2018年3月 関西本部:JR京都線とJR大阪環状線で非協力乗車会

活動履歴

関東の市民団体、「差別ネットワーク」が2月16日から22日にかけて行った、東京メトロ千代田線や、JR京浜東北線での乗車活動のことが、テレビ番組などで次々と取り上げられ、注目を集める中、「反対する会」 関西本部では、JR西日本線で乗車会を行いました。

以下その報告です。


大阪駅の駅員がウソつき&問題発言

「人としてどうかと思いますよ」・・・大阪駅で厳重抗議

大阪駅で駅員が声掛け&問題発言

今回は夜の19時に集合。JR大阪駅から一駅、新大阪まで向かい、その後、大阪まで引き返して、大阪環状線・学研都市線・おおさか東線・大和路線と乗り継いで、新今宮から再び大阪環状線に乗って、福島までのルートを予定していたが、大阪駅で抗議を行うことになった為、一部予定が変更になった(後述)。

当日の大阪駅で

まず、なぜ最初に大阪と新大阪の間を往復したのかといえば、新大阪で声掛けが行われないかどうか確認するためである。

実は、今年の2月に所用で大阪にやってきた、当会の名古屋地区の会員が、新大阪駅で新幹線から在来線に乗り換え、女性専用車に乗車しようとしたところ、駅員から声掛けを受けたので、その場で抗議したという。

当ページをいつもご覧くださっている方なら、お分かりと思うが、JR西日本も4年前の御幣島での事件で、職員が書類送検されて以来、あまり声はかけて来なくなっている。しかし、声掛けを行っているところがあるならば、これは確認しに行く必要がある。

あまり乗車会をやらない路線・駅ではいつの間にか、声掛けが復活しているという可能性もあるからだ。

多くの方がすでにご存知かと思うが、今年(2018年)2月16日に、(当会ではないが)関東の差別ネットワークという団体が、東京メトロ千代田線で行った乗車会で、大きなトラブルとなり、さらにその後の2月22日にも、差別ネットワークの会員1名が個人的に行った、JR京浜東北線での任意確認乗車で、また大きなトラブルとなったことから、ネット上での専用車議論が白熱。

その結果、マスコミ各社が差別ネットワークの乗車活動のことを取り上げた。

そのせいだろうか?大阪駅のJR京都線ホームの女性専用車位置には、駅員が一人と、少し離れた場所に警備員もいた。

大阪駅では専用車前に警備員などがいることは別に珍しくないが、同じ車両前に駅員と警備員の2名いるというのはあまり見たことがない。

さて、とりあえず私達は大阪駅19:10発の京都行普通に乗車するため、一本前の列車を見送り、ホームの女性専用車位置に並んだ。

今回は数人ずつ、3カ所に分かれて並んだ。

私達が並ぶとすぐ、駅員が声をかけてきた。

声をかけてきた駅員

駅員:女性専用車ですよここ。

会員:任意であって強制ではない。鉄道会社が任意の協力を求めているだけ。

駅員:任意ではないですけどね、人としてどうなんかなあと・・・(←嘘つき&問題発言)

会員:強制ではなく協力・・・・

駅員:いいですよ、別に乗りたいんだったら・・・(といってその場を去る)

この駅員も、テレビ等で「差別ネットワーク」の乗車活動が取り上げられているのを知っていたのだろうか?

特に、「人としてどうなんかなあ・・・」という発言は、反対派のことを悪者扱いした、多くのマスコミの論調に流されての発言とも取れなくはない。

今回、マスコミ各社が差別ネットワークの乗車会を取り上げた番組のうち、まだ最初のほう(2月27日)に放送された、テレビ朝日「羽鳥慎一のモーニングショー」などは、(こちらとしては、ひとこと言いたくなる部分も多々あるものの)、女性の弁護士がコメンテーターとして、「実は男性も乗れる」「痴漢する人間はごく一部なのに、男性全体を排除しようとしているから、男性対女性の構図になってしまっている」「女性専用車に痴漢を減らす効果があるかは疑問」など、きちんと実態を把握した「まともなコメント」をして、しっかりとバランスを取っている点はまだ評価できた。

さらに、同番組については、2月22日のJR京浜東北線での、女性客による「降りろコール」(※)の動画もスルーせず、きちんと放送した点も、評価できる。
https://youtu.be/617YmYFcJuw

※動画を見ていない方のために説明すると、2月22日のJR京浜東北線車内で、差別ネットワークのメンバーと女性客がトラブルになったため、やってきた駅員が女性客に、「実は、男性が乗ってはいけないという物ではない」という事実を隠さず正直に説明した(上記URLの動画の7分12秒付近。この駅員も評価できる)が、女性客らが納得せず、一斉に「えーーー!!!」と声を上げ、そのあと、女性客の一人が車内に向かって「降りてほしい人~!」と声をかけると、周囲の女性客が一斉に、「降りろ!降りろ!!降りろ!!!」とコールしたというもの。

そのため、当会ご意見・ご質問・他用件フォームにも結構、当会や差別ネットワークを支持する意見が多く届いた。

特に番組を見た女性の方からも、(降りろコールについて)「同じ女性として恥ずかしく思います・・・」といった投稿も届いた。

実はこの他にも、「ご意見紹介」のページに思わず掲載したくなる女性の方からの意見もいくつかあったのだが、こうした女性の投稿者の多くが、ご意見・ご質問・他用件フォームに、「掲載しないでほしい」という条件で投稿されてきているため、「ご意見紹介のページ」で全文を紹介できないのが、何とも惜しいところである。(もちろん、投稿が掲載されたからといって、個人が特定されるわけではないのだが・・・)

しかし、この「羽鳥慎一のモーニングショー」以降に放送された番組はというと、もっとひどいものが多かった。
なぜ差別ネットワークをはじめとする反対派がこのような活動をしているのか、背景を正しく把握もせず、出演者が反対派のことを「ちっちぇえ男」と侮辱したりする番組があるかと思えば、本物の弁護士が「女性専用車両は強制にできる」などと、とんでもない発言を行う番組まで出てくるなど、ひどいの一言。

実際には、男性が乗車することも「任意」である以上、禁止できないし、また「任意」だからこそ、「女性専用車両は差別でもないし、問題ない」ということになっているのである。

よって本当は「女性専用」でもないし、男性が乗車したからといってトラブルになるほうが本来はおかしいのである。

(鉄道事業者が任意であることを知らせず、女性専用でもないのに「女性専用車両」と表示している方が問題)

また、当会がいつも言っている通り、女性専用車両は政治目的や商業目的に利用されており、「女性専用車両が痴漢対策」などというのは、全くの「建前」であるわけだが、そのようなことには一切触れず、いかにも「痴漢被害者に理解のない男が、車内でトラブルを起こして電車を遅延させ、迷惑をかけまくっている」というニュアンスで放送されたことから、今度は当会も含め、反対派に批判の意見が多く届くようになった。

マスコミの取り上げ方ひとつで、世間の印象も大きく変わるものである。

インターネットが普及した世の中になったとはいえ、やはりまだまだマスコミの影響力というものは非常に大きい。

大阪~新大阪~大阪

さて、大阪駅で、「人としてどうかと思う」などという問題発言を行った挙句、”逃走”した駅員については、後で抗議することにして、とりあえず予定通り、19:10発の京都行普通に乗車した。

車内はそれほど混雑していなかったので、とりあえず私達は着席。

快速の先発待ちのため数分ほど停車していたら、徐々に乗客が乗ってきて、車内はそこそこの乗車率になった。

やがて発車時刻になり、列車は大阪駅を出発。4分走って、すぐに次の新大阪に到着した。

3手に分かれて乗車していた当会メンバーが、新大阪駅のホームで合流。

筆者のグループは、大阪駅のホームで駅員に声をかけられた以外、誰からも声掛けはなかったが、同じ車内に分かれて乗車した別のグループによると、大阪駅停車中に中年女性客のグループが、(直接声掛けはして来なかったものの)車内で乗車している私達のことをあれこれ言っていたとのこと。

そのメンバーによると、

  • 大阪駅で座席が空いていたので座ったが、すぐに高齢の女性客が来られたので席を譲った。
  • すると、近くにいた別の中年女性客グループが、「男が座っている」「あっちにも男性二人」「わざとじゃないの?」「気づいてないんでしょ、こんなに大きく書いてあるのに字読めないのかね」「気づいてあわてて降りるってよくあるよ」などと話しているのが聞こえた。
  • そばにいた他のメンバーによると、「男が座っているから私ら座れない」「私らは高齢者同伴なのに」などとも言っていたらしい。

つまり、「女性専用車両は私達のものなのに、男が乗っているせいで、女性の私らが座れない!」ということらしい。

こういうところからも、女性専用車両が、実際には「専用」などではなく、男性の任意の協力によって成り立つものである(ということに建前上なっている)にもかかわらず、女性専用車両を自分たちの「当然の権利」だと思いこんでいるのがよく分かる。

先日の、「羽鳥慎一のモーニングショー」の中で紹介されていた、JR京浜東北線の「降りろコール」をした女性客連中も、恐らくはこれと同じような思考回路の持ち主ではないだろうか。

やはり、「女性専用車両」という名称が、任意協力であるという実態に合っていないというだけでなく、このように、それを利用する女性客に「女性専用車両は自分たちの権利」と思いこませてしまうという問題もはらんでいることが伺える。

いつまでも、実際は「専用」でもないのに、「女性専用車両」などと、ウソの表記を出し続けるべきではない。

とりあえず私達は、新大阪駅の改札を出て切符を買い直した。

そして、新大坂駅のホームに並び、19:36発。新三田行普通に乗車。車内に男性客一人。

結局、こちらは特に声掛け等はなく、大阪駅に到着。

大阪駅で抗議&大阪環状線内回りに乗車

大阪駅で、先ほど「人としてどうかと思いますよ」などと問題発言した駅員について、抗議をすることにした。

改札口で抗議しようとしたが、多数の乗客が並んでおり、そこで抗議したら、それこそ顰蹙ものである。

そこで、改札の駅員に「上の人を呼んできていただけませんか?」と要請し、改札から少し離れた、人の少ないところで抗議を行うことにした。

大阪駅の改札口。人がたくさん並んでいる

しばらくして、やってきたのは係長の名札をつけた職員。

事情を話すと、「人としてどうかと思いますよ」発言については、「これはお客様に対する対応ではございません。誠に申し訳ございません」と深々と頭を下げた。

そして、時刻や場所(19時過ぎ・大阪駅7番ホーム)や駅員の特徴(大体の年齢層・眼鏡をかけていたなど)を聞いてきたので伝えると、「必ず指導いたします」とのこと。

さらに、そこから女性専用車そのものについても、「痴漢対策と言いながらそこから外れていないか?」「毎日終日やる必要があるのか?」「そもそも女性専用という名前を付けるから、自分たちの特権と勘違いする女性客が出てくる」などの抗議を行った。

予定ではこの後、大阪駅から環状線外回りで京橋→学研都市線・おおさか東線→大和路線と回る予定だったが、抗議で時間を取った為、予定を変更し、大阪環状線内回りに乗車して大阪から天王寺を経由して、天満までのコースに変更した。

大阪駅20:21発桜島行に乗車。車内は空いている。

私達の他に乗客が十数人程度で、空席も目立つ。

20:27に西九条到着。

この列車はここから桜島線に入る列車だったので、私達はここで下車し、後の環状線内回り列車を待つことにした。

西九条では、次の環状内回り列車が来るまで13分ほどあった。

私達はここでも3手に分かれて、ホームの女性専用車位置に並んだ。ホームに駅員がいたが、声は全くかけてこず。

西九条駅にいた駅員。声はかけてこなかった

20:40発、環状内回り列車が到着したので乗車。

こちらも空いていたが、私達以外にすでに男性客が一人乗車していた。

特に何事もなく、弁天町・大正・芦原橋と過ぎ、天王寺を出て、寺田町あたりで、「車内で痴漢などの犯罪に遭われたり見かけれたりした方は・・・」という車内アナウンスが入った。JR西日本の大阪近辺の路線ではこのところ、こうしたアナウンスが時々入るようになってきている。

また、以前の活動報告でも触れたが、駅では今でも繰り返し、モニターで「痴漢は許さない!」という動画を流している。

(写真は天王寺駅で撮影したもの)

いつも言っている通り、痴漢対策自体には当会も決して反対はしない。

いや、むしろ痴漢対策自体には大賛成である。

しかし、女性専用車両はやり方自体がまずいのと、そもそも痴漢対策から外れてしまっているため、反対しているのである。

JR西日本も、純粋に痴漢対策をするのなら、大いに結構である。

しかしJR西日本は、女性専用車両を土日も含め毎日終日、ガラガラの列車でも実施し続けており、また、(広告料が他より高い)女性専用車両限定広告を大々的に展開して女性専用車両を収入源にしている。

また以前、駅のポスターやモニターなどで、「私は乗る女性専用車」「行きも帰りも女性専用車、もう私の習慣です!」などという売り込み文句で、女性専用車両をサービスとして宣伝していた。

このようなJR西日本が、今度は車内アナウンスや駅のモニターで、繰り返し痴漢追放動画を流しているのを見ると、痴漢対策に取り組んでいるというより、「JR西日本は、痴漢対策に真剣に取り組んでいます」というアピールをすることによって、当会の「女性専用車両は痴漢対策ではない」という主張に対する対策を取られているような気がしてしまう。

まあ、警察の名前も動画に出ていることから、JR西日本単独でやっているものではないだろうが、それにしても、女性専用車両では痴漢が減らないということも分かっているし、任意協力でしかないのに「専用」とウソをついていることもバレてきているのだから、いい加減、いつまでも女性専用車両にこだわるのもどうかと思うのだが、やはりJR西日本にとっては、「客寄せサービスの切り札」という認識なのだろうか。

桃谷で、男性客が3人ぐらい乗車してきた。私達と合わせると、車内の男性客数がかなり多くなった。私達が乗っている323系は女性専用車両だけ照明の色を変えた、女性専用車両特別仕様だが、結構男性客は乗ってきているようだ。

任意であることを知っていて乗っているのなら素晴らしいが、どうだろうか。

JR西日本323系

京橋でややまとまった乗車があり、車内が少しにぎやかになってきた。
次の桜ノ宮を過ぎて、天満に到着。大阪駅からの大回り乗車だったので、乗車会はここで終了とした。

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