2023年7月 関西本部:大阪メトロ本社訪問の報告

活動履歴

当会関西本部では、2023年7月5日に大阪メトロ本社を訪問しました。

今回は大阪メトロの担当者にいくつかの質問を行うとともに、「抗義・質問状」を手渡してきました。

以下その報告です。


大阪メトロがトラブルの女性客に謝罪の電話をしたのか等の事実確認を行う

大阪メトロ本社へ

2023年7月5日。梅雨時ということもあり今日の天候はあいにくの雨である。

今回は大阪メトロ本社に比較的近いJR大阪環状線の大正駅に集合。

しばらく待っていると参加予定メンバーがそろったので、私達はここから歩いて大阪メトロの本社を目指すことにした。

ただ、JR大正駅が比較的近いと言っても大阪メトロ本社までは歩けば10分はかかる。

雨の降る中を歩くのはあまり気が乗らないが、まあ致し方ない。

雨の降る中を歩く

大正駅から線路に沿ってしばらく歩くと、大阪環状線が尻無川を鉄橋で渡りながら左に離れて行き、一方右側には野球が好きな人なら誰もが知っているであろう大阪ドームが見えてくる。

そして、私たちが目指す大阪メトロ本社はその大阪ドームのすぐ脇にある。

大阪メトロ本社ビル。写真左下に大阪ドームの屋根が少し写っている

本社に到着してすぐ受付でこちらの氏名を述べると、担当者の方がここまで来てくださるとのことで私達はその場で待つことにした。

しばらくして担当の方が2名来られ、私達とまずはあいさつを交わした。

そして、話し合いのため各自テーブルにつき、担当者に「抗義・質問状」を手渡した。

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3月22日の御堂筋線乗車会でトラブルとなった女性客のものと思われるツイート

当会サイト「活動履歴」にも掲載している通り、今年(2023年)の3月22日に当会が御堂筋線で非協力乗車を行っていたところ、途中で一人の女性客が私達に声をかけてきて口論となり、女性客が「お前ら降りろ!」と暴言を吐いてきたためトラブルとなった。

2023年3月 関西本部:大阪メトロ御堂筋線非協力乗車会

この件を後日、当会サイトの「活動履歴」に公開したところ、3月の乗車会でトラブルとなった相手の女性客のものと思われるツイートが5月26日にされているのが見つかった。

ひとつ言っておくが、この女性客は最初のツイート(上記左)で「女性専用車両に嫌がらせ目的で乗り込む男たちについて」などという表現をしているが、私達は事前に大阪メトロに女性専用車両に男性も乗れることを確認しており、その上で

「鉄道事業者が女性専用車両を本当に任意協力として運行しているかどうか」

「任意と言いつつ事実上の強制にしていないか」

を確認するために乗っているのであって、乗り合わせた女性客に嫌がらせするために乗っているのではない(だから非協力乗車のことを別名「任意確認乗車」とも言うのである)

これは担当者にも口頭でしっかりと伝えた。

それにこの女性客から先に高圧的な態度で絡んできていながら「男たちに嫌がらせされた」と言うのもまるで筋が通っていない話である。

また2枚目(上記右)のツイートについても一応反論しておくと、

たとえ強制力がなくても優先席に嫌がらせしないし御堂筋線事件が設置のきっかけであることを踏まえれば問われているのは良識

先にも述べた通り、当会の活動は女性への嫌がらせ目的ではない。

しかし、このツイートのように「当会が嫌がらせ目的で活動している」という前提で、それをさも当たり前のように発言し続けることによって「反対派は女性に嫌がらせをするのが目的」と世間に思わせようとしているのではないのか?

また、御堂筋線事件が女性専用車両のきっかけなどではないのはこれまで何度も繰り返し述べている通り。

(参考:女性専用車両の導入は御堂筋線事件がきっかけというデマについて

3月22日にトラブルになった時もこの女性客が「女性専用車両は御堂筋線事件からできた」などと言うので、私達から「それはデマ」「御堂筋線事件は1988年」(御堂筋線に女性専用車両が設置されたのは2002年で、事件からは14年も後のことであり時期が違う)と説明したが、それに対し(女性専用車両の導入は)「御堂筋線事件の年度に近い」などと平然とウソをついてまで間違いを認めなかった。

ちょっと調べればすぐわかるが御堂筋線事件が起きたのは議論の余地なく1988年である。

また、デマ上で女性専用車両を実現させたことになっている当事者の「性暴力を許さない女の会」自体が御堂筋線事件と女性専用車両の関係を全面的に否定している。

(下記参照)

この画像はネット記事のスクリーンショットであるが、この記事自体もあわせてご紹介しておく

大阪メトロ御堂筋線で起きたレイプ被害について by 牧野雅子|LOVE PIECE CLUB(ラブピースクラブ)

にも関わらず、3月に私達とトラブルになったこの女性客がその後もまだ(5月26日の)ツイートで「御堂筋線事件が設置のきっかけであることを踏まえれば・・・」などと言い続けているところを見ると、本当に御堂筋線事件が女性専用車両設置のきっかけだと思い込んでいるというよりも「そのように主張し続けることで世論を誘導しようとしているのではないか?」と思ってしまう。

当会の活動を「嫌がらせ目的」と一方的に決めつけているのもやはりそういう狙いがあるのではないだろうか。

上記2つのツイートに関して大阪メトロの担当者に質問

さて、上記2つのツイートに関して、私達から大阪メトロの担当者に以下のような質問をした。

①まず、女性客から上記のような問い合わせがあったこと、および大阪メトロ側から謝罪の電話をしたのは事実か?

②そして謝罪したのが事実であれば、この女性客が言っている「せっかくの方針が貫徹できずすまなく思っている」と、大阪メトロは本当に言ったのか?
また、言ったのであればつまりそれは「男性を完全に排除したいが、出来なくて申し訳ない」という意味か?

③近年LGBT法案が成立し、それに伴い「このままでは、『心が女』とか言って乗り込む男が続出し、女性専用車両が成り立たなくなる」という女性専用車両賛成派の危機感ともとれる意見がツイッターなどネット上で見られるようになってきたが、それを受けて男性排除を強化したり、新たに「男性を乗せないための取り組み」を行うような考えはあるのか?

④2017年の暮れごろから「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけで生まれた」という言説ネット上で広く流布されており、3月22日にトラブルとなった相手の女性客も同じように「御堂筋線事件がきっかけ」と主張していたが、御堂筋線を運行する大阪メトロとしてはこの言説についてどう思っているのか?

当会の質問への担当者の回答

上記の4つの質問に対して、大阪メトロの担当者に質問してみた結果は以下のようなものだった。

①女性客から上記のような問い合わせがあったこと、および大阪メトロ側から謝罪の電話をしたのは事実か?

担当者に上記の質問を行ったところ「5月に女性客から問い合わせがあったかどうか」や、その後「大阪メトロからその女性客に電話して謝罪したのかどうか」については「知らない」とのことだったが、それ以前にまず3月22日のトラブル自体についてもご存じないようだった。

毎日多数の苦情や質問、その他問い合わせがある中で、しかも3か月以上前の出来事となれば知らないのも無理はないのかもしれない。

そこで、私たちが「女性専用車両は任意協力であることの確認のために乗車していること」や「こちらからは女性客には話しかけず、あくまで乗車するだけ(女性に敵対するのが目的ではない)であること」などを説明した上で、当日の状況を大体以下のように説明した。

  • 私達が梅田の駅からなかもず方面の列車の女性専用車両に5人で任意確認のため乗車していたところ、列車が本町駅あたりに差し掛かったところで1人の女性客がわざわざ私たちのところまでやってきて「ここ女性専用車両なんだけど・・・」と声掛けをしてきた。
  • 私達からは「女性専用車両は”専用”という名前だけで実際は任意協力だから、私達はあえて協力しない選択をしている。だから降りる気はない」という趣旨のことを丁寧に説明するも納得せず、「なら、禁煙の場所でタバコを吸うのか?」「お前らわざと乗ってんやろ女性専用車両に。なんで出来たかも男の都合でできたのもあんねんで…」などと言ってきて、さらには私達に「お前ら降りろ!」などと声を上げて強要してきたので、やむを得ず当会の者が反論した。
  • そこから大声での怒鳴り合いになり、当会の別の会員が「警察呼ばんか!」と言ったことから女性客が通報。心斎橋駅で下車して駅員と警察に事情を話すことになった。
  • このトラブルのことを後日、当会サイト上に公開したところ、5月26日にその女性客と思われるツイートがあり、大阪メトロに「女性専用車両に嫌がらせ目的で乗車する男たちについて意見を送ったところ、大阪メトロから謝罪の電話があった」という趣旨のツイートをしていた。

担当者が問い合わせがあったこと自体を認識していなかったため、本当に女性客がそういう問い合わせをしてきたのかどうか、またその問い合わせに大阪メトロ側が謝罪電話をかけたのかどうか、事実確認をすることは出来なかった。

②そして謝罪したのが事実であれば、この女性客が言っている「せっかくの方針が貫徹できずすまなく思っている」と、大阪メトロは本当に言ったのか?
また、言ったのであればつまりそれは「男性を完全に排除したいが、出来なくて申し訳ない」という意味か?

これについて担当者からは「乗車中に不快な思いをされたと思われるお客様には、まず謝罪することになっている」との回答であった。

つまりどのような事案かに関わらず、車内で不快な思いをしたという意味合いのことを言ってきた人には謝罪することになっているようだ。

なので、おそらく男性客が女性専用車両で女性客に嫌がらせを受けたと苦情を受けたらそれも謝罪をするのだろう。

実際に別の鉄道事業者での話だが当会会員が上記のような苦情をしたところ、とりあえず鉄道事業者から謝罪の言葉があったことはあるという。

よって、女性客がツイートの中で言っていた「せっかくの方針が貫徹できず、すまなく思っていると受け止めた」というのは(大阪メトロ側が謝罪したというのが仮に事実であったとしても)どうやら「その女性客が勝手にそう思い込んでいるだけ」で実際には違うということのようである。

③近年LGBT法案が成立し、それに伴い「このままでは、『心が女』とか言って乗り込む男が続出し、女性専用車両が成り立たなくなる」という女性専用車両賛成派サイドの危機感ともとれる意見がツイッターなどネット上で見られるようになってきたが、それを受けて男性排除を強化したり、新たに「男性を乗せないための取り組み」を行うような考えはあるのか?

これについては「男性のお客様が乗車されている場合、これまで通り声掛けをすることはあるかもしれないが、特に新しく男性を乗せない対策などは考えていないし、予定もしていない」とのこと。

少し話がそれるが、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」、いわゆるLGBT法が世に出る以前から女性専用車両はもともと「女性専用と名乗っているだけで実は誰でも乗れる車両」である。

当該法律があってもなくても、また乗る男性が「心は女性」であってもなくても、そのようなことには一切関係なく、最初から「心も体も完全に男性」の人も乗れるのだが、ツイッターなどを見ていると女性専用車両という名称から「男性の乗車は禁止」だとか「女性トイレや女風呂に男性が入るようなもの」というような思い込みをしている者が少なくないようである。

④2017年の暮れごろから「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけで生まれた」という言説(※これはデマ)ネット上で広く流布されており、3月22日にトラブルとなった相手の女性客も同じように「御堂筋線事件がきっかけ」と主張していたが、御堂筋線を運行する大阪メトロとしてはこの言説についてどう思っているのか?

先にも述べた通り、この女性客も含め「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけでできた」と主張する者が少なくないわけだが、では肝心の大阪メトロ自身は「御堂筋線事件がきっかけで女性専用車両ができた」とする「御堂筋線事件起源論」についてどう思っているのだろうか?

私達もこのあたりのことには関心があったので、どのような答えが返ってくるかと注目していたのだが、担当者は御堂筋線事件起源論が事実かどうか以前に「そもそも御堂筋事件自体を知らなかった」のである。

よって、こちらも先ほど3月22日のトラブルの概要を説明したのと同じように、まず私達から御堂筋線事件について説明することとなった。

私達からは

  • 御堂筋線事件とは1988年にある女性が他の女性に痴漢行為を働いている男性グループを注意したところ、逆恨みした男たちがその女性を連れ去って、マンション建築現場で強姦したというもの。
  • その事件をきっかけとして『性暴力を許さない女の会』という団体が立ち上げられ、その団体が鉄道事業者に対して以後、様々な痴漢防止の啓発活動をするよう働きかけてきたのだが、その中に「女性専用車両の設置」は含まれておらず、性暴力を許さない女の会が女性専用車両を求めて活動していたわけではない。
  • ところが、2017年の暮れごろから2018年にかけて突然、「女性専用車両ができたのは御堂筋線事件がきっかけ。御堂筋線事件を受けて発足した性暴力を許さない女の会が粘り強く鉄道事業者と交渉し、女性専用車両を実現させた。」などというデマがネット上で広く拡散され、さらには一部のマスコミなども「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけ」などと、誤った報道を行った。
  • しかし言説の肝心の要である「性暴力を許さない女の会」自体が御堂筋線事件と女性専用車両の関係を全面的に否定している。

と説明した。

大阪メトロが「御堂筋線起源論」を知らないとなれば、それはつまり女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけでできたものではないということである。

なぜなら、もし本当に御堂筋線事件がきっかけで女性専用車両を設置したのであれば、いずれ利用者からこの質問が来ることが想定されるため、何らかの回答を用意し、少なくとも『知らない』とはならないはずだからである。

実際に御堂筋線事件と女性専用車両は無関係のため、利用者からそのような質問が来ることは想定されておらず、そのため「御堂筋線起源論」を「知らない」と答えるのは当然である。

担当者にさらに質問や申し入れ

その後は私達からさらにいろいろな意見や質問、申し入れなどを行った。

私達が行ったのは大体以下のようなものである。

  • 当会は痴漢対策をするなと言っているのではない。
  • 女性専用車両を設置しても痴漢が移動するだけ。一般車両でいくらでもできるから痴漢は何も困らない。本当に痴漢対策したいなら、車内防犯カメラのほか、警官や警備員を各駅に配置して、見せる警備を行ったり、車内を巡回させたりした方が、痴漢としてはずっと困ると思うが、なぜ女性専用車両ではない車両に痴漢犯が移動して、そこで痴漢するだけになっている女性専用車両にこだわるのか?
  • 女性専用車両が任意であることについて、3月22日の乗車会の時のように車内でトラブルとなり警察沙汰になるのは、とてつもなく任意とはかけ離れていると言わざるを得ないが、これで任意性が担保されていると言えるのか?
  • 女性専用車両という名称にするから、勘違いした女性客がトラブルを起こすのではないか?

これらの意見や質問を参加者それぞれが担当者に述べていった。

まず、

「当会は痴漢対策をするなと言っているのではない」

「女性専用車両を設置しても痴漢が移動するだけ。一般車両でいくらでもできるから痴漢は何も困らない。本当に痴漢対策したいなら、車内防犯カメラのほか、警官や警備員を各駅に配置して、見せる警備を行ったり、車内を巡回させたりした方が、痴漢としてはずっと困ると思うが、なぜ女性専用車両ではない車両に痴漢犯が移動して、そこで痴漢するだけになっている女性専用車両にこだわるのか?」

この質問について、当会ご意見フォームに「女性専用車両に反対する会は女性専用車両をなくすのにはものすごいエネルギーを使うのに、そのエネルギーをなぜ痴漢撲滅に向けないのか不思議です」などという、全然当会サイトの内容を読めていない、浅はかなご意見投稿もあったので言っておくが、当会は痴漢の減らない、しかも差別になる女性専用車両にこだわる鉄道事業者に対し「するなら本当に痴漢対策しろ」と言っている側であり、当会サイトをちゃんと見ていれば、このような浅はかな発言は出てこない。

しかし、当会サイトをろくに読まず、あるいは読解力のなさから読み取れず、このような軽率な批判をする者がいるのでここで改めて申し上げておく。

当会が「女性専用車両さえ廃止できれば、痴漢撲滅などどうでも良い」と考えているのなら、そもそも鉄道事業者にこんな質問や要望はしない。

また、

「女性専用車両が任意であることについて、3月22日の乗車会の時のように、車内でトラブルとなり、警察沙汰になるのは、とてつもなく任意とはかけ離れていると言わざるを得ないが、これで任意性が担保されていると言えるのか?」

女性専用車両という名称にするから、勘違いした女性客がトラブルを起こすのではないか?」

これについては大阪メトロの担当者から、車内でトラブル(3月22日の時のような場合を含む)が発生した場合、

「車内非常ボタンを押して知らせていただいたら対応する」

との回答があった。

「女性専用車両という名称にするから、こういう勘違いした女性客がトラブルを起こすのではないか?」については

(名称を)「専用車両でなく優先車両とすると、もしもの可能性を排除できないことや専用とした方がより男性客により協力していただきやすいように女性専用車両という名称にしている」

との回答。

しかしこれには参加した会員から

  • もうすでに「女性専用車両」という名前でも「任意協力」だと言うことは広く知られているのではないか?
  • 裁判所も任意であることは認めているし、女性専用車両が任意と言いながら、このように「専用」という言葉で惑わせて、本来は任意で男性客でも乗車しても問題はないのに、強制力があるかのように騙し騙しの形で女性専用車両が運用されているのではないか。

との反論が出た。

そして、政治的利用や女性専用車両限定広告もあり、とうてい痴漢対策とは言えないので当会は女性専用車両に反対であるとも伝えた。

さらに私達からは今回口頭で質問させていただいたことに対する回答の他、さらに文書での回答も求めたが、これについては「ここでは判断できないので、部署に持って帰って相談する。後から電話で結果を申し上げる」とのことであった。

(その後、「文章での回答は致しかねます」との電話がかかってきた。これは予想通り)

大阪メトロ本社前で、抗議質問状を持つ当会会員

最後は「私どものためにお時間をとっていただきありがとうございました」と言って、大阪メトロ本社を後にした。

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なお、コメントが当会にご意見・ご回答を求められている内容の場合には当会はコメント欄での返信は行わず、別途「ご意見・体験談の紹介」ページで当会公式の返答として掲載させていただく場合がございます。

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