2020年2月 札幌:市営地下鉄東西線&南北線で任意確認乗車会

活動履歴

当会では、関西本部から3名の会員が札幌に赴き、札幌地区の会員と共に2月12日に札幌市営地下鉄南北線を中心に非協力(任意確認)乗車会を行いました。

途中、麻生駅で女性専用車両(女性と子どもの安心車両)が「任意協力」で誰でも実は乗れるということを知らない女性客からの声掛けがあったり、さっぽろ駅ホームでは過去にトラブルを起こしたことのある女性客との遭遇もありました。

また今回は、乗車会の前日の夜に関西メンバーと札幌メンバーとの懇親会も行われ、大いに盛り上がりました。

以下、その報告です。


札幌市営地下鉄で非協力乗車

麻生駅で女性客から声かけ。さっぽろ駅では「痴漢集団」とつぶやく女性客も出現

乗車会前日に札幌市内で懇親会

札幌地区では普段は地元の会員が時々、地下鉄で個人的に乗車活動を行っている状態だが、この度、関西から3名の会員が札幌に赴き、札幌地区の会員と共に2月12日の朝、多人数での乗車会を行った。

それに先立ち、前日(11日)の夜に関西の会員と札幌地区の会員による懇親会も行われた。

今回は札幌市内のジンギスカンの店に集合。

そこで関西の会員と札幌の会員が合流。

直接会うのはお互い約一年ぶりだが、普段からメール・チャット等でやり取りしているため、あまり久しぶりな感じはない。

ジンギスカンで懇親会

お互いの地域での乗車活動中のことなどいろいろな話をしたが、やはり明日は朝から札幌市営地下鉄での乗車会なので当日のルートやその他どうするかという話になった。

札幌市営地下鉄では南北線と東西線で女性専用車両(女性と子どもの安心車両)が運行されているが、札幌の会員Aによると乗車していて何かあるのは大抵、南北線とのこと。

東西線では声かけなどがあまりないらしい。

別に声をかけられることを期待しているわけではないが、やはり男性が乗車していて声掛けがある、場合によってはトラブルにもなりかねないということであれば、そういう路線ほどしっかりと活動を行い、「本当は任意協力なのに、事実上の強制」にならないようにしていく必要がある。

そういうわけで、今回は南北線をメインに非協力(任意確認)乗車することになった。

その後も飲食しながらいろいろな話で盛り上がっていたのだが、気がついたら2時間以上、あっという間に経っていた。

私達は明日の集合時刻場所等を確認し合って店を後にし、関西メンバーは宿泊先のホテルへ。

地元札幌の会員は自宅へ、それぞれ帰っていった。

夜の札幌市内。
今年は暖冬とは言え、やはり寒い。

東西線・西18丁目からスタート

【今回のルート】

  1. 地下鉄東西線・西18丁目→大通
  2. 地下鉄南北線・大通→麻生(途中、さっぽろ駅で一旦下車)
  3. 地下鉄南北線・麻生→真駒内(途中、さっぽろ駅で一旦下車)
  4. 地下鉄南北線・真駒内→すすきの
  5. この後、交通局を訪問

今回は朝7:15に東西線・西18丁目駅に集合

これから朝のラッシュ時になるためか、ホームにはそこそこ人が並んでいたが、私達は専用車(安心車両)の乗車位置に並んだ。

男性多人数で並んだが、周囲の女性客は特に何も言って来ず。

しばらくして7:17発の新さっぽろ行きに乗車。

押し合いへし合いになるほどではないが、やはりラッシュ時ということで結構混雑していた。

車内にはすでにどこから乗車してきたのかは知らないが、私達以外に一人の男性客が乗車しており、列車はそのまま西18丁目駅を発車。

次の西11丁目を過ぎて、2駅で南北線との乗換駅である大通駅に到着。

大通駅ホームにはすでに多数の人が並んでいたが、私達はここで乗り換えのため下車。

車内にいた多くの乗客もその多くが降り、ホームは見る見る間に人でいっぱいになった。

朝の大通駅東西線ホーム

南北線・大通~麻生

ラッシュの人ごみの中、大通駅の東西線ホームから階段を上って、南北線ホームに到着。

ホームでしばらく待っていると、7:25発の麻生行が到着。

私達以外に男性客一人と、それとは別に老夫婦も乗車。

大通駅を発車してほどなく、次のさっぽろ駅に到着。

ここで下車し、「自由が丘作戦」(=少しでも多く任意周知するため、後続の列車に乗り換え)を行った。

札幌の会員Aによると、朝のラッシュ時、さっぽろ駅の安心車両位置で駅員がいることが多いらしいのだが、今回はどうやらいないようだ。

しばらく待って、後続の麻生(あさぶ)行が到着。

車内から降りてくる乗客の中に男性客が3人ほど混じっていた。

私達が乗車すると、車内には2人の学生風の男性客もいた。

結構、男性の乗車もあるようだ。

さっぽろ駅から先、麻生方面はラッシュとは逆方向になるので空いていた。

しかし、こちら(安心車両)が空席も目立つのに対し、隣の車両はまだ若干立ち客がいた。

そのまま特に何もなく、北12条・北18条・北24条・北34条と過ぎ、終着の麻生に到着。

私達もここで下車した。

南北線・麻生~真駒内

麻生で一旦改札を出て、さっぽろ方面に引き返すべく、改めて7:50発真駒内行に乗車、着席。

運転士と思しき職員が私達のそばを通りかかったが声はかけてこず。

すると私達の隣に座っていた中年の女性客が札幌の会員Aに声をかけてきた。

女性客:ここは女性と子どもの安心車両ですよ

会員A:それで?

女性客:女性と子どもしか乗れません。

会員A:交通局に確認を取ったら、任意協力なので男性も乗って構わないと言われましたよ。

女性客:そうですか・・・

この女性客はこれ以上何も言ってこなかったが、そもそも公共交通機関で(正当な運賃を支払っているのに)「男性であるというだけで乗れない」など、あってはならないものである。

だからこそ、交通局も「任意協力」にしているのだ。

しかし、この掲示を見て「実は誰でも乗ってよい」と思う人がどれだけいるだろうか?

これは関東・関西・名古屋など、他の地域でもやっている「子供と障がい者以外の男性は乗ってはいけない」と思いこませるための「ひっかけ案内」である。

実際には「女性と男児と男性障がい者は乗れる」と言っているだけで「男児と障がい者以外の男性は乗ってはいけない」とは言っていない(男児と男性障がい者以外の男性については「触れていない」だけ)のだが、こう書いておけば「男性は乗車禁止」と書かなくても、見た乗客が勝手に勘違いしてくれるのである。

「痴漢対策だから仕方ない」という人はこの車両が本当はどういう経緯で設置されたか、鉄道事業者やマスコミの言うことを鵜呑みにせず、きちんと調べれば実は痴漢対策とは似ても似つかない別物であることが分かるだろう。

元々、札幌の地下鉄では痴漢件数が「年間で1ケタ」、つまり【年間で10件にも満たない】という状態だったのである。

しかし、(他の地域と同じく)市議会で公明党がこれでもかと言うくらい、女性専用車両の導入を交通局にごり押ししている。

つまり、女性専用車両を導入させれば党の実績にもなり、選挙の際も女性票を集めることが出来るということで、「最初から女性専用車両導入させることが目的」だったのである。

交通局も最初は拒否していたが、公明党が押してくるのでアンケートを取り、「反対多数」だったからという理由で一旦は「女性専用車両の導入は行わない」としたが、それでもさらに公明党がごり押しし、2007年9月13日に地下鉄東豊線車内で男が他の乗客を刃物で切り付けた事件が発生すると、待ってましたとばかりに早速、その翌日に公明党が札幌市長に女性専用車両を導入するよう手紙を渡し、再度アンケートを取って、(前回のアンケートにあった「男女差別になる」という選択肢は無しにして)今度は賛成多数だったからと、導入を決定した。

(詳しくは当会サイト内、「Red Bear」のページの後半部分に記載)

導入するまで徹底して圧力をかけ、最後は痴漢とは関係のない男女誰でも被害者になりえる傷害事件を引き合いに出して交通局を折れさせたのだ。

しかも、導入決定時点でどの路線に導入するかも決まっておらず、先に導入することだけを決定するなど、これを見てもわかる通り、やはり最初から「女性専用車両の導入自体が目的」だったのである。

そしてその後、「女性専用車両」として試験導入を行い(もちろん、この時点で正式導入は決定したも同然)、そして正式導入の際に「女性と子どもの安心車両」と名前を変えた。

これは、すでに女性専用車両が導入されていた本州などで「任意協力なのに【専用】はおかしい」という批判があったことを見ての措置と思われる。

しかし、女性専用とは名乗っていなくても「男性は乗車禁止」と思わせていることに変わりはない。

要は名前を変えただけの小手先のごまかしである。

また、地元札幌ではこの車両のことを「女性専用車両」と言っている人も多いと聞く。

こんなものを世間の多くの人々は痴漢対策だと信じているのである。

そしてマスコミはそういう真実は一切報道しない。

女性専用車両に関しては国民は何も知らされていないのである。

・・・さて、乗車してしばらくすると、先ほど私達のそばを通った運転士によると思われる「只今の時間、先頭車両は女性と子どもの安心車両となっております・・・」という肉声の車内アナウンスが流れた(ワンマン運転のため、車内放送も運転士が行う)。

私達が乗車しているのを見てのことだろう。

そこまでして男性を乗せないようにしたいのか。

麻生を発車し、北34条・北24条と過ぎると、ラッシュ時で都心に向かう方向のためか、徐々に乗客が増え、すぐに車内は人でいっぱいになった。

そして、北12条を出て、私達は再度、次のさっぽろ駅で自由が丘作戦(後続列車乗り換え)を行うことにした。

先ほどさっぽろ駅で自由が丘作戦をした際はホームに駅員がいなかったが、今度はどうだろうか。

また札幌会員Aによると、この時間帯はさっぽろ駅ホームの専用車両(安心車両)位置にほぼ毎日立っている、「トラブルを起こす女性客」がいるという。

列車はさっぽろ駅に到着。

乗客の多くが下車するのに交じって私達もホームに降り立ったが、ホームに駅員の姿はない。

どうやら今日はたまたまいなかったようだ。

しかし、さっぽろ駅ホ―ムにこの時間いつも居るという、「例の女性客」はその日も専用車両(安心車両)位置に立っていた。

その女性客は私たちが近くにいるのに気づくと、線路に向かってボソボソと「痴漢集団・・・痴漢集団・・・痴漢集団・・・」と念仏のように独り言を言い始めた。

何かヤバそうだ。

札幌会員Aによると、過去にこの女性客と実際にトラブルになったこともあるらしい。

とりあえず、何をしてくるか予想がつかないので、何かあった際の証拠押さえのため、一応動画を撮ることにした。(結局何もなかったので、動画は消去した)

さっぽろ駅の駅標
ホ―ムに列車が到着した直後の様子

しばらくして、後続の真駒内行がやってきたので乗車。車内はそれほど混んでいない。

大通・すすきのと、札幌の中心部を過ぎると、車内は空いてきた。

そして、南平岸の手前あたりで地下から地上に上がり、ここから終点の真駒内まで高架で札幌の市内を走り抜ける。

地上の高架といっても他の地域の鉄道と違い、終点まで全区間「屋根付き」である。

札幌市営地下鉄南北線のスノーシェルター
駅部分だけでなく、駅間も途切れることなく、すべてこのような屋根付きである。

寒冷地なので冬は雪が降り積もるので線路を保護するために地上部分はすべてスノーシェルターで覆われているのである。

車内から見るとまるで、ひたすら続く建物の中をひたすら続く窓に沿って走り続けているような感じがする。

外は良い天気だった。雪景色の市街地の向こうに山も見える。

やがて線路沿いにも山が迫ってくると、まもなく終点の真駒内である。

真駒内に8:22頃到着。ここで一旦改札を出た。

南北線・真駒内~すすきの

ホームに戻り、8:36発の麻生行きの折り返し列車に乗車。

運転士らしき乗務員が私達の目の前を通って行ったものの、何も言って来ず。

発車寸前に1人の男性客が入ってきたが、すぐに隣の車両に移って行った。

真駒内駅を発車した地点では車内はガラガラ。

途中の澄川駅でかなり離れた所なのでハッキリとは確認できなかったが、1人の男性のような雰囲気の乗客が乗ってきてそのまま座席に着席。

途中から乗客が乗ってきて、立ち客もそれなりに増えていき、8:51頃にすすきの駅に到着。

ここで乗車会は終了とし、私達は改札を出た。

すすきの駅に到着

さて、先ほど少し札幌の女性専用車両(安心車両)も公明党のごり押しで出来たという話をしたが、これはどこの事業者でも大体そうだが、導入前は渋っていても一度導入してしまうと今度は積極姿勢に転じることが多い。

札幌市交通局も先述の通り、公明党に2度もアンケートを取らされ、結局その圧力に屈する形で女性専用車両の導入を決めたわけだが、現在では車体等に非常にしつこく安心車両のステッカーを貼りだしたり、東西線で安心車両車両の入り口だけ赤くふち取りしたり、さらには駅構内のモニターや女性専用車両(安心車両)の運行のない東豊線でも安心車両の告知を行うなど、非常に積極的である(写真は東豊線・学園前駅)。

東豊線でも安心車両の告知をしている。
(東豊線・学園前駅)

また今回の乗車会で、車内に「女性専用車両限定広告か?」と思うような広告も発見した。

女性専用車両(安心車両)内に「札幌市はピンクリボン活動を通じて女性の暮らしを応援します」のコメントの入った広告が出ており、いかにも女性専用車限定かと思うような雰囲気ではある。

もし女性専用車両限定広告をやっているなら、男性を男性であるというだけで事実上排除する車両を設けて、それで金儲けをし、さらにそれを「任意協力ですので男性を男性であるというだけで排除はしていません」などと正当化するようなことを、札幌市交通局もやっていることになる。

ただ札幌市交通局の車内広告料金関連のページを調べてみたが、「専用車両(安心車両)限定広告」というのは見つからなかった。

よって、これだけでは限定広告だとは断定できない。

「札幌市はピンクリボン活動を通じて女性の暮らしを応援します」
「専用車限定広告か?」と思ったが確認出来ず。

この後は交通局訪問だが、まだ少々時間があるので、私達はすすきの駅近くの喫茶店に寄り、時間を潰してから、東西線の大谷地にある札幌市交通局の本局を訪れることにした。

2020年2月 札幌市交通局訪問の報告に続く)

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