2013年12月 関西本部:JR西日本線で非協力乗車会

活動履歴

2013年12月15日、当会関西本部ではJR西日本、大阪環状線・関西線・おおさか東線・片町線・JR東西線などでの非協力乗車会を行い、その後、新大阪駅事務室への抗議を行いました。

この抗議は、今回の乗車会の一週間ほど前の12月9日に、JR京都線(東海道線)で個人的に非協力乗車していた会員が、新大阪駅で不当な扱いを受けたことに対するものです。

今回のルートは、以下のとおり。
大阪環状線・福島→(大阪環状線内回り)→新今宮→(関西線)→久宝寺→(おおさか東線)→放出→(片町線・JR東西線)→尼崎→(JR神戸線)→大阪

大阪駅で一旦下車。その後、次の新大阪駅に向かい、駅事務室に抗議してそこで解散。

以下、当日参加のメンバーからの報告です。


大阪環状線 福島~新今宮

今回は、JR大阪環状線福島駅ホームに13時に集合。

集合時刻が近づくと、ホームに会員が続々と集まってきた。

今回は乗車会だけでなく、一週間ほど前に、個人的に非協力乗車していた当会会員が新大阪駅で不当な扱いを受けたことに対する抗議も予定している。

今回集まったのは9人。

その後すぐ13:05に福島駅にやって来た環状内回り電車の女性専用車に乗車。

車内には若干立ち客がいるが、比較的空いている。

ざっと見た感じ、男性客は私達だけの模様。

福島駅に入ってきた環状内回り電車
車内の女性専用車表示
女性専用車に設置されている鏡

西九条でややまとまった降車があり、少しずつ車内には空席が出来はじめた。

今日は日曜日だが、USJ方面へ行く人々が多いのだろうか?

弁天町発車後、男性客が1名、女性専用車を通り抜けて行った。

そして次の大正を出る頃には車内はガラガラに。

13:21新今宮到着。

関西線 新今宮~久宝寺

新今宮で関西線の普通列車に乗り換えた。こちらもガラガラである。

次の天王寺からは十数人程度乗ってきたが、それでも車内は空いている。
東部市場前発車後、女性専用車の案内アナウンスが流れた。

「この電車の前から3両目、車内に女性専用車の表示がある車両は、土曜・休日も含め、毎日終日女性専用車です。どうぞご利用下さい・・・」と、土日まで含め、毎日完全終日実施していることを妙に強調しているかのようだった。

ご存知の方も多いかと思うが、女性専用車両を終日実施しているのは、今は関西だけである(かつて、関東の東急東横線も平日は終日実施だったが、現在は朝のみになっている)。

関西も、全ての路線で終日実施しているわけではないが、このJR西日本は土日まで含め、毎日完全終日実施である。

しかしながら、ここまで書いてきたとおり、日中の電車の多くはガラガラに空いている。

JR西日本も導入当初は平日の朝ラッシュ時のみだけだった。
「痴漢対策」と称して混雑する平日のラッシュ時に導入し、その後、定着してきたかと見るとどんどん拡大して、今では昼間や休日など、ガラガラの時間帯も含め、当たり前のように年中無休の毎日完全終日実施になっている。

世間では「女性専用車=痴漢対策」というイメージが強いので、よく「(女性専用車を終日実施する)JR西日本の意図が分からない」という意見も見かけるが、答えは簡単。

JR西日本の女性専用車は「痴漢対策ではない」のだ。

世間を納得させるために「痴漢対策」を隠れ蓑にしているだけで、実態は並行路線から女性客を少しでも多く奪い取りたいために、「女性の皆様、男がいない快適な車両を毎日終日提供するJRをご利用下さい!」と、アピールしているようなものである。

これは、JR西日本がどのような姿勢で女性専用車両を宣伝しているかを見ても良くわかる(下写真)。

女性専用車はJR西日本の「ウリ」であり、痴漢被害が多い・少ないは関係ないのだ。JR西日本の女性専用車には、身だしなみ用のものと思われる鏡が取り付けられているが、痴漢対策に鏡が必要なのかどうか考えてみれば、そこからもJR西日本の女性専用車が痴漢対策などでは全くないことが良くお分かりいただけるだろう。

もっとも、女性専用車を毎日終日実施したからと言って、それで他社との競争を圧倒的有利に進められるとも思えないが・・・

実際のところ、女性専用車でどのくらい増収増益になった(ならなかった)などというデータは、当のJR西日本自身も恐らく持っていないだろう。

しかしそれでも、「女性を優遇しなければ競争に勝てない」と、宗教のように信じきっているのだろうか?

JR西日本は公共交通機関でありながら、痴漢対策とはとても言えない女性専用車を終日設置し、「同じ運賃を支払えば誰でも公平に利用できる」という公共交通の大原則を簡単に覆してしまっているのである。

その点、某政党の圧力などで渋々女性専用車両を導入した同業他社の方が、ある意味まだマシなのかもしれない。

ほどなくして列車は、おおさか東線との連絡駅である久宝寺に到着。私達はここで電車を降りた。

おおさか東線 久宝寺~放出

久宝寺では、おおさか東線の放出(はなてん)行き列車が停車して待っていた。

もともと、おおさか東線はそれほど混雑しない路線だが、私達が乗ったおおさか東線の女性専用車は、女性客が2人乗っているだけだった。

私達は今回、男性9人で乗車したので、女性専用車でありながら乗っているのは圧倒的に男性の方が多い状態に・・・

このおおさか東線・過去にも当サイトで取り上げているとおり、開業当初(2008年)から女性専用車を設定していた。
(参考)JR西日本 おおさか東線に関しての報告

当時、「新規開業路線で、痴漢被害が多くて深刻な路線というデータも無いはずなのに、最初から女性専用車を設けるとはどういうことか?」という批判も一部にあったが、先にも書いたとおり、JR西日本の女性専用車が「痴漢対策を建前にしているだけ」であることを考えればすぐに分かる。

もはや、JR西日本にとって女性専用車は「標準装備」という感覚なのかもしれない。

久宝寺発車間際に、3人目の女性客が乗車してきた。
この女性客、乗車していた当会メンバーの一人に近づき、何か話しかけようとしてきたので、「ここは女性専用車」と言いに来たのかと一瞬思ったが、そうではなく、当会メンバーに「この電車、新加美に停まりますか?」と尋ねてきた。

どうやら普段、この路線は使わない方のようである。

もちろん、こちらからは「停まりますよ」と伝え、その女性客は座席につき、電車は久宝寺を発車。

久宝寺発車直後、また専用車アナウンスが入ったが、先の関西線のものと異なり、「前から●両目は女性専用車です。ご理解ご協力お願いします」というシンプルなものだった。

車掌によって、アナウンスの仕方が異なるらしい。

電車が新加美駅に着くと、先の女性客が「ありがとう、すみません」と言って、電車を降りていった。

こうして礼を言われると何か気持ちがいい。

その後も車内はガラガラのまま、放出に到着。

放出で片町線(学研都市線)の電車に乗り換え。

片町線 放出~JR東西線~尼崎

放出ですぐ、片町線京橋方面の電車がやってきたので、それに乗り換え。

京橋からJR東西線直通の西明石行き普通である。

こちらはさすがにおおさか東線のようにガラガラということはなかったが、若干立ち客がいる程度で混雑はしていない。

先ほど乗車してきた、おおさか東線は現在、久宝寺~放出間で部分開業しているが、将来は放出から鴫野(しぎの)まで1駅、片町線と併走する形で路線が伸び、さらにそこから片町線と分かれ、都島・淡路などを経由して新大阪まで開通することになっている。

現在、そのための工事中で、鴫野駅にも既存のホームの他、新しいホームが1面、建設中だった。

しかし、放出(鴫野)~新大阪間が開業した際にも多分、開業初日から終日女性専用車が走るようになるのだろう。

京橋からはJR東西線になるが、列車はそのまま直通する。

京橋でややまとまった降車があり、車内はガラガラに。

JR東西線も大阪キタの中心地付近(北新地)まで乗り入れるが、やはり京橋で大阪環状線に乗り換えて直接、大阪駅まで行く方が便利が良いのだろう。

京橋の先で地下区間に入り、ここから尼崎手前までは地下を走る。

大阪天満宮で少し乗ってきたが、座席がほぼ埋まる程度で、車内はやはり比較的空いている。

次の北新地では乗客がほぼ入れ替わったが、乗車率はやはり座席がほぼ埋まる程度。

新福島・海老江と過ぎるとさらに乗客が減って、またガラガラ状態になった。

地下区間を20分近く走り、加島の先で再び地上に出ると、まぶしい太陽の光が差し込んできた。

この日は朝からどんより曇っており、雨こそ降っていないものの、あまり天気が良くなかったのだが、東西線の地下区間を走っている間に雲が切れ、日差しが射すようになっていたのだ。

地上に出てすぐ淀川を渡り、程なく尼崎に到着。

2年前の「塚口事件」と今回の新大阪駅抗議について

尼崎からは、ホームから階段を上り、東海道線に乗り換え大阪方面を目指すが、その前にここでトイレ休憩に。

目の前には尼崎駅の駅事務室が見えた。

尼崎駅事務室

今からちょうど2年前(2011年の暮れ)に、JR宝塚(福知山)線で個人的に非協力乗車していた当会関西本部会員H氏が、塚口駅で(車内に乗り込んできた)尼崎駅の助役らに力ずくで強制排除され、駅事務室まで連行された上、個人情報を聞き出されそうになった「塚口事件」があったが、その後、H氏と当会関西本部のメンバーが、関東から応援に駆けつけたメンバーと共に抗議に訪れたのがこの尼崎駅事務室である。

その時にはJR側が非を認めず、さらに警察を呼ぶなどしたが、駆けつけた警察官が私達の話を聞き、逆にJR側に「きちんと話し合いに応じてみては?」と言ってくださったということがあった。

さらにその後、JR西日本大阪支社にも抗議に行き、そしてJRに「再発を防止するための指導・教育を大阪支社管内全域で徹底する」という約束を取り付けたのである。

そして、H氏に謝罪したJRの社員も、「(女性専用車に)男性客が乗っていても悪いことではないということを、(女性客から)クレームを受けた際に伝える」と言っていたのだが・・・

しかし、先にも少し触れたとおり、この乗車会の6日前の12月9日に、またしても(個人的に)非協力乗車していた当会会員S氏に対する不当な扱いがあった。

粛々と乗車していただけのS氏に、一人の女性客がしつこく暴言を吐きかけ、さらに新大阪駅の駅員や車掌が(その女性客にはお構いなしで)、会員S氏のみに強く降車を迫り、隣の車両に移動させたのである。

今回は力ずくでの強制排除ではないものの、高圧的な態度で半ば強制的に移動させるなど、2年前の約束は全く守られていない。

また、車内トラブルなら本来、当事者双方を降ろして事情を聞くのが本来であるが、今回、暴言を吐いた女性客に加担する形で駅員・車掌がS氏のみに降車(移動)を迫っており、この点も明らかにおかしい。

結局、2年前の塚口事件を受けてのJR西日本の対応は、「その場しのぎ」だったということなのだろう。

そのため、今回の乗車会の後に、新大阪駅に直接抗議に行くことにしたものである。

この抗議には今回の「被害者」のS氏はもちろん、2年前の「塚口事件」の被害者であるH氏も参加した。

なお、この抗議については、長くなるので、別ページでの公開とさせていただく。

JR神戸線(東海道線)尼崎~大阪

さて、尼崎からは14:38発、高槻行き普通列車で大阪駅まで移動。

環状線福島駅からの大回り乗車のため、大阪駅で一旦下車。

切符を買いなおして、後続の大阪15:02発の高槻行き普通列車に乗車することにした。

大阪駅ホームには警備員が一人いたが、女性専用車乗車位置に並んでいる私達を見ても声は掛けてこなかった。

しばらくして、15:02発の列車がホームに入ってきて、女性専用車内から女性客に混じって一組の老夫婦が降りてきた。

入れ替わりに私達が乗車すると、女性専用車内には私達9人の他、向こうの方に男性客が2人と、夫婦と思われる男女一組が乗車していた。

車内は座席がほぼ埋まり、若干立ち客がいる程度の乗車率だが、私達も含め少なくとも男性が12人乗っていることになる。

近くの座席に座っていた女性客が「むっちゃ男乗ってる」「終日やんな」などと会話しているのが聞こえた。

しばらくして電車は大阪駅をゆっくりと発車。

数分で次の新大阪に着き、私達はここで降りた。

そして、抗議のため新大阪駅の事務室に向かった。

新大阪駅での抗議については、以下のページを参照いただきたい。
2013年12月15日 新大阪駅抗議の報告

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