【関西】2023年11月 神戸電鉄と神姫バスにて乗り比べ乗車会

活動履歴

当会関西本部では神戸電鉄の新開地駅から同社粟生線の恵比須駅までの区間で非協力乗車を行いました。

そしてその後、恵比須駅から三ノ宮まで神姫バスに乗車して神戸電鉄と神姫バスを乗り比べてみました。

以下その報告です。


神戸電鉄と神姫バス乗り比べ

毎年、何億円もの赤字を出し続けて存廃議論まで出ている神鉄粟生線。

かつてニュータウンの乗客を神戸都心に運ぶ路線として賑わっていた粟生線がなぜこうなってしまったかについて「ニュータウンの住人が歳をとり定年退職して通勤しなくなったから」「道路の整備が進んだから」など、いろいろ理由は言われているが、その中の一つに「バスに乗客を奪われているのではないか?」というものがある。

そこで当会関西本部としては神戸電鉄線に非協力乗車するついでに帰路は神姫バスを利用して、どちらが使い勝手が良く快適かなどを実際に利用して乗り比べてみることにした。

神戸電鉄線 新開地~鈴蘭台

今回は神戸電鉄新開地駅に15:00集合。

平日日中の新開地駅は列車到着時以外は人気ひとけは少ないが、列車が到着すると結構な数の人が降りてきてホームやコンコースが少し人で賑やかになる。

新開地駅コンコース
15:22発の小野行きに乗車

今回まず乗車するのは新開地発15:22の小野行き普通である。

15:15頃、新開地駅にその小野行きが入ってきた。

新開地駅は行き止まりの終点駅なので、当然ながら全ての列車が折り返し列車である。

新開地駅ホーム
到着した小野行き

ここまで乗車してきた乗客が全て降り、入れ替わりに私達も含め、ホームで待っていた乗客達が乗車した。

車内は空席が少しある状態で空いている。私達以外に男性の乗車はないようだ。

わずかに周囲の乗客の小さな話し声が時々聞こえてくるが、それ以外は至って静かである。

周りの女性客も特に声をかけてきそうな雰囲気はない。そんな中、1人の男性が車内を通り抜けていった。

やがて発車時刻になり、ドアが閉まり列車は発車した。

新開地駅を出ると、真っ暗な地下トンネルを約400m走ってすぐに次の湊川駅である。

新開地を出たばかりだが、私達はここで一旦下車して後続の三田行き準急に乗車する。

湊川駅

なぜこんなことをするのかというと、(いつも言っているが)これは少しでも多く任意周知するためである。

鉄道事業者は任意協力で実は誰でも乗れる車両に「女性専用」車両と名前をつけて、男性は利用禁止と思わせている。つまり騙しているわけだから、そうさせないために実際に男性が乗車して任意であることを周知しているのである。

湊川駅で5分ほど待って、やってきた三田行き準急に乗車。こちらも先ほどの小野行き同様、車内は少し空席があるくらいの乗車率であった。

私達が乗車しても周りの女性客からは特に声かけなどはなかった。

湊川を出るとすぐに地上に上がり、そのまま急勾配で市街地の中を駆け上がる。

神戸は海沿いのわずかな平地に細長く市街地が広がっており、すぐ背後は山である。

そんな神戸の街を神戸電鉄は最初から内陸に向かって進んでいくので、いきなり急勾配を登ることになる。

急勾配を登りながら次の神鉄長田駅に到着。ホームには多数の乗客が列をなしていた。どうやら沿線の高校の下校時刻らしく、ほとんどが制服姿の高校生である。

その高校生達が乗車してきたため車内は一気に立ち客が増えたが、それでも女性専用車両内はまだ車内を移動できそうなくらい余裕がある。

乗ってきたのは見事に女子学生ばかりで、車内に男子学生の姿は1人もなかった。女子学生達が乗車している私達のことを全く気にする様子がなかったのは良いのだが、ふと隣の車両を見るとそちらは見事に男子高生ばかりで、しかもかなり混雑していた。

彼ら(隣車両の男子高生達)がどう思っているのかは知らないが、私達からすれば「任意協力で誰でも乗れる、女性専用車両という名の一般車両」に乗らないという【実は存在しないルール・規範のようなもの】をしっかりと守っているのではないか?

そしてそれがすでに当たり前になっており、特に意識することもなくなっているのではないか?

さらには「実は存在しないルール・規範を守ること」を是とする教育が行われているのではないのか?

など、いろいろと考えてしまう。

神鉄長田駅(過去の乗車会の際に撮影した写真)

すでにご存じの方も多いと思うが、実際は鉄道事業者が「差別だ!」と批判されたときに「強制していませんので差別ではありません」と上手くかわせるようにするために形式上「任意協力」にして、しかもそれを知らせず隠しているのである。

公共交通機関で性別という生まれつきの属性で排除するのはまずいので、そうやってごまかしつつ、乗客を騙して協力させているのだ。

世間には「痴漢対策だから差別には当たらない」という者もいるが、どんな理由であれ、属性によって排除したり乗れる車両数を変えたりすればそれは差別である。

そして、女性専用車両が絶対唯一の痴漢対策ではない。

痴漢対策なら他にもいろいろな方法があるし、そもそも女性専用車両では痴漢が他の車両で痴漢するだけで痴漢自体を減らす効果はないので、女性専用車両は痴漢対策にすらなっていない。

そして、これまで全国で導入され続けてきた女性専用車両も痴漢被害者のために設けられたと表向きは言われているが、実際は一部政党などが強力に推進して、それが選挙でのアピールに使われるなどしており、いわば【大人の事情で設けられたようなもの】である。(ただし神戸電鉄の場合は神戸市営地下鉄に影響された「横並び意識」からの導入と思われるが、いずれにしても「大人の事情」であることに変わりは無い)

※議員の方のツイートは、公人のため画像や名前を隠す処理を行っていません

痴漢対策として適切かどうか以前に、そもそも「痴漢対策」という理由自体が実は非常に怪しいのだ。

(なお「御堂筋線事件がきっかけで女性専用車両が出来た」というのは完全にデマである。未だに信じている人が多いが・・・)

しかしながら今、この女性専用車両に乗車している乗客の中で男性は私達のみである。世の中何かおかしい。

そうやってモヤモヤ考えていると、列車は丸山駅を通過した。

準急は神鉄長田駅を出ると、この丸山駅と鵯越ひよどりごえ駅を通過し、次の停車駅は鈴蘭台駅である。

鵯越駅を通過すると、ここからは沿線に住宅などもなくなり、完全に山の中に入る。

カーブを繰り返しながらいくつかのトンネルを抜け、車窓に再び民家などが見えてくると、沿線の主要駅である鈴蘭台駅に到着する。

神戸電鉄線 鈴蘭台~恵比須

私達は粟生線に乗り換えのため、鈴蘭台駅で下車。

鈴蘭台駅では粟生線の列車に連絡しており、同一ホーム上で粟生線の列車に乗り換えることが出来る。

鈴蘭台駅で待っていたのは粟生線の小野行き普通列車。

勘の良い人ならお気づきかもしれないが、先ほど湊川駅で降りて見送ったあの列車である。

後続の準急で追いかけて、ここで追いついたのだ。

小野行きは三田行き準急からの乗り換えや沿線の高校が下校時刻であることも重なって、座れないぐらいに人が乗車していた。

粟生線は利用客減少により存続も危ぶまれているが、この鈴蘭台駅から西鈴蘭台駅までの間は利用客が多い。

私達もつり革を持って乗車。

発車間際になって杖をついた高齢の男性が乗車しようとしてきたので、閉まりかけたドアが一旦開いた。幸い、私達にもそのご老人に対しても周囲の女性客からの声かけはなかった。

今回は声かけがなかったから良いのだが、もしこのような杖をついた老人や身体の不自由な男性の方に「女性専用車両だ」などと声かけがあったら、女性専用車両は老人や身体の不自由な男性よりも健常者の女性優先になっていると言わざるを得ないことになる。

鈴蘭台駅を出るとすぐに新開地(正確には湊川)からの有馬線と別れ、粟生線は単線で急勾配を登りながらトンネルに入る。そしてそれを抜けてすぐ次の鈴蘭台西口駅に到着。ここでややまとまった数の乗客が降りていった。

そして鈴蘭台西口駅を出ると、粟生線で最も利用者が多い西鈴蘭台駅に着く。

ここで多くの乗客が降りて行き、車内は空席も出て早くもガラガラになった。

空席が出たので私達も着席。

この後、山中の藍那駅を過ぎて木津駅あたりまで来ると盆地のようなところに出て、これまで急勾配でアップダウンを繰り返していた線路も平坦に近くなる。

西鈴蘭台駅を過ぎるとガラガラに(木津駅付近)

このあたりは1980年代に複線化されており、当時の粟生線が今よりも多くの乗客で賑わっていたことを今に伝えている。

廃線すら噂される今では考えられない状況である。

鈴蘭台駅から乗車した高齢の男性は今は私達の隣に座っている。

周囲の女性客も私達のことを気にしている様子はない。

木津駅から木幡駅、栄駅を過ぎて押部谷駅に到着。ここで残っていた乗客が結構降りて、車内は空席が多くなってきた。

粟生線の複線はここまで。ここからは再び単線になりまた急勾配を登り下りすることになる。

押部谷駅を出て列車は緑が丘駅に到着。ここで私達の隣に座っていた高齢男性は降りて行った。

志染駅ではホームに多数の高校生が列をなしていた。ここでも沿線の高校生の登下校に神鉄が使われているようだ。

車内はガラガラになっていたが再び立ち客が増え、賑やかになった。

乗車してきた女子学生達も私達のことは全く気にならない様子で、私達のすぐ隣でおしゃべりを始めた。

私達が下車する恵比須駅は志染駅のすぐ次である。

しばらく走って、16:09に予定通り恵比須駅に到着。下車した。

関東の方は恵比須駅というとJR山手線等の恵比寿駅を連想されるだろうが、神戸電鉄の恵比須駅は単線の線路に片側1面のみホームがある、ローカル線を思わせる雰囲気の駅である。

そしてここからいよいよ当会としては初の試みである、鉄道とバスの乗り比べとなる。

恵比須駅で下車
恵比須駅の駅標

恵比須駅前からバスに乗車

恵比須の駅前にはロータリーがあり、ここにバス停がある。

私達が乗車するバスもここから出るのだが、発車までしばらく時間があるので、駅周辺を少し散策することにした。

恵比須駅の駅舎
駅前のバス停。恵比寿快速線バスはここから出る

ここ恵比須駅前から発車する神戸三ノ宮方面へのバスは今回私達がこれから乗車する「恵比須快速線」の他、「西脇急行線」という路線もある。

西脇急行線はここから少し離れた場所から発着するとのことで、そちらも見に行くことにした。

駅前ロータリーから100mほど歩くとそこにもう1つバス停があり、どうやらそこに発着するようである。

ーと思っていたらそこへちょうど「西脇急行線」のバスがやってきて私達の前を通り過ぎていった。

発車する西脇急行線のバスを見送り、私達は駅前のロータリーに戻った。

戻ってからしばらくすると、私達が乗車する「恵比須快速線」のバスが到着。私達は並んで乗車した。

バスが到着
バスの車内。4列シートである。

ここ始発のため、車内はもちろん誰一人として乗っていない。

座席はバスによくある4列シートでリクライニングも出来る。

夜行バスでこのタイプの座席だと結構しんどいが、通勤バスならこれで十分である。電車のロングシートに比べると、こっちの方が断然快適だ。

しかも途中高速道路を経由するため、全員着席での運行となる。電車のように座れないということもない。

また、神戸電鉄の都心側の終着駅である新開地から、神戸の中心地である三ノ宮まで行こうとすると、そこから阪神や阪急などに乗り換えて数駅行かなければならないが、このバスなら乗り換え無しで三ノ宮まで「直行」である。

なるほど、朝のラッシュ時などは神戸電鉄も座れない可能性があることや、自宅のある場所から駅まで少し距離がある場合にそこまでの移動も考えなければならないことも考えると、特にバス停が自宅近くにある人だと、たぶん神戸電鉄よりバスを選ぶだろう。

一方、バスの弱点としてはやはり交通渋滞に引っかかった場合など、どうしても遅れてしまうということである。

まもなく発車時刻になり、バスは発車。

恵比須駅前から兵庫県三木市内を走って行く。

走り出して10分ほど経ってもあたりは住宅が多数建ち並んでおり、人がたくさん住んでいるような感じである。

ここからだと神鉄の駅まで徒歩や自転車などではかなり遠いだろうから、この辺の人々は神戸都心に出るには神鉄よりもバスを使うのではないだろうか。

しばらくして、先ほど電車で通ってきた神鉄の緑が丘駅前、押部谷駅前などを過ぎ、あたりは徐々に暗くなってきた。

今は11月。日が暮れるのも早い。

このあたりから徐々に乗客が増えてきて、次第に座席が埋まって来はじめた。

そしていくつかの停留所に停車するうち、車内の座席はほぼ埋まった。

やがて阪神高速道路の入口に到着。ここからは信号に引っかかることもなく神戸市の中心部近くまで快適に走行することになる。

外は完全に日が暮れて真っ暗になってしまったので景色は分からないが、やはり高速道路らしく快調に走っているのが分かる。

そしてそのまま六甲トンネルに入り、神戸電鉄の列車が急勾配とカーブの連続で時間をかけて登った六甲の山々をバスは直線的な長大トンネルでスイスイ抜けていく。まるでワープトンネルを抜けているような感覚だ。

先ほども言ったが、やはり電車のロングシートに比べてリクライニング付きの4列シートは快適だ。

車内では会員達が「神戸電鉄も4両に1両ほぼ終日女性専用車両やるよりも、その代わりにリクライニングシートの有料座席車両を設けた方がいいんじゃないの?」などと会話していた。

やがてトンネルを抜けると、もう市街地にほど近いところまで来ている。そこからもさらに高速道路で神戸の都心のすぐ近くまで進み、高速から降りた。

高速を降りると、あたりは完全に神戸の市街地である。目的地の三ノ宮まであともう少しだ。

ただここで、道が少し渋滞しており定刻よりも三ノ宮到着が少し遅れることになった。私達は別に急ぎの用ではないので全然構わないのだが、朝のラッシュ時など市内の渋滞などはどのくらいのものなのだろうか。

おそらく夕方よりも朝のラッシュ時の方が車も多いと思うが、通勤に使っていると渋滞に巻き込まれたときなど、「遅刻する~!」と気が焦るのではないだろうか?

いや、通勤に使っている電車が遅れたときのような感覚なのだろうか?

いずれにしても、このあたりは鉄道にはないバスの弱点ではある。

やがて定刻より少し遅れて17:53頃に三ノ宮駅前のバス停に到着。ここで今回の神鉄&神姫バス乗り比べ乗車会は終了となった。

三ノ宮駅前に到着したバス
夜の神戸三ノ宮の街

神戸電鉄について

乗車会に関してはこれで終わりだが、今回乗り比べ乗車会をしようとなったのにも理由がある。

ここからはそのあたりを解説していきたい。

当会関西本部メンバーの中で「粟生線サポーターズくらぶ」という団体に所属している人がいる。要は存廃議論が出ている粟生線を存続させるべく活動しているグループであるが、2023年3月11日にその「粟生線サポーターズくらぶ」の集いが行われたので、その場で(当会の公式活動ではないが)当会の名前で神戸電鉄に意見書を出すことになった。

神戸電鉄の女性専用車両は2004年春に導入されたのだが、わずか4両で平日・終日導入したので、沿線住民などから抗議・苦情が殺到。同年6月より「早朝時間帯については女性の利用が少ない」と理由をあと付けして「平日ダイヤの早朝を除く終日」という、痴漢対策とは思えない導入となった。

神戸では2002年に神戸市営地下鉄の全線で女性専用車両が毎日・終日導入され、神戸電鉄にも数自体はさほど多くないものの女性専用車両を求める意見が届いていたという。

神戸電鉄と神戸市営地下鉄(当時は北神急行電鉄)は谷上駅で改札を抜けることなく、同一ホーム上で対面乗り換えが出来る。

また当時、女性専用車両が主に関西でどんどん導入拡大されていた時期であり、各社とも横並び意識から「他社の状況を見て、自社でも導入するかどうか検討する」という、様子見の態度を取っていた。

当時の報道によると大阪と神戸を結ぶ阪神電鉄も、そしてこの神戸電鉄も「列車の編成が短いから」という理由で様子見を決め込んでいたようだが、阪神電鉄が朝上りの区間特急に導入を発表。そして神戸電鉄も2003年の暮れに突然女性専用車両の導入を発表した。

痴漢対策として必要かどうかではなく、明らかに周囲の状況を見て、それに合わせるべく導入に踏み切ったのが分かる。

そして、先述の通り2004年の4月から導入したところ、沿線住民から激しいバッシングを受けた(当時はまだ当会の乗車活動は本格化しておらず、抗議していたのは主に沿線の利用者の方々と思われる)。

そして、その怒りの声を鎮めるために早朝だけ解除して「ほんの少しだけ譲歩」したというわけである。しかしこういう経緯のある女性専用車両も表向き痴漢対策・迷惑行為防止の取り組みと言っておけば世間は納得してくれるのである。

もちろん、痴漢対策とはおよそ言えない理由で女性専用車両を導入している鉄道事業者は神戸電鉄だけではない。これまでの当会サイト「活動履歴」の中で再三述べているJR西日本の他、熊本の市電を運行する熊本市交通局も「コロナで乗客が減ったから(=コロナによる減客・減収対策)」という、とんでもない理由で女性専用車両(のちに女性優先車両と改名)を導入しながら、表向き「迷惑行為防止の取り組み」でまかり通らせてしまっている。

これは私たちが勝手に言っているのではなく、熊本市の交通事業管理者、要するに市のお偉方が「コロナで客が減ってしまった。何かいいアイデアはないか?」と、現場の運転士たちに投げかけ、その結果「女性専用車両で客寄せをしよう」というアイデアが出て、実際に強引に導入にこぎつけたということが、当時の熊本市の市議会議事録に残っている。

しかし、これを表向き「痴漢対策・迷惑行為防止の取り組み」と言っておけば世間は簡単に騙されて納得するし、反対意見を言う者が出ても「痴漢さえいなければこんなもの導入しなくてもいいんですよ。文句を言うんだったら痴漢を撲滅してからにしてください」と言えば簡単にギャフンと黙らせることが出来るので都合がいい(だからこそ、反対派としては女性専用車両が本当に痴漢対策かどうか、常に疑問を持っておく必要がある)。

話を神戸に戻すと「神姫バス恵比須快速線」が運転を開始したのは2001年である。神戸電鉄粟生線は少子高齢化に加え、沿線道路拡充によりマイカーやバスに乗客が転移し始め、利用が減少し始めていった。

その後、先述の通り、神戸電鉄も公園都市線を除く全線で横並び意識から女性専用車両を導入したことによって沿線から大バッシングを受け、導入2か月後に早朝だけ解除するという茶番をやったわけだが、その後も神戸電鉄粟生線の乗客は減少を続けた。

「多くの男性客は沿線の方々は女性専用車両に不満を抱き、運賃も安く、快適で便利な神姫バスを利用していったのではないか?」という推論も不可能ではない。

もちろん、「短編成の女性専用車両が神戸電鉄からバスに乗客が逃げていった理由だ」と100%断言してしまうのは無理があるかもしれないが、導入当初に神戸電鉄に激しいバッシングがあったことからも沿線住民は決して神戸電鉄の女性専用車両を好意的には見ていないのではないか?ということは出来るだろう。

「粟生線サポーターズくらぶ」の集まりの際に当会のメンバーが神戸電鉄に意見書を出したのは粟生線を存続させたい意向を持ってのことであるが、渡そうとした際にその場で担当者が「抵抗がある」と言って受け取らず、仕方がないので当会メンバーたちがイベントの後、神戸電鉄の駅まで行って渡すことになった。

後日回答があったものの、女性専用車両のことに関しては周回遅れの内容であり、またおかしなことに粟生線のことについては何一つ書かれていなかったのである。

回答に「この内容を公開することを禁ずる」という趣旨の一文があったため、回答文の公開はしないが、何がそんなに後ろめたいのだろうか?

正しいことをやっていると思うなら、コソコソする必要はないと思うのだが・・・

また、同じ時期に当会にも外部の方から神戸電鉄に女性専用車両の抗議をしたところ、おかしな対応をしてきたという情報提供があった。

神戸電鉄の昼間の女性専用車両があまり利用されていない(=昼間に女性専用車両は必要ない)という意味で抗議したものの、なぜか対応した神戸電鉄社員は「機会があれば高校などにもっと女性専用車両を利用するよう呼びかける」などという、とんでもない回答をしたとのことである(当会に寄せられたご意見(2023年1月~5月) ※上から2つ目のご投稿)。

先にも述べた通り、これは外部の方からの情報提供のため、当会で真偽の確認をしたものではないが、真実ならば神戸電鉄は制度の目的や効果云々は関係なく「女性専用車両を守ること」しか考えていないことになる。

この先、粟生線がどうなっていくか、バスとの競合がどうなっていくか、女性専用車両がどうなっていくか、現時点ではっきりとした予想はしにくいが神戸電鉄は単に利用の減少云々ということではなく、組織的にいろいろと問題を抱えているようにも見える。

私達からすれば、今後も非協力乗車などの活動を通じて、反対派の存在を忘れ去らせないようにやっていくことに当面はなるだろう。

神戸電鉄沿線で女性専用車両に疑問を抱いている方、粟生線を存続させたいと思っている方、その他関西以外でも当会の活動に参加してみたい方等、当会では全国で随時入会募集しているので入会申し込みフォームよりお願いしたい。

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