関西本部では、先の3月上旬に実施した、JR京都線・大阪環状線での乗車会に引き続き、JR東西線・大阪環状線などで非協力乗車会を行いました。
2月の差別ネットワークの乗車会の模様が、マスコミ各社で取り上げられてから、鉄道事業者や他の乗客の対応などが変化していないか、見る意味もあったのですが、乗車活動を開始して早々、警備員からのしつこい声掛けがありました。
以下その報告です。
北新地駅で、警備員がしつこく声掛け
非協力乗車がマスコミで報道されたことの影響か?
態度のおかしい北新地の警備員
今回はJR北新地駅からスタート。
JR北新地駅のホームでは、女性専用車位置で1人の警備員が案内しており、私達が並んでいると大声で
「女性専用車両です!!」
と叫んだ後すぐにこちら側に来て、さらに「こちら女性専用車両となります、ご協力をお願いします。」などとしつこく声かけしてきました。
会員A:男性差別に協力できません!
警備員:差別じゃなくて、ご協力をお願いしているだけですが。
(↑一体何を根拠に差別じゃないと言っているのでしょうか…?)
会員B:見た目だけで男性と判断(して排除)するって、イジメと一緒じゃないですか!
警備員:女性専用車と書いてあるのだから、ご協力願いします。
会員C:JR西日本の本社から「男性も乗れる」と回答頂いていますので、
”ご協力”はお断りします。
このような感じで、約1分近くやり合い、一旦その警備員は引き下がりました。
しかし、電車が到着し、私達が電車に乗りこんでも、まだホームで、
「こちらは女性専用車でーす!! ご協力くださーい!!」
と、ドアが閉まるまで何度も繰り返し、しつこく大声で叫んでいました。
これまでJR西日本の駅では、職員や警備員からの声掛けはないか、あっても一度、「(専用車への協力は)お断りします」といえば、それ以上は言ってこなかったのですが、この警備員の取っている態度は明らかにおかしいというか、恐らく上から、「男性は絶対に乗せない」よう、指示されていたのではないかと思われます。
時期的にちょうど、関東の「差別ネットワーク」の乗車活動でのトラブルの模様が、マスコミで連日大きく取り上げられ続けていたその直後だったため、JR西日本としても、何としても男性を乗せないようにしようとしていたのかもしれません。
しかし、そもそも女性専用でもないのに「女性専用」と銘打って、本来、公共交通では(女性専用に)出来ないはずのものを、本当に専用であるかのように運行するからこうなるのであって、「男性を絶対に乗せないようにすればそれで解決」というものではありません。
というか、そうさせてはなりません。
私達が乗車したのは、JR北新地駅18時35分発の直通快速・おおさか東線経由 奈良行き。
車内は立ち客は結構多かったものの押し合いへし合いになるほどではなく、女性客数人からは怪訝な目で見られたものの女性客からの声かけはなく、京橋駅で降りました。
京橋(JR大阪環状線・外回り)→天王寺乗り換え→大阪
JR京橋駅からは18時45分発の普通・天王寺行き(鶴橋経由)に乗車。
車内は立ち客はそこそこいたものの、こちらも押し合いへし合いになるほどではありませんでした。
途中の森ノ宮駅で停車中に階段を上ってきた1人の男性客が乗ってきました。
終点の天王寺までは声かけなどはありませんでした。
天王寺では駅のホームに駅員がいましたが、声はかけてきませんでした。
天王寺駅で後続の列車を待ち、到着した19時12分発の普通・外回り方面(新今宮・西九条経由)に乗車。
車内はガラガラでしたが、天王寺駅発車後に車掌が女性専用車アナウンスをしていました。
途中、離れた座席で化粧している女性客がいました。
今回もJR大阪環状線では声かけなどは全くなく、大阪駅で降りて乗り換えました。
大阪(JR神戸線)→尼崎
JR大阪駅ではJR京都・神戸線(東海道線)に遅れが出ているとのことでした。
やがて、19時38分発の普通・西明石行きが約7分遅れて到着したので乗車。
並んでいても女性客や駅員などからの声かけはなく、また、遅延の影響で私達が乗った後も続いて多くの女性客が乗ってきて、車内はほぼすし詰め状態になっていたものの、やはり女性客からの声かけなどはありませんでした。
約6分遅れで大阪駅を発車した後も、JR西日本は女性専用車は解除せず、車掌が女性専用車アナウンスをしていました。
次の塚本駅である程度の乗客が降りたため、車内はある程度は空きました。
結局、ここでも女性客や駅員などからの声かけはなく、尼崎駅に到着。
尼崎駅に着くたび毎回思うのですが、ここも女性専用車両のちょうど前に階段やエスカレーターが来ます。
乗り換えに非常に便利ではありますが、なぜわざわざこのような一番便利な車両を女性専用車にするのでしょうか?
エスカレーターで一旦、コンコースまで上がって、そこからまた乗り換えのために別のホームに降りていくと、そこでもまた降りた目の前が女性専用車位置だったりします。それも毎日終日。
JR西日本は、こうすることがサービスアップにつながると思っているのでしょうか。
だとしたら、JR西日本はどこまでも、男性客の存在を無視していますね。
尼崎(JR東西線)→新福島
JR尼崎駅からは20時01分発の快速・木津行きに乗車。
車内はガラガラで女性客らからの声かけなども全くなく、20時10分過ぎに新福島駅に到着しましたので降りて解散しました。
今回、声掛けがあったのは最初のJR東西線・北新地駅の警備員からだけですが、それ以外は全く声掛けもなく、当然「男性が乗車したために電車が遅延する」などということもありませんでした。
(途中、JR神戸線が約7分遅れていたのは、別の要因)
結局、本当は誰でも乗れる、「女性専用車と名前の付いた一般車両」に、何としてでも男性を一人も乗せないようにしようとして、鉄道事業者自らがトラブルを誘発しているのではないでしょうか?
「男性が乗らなければトラブルにならない」という者もいますが、そもそも本当は男性も乗れる(公共交通機関で、男性であるというだけで乗車拒否は出来ない)のに、鉄道事業者が「女性専用」などとウソの表示を出している時点で論外です。
もちろん、男性が乗車すること自体に、本来は何の問題もありません。
実際、声掛けさえなければ、私達が乗車してもトラブルにはなりませんし、電車が遅れたりすることもありません。
そして、「痴漢対策のため、やむにやまれず導入した苦肉の策」などと世間が未だに思いこんでいるのを良いことに、女性専用車両限定広告で割高な広告料を得たり、さらに「女性専用車、乗ってますか?」などと、女性専用車両を売り物のように宣伝するなど、どう考えても痴漢対策を隠れ蓑にした、営利目的車両としか思えないようなものをいつまでも続けることが、果たして正しいのでしょうか?
これらは、数年前にJR西日本が関西地区の駅のモニターで流していた女性専用車の宣伝で、現在は流されていないのですが、しかし相変わらず女性専用車限定広告を続けていることや新設・または高架化などで改築された駅で、階段やエレベーターなどをできるだけ女性専用車に近いところに持ってくるなど、JR西日本の女性専用車に対するスタンスは現在も変わっていないと思われます。
表向きの「痴漢対策」という理由に騙されず、おかしなものはおかしいと言い続けていかなければならないでしょう。