当会では2023年9月4日に横浜にある相模鉄道(相鉄)の本社を訪問し、意見書を手渡すと共に当会役員が相鉄の担当者に対して女性専用車両に対する抗議をしました。
以下その報告です。
相模鉄道(相鉄)について
今回の相模鉄道(相鉄)訪問には当会の役員の代表・副代表・関東本部長も含めた6名の会員が参加。相鉄線、東急線やJR、横浜市営地下鉄なども乗り入れる横浜駅から相鉄の本社に向かった。
相鉄本社までは横浜駅からだと徒歩で約10分ほどの距離である。
相鉄と言えば今年(2023年)の3月に東急東横線やその先の路線に直通する「相鉄新横浜線」を開業したことから、首都圏の人でなくともその名前を聞いたことのある人は多いのではないだろうか。
もともと神奈川県内にしか路線がなく、東京都内への乗り入れはなかったが、その後JRの路線に直通して新宿やその先も埼京線で埼玉県内にまで直通運転するようになり、そして今年の春からは相鉄新横浜線を介して東急線やその先の東急線が直通する東京メトロ線・都営線などにも乗り入れるようになった。
相鉄新横浜線は相鉄線の西谷から分岐してきた列車が直通することや、直通先の東急にも女性専用車があることから、相鉄新横浜線でも開業と同時に女性専用車が設定されたが、直通先の東急は「女性専用車の前に係員を置いたり声掛けをしたりはしない」としていた一方、相鉄は「開業からしばらくは係員を置いて女性専用車に男性(と思われる)乗客が乗車しようとした場合には声掛けする」というように、開業時の対応が異なっていた。
今回はその声掛けについてのことや相鉄線内での複雑な女性専用車の運用(列車の行先によって女性専用車の位置が先頭車両だったり最後尾車両だったりする)についても「なぜそこまでして設定するのか?」と、質問もしくは抗議することを考えていた。
相鉄本社へ
さて前置きが少々長くなったが、私達は横浜駅前からしばらく歩いて相鉄の本社に到着した。
早速中に入り受付を済ませると、相鉄の社員3名が出てきて、まずは私達とあいさつを交わした。
そして、会議室のようなところに案内していただくことになったのだが、あまり広い部屋ではないため、入れる人数に制限があるらしい。
そこでその場にいた会員のうち、当会役員の福山代表と田中副代表、川上関東本部長の3名が入ることになり、他のメンバーはロビーで待ってもらうことにした。
案内された部屋は確かにちょうど6人(相鉄側3名+当会3名)で一杯になるくらいの大きさの部屋だった。
事前にアポを取っていたわけだが、具体的な訪問人数を伝えていなかったこともあって、そもそも相鉄側も「3人くらいだろう」と想定して、そのサイズの部屋を確保していたものと想像する。
改めてあいさつを交わした後、私達はテーブルを挟んで3対3で話をすることになった。
まず、当会が作成した「意見書」を相鉄側の担当者に手渡し、話し合いがスタートした。
ここから先は対談形式で記載する。
相鉄と当会との対話
福山代表(以下、福山):それでは始めさせていただいてよろしいでしょうか?
相鉄担当者A(以下、担当者A):はい
福山:すみません。私共「女性専用車両に反対する会」と申します。代表の福山と申します。
本日はお忙しい中、私共のためにお時間を取って頂きまして誠にありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
田中副代表(以下、田中):私、副代表をしております、田中と申します。どうぞよろしくお願いします。
川上関東本部長(以下、川上):関東本部長をしております川上と申します。よろしくお願いします。
担当者A:お願いいたします。ちょっと私もすみません
私、相模鉄道で経営統括部でCS(顧客満足)の担当をしております、〇〇と申します。よろしくお願いします。
福山:よろしくお願いします。
担当者A:本日、私の他にCSの担当から・・・
担当者B:はい、同じくCSの担当をしております、◇◇と申します。
担当者C:私、相鉄グループの業務受託をしています、お客様センターのセンター長の△△と申します。
福山:よろしくお願いします。
田中:よろしくお願いします。お客様センターに電話した時につながるのはどっちの方ですか?
担当者C:我々のほうです。
担当者A:なので本日、鉄道の問題のほうとお客様センターのほうでお話を伺わせていただきますので、よろしくお願いいたします。
福山:よろしくお願いいたします。
相鉄の声掛けについて
福山:ではさっそく読ませていただきます。
当、女性専用車反対する会では主に以下の観点から貴社を含む鉄道事業者(公営含む)において導入されている女性専用車両に反対する活動を行っております。本来公共交通機関の原則として・・・
(以下、意見書の内容通りなので中略)
―直通先のJR東日本や東急電鉄をはじめ、東京メトロや都営地下鉄、東武鉄道などでは、昨今は男性客が女性専用車に乗っている場合でも個別に声掛けは行わないと回答しており、実際に当会男性会員が上記鉄道会社の女性専用車に乗っても声掛けされません。
福山:―という事なんですけども、相鉄さんでは現在声掛けはされているのでしょうか?
担当者A:現在はしておりません。
田中:私の知っている中で、直近では直通運転を開始した時、今年の3月ですね。駅員ではなくスーツを着た方から、名前はちょっと忘れましたけれども、しつこく声掛けされました。
今の回答だと、この3月から8月までの5か月間で変わったということですか?
担当者A:そうですね。新横浜線開業時にですね、女性専用車の運用を変更させて頂いておりまして、直通運転を開始したという事で、かなりお客様にも複雑な運用になっております。ですので開業から1カ月程度の間、女性専用車だけでなくいろいろお客様にご案内しなければいけないことがあるかと考えておりまして、駅係員以外にも、ちょっきん(?)の者であったり警備の者を駅に配置させて頂いております。
担当者A:その1か月時より先については、ちょっきん(?)の者も警備の者も配置していないですし、直接のお声掛けも行っていないという状況でございます。
田中:駅員とか乗務員とかが(男性の乗車を)見かけても、声掛けは一切しないということになっていると・・・
担当者A:今現在、お声掛けをしないという事で・・・はい。
ただ、ちょっと場合によってはそれぞれケースバイケースあるかと思いますので、あまりにも何かお客様同士のトラブルになってしまったとか・・・
当社線内列車とJR線直通については(女性専用車を)最後尾車両で運用しておりますので、ちょうど車掌の前に当たるんですね。ですので女性専用車問わずなんですけども、何か危険なことを見つけた場合は声掛けをさせていただくことはございます。
これは朝の時間帯に限らず、昼間や夕方夜間のラッシュ時間帯もそうかと思います。
田中:まあ、それは当然ですね。ただいろいろな事情を抱えた男性たちが居る中で、イヤホンしながら乗る人とか、スマホしながら乗っている人とか、我々のように女性専用車を気にせず乗っている人とかが居ても近づいて声掛けしないというのであれば、ほかの会社と同じなんだなというようには思いますね。
担当者A:車両全体へのお声掛けということで、現在は駅の方でも車掌の方でもしているという事で・・・
田中:はい
福山:はい。では次いいですか?
相鉄の女性専用車の複雑な運用について
福山:貴社の女性専用車の設定は他社との直通の関係だと思うのですが、かなり複雑で利用者には混乱の原因になっていると思います。今、他社では防犯カメラの設置などが進んでいますが、女性専用車しか対策がないというわけでもないのに、なぜ防犯カメラなどを強化するのではなく、このような複雑な運用にしてまで女性専用車をやるのでしょうか?
担当者A:お答えになるかどうかわからないのですが、本日、お話をご意見・ご要望としてお伺いするという形でございますので、当社には女性専用車の担当がいるというわけではないので、お話をうかがわせていただくということで、本日お話しできるところといたしましては、複雑な運用になっているためにご迷惑をおかけしている部分があるのであれば、申し訳ないと考えております。
担当者A:防犯カメラと言う方法につきましても、まったく選択をしないと言うわけではなくて、少しづつ配備をしているところでございます。が、すべてが一斉にできていないところはございまして、なので、女性専用車と言う手段だけに頼っているわけではないんですけども、すぐに違う方法を一斉にとる事も出来ずに今の状態になっております。
回答ではないかもしれませんけども・・・・
田中:そこはちょっと疑問があって、今のお話ですとJR東日本とか東京メトロとかオリンピックの話が出たときに2020年までに100%(防犯カメラ導入を)やりますと。
相鉄さんもJR東日本と直通する12000系に限っては初期から全部防犯カメラ導入したと、JR東日本側の直通する条件とか分かりませんけども東京メトロも100%になっていると。相鉄さんは3割ほどだったと認識しているんですけど・・・データ上では。
相鉄さんはどちらかと低めの方だったと思います。ちょっと気になるんですけども、それは資金力の問題になってくるんでしょうか?
担当者A:ちょっと本日はその、回答出来かねるところはあると思うんですけども、おそらくご想像されているとおりではないかと思います。
田中:相鉄さんも大手私鉄ですよね、黒字経営の・・・
担当者A:グループとして・・・
田中:はい。なので(設備)投資は十分出来る余力はあるのではないかと思いますけどね。
女性専用車を設けても「痴漢が移動」するだけ
福山:女性専用車だと痴漢する人間は他の車両でやるわけですね。なので結局全体としては痴漢は何も困らない。女性専用車があっても他の車両でやればいいだけですから。結局、痴漢の撲滅も出来ないし、悪いことをする奴(痴漢)は今まで通りと・・・。しかも、特に朝ラッシュ時などには男性乗客に負担をかける。
車内防犯カメラを設置する、そして警備を増やすというようにすれば、女性専用車1両設けるよりもそうやって全体として監視を強めることのほうがよほど痴漢は困るのではないかと思いますが、それはどうなんですか?
担当者A:そのような考え方もあるかと思いますので、こちらは社内でご意見として伺いまして検討させていただければと思います。
福山:はい、お願いします。
田中:女性専用車でそもそも痴漢の被害を減らせる効果がないというのはご存知の上で設置されているんですよね?データは存在しないんですか?
女性専用車によってこれだけ痴漢が減りましたというデータがもしあるのであれば教えていただきたいですし、導入前と導入後でどれだけ減ったか・・・2000何年でしたっけ、相鉄さん導入されたの・・・
福山:結構早かったですよね?
2005年の一斉導入の時(※)だったんじゃないですか?
当時の国交省の働きかけにより、2005年のGW明けに関東の大手私鉄や地下鉄のほとんどが女性専用車両を一斉に同時導入した。
公明党が女性専用車両を導入させるため署名活動を行い、約7万6千筆の署名を集めて当時の国土交通大臣に提出するなどしていたためである。このように女性専用車両は政党の人気取り・手柄取りに当時から利用されてきた。これは現在(2023年)でも同じ。都営大江戸線の女性専用車導入も公明党や共産党が躍起になって推進したものであり、痴漢対策は表向きの理由で実際には政治に利用されているのである。
「女性専用車両は御堂筋線事件がきっかけで、その事件を受けて発足した『性暴力を許さない女の会』が10年以上にわたって粘り強く鉄道事業者と交渉して実現させた」などという言説が流布されているが、これは根も葉もない完全なデマである。
(肝心の「性暴力を許さない女の会」が御堂筋線事件と女性専用車両導入の関係を全面的に否定している)
田中:前年と導入後の1年を比較して、減ったんですか?
担当者ABC:・・・・
田中:言い換えれば、女性専用車から男性を排除すれば他のところ(車両)で痴漢がなくなるのかといえば、そんなわけないじゃないですか。当たり前の論理ですよね。
全車両女性専用車とかなら話は別ですが。・・・まあそれはそれで別の問題がありますけど。
女性専用車を設けて女性専用車に乗っているAさんは痴漢に遭わないが、代わりに女性専用車に乗っていないBさんが痴漢に遭う。だから効果があるとは言えない感じだと思いますが、相鉄さんはどう思われますか?
担当者A:今、会社としての見解ということを、ちょっと調べて話は出来ないかなと言うように考えておるんですけど・・・
(ここでしばらく沈黙)
福山:まあ「痴漢対策としての効果」という話もあると思うんですが、やはり公共交通機関としては同じ運賃を払っている乗客には公平にサービスを提供しなければいけないわけですよね。
そこを当時は各鉄道事業者とも「痴漢被害が深刻だから」という理由で押し切って導入したと記憶していますが、今まで申し上げてきたように、女性専用車があっても痴漢は他の車両で発生する。また現在では女性専用車でなくても車内防犯カメラその他諸々、他に方法もある・・・
そういう中でこうしたもの(女性専用車)をいつまでも続けることが公共交通機関として果たして正しいのかを考えていただきたいですね。
相鉄に要望
(ここまで質問事項とそれに対する回答を求めてきたが、一通り終わったので、続いて「意見書」にある「要望事項」について読み上げた)
福山:すみません、要望事項になりますけども、今までから出ている話もあるのでちょっと重複するところもあるかもしれませんが、読ませていただきます。
(以下、意見書に記載している通りに読み上げたが、長くなるので、ここでは要約を載せる)
2.法的な根拠がない女性専用車両に協力の意思を持たない男性が乗車しても不測の事態を招かないよう、適切な案内をもって任意協力である旨の周知を行うこと。
3.相鉄でも早急に車内防犯カメラ(JR埼京線で痴漢6割減の実績あり)の導入を。
4.ラッシュ時間帯に、警察官や警備員による「見せる警備」と、私服警察官による覆面刑事を行い、すべての利用客が安心して利用できる鉄道にして頂きたい。
担当者A:ご要望いただきましたことは、社内に持ち帰らせていただいて、検討させていただきたいと思います。ただ他のお客様からのご意見ご要望についてもそうなんですが、全てのものに回答させていただくというお約束までは出来ないということをご了承いただければと・・・
田中:今日の朝、電車が止まるほどのことにはならなかったんですが、私共「反対する会」が朝に任意確認乗車を行ったところ、女性客から声かけされました。
「女性専用車なんだから駅員に言います」とか言ってきたんですよ。私達のほうであらかじめ(降りる駅の)予定を決めて乗車していましたので、私達の方が先に電車から降りてしまったのですが、そういった「脅し」じゃないけど、なんかそう言って男性に突っかかってくる女性客も結構いらっしゃるんですよね。
担当者A:女性専用車に限らず、電車の中に優先席がありましたり、駅にはエレベーター・エスカレーターがございまして規則ではないけどマナー、お客様同士の譲り合いであったりそういうところが公共の場として前提になる部分があるのかなと思っております。
どちらの立場の方もいらっしゃるのかなというのも思っております。その中で私どもが出来ることとしては、それをマナーというのであれば効果的なマナー啓発に努めていく必要があるのかなというのは日々考えておるところでございます。
田中:マナーと言うより、私は迷惑行為だと感じますね。性別だって見た目で判断できない時代になっているし、事情を抱えている男性もいらっしゃるかもしれないのに「女性専用ですよ」って言われるし。
福山:実際にはどこの鉄道会社も「任意協力」だと言うことは、質問したらそのようには答えてくださいますけども、一般の乗客からすれば「女性専用」と書いてあるから男性禁止だと思いますよね。
なぜ公共交通機関でこのようなものが存在できるかと言えば、「任意協力だから差別ではない」ということになっているからですが、それを言わずに本当に強制であるかのように「女性専用車」と表示するなり放送するなりしていれば、他の乗客からすれば「あ、入ってはいけない場所に入っている奴がいる」となるじゃないですか。
だからトラブルになるんですよね。これはマナー云々ではなくまず鉄道事業者として正しく事実を利用客に伝えていただきたい。任意協力なのに「女性専用」と表示を出していると言うことは、実質ウソをついているようなものじゃないですか。
そこは早急に改めて頂きたいと私どもは思っているんですが、それは出来ないものなんですか。
担当者B:ご要望の2番(=法的な根拠がない女性専用車両に協力の意思を持たない男性が乗車しても不測の事態を招かないよう、適切な案内をもって任意協力である旨の周知を行うこと)が時間的には早めに対応してほしいというのが今回のご要望・・・
福山:・・・まあそうですね、はい。
田中:1番(=現在、女性専用車両が実施されている路線について将来的には、廃止・縮小を)にあるとおり、私共は「女性専用車両に反対する会」という名前の通り、廃止が目的です。
田中:熊本は女性優先車両として運用を始めました。札幌は「女性と子供の安心車両」という名前で女性専用という言葉を使っていません。別に「専用」という言葉を使わなくても運用は出来ているんです。そこら辺どう思ってらっしゃるんですか?
田中:運用と事実が違う(任意協力なのに女性専用車という名前で運用されている)状態なんですよ今は。しかし札幌や熊本の場合は事実には(一応)反してはいない。今すぐ女性専用車を廃止できないのであれば、まず表示を改めてほしいです。
女性客と男性客のトラブル、こういう乗れる・乗れないのトラブルで通報があって乗務員や駅員が対応せざるを得なくなって電車が遅延する、というのは織り込み済みなんですか?
女性客も今回は通報しに行かなかったけど、過去には別の路線ですけど、男性が乗ったというだけで非常通報装置が押されて。
10年くらい昔ですけど、男性客に対して「傘で刺そうか」なんて(危害を加える脅しを)言う女性客がいたという話も聞いています。
田中:そういったことはあってはならないはずなんですが、その原因を作っているのは女性専用車という名前の任意協力の車両を走らせている鉄道会社であって本人に悪気はない。
ある意味騙されている女性客も被害者です。
そうしたことで列車が遅延することも度々あるわけですね。最近は少なくなりましたが、数年前はありました。こういう運用をしていると言うことは、それも折り込み済みなんですか?
担当者A:会社の見解となると、今ちょっとお伝えすることが難しいんですが・・・
田中:もし回答していただけるならば書面でいただけると助かります。
田中:(乗車中のトラブルで)警察沙汰になったこともありますし、それこそ大阪では今年3月にトラブルで警察沙汰になりましたし・・・(2023年3月 関西本部:大阪メトロ御堂筋線非協力乗車会)
福山:ああ・・・まあそのときは結局、警察に事情を聞かれただけでしたけど・・・
田中:それで列車が遅延する・・・女性専用車がなければそんなことは起きなかったはずじゃないですか。
福山:まあ、そうですね。結局「女性専用」と書いてあるからってことで、女性客の中には乗っている男性に手を出してしまったりする人がいるんですが、そうなると女性客が暴行罪ということで警察のご厄介になってしまったりすることもあるわけですよ。
女性客は間違ってないつもりで、知らない間に加害者になってしまうんですよ。これも女性専用車という事実と違う表記(=任意協力なのに専用表記)の言ってみれば弊害というか問題じゃないかと思いますが、そういう意味でも改善していただきたいと思います。
川上:今日やっぱり一緒に乗ってみて分かったことは、やはり未だに女性客の中にどうしても名称(女性専用車)を見て勘違いされる方がいるんだなということが一番問題と思いましたね。だいぶ今無くなりましたけど、それでもまだ完全になくなってないでのはないかと思いましたので・・・はい。
痴漢抑止のために警備員を
田中:冒頭で、「女性専用車設置後1ヶ月経過以降は警備員を置いていない」と仰ってたじゃないですか?
逆に痴漢防止のためにおいてほしいんですよ(※もちろん「女性専用車に男性を乗せないため」ではなく、女性専用車は廃止した上で「痴漢等の犯罪が出来ないよう見張るため」)
要望の4番(ラッシュ時間帯に警察官や警備員による「見せる警備」と、私服警察官による覆面刑事を行い、すべての利用客が安心して利用できる鉄道にして頂きたい)に書いてありますが、警備員がホームに立つことによって・・・人件費というのもあるかもしれませんけど、(痴漢の)抑止効果がありますよね。
福山:やはり痴漢する輩にしても、近くに警備員や警官がいたらやりにくいじゃないですか。女性専用車を1両設けるより、そのほうが効果的なんじゃないかと思いますけどね。
田中:京王さんなら警備員が警乗してますので、京王ライナーとか・・・すごい存在感あっていいと思うんですけど、逆に何で相鉄さんはなくしちゃったんですか?
男性客に対する(女性専用車に乗るなという)声かけじゃなくて、痴漢を抑止するために監視をしてほしいんですけど。
福山:もちろんですけど、「女性専用車に男性を乗せないために警備員を置く」のではなくて、「女性専用車は廃止した上で、代わりに警備員を置いてほしい」ということですからね。
なぜこんな複雑な運用をするのか
田中:本当に疑問なのは何でこんなに複雑な運用をするんですか?
相鉄さんには「運用を何とかしてほしい」などというような意見は届いてませんか?
担当者C:直接的なご意見ご要望というのはないんですけど何かの発言の中に混ぜ込んで言われる方はいらっしゃいますね。つまり電話で・・・ですね。お問い合わせフォームを使って直接廃止してくれとか、時間帯をわかりやすくしてくれと言うのはないですね。
新横浜線開業して半年近く経ちますけど・・・
福山:私達としても決して「痴漢対策自体をするな」とは決して言いませんし、むしろ大々的にやっていただきたいんですが、なぜそこで(男性差別的な)女性専用車なの?ということなんですよ。
田中:手段は目的を正当化しないんですよ。手段(女性専用車)が不当であれば目的(痴漢対策)が正当であってもそれは不当となってしまうんです。
福山:痴漢対策だから何をやってもいいというわけではないですよね。
さっきも少し言ったと思いますが「女性専用車と表示しながらなぜ任意なのか」ということなんですよ。
これは相鉄さんに限らないですが、やはり「差別に当たるので、強制したら法的にもまずい」というのがあるんじゃないですか。
かなり前の話ですが、実際に裁判になったことがありまして、そこでも被告となった鉄道事業者が「女性専用車両は任意協力で男性に何の義務も負わせるものではないから問題ない」と裁判所で主張しているんですよ。
ということは、やはり女性専用車を強制するとまずいということはどこの鉄道事業者も分かっていると思います。
痴漢対策をするなとは言いませんが、女性専用車という手段をとるのはやめていただきたいと思います。
防犯カメラの設置を推進せよ
田中:相鉄さんのことで気になるのは防犯カメラの設置率の低さですね。相鉄さんは何年までに何%という目標を公表されていないように思いますが・・・ありますか目標って?
担当者A:目標はありますが、公表はさせていただいておりません。車両の更新と共に機器の更新とかをさせていただいている状況でありまして、今もそれは進んでいる中ではあります。ただ目標であったり今これだけ進んでいるといったことについての情報の公開は出来ていないというところでございます。
田中:公表した方が安心ですよね。
担当者A:それはご要望としてあの別に・・・はい。
田中:他社はどんどん公表していますし、そっち大事じゃないですか。
防犯カメラなら全車両効果ある。更新と仰ってますけど。別に新造車両という話ではないですよね。
担当車A:そうです。中古車両でも機器の更新がございますので、その際に合わせて行っている状況でございます。
田中:それはもう本当に公表した方が好感度上がりますよ。
福山:やっぱ取り組んでるって感じしますもんね。
田中:JR東は最初に埼京線で監視カメラ導入して、「痴漢が6割減りました」って言っているんですから。
福山:当時マスコミでも大きく取り上げられましたね。
有料着席サービスも痴漢対策になり得る
川上:あと私ね、痴漢対策で他の鉄道会社にも提言していることなんですけど今、東急さんで一部にQシートというのを導入していて、ラッシュ時に一部の列車で座席指定の車両を走らせて、ああいった電車を相鉄さんでも増備していただきたいなってのはあるんですよね。
それは全員着席が前提なので、痴漢対策としても効果的だし、あと座って通勤したいって需要もあると思うんですよ。
東急さんからそうしたQシートのある列車を相鉄線にも直通させたり、ラッシュ時以外には座席を回してロングシートにも出来るので、ああいった施策は相鉄さんも是非やっていただきたい。
女性専用車に代わる施策として是非お願いしたいと思います。
田中:ここに関しては見てきた中で言うと、JR(東日本)って、朝ラッシュ時とかグリーン車とか結構満席ですよね。
川上:そうですね。
田中:座って行きたいお客さんが結構たくさん・・・湘南新宿ラインとか。
川上:まあ、あれ(グリーン車)は逆に言うと座れない可能性もある・・・
田中:まあ、満席になるぐらい人気がある・・・数百円払っても。
川上:そうなんですよね。
担当者B:需要はある・・・
川上:そうそうそうそう・・・
田中:やるなら、そっちの方が全然いいですね。平等に料金を払っているわけですし。
担当車A:有料着席サービスについても、ご要望として・・・
川上:是非・・・
福山:はい。お願いします。
訪問を終えて
こんな感じで、相鉄担当者3名と私達は約1時間近くに渡ってやりとりを行った。
最後に私達3名から改めて、担当者の方々へ「本日はお忙しいところお時間を取っていただき、ありがとうございました」と礼を述べ、会議室をあとにした。
本社1階のロビーで待ってもらっていた他の会員達と再び合流し、時刻も昼近くなっていたので全員で横浜駅近くの中華料理店へ。
差別ネットワーク元代表のドクター日本さんもやって来られ、みんなで楽しく歓談しながら中華で昼食とした。
そして昼食を終えたあと各自解散し、今日の活動は終了となった。