し、直接面談して話し合い、抗議書や要望書を提出してもいる。

最近では名古屋市交通局に訪問した。

このことは当会サイトの活動履歴にも載せているのだが、それを全く見ていないからそういうこと(=女性ではなく鉄道会社に抗議しろ)を言うのだろう。

当会としては溜め息が出るばかりである。

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活動履歴

2024年9月 名古屋コミティア65に当会が出展

2024年9月29日に名古屋で開催された名古屋コミティア65に「女性専用車両に反対する会」としてサークル出展しました。


名古屋コミティアに当会がサークル出展

2024年9月29日、名古屋国際会議場において名古屋コミティア65が開催された。

東京で開催されるコミックマーケット(通称:コミケ)はご存じの方も多いと思うが、それとよく似た同人誌等の頒布イベントである。

過去のイベント参加経験

当会はこれまで2018年と2019年にコミケに参加したことがある。

その際にはそこそこ関心を示してくれる方もおり、その時に販売した冊子も結構売れたが、2020年より感染症が大流行し、コミケも会場開催されなくなり、政府からの不要不急の外出の自粛要請も相まって当会も活動を思うようにできなくなった。

その後、外出の自粛要請がなくなってからは乗車会などは徐々に活動を再開していったわけだが、去年(2023年)からは各種同人誌即売会イベントの会場開催が再開されており、今年(2024年)になって感染症の流行の影響もほぼなくなったので、今回5年ぶりにこの手のイベントに出展してみようとなり、その時に応募できそうなイベントの一つが名古屋コミティアだったので申し込みしたところ、見事当選したため出展する運びとなったものである。

サークル設営~一般参加者入場開始

この写真は今回の名古屋コミティアで当会が出展していたブースでの写真である。

この写真はX(旧:ツイッター)でも公開されており、また多数のインプレッション(閲覧)数を記録していることからご存じの方も多いだろう。

午前10:00にサークル入場して売り場のセッティング。まずはすぐ隣のサークルの方と挨拶を交わし、私達も机の上に頒布する冊子を用意したり「女性専用車両に反対する会」のノボリ(旗)を立てたりして、釣り銭なども用意し、11:00からの一般入場を待つことになった。

設営完了

今回、関西から福山代表や関東から田中副代表も名古屋の会場にやってきた。

やがて11:00になり一般入場かと思われたが、諸事情ありで一般入場が15分ほど遅れるとのこと。そのため15時の終了予定が15分繰り下げられる旨、館内放送があった。

当初予定より遅れて一般入場の時刻になり、一般の参加者(同人誌などを買いに来た人々)が続々と入場してきた。

名古屋コミティア会場内の様子。当会のノボリ(写真中央やや左)も見える

今回の名古屋コミティアに当会がサークル出展することについて当会公式Xアカウントで事前予告したところ、開催前日になって炎上し、Xの当該ポスト(下画像)の閲覧数が名古屋コミティアの開催当日になんと1200万を超え、返信や引用のポストが殺到するという状況になった。(当会公式アカウントは告知用のため、返信等はしない)

当会に対する誤解・偏見・誹謗中傷のポストも少なくなかったが、一方で当会への応援・支持のポストも多くあり、当会の活動を広く世間に認知してもらうという意味では予想外に嬉しい反応であった。

中には当会の出展を阻止しようとして、名古屋コミティアの運営に「女性専用車両に反対する会の出展を認めるな」と通報する者やSNSで通報を呼びかける者もいたのだが、それに対して「表現の自由は尊重されるべきだから女性専用車両に反対する会への出展は認めるべき」と意見を出してくださった方もいらっしゃったようだ。

また、当会への誹謗中傷のポストも少なくなかったことから「妨害とかありませんでしたか?」と心配の声もいただいたのだが、実際に出展してみると直接当会の妨害をしてくるような者はいなかった。

(直接当会の妨害をしたところで出展サークルは運営の許可を得て出展しているわけであるから、会場からつまみ出されるのは妨害者であることは言うまでもないことだが)

一般入場を開始してしばらくしてから名古屋コミティアのスタッフ2名が当会のブースにやってきて「冊子の内容を見せてください」と来た。

「(当会が)不適切な内容の出展をしてるんじゃないか?という通報がありましたので、確認に来ました」とのこと。

もちろん当会は規定違反や公序良俗に反している内容の冊子を作成しているわけではなく女性専用車両というやり方は差別の問題があるので、差別にならない他の方法で痴漢対策をするべき」という主張なので、こちらから

「当会は痴漢対策そのものに反対しているわけではありませんし、痴漢行為が卑劣な犯罪であるということもよく認識しています。女性専用車両というやり方は差別につながるので、痴漢対策するならやり方を考えてほしいという主張です。」

と説明した。

すると冊子に目を通していた2名のスタッフのうちの1人が「わかりました。問題はないということで了解いたしました。では頑張ってください。」と言って去っていった。

どうやら名古屋コミティアの運営の方々は当会の冊子が頒布ルールに反したものではないと判断してくださったようだ。

『表現の自由』について

ちなみに、こういったイベントでは合法の範囲内での『表現の自由』が最大限尊重される場となっており、あらゆる合法の範囲内での表現を認められている。

例えばカルト宗教を立ち上げてそれを説明した冊子を頒布するのも、内容の是非は置いておいて表現の自由上は認められているのである。

当然、イベント自体のルールを遵守した上での話なのは大前提としてだが。

“コミケの父”が残した理念 「多様性を求め、認めること」こそが“表現の自由”

https://www.oricon.co.jp/special/53473/}

実際には未成年も入場できるわけだが、(規定されている修正を施して)成年向け冊子も頒布されている。

そこで「未成年も入場可能なイベントなんだから成年向け冊子を出すサークルは出展禁止しろ」などとイベント運営に苦情を出しても何ら対応はされないだろう。

むしろ、憲法で『表現の自由』が保障されている以上、特定の思想・信条・表現だからといって表現する場を奪われることはあってはならない。

だからこそ当会は定期的に集会を行っているが、感染症流行対応等の不可抗力によるもの以外で公民館や民間会議室の会場利用を断られたことはいまだかつて、ない。

よって今回、名古屋コミティアに当会の出展を阻止しようとした者は憲法で保障されている表現の自由を全くもって尊重などしておらず、「自分の思想に反する表現は許さない」という独善的な考えを持っており、こういう人が権力を持つと独裁者となるわけであり、集団の秩序を保つことはできないだろう。

過去の歴史上の出来事で考えると、ナチス・ドイツが自分の思想は異なる書物を焚書したことは有名だが、焚書されたせいで一部の情報が未来永劫失われてしまったのである。

こういった出来事からも『表現の自由』が如何に尊いものか、よく考えてみるべきである。

当会に寄せられたXの投稿の数々について

先ほど、当会のX公式アカウントで名古屋コミティアへのサークル出展告知のポストが炎上した事に少し触れたが、その関係でX上では当会に対する多数の批判的なポストが相次いだ。

ただし、その内容については事実誤認や偏見に基づくものが多くみられたため、ここではそれらのポストについて当会や女性専用車両問題についての誤解や偏見が更に広がらないよう、解説(場合によっては反論)していくが、本題と大きく外れるのでこちらのページに掲載することとする。

イベントは穏やかに進行

さて、名古屋コミティアのスタッフが去っていったあとは特にこれと言ったことはなくイベントは穏やかに進み、時折、当会の冊子に関心を示してくださった方が見本誌を読んでくれたり、気に入って購入してくれるなどした。

そして冊子を手に取ってくださった方とこんな話もしたりした。

お 客 様:「名古屋で活動されているんですか?それとも他から名古屋に来られているんですか?」

当会売り子:「名古屋でも活動しています。名古屋のほか関東や関西でも活動しています。」

お 客 様:「今、紫色の地下鉄(名城線)に乗ってきたんですけど、そこには(女性専用車両)あるんですか?」

当会売り子:「名城線は朝だけですね。といっても今日は日曜日だから名古屋ではどこもやってませんよ。土日まで女性専用車両やってるのは関西(JR西と神戸市営地下鉄)だけですね。」

そうこうしているうちに時刻は13:00ちょっと前になり、交代の会員が会場にやってきた。

午後から他の会員に引き継ぎ

冒頭に出した写真は今やって来た交代の会員のうちの2人である。

11:00から売り子をしていた私達と代わって、交代の会員が売り子をすることになった。

ちなみに当会の売り子の一人が女性だったこと(当会は男性会員のみと思われがちだが、当会Q&Aで公表している通り、女性会員も在籍している)について、XなどSNS上でも何人かの方が反応し、意見や感想などを述べてくださったのでここに紹介する。

まず、当会の女性会員がXで出展告知の投稿がこちら。

これに対し

  • ん?女の人参加してるんですか?
  • 女性が参加されてるのは本当に立派だと思う。一部の男が痴漢だから女性専用当たり前と主張されてもまともな男には全く通用しないとなぜわからないのか不思議でしたが女性にまともな考えをされてる方がいて安心しました。
  • どういうお考えで女性専用車両廃止に賛同されているのですか?同じ女性として参考にしたいのですが
  • おそらくスタンプで顔隠している方が本人じゃないかしら?
  • 素晴らしい!こういうまともな女性増えてほしいです。応援しています。
  • すげぇ リスペクト

というような反応があった。

売り子交代の会員も来たので筆者は休憩のためにしばらく会場を離れた。

そして休憩から戻ってきた際、売り子をしていた会員に(筆者が離れていた間は)どうだったかと尋ねてみると、その間特に大きな問題はなかったとのこと。

ただ1人だけ当会のノボリを手で揺さぶろうとしてきた人がいたらしい。何を思ってそんなことをしたのだろうか。

その後は私達もテーブルの前に立って通りゆく人々に声をかけたりした。

やがて時刻は終了時刻の15:30(結果的に終了が15:30まで繰り下げられた)になり、当会も後片付けに取り掛かった。

そして後片付けも済ませ、会場をあとにした。

名古屋市内で打ち上げ

その後は名古屋市内の居酒屋に移動し、みんなで打ち上げ。

打ち上げ会場も盛り上がり、名古屋コミティアに参加した会員と参加できなかった(打ち上げのみ参加した)会員とで

「今日はどうでしたか?何事もありませんでしたか?」

「大丈夫でしたよ。時々興味を持って冊子を手にしてくれる人もいて、活動の存在の告知とアピールという点では成功だったと思います」

というような会話から

「来年は久しぶりにコミケに出展したい」

(東京や大阪に出向いて)「京王や阪急とかでも非協力乗車してみたい」

などという会話になり、出てきた料理の美味さとも相まって会話の途切れることがなかった。

会の外部からはこういった会の内側は見えないため、当会サイトを見ても人によっては「キモオタとか非モテとか変な人の集まりでは?」「本当はヤバい団体とかじゃないだろうな」と思ってしまう人もいるかも知れない。

しかし、実際は会員の多くは普通の会社員や学生である。そして、もちろんだが悪い人はいない。

というか人が集まる組織であり、会員同士の交流も深いことから、それなりに協調性・社会性のある人(平べったく言えば人と仲良くできる人)でなければ会に定着することは出来ない。

当会では全国的に会員を募集しているので、入会希望の方は入会申し込みフォームより申し込んでほしい。

以下、参考までに

  • (先にも書いたが)当会の会員は主に一般の会社員や学生である。
  • 恋人がいたり、既婚者も普通にいる。
  • 年齢層は下は10代後半から上は80代まで幅広い(高校生以上なら入会可能)。
  • 当会の活動趣旨に賛同していただける方なら男性だけでなくもちろん女性も入会可能。性別を問わない。
  • 全国どこに住んでいても入会は可能(女性専用車両がない地域の方でもやれることはたくさんある)

当会は新しく私達の輪の中に入ってくださる方を待っている。