当会関西本部では7月中旬の平日の夜に、JR京都線・神戸線・東西線、および大阪市営地下鉄御堂筋線で非協力乗車会を行いました。
以下、その報告です。
●今回のルート
JR大阪→新大阪(JR新大阪から、御堂筋線新大阪まで徒歩)
御堂筋線新大阪→梅田(梅田からJR大阪まで徒歩)
JR大阪→JR尼崎(尼崎でJR東西線乗り換え)
JR尼崎→北新地(北新地で解散)
女性専用車は痴漢対策ではない
「痴漢対策」は世間を納得させるための、うわべの理由
大阪~新大阪
今回は、夜の7時にJR大阪駅集合。
JR西日本は言わずと知れた、「営利目的丸出しの女性専用車両」に大変熱心な鉄道事業者であり、当会としても重点的に乗車会を行っているところであるが、大阪市営地下鉄御堂筋線も、先の(2017年)4月の非協力乗車会でいろいろあったので、今回は、主にJR線での乗車だが、新大阪から梅田まで地下鉄御堂筋線での乗車も組み入れた。
私達は19:10発、京都行普通に乗車するため、発車時刻の5分前くらいから専用車乗車位置に並んだ。
前回、今年5月の活動報告でも触れたが、大阪駅のホームドアは白い、飾り気のないものだが、女性専用車位置の部分だけ濃いピンク色にして、非常に目立つようにしている。
また、ホームドアだけでなく、足元にも「女性専用車」の表記をしつこいくらいに貼りつけ、さらに、各扉の前(の足元)に貼ってある「降車エリア」の表示も、女性専用車の位置のものだけ、一般車の位置のものと色を変え、目立つようにしていた。(下の写真)
私達が並んだ場所のすぐ近くに一人、駅員が立っていたが、私達(今回は全員男性)が専用車乗車位置に多人数で並んでも、何も言ってこなかった。
私達の他にも、女性専用車位置に一人の中年男性が並んでいた。
駅員は声をかけてこないし、私達以外にも専用車位置に並んでいる男性がいるし、「これは良い傾向だ」と思っていると、駅員がその場から立ち去った。
以前ならここで声をかけてくるところだろうが、今ではそうもいかなくなってきたということだろうか?
しばらくして、ホームに列車が入ってきた。
私達はそのまま一斉に乗車。
ホームで並んでいる時も、乗車してからも、周囲の女性客は声をかけてこなかった。それで良いのである。
ネット上では、「反対派は、女性客から声をかけられることを期待して乗車している」「声をかけられたら、待ってましたとばかりに攻撃するのが目的」みたいに言う者がいるが、私達の願いは、「男性が女性専用車に乗っても何事も起こらなくなること」である。
つまり、実際には女性専用ではない(実は任意協力であり、誰でも乗車できる)にもかかわらず、「女性専用車」と銘打って乗客を勘違いさせて、「男性客が自発的に協力している」ということにして片付けようとしている鉄道事業者の思うようにはさせないことが目的である。
よって、周囲の女性客には何の用もない。
ネット上には、「女性専用車に乗る男は、そんなにまでして女性に近づきたいのか」などと、頓珍漢なことを言う者もいるが、私達から見れば、そのような発言は「噴飯もの」である。
私達の乗車した普通列車は、快速列車の先発待ちのため、大阪駅で4分ほど停車。私達が乗車してすぐ、車掌が「この列車の前から●両目、女性専用車両の案内表示のある車両は、終日女性専用車両です。皆様の・・・」とアナウンス。まあ、いつものことかと思っていたら、しばらくして、同じ内容でさらにもう1回。
専用車アナウンスの頻度は、車掌によって異なるが、わずか数分ほどの停車時間中に同じアナウンスを2回というのは、ちょっとしつこいな、と思っていると、隣のホームに、逆方向の神戸方面行の普通列車が入ってきた。
見たところ、神戸方面の女性専用車にも、確認できただけで男性客が一人乗車していた。
やがて、私達の乗った京都行き普通列車はゆっくりと大阪駅を発車。
夕方の帰宅ラッシュ時のためか、女性専用車も結構な乗車率ではあるが、押し合いへし合いにはなっていない。
発車してすぐにまた、「この列車の前から●両目、女性専用車両の案内表示のある車両は、終日女性専用車両です」というアナウンスが流れた。
わずか5分程度の間に、同じアナウンスを3回もするというのは明らかにおかしい。
「誰かがこっそりチクリ(告げ口)に行ったんじゃないか?」という話をしていたら、メンバーの1人が、「さっき大阪駅のホームにいた駅員が、発車前にいなくなったけど、俺らを見て車掌に言いに行ったんじゃないか?」と言った。
まあ、断定は出来ないが、その可能性は十分にある。
近年、JR西日本に関しては、私達が女性専用車に乗車していても、直接の声掛けは少なくなってきたものの、一方で女性専用車だけ車内照明の色を変えた323系列車を大阪環状線に導入したり、今回も紹介した大阪駅のホームドアなど、直接の声掛けではなく、やたらと女性専用車の存在を強調することによって、男性を乗せないようにしている感がある。
もちろん、「女性専用車が任意協力でしかないこと」や「法的にも、強制にすることは出来ないこと」を知っている私達には、そのようなことをしたところで無駄なわけだが、JR西日本側の狙いとしては、気付かずに乗車する男性や、それにつられて、分かっていても「まあいいか」で乗ってくる男性を寄せ付けないようにする意図があるのだろう。
だからこそ、女性専用車が任意協力でしかなく、「女性『専用』はウソである」ということを、そして、「男性が乗っても、実は全く問題がないものである」ということを、この先もっともっと世間に広めていく必要がある。
そういうと、「なぜ女性専用車が作られたか、その理由を良く考えましょう」 などと言ってくるような者がしゃしゃり出てくることがあるが、そういう相手には、「女性専用車が痴漢対策だと、未だに本気で信じておられるのですか?」と返すのも良いかもしれない。
当会サイトで過去、再三述べているように、女性専用車は痴漢対策などではない。
JR西日本を例に取ってみても、
●痴漢対策と言いながら、混雑しない昼間や土休日も含め、毎日・完全終日実施。
●「女性専用車限定広告」で、女性専用車を広告料収入源にしている。
女性専用車限定広告とは、「女性ばかりしかいない場所に女性向け広告を出すと、広告効果が高い」ということで、他車両よりもかなり割高な広告料で、広告主を募集しているもの。これはJR西日本に限らず、多くの鉄道事業者が行っている。
→こんなことをしている時点で、痴漢対策など真っ赤なウソであることが分かる。
当然、痴漢がなくなっても、女性専用車はなくならない。なぜなら、痴漢対策ではなく金儲けだから。
●「痴漢対策だというなら、導入後どのくらい効果があったのか、導入後の痴漢件数を出せ」と言われると、「公開するために痴漢件数の統計を取っているのではない」と言って逃げる(2016年1月 JR西日本 本社訪問参照)。
→本当に痴漢対策なら、痴漢が減らない時点で考え直すのが筋。金儲けのために運行している女性専用車を、痴漢対策などと言って運行するからこうなる。
●駅のポスターやモニターなどで、「乗ってますか女性専用車?」「毎日、終日運行しているからいつでも乗れる」などと、女性専用車を売り物のように宣伝。
→痴漢対策ではなく、「男性を排除すれば女性の快適につながり、女性の利用が増え、増収増益につながる」という、公共交通機関としてあるまじき、ただの女性ウケ狙いサービスである。
●女性専用車をなるべく駅の階段・エスカレーター等の近くに来るよう設定。以前(関西線・阪和線に新規導入した際)には、「天王寺駅での乗り換えに便利なよう、前から○両目に設定しました」「他線区に比べ、女性専用車の設置率が低くなりますが、ご理解ください」などとパンフレットに記載したこともあった。
→JR西日本が、女性専用車をただの女性ウケ狙いサービスとしてしか認識していない何よりの証拠。
また、JR西日本がいかに男性客を軽視しているか、こういうところからも良く分かる。
●女性専用車を運行している、当のJR西日本の社員による痴漢や盗撮が後を絶たない。
→こんな会社が、「痴漢対策のため、迷惑行為防止のため、女性専用車を運行している」と言っても説得力ゼロ。
など、これ以外にもいろいろあるが、少し気をつけて見ていれば、JR西日本が痴漢対策ではなく、男性客の存在を完全に無視した、営利目的の女性優遇サービスとして、女性専用車を運行していることが分かる。
そしてそんなもののために、足腰の弱った男性の高齢者や、移動の困難な障がい者などが事実上排除されているのである。
「痴漢対策」は、そうした実態をうまく隠すためのいわば、「隠れ蓑」であり、また「女性専用車は男性差別だ」という反対意見を封じ込めるための、賛成派にとって非常に便利なツールなのである。
賛成派と論戦になった時に、「女性専用車が痴漢対策」だと認めてしまうと、
「女性専用車は痴漢対策なのだから差別ではない」
「痴漢被害にあうのはほぼ女性ばかりなのだから、それに対策するのは当然のこと」
「女性専用車を差別だというやつは痴漢被害者を慮ることが出来ない低レベル人間」
などと、散々叩かれ、ギャフンと言いくるめられるのがオチである。
だから反対派としては、「痴漢対策」という導入理由が、「建前」であり、「騙し」であるということを、しっかりと認識しておく必要があるのだ。
なお、鉄道事業者(JR西に限らず)は、女性専用車を導入しても目立って痴漢件数が減らないということをすでに知っているためか、近年では「痴漢対策」という言葉を避け、「迷惑行為防止」「女性のお客様に安心して乗車いただけるようにするため」などと、ごまかした表現を使うようになってきている。
・・・さて、列車は淀川の長い橋梁を渡り、約4分で次の新大阪に到着。
ここはJR西日本らしく、きっちりと合わせたように、女性専用車のちょうど目の前に階段とエレベーターがある。
他社でも、駅によっては偶然そうなることもあるが、JR西日本の場合は、先にも触れた通り、意図的にやっているふしがある。
足腰の弱った高齢者の男性が、何とか階段を降りてきて、目の前に電車がいると思ったら女性専用車で、渋々見送るというようなことは、恐らく日常茶飯事的に発生しているであろう。
JR西日本は一応、「男性の障がい者は、単独で(女性の付き添い無しでも)女性専用車に乗れる」ということにはしているが、積極的に案内はしておらず、アナウンスでは全く言わないし、女性専用車内にも、じっと目を凝らさなければ読めないような小さな文字で、「障がい者は男性も乗れる」旨が書かれた小さなステッカーが、車端部に各一枚ずつ貼ってあるだけである。
だから、男性の障がい者が階段を降りてきて、「目の前に女性専用車が停まっているから」と乗車したら、心無い女性客に罵声を浴びせかけられたり、ひどい場合には暴力を振るわれたりということも、決して珍しくはないと思われる。
それでも、賛成派からすれば、「こんなことになったのも痴漢がいるから仕方がない、文句を言うなら痴漢に言え!」ということなのだろうか?
いやいや、JR西日本の女性専用車が、「痴漢対策など名ばかり」で、実は営利目的であることは、先に述べた通りである。
しかし、「女性専用車=痴漢対策」だと認めてしまっていたら、賛成派から上記のように言われても、まともに反論するのは難しいだろう。
御堂筋線新大阪~梅田
新大阪駅からは地下鉄御堂筋線に乗り換え。
JR新大阪駅から御堂筋線の新大阪駅までは、歩くと少し距離がある。
約200メートルほど歩いて、私達は御堂筋線の新大阪駅に到着した。
以前、当会でも地下鉄御堂筋線ではよく、非協力乗車会を行ったり、駅などに抗議に行ったりはしていた。
そして御堂筋線でも、女性専用車導入当初に比べると、乗客や職員からの声掛けは減り、専用車内に普通に男性の姿が見られることが多くなっていた。
しかし最近では、当会がこの4月に御堂筋線で乗車会を行った際など、女性客ばかりでなく、男性客からも怪訝な目で見られたり、他の乗客と何度もトラブルになるなど、散々であった。
2017年4月 JR阪和線・地下鉄御堂筋線 非協力乗車会の報告
関西では、JR西日本に加え、阪急電鉄も数年前から女性専用車に対する態度を変え、女性専用車に非常に力を入れるようになってきた。もちろん痴漢対策などではなく、「人にやさしい魅力ある鉄道サービスを実現するための、サービス向上策の一環」などと、自らのHPで堂々と公言してのことである。
このように、関西ではJR西日本や阪急のような、「悪質な事業者」が多いことから、そちらでの活動が主になり、いつしか御堂筋線など、大阪市営地下鉄での活動が手薄になっていたのだ。
まあ、この4月の御堂筋線乗車会が散々だったのが、そのせいかどうかまでは分からないが、そうしたこともあり今回、御堂筋線も短区間ながら組み入れることにしたのである。
地下鉄新大阪駅(といっても、ホームは高架だが)のホームは、夕方ラッシュ時のためか、人でいっぱいであった。
やがてホームに、なかもず方面行の列車が到着。
ラッシュ時でも女性専用車は比較的余裕がある。
私達は一斉に乗車。座席は埋まっているが、立ち客は少ない。
新大阪から2駅先の中津手前まで、御堂筋線は地上を走る。
列車は暗くなり始めた大阪の市街地を、道路(新御堂筋)と並走しながら走り、さっきJRで渡った淀川を再び渡り、そこから地下へ潜り、中津駅に到着。
両隣の車両はかなり混雑していたが、私達のいる女性専用車はここでも比較的余裕があった。
列車は中津駅を発車。さらに地下を数分走って、次は大阪キタの中心地、梅田である。
今回の御堂筋線は、新大坂から梅田までの短区間ということもあったかもしれないが、女性客などからの声掛けは全くなかった。
関西の方なら知っていると思うが、JR大阪駅と地下鉄梅田駅は、駅名こそ違うものの、同じ場所にある。
つまり大阪駅からJRで新大阪まで行き、御堂筋線で再びスタート地点に戻ってきたわけだが、今回の乗車会はこれで終わりではない。
平日なので、仕事帰りの会員もいることから今回は、再度JR大阪駅に集合し、途中参加の会員を待つ予定にしていたのだ。
JR大阪~尼崎~北新地
JR大阪駅に戻った私達のところに、途中参加の会員が一人、到着して合流。
私達は大阪駅ホームの女性専用車位置に再び並び、20:00発、新三田行普通に乗車することにした。
人数がさらに一人増え、専用車乗車位置に並んだ私達も、傍目にも非常に目立っていただろう。
しかし周囲の女性客などからの声掛けはなし。それで良いのだ。
やがてホームに列車が到着。
大阪駅で乗客がほぼ入れ替わり、私達は車内の数カ所に数人ずつ、分かれて座った。
列車は大阪駅を発車。
私(筆者)は後から合流した会員と一緒に座席に座ったので、今日の乗車会について、先ほど大阪駅から乗った京都行の普通列車で、5分ほどの間に3回も専用車アナウンスがあったことや御堂筋線では結構、両隣の車両と混雑差があったことなどを話した。
車内は立ち客がぱらぱらと居るが、それほど混んではいない。
次の塚本駅で、ややまとまった下車があり、早くも車内は空いて来はじめた。
さらにもう一駅走って、私達が乗りかえる予定の尼崎駅に到着。私達は下車した。
先ほど、JR新大阪駅で「女性専用車が、ちょうど階段の位置にピッタリ来る」という話をしたが、ここ尼崎も狙ったように階段が、まさに女性専用車の目の前。
尼崎駅も何年か前に駅をリニューアルした際に、新しく階段などが設けられ、それが女性専用車の位置にぴったり来るようになった。
この上の写真は、今回の乗車会のものではなく、以前、昼間に乗車会を行った際、JR尼崎駅で撮影したものだが、尼崎駅でも階段(エスカレーター)の位置に女性専用車がぴったりくるように設定されているのがお分かりいただけるだろう。
JR西日本の場合、駅の大幅リニューアルや高架化などで、階段やエスカレーター・エレベーターの位置関係が変わった駅で、このように階段などが女性専用車の位置にピッタリ来るようになったケースが目立つ。
JR西日本はどこまでも男性客の存在を軽視しているのである。
移動の困難な男性の障がい者や足腰の弱った高齢男性よりも、女性専用車を利用する女性客の利便性を優先しているのだ。
先ほどもこのページで、JR西日本は建前上、「障がい者は、男性でも単独で女性専用車に乗車できる」ということにしていながら、アナウンスではそのことを全く言わず、車内での案内掲示も目立たないようにしていることなどを述べたが、JR西日本にそれらを改善するように言っても、「案内が煩雑になる」とか、何かと理由をつけて拒否し、さらに、「これ以上の回答は差し控えさせていただきます」などという対応を取ってくる。
つまり、男性の障がい者への配慮は全くのゼロであり、「障がい者は男性でも単独で女性専用車に乗車できる」ということにしているのも、「移動に困難の伴う障がい者の男性を差し置いて、女性の健常者を優先するのか?」とクレームをつけられた際に、「障がい者は男性でも乗れるので問題ありません」と、上手くかわせるようにするためのものであって、男性の障がい者に配慮したものではない。
また、男性の障がい者が、「障がい者は男性も乗れるから」と、女性専用車に乗ったために、女性客から罵声を浴びせかけられたとしても、「それは、男性の障がい者も乗れるにもかかわらず、罵声を浴びせてくる女性客が悪いのだから、文句はそっちに言って下さい」で、かわすことが出来る。
そして、女性専用車が「痴漢対策とは名ばかり」で、実際には女性集客効果への期待や、「女性専用車限定広告」による広告料収入などの営利目的に利用されているのは、先ほどからも述べている通り。
今でも、世間の人々の多くが女性専用車を痴漢対策だと思っているからこそ、いつまでもこういうことが出来るのかも知れない。
さて、私達はJR東西線に乗り換えるためホームを移動。
20:16発、JR東西線~学研都市線・同志社前行き快速列車(尼崎から京橋まで、JR東西線内は各駅に停車)に乗車することにした。
到着した列車はガラガラ。私達以外に女性客が数えられる程度の人数しか乗っていない。
私達は、今度は一カ所に固まって、ロングシートの座席一区画を男性のみで埋めてみた。
傍目には、相当インパクトがあっただろう。
列車は尼崎駅を発車し、しばらく地上を走った後、地下に潜ってすぐ次の加島駅に到着。
当会サイトを以前からご覧の方はご存知かもしれないが、今から3年ほど前の2014年に、加島駅の次の御幣島(みてじま)駅で大きなトラブルがあった。
(2014年8月 JR神戸線・JR東西線 非協力乗車会の報告参照)
私達の間で、「御幣島事件」と呼んでいるものであるが、その時はJR職員が何人も出てきて、車内に乗り込み、私達を下車させようと20分近くも電車を止めた挙句、JR職員が参加メンバーの腕をつかんで引っ張るなどの行為(刑法208条 暴行罪)に及んだため、当会から警察に通報。結局、何か月か経ってから、腕をつかんだJR職員が書類送検された。
私達が女性専用車に乗っていても、JR西日本があまり直接の声掛けをしてこなくなったのは、この事件以降である。
現在はJR西日本よりも、阪急電鉄のほうが「声掛け」という点だけで見れば、しつこく悪質である。
阪急は、女性専用車に男性が乗車していると、今でも積極的に声をかけてきたり、職員がくっついて同乗したりしてくるし、また専用車に乗った男性が、どうしても移動しないと分かると、周囲の女性客に、「ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません・・・」みたいな感じで深々と謝って回る。
つまり、「男性がいるとサービスダウンになる」と考えているからこそ、ひたすら女性客に謝るのである。
この時点で、阪急の女性専用車も「痴漢対策のためのやむを得ない措置」ではなく、「男性を排除することが、女性客の快適につながる」という、公共交通機関としてあるまじきサービスになり下がっていることが分かる。
JR西日本にしても、最近は声掛けは少なくなってきたとは言え、女性専用車を営利目的で、「女性向け快適サービス」として運行しているという点では、同じようなものである。
また、先にも述べた通り、車内の照明の色を女性専用車だけ変えた323系を大阪環状線に導入したり、大阪駅の女性専用車位置を強調したホームドアなど、JR西日本も男性排除を諦めたわけではない。「作戦を変えてきただけ」である。
加島駅を発車すると、メンバーの一人が、「次、御幣島ですね」と言った。
やはり過去に事件があった場所ということで、当会メンバーにとっても印象に残っている場所のようだ。しばらく走って、私達の乗った列車はその御幣島駅に到着したが、今回は何事もなく、平穏そのものだった。
さらに、御幣島を出て海老江・新福島と過ぎたが、やはり車内は静かで、全く何事もなし。
そして列車は今回の乗車会の終了予定場所である、北新地駅に到着。
私達はここで解散した。