2021年3月 関西本部:大阪メトロ御堂筋線とJR線(京都線&神戸線&東西線等)で非協力乗車会

活動履歴

このところ、一時下火になっていた新型コロナウイルス感染症が再び拡大傾向にあるということで、当会も乗車活動等を再び思うようにまともに行えない状態になってきましたが、そうした中でサイトの更新が長期間にわたって滞るのを避けるため、以前行っていた乗車会の中からまだHP上で紹介していなかったものを「蔵出し」の形で活動報告として紹介いたします。

当会関西本部で2021年3月19日に行った、大阪メトロ御堂筋線とJR西日本線の乗車報告です。


JR新大阪駅で特急「らくラクはりま」の女性専用席をあって当然のように宣伝するポスターを発見

女性専用車(席)を営利目的にしていることをもはや隠そうともしないJR西日本

今回はJRだけでなく大阪メトロにも乗車しようということで、御堂筋線梅田駅をスタートとし、その後新大阪からJR線に乗り換えて大阪・尼崎~JR東西線などに乗車し、最後は大阪環状線の天満駅で終了とするルートとした。

ルート:
大阪メトロ御堂筋線:梅田→新大阪
JR京都線→JR神戸線:新大阪→尼崎
JR東西線:尼崎→京橋
JR大阪環状線(内回り):京橋→天満

大阪メトロ御堂筋線 梅田→新大阪

19:00に大阪メトロ御堂筋線梅田駅の新大阪・千里中央方面ホームに集合し、19:03発の新大阪行きに乗車することにした。

(左右とも)当日の御堂筋線梅田駅

梅田のホームに滑り込んだ列車は結構混んでいたが、女性専用車両内に男性の姿を確認できた。

そしてドアが開くと同時に多数の乗客が降りてきて、ホ―ムはたちまち人でいっぱいになった。

ホ―ムでは駅員が肉声で「中ほど6号車は女性専用車両です。ご理解ご協力をありがとうございます」とアナウンスしていた。

下車した乗客と入れ替わりに私達が乗車すると、梅田で多数の乗客が降りたこともあり、車内は座席がほぼ埋まる程度の乗車率になっていた。

先ほどホームから確認した男性客は梅田で下車したものと思われるが、それでも車内の座席にはまだ2人の男性客が座っていた。

私達が乗ると数人の女性客がこちらを見てきたものの、声かけはして来なかった。

列車はすぐに梅田駅を発車。私達も座席に座った。

私達の近くで女性客2人組が何気ない会話を続けており、私達の事を気にしているような様子はない。

過去にはこの御堂筋線で女性客から暴言を吐かれ、トラブルに見舞われたこともあるが、最近では男性が女性専用車両内にいても以前ほど周囲の女性客も気にしなくなってきているのかもしれない。

もしそうだとすれば、それは私達にとっては前進といえることである。

今でもインターネット上では私達が女性客に対する嫌がらせのために乗車していると思いこんでいる人がいるようだが、鉄道事業者は任意なのに「女性専用車両」と表記して強制であるかのように装っているから私達はそれに対し男性が本当に「任意で乗れるようにしよう」と活動しているだけで、女性客へ嫌がらせする目的は一切ない。

ただ男性差別(見方によっては女性差別とも取れる)に対して許せないという思いでいるだけなのだ。

よって嫌がらせ云々以前にそもそも女性客に用はない。

中津の先で地上に上がり、新御堂筋(道路)と並走しながら淀川を渡り、西中島南方駅を過ぎて19:10にこの列車の終点の新大阪に到着。

ここまで職員からも女性客からも全く声かけはなかった。それで良いのだ。

JR京都線→JR神戸線・普通列車 新大阪→尼崎

大阪メトロ新大阪駅からJR新大阪駅までは200メートルほど通路を歩く。

その際、こんなものを発見した。

新大阪駅に貼り出されていた特急「らくラクはりま」の宣伝ポスター
女性専用席はやむを得ない防犯対策ではなく、セールスポイントなのだ。

朝夕の通勤客の需要を見込んだ特急「らくラクはりま」の宣伝だが、”らくラクはりま”には、もちろん女性専用席あります!などと、当然のことのように平然と「女性専用席は”らくラクはりま”の【ウリ】です」と言わんばかりのポスターを貼りだしてきたのだ。

女性専用席も防犯対策だと思いこんでいる人が多いが、実は防犯対策ではない。

特急サンダーバード車内で起きた暴行事件に便乗して、2007年に「サンダーバード」と「くろしお」に女性ウケ狙いの女性専用席を設置したのである(導入当時、JR西日本自身がマスコミに対し「女性専用席とサンダーバードでの事件は直接関係ない」と明言している)。

そしてなんと「サンダーバード」では「女性専用席でのみブランケット提供」という「女性ウケ狙いサービス」も行っている。

特急「サンダーバード」のサービス向上に向けた取り組みについて:JR西日本
JR西日本ホームページ

つまり、特急列車の女性専用席は防犯対策ではなく「女性を優遇すれば儲かるだろう」という、レディースデー的発想からのものなのだ。

『公共交通機関』である鉄道がこんなことをして良いものだろうか?

そもそも本当に防犯対策するのであれば、それこそ多くの新幹線の車両やJR東日本の特急・関西の近鉄特急ひのとりを見習って、JR西日本のサンダーバード等にも車内監視カメラ(防犯カメラ)を設置したほうが良いはずなのだが・・・

通勤列車の女性専用車についてもJR西日本は休日も含めて毎日終日実施しており、ここでも痴漢対策からは外れているし、また以前から繰り返し述べている通り、過去に女性専用車についても女性客を釣る(客寄せ)目的としか思えないような宣伝の仕方をしていた。(下の写真)

今回、らくラクはりまのポスターでも同じように「女性客を釣る」目的としか思えない宣伝の仕方をしてきたわけで、JR西日本の「公共交通機関としてあるまじき体質」は今も全く変わっていないのである。

しかし世間は痴漢対策・防犯対策だと思ってくれているから、あまり文句も出ないばかりか反対する者のほうが「性暴力被害に理解のない奴」で片付けられてしまう。

実に体のよい「女性向け客寄せサービス」なのだ。

余談になるが、今年4月から女性専用(優先)車両を本格導入した熊本市交通局も表向き「迷惑行為防止の取り組み」と言いながら、実際には「コロナウイルスでこれだけ人が減っておるという中で、いろいろな話題を提供したい、明るい話題を提供したいという中で・・・(中略)・・・女性専用車両というのを導入したらいかがかなというところで一つアイデアが出ました」というような理由で女性専用(優先)車両の導入に踏み切ったということが(2020年9月の発言であるにも関わらず、なぜか半年近く経った今年3月になって)熊本市議会の議事録に記載された。

これは、熊本市議会議事録に記載された熊本市・交通事業管理者の古庄修治氏の答弁だが、これを見れば熊本市交通局の女性専用(優先)車両が迷惑行為防止の取り組み(痴漢対策)ではなく、感染症の流行による減客・減収対策であることが分かる。

(令和 2年第 3回都市整備分科会-09月17日-01号)

「女性に快く乗車してもらうため」とも言っているが、これも前後の文脈からわかるように、迷惑行為防止(痴漢対策)のためのやむを得ない施策ではなく「男性がいない”快適”な女性優先車両を導入すれば、女性客の利用が増えてコロナによる減収対策になるだろう」という意味合いである。

一方、熊本市交通局のサイトには、下記のように「交通局が真面目に迷惑行為防止に取り組んだ結果」であるかのように書かれている。

「女性を優遇すれば増収増益につながるだろう」と導入した女性専用(優先)車両を「更なる迷惑行為防止の取り組み」などとウソをついて、世間を納得させようとするのはやめていただきたいものだ。

ちなみに先ほど乗車した大阪メトロ御堂筋線でも女性専用車両限定で車体広告が出されている列車があり、こちらもやはり女性専用車両が鉄道事業者の「おいしい収入源」になっている。

大阪メトロ御堂筋線列車の女性専用車両車体広告
奥の非女性専用車両には車体広告はなされていない。

このようにJR西日本に限らず、あちらこちらの鉄道事業者で痴漢対策・防犯対策にかこつけて、実はウケ狙い・営利目的の「女性専用〇〇」が当たり前のように導入されているのである。

「男が痴漢するからこうなるのも仕方ない」「反対する奴は被害者のことを考えられないからそう主張するのだ」などと考えている人間は「自分は痴漢被害者のことも考えてあげられる大人なんだ。これは大人として当然なんだ」というつもりでいるかもしれないが、実際は「ただ無知であるがゆえに思いあがっているだけ」である。

そのようなことを平気で言う人間は歩行が困難な男性や女性専用車両に対して不快に思う男性女性のことについて、少しでも考えてからものを言っているのか?

また「痴漢を無くせば女性専用車両も無くなる」も、大間違いである。

たまに当会に「なぜ女性専用車両が出来たかをよく考えてください」「そんなに女性専用車両を無くしたいんだったら、痴漢を無くすための努力をしてください」などという批判が来ることがあるが、これも「痴漢対策」がうわべの理由であることを知らないがゆえの批判である。

ここまで述べてきたように、女性専用車両が鉄道事業者の収入源やイメージ戦略の道具になっている以上、仮に痴漢がゼロになっても女性専用車両がその役割を終えることはない。

繰り返しになるが「女性専用車両は痴漢対策ではない」

もっとも当会は痴漢行為自体は許されざるものであると考えているし、また痴漢対策自体には反対ではないから(差別的な女性専用車両を廃止した上で)監視カメラや私服警官(もしくは警備員)の配置などを以前から鉄道事業者に提唱している。

ちなみに、先ほど出てきた大阪メトロ御堂筋線ではこのような車内広告もあり、監視カメラの設置も進んでいるのが分かる。

御堂筋線では大阪市交通局時代に公明党の強い働きかけもあり、女性専用車両が終日導入されているが、本当に痴漢対策を真剣に考えるなら監視カメラと私服警官の配置を進めるべきだろう。

そして、公共の場における差別を痴漢対策の名目で正当化する女性専用車両は廃止するべきである。

大阪メトロ御堂筋線車内広告
当会が提唱する防犯カメラの設置が進んでいる。

さて、JR新大阪駅からは19:23発の普通新三田行きの女性専用車に乗車することにした。

いつも当サイトをご覧いただいている方はご存知だと思うが、新大阪駅ではこのところ女性専用車に乗車する男性への声掛けが非常に積極的である。

そのために当会も新大阪駅を重点的に乗車会のルートに組み入れるようにしているが、この時はたまたま女性専用車の位置に駅員がおらず、私達が乗車しても駅員等からの声掛けは無かった。

乗車してからも他の乗客などからの声かけはなかったが、両隣の車両との混雑差が明白だった。

次の大阪駅では2~3分ほど停車時間があり、大半の女性客が入れ替わった。

大阪駅から乗車してきて私達の近くに立った女性客は、私達の姿を見ても特に気にする様子もなく、何気ない会話をしていた。

先にも述べたが、私達からすればこれで良い(女性専用車に男性が乗車していても、全然問題にならない=任意性が担保されたという意味で一歩前進だから)のである。

大阪駅発車後にほぼいつも通りに車掌が肉声で「電車は7両で運転しています。前から5両目は女性専用車両です。ご理解とご協力をお願いします。」とアナウンスしていた。

ダイヤ乱れで先行列車が遅れているため、途中で電車が徐行運転をして4分ほど遅延したものの、こちらも結局声掛け等はなく19:41頃に尼崎駅に到着した。

JR東西線•普通列車 尼崎→京橋

尼崎駅からは19:54発、普通松井山手行きに乗車した。

尼崎19:54発、松井山手行に乗車

車内はガラガラで私達は全員着席した。

尼崎発車後もしばらく車内はガラガラだったが、途中のJR東西線の中心駅とも言える北新地駅でそこそこ多くの乗客が乗ってきて若干車内はにぎやかになったものの、声かけはなかった。

この列車も微妙に遅延していたものの、20:14頃に京橋駅に到着し、ここで大阪環状線に乗り換えた。

JR大阪環状線 内回り•普通列車 京橋→天満

JR京橋駅からは20:24発の普通・内回り方面(大阪・西九条方面)の女性専用車に乗ることにした。

ホームで待っていると、駅の自動放送で「この電車の4号車は女性専用車です。ご理解とご協力をお願いします。」と流れていた。

法的根拠はなく、あくまでも任意だというのに「専用」とは。

そして専用と言いながら「ご理解・ご協力」とは一体どういう意味なのか、疑問に思うが・・・

(ご理解・ご協力の範疇なら、これは任意協力ということだから「女性専用車」という強制的な意味のある名称にするのはおかしい)

車内では私達のすぐ近くに座っていた女性達が何気ない会話をしていて、私達の事を気にしているような様子はなし。

こちらも声かけ等はなく、20:28頃に天満駅に到着し、解散した。

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