当会関西本部では2021年5月21日にJR大阪環状線やゆめ咲線などで乗車活動を行いました。
以下その報告です。
JR大阪駅で並んでいると女性客が声かけ
ルート:
天王寺→西九条
西九条→桜島
桜島→西九条→大阪
大阪→尼崎
JR大阪環状線外回り普通列車 天王寺→西九条
19時ちょうどにJR天王寺駅の中央改札口付近に集合し、その後19:12発のJR大阪環状線外回り普通列車の女性専用車に乗車した。
天王寺駅停車中に車掌が肉声で「前から5両目は終日・女性専用車です。ご理解とご協力をお願いします。」とアナウンスしていたが、車内は空いていた。
新今宮・今宮で乗客が少しずつ降りていき、芦原橋を出た時点では私達以外に女性客が7~8人程度になっていた。
車内では声掛けなど特にこれといった事はなく、西九条に19:25に到着。
ここでゆめ咲線乗り替えのため下車した。
JRゆめ咲線 西九条→桜島
次のゆめ咲線の発車は19:35なので、約10分ほどある。
この間、乗務員や他の乗客などからの声掛けがないかどうか、確認のためホームで並ぶことにした。
西九条駅は線路を挟んでホームが2面あるのだが、私達が並んでいるホームには【West Japan Railway Company】の文字が背中に入ったジャンパー着用の女性駅員がおり、線路を挟んだ向かいのホームにはJR西日本の制服を着た男性の駅員がいた。
私達がいたホームの女性駅員は私達には構わずホームでマイクによる列車案内を続けていたが、しばらくすると向かい側のホームの男性駅員がこちら側のホームにいた女性駅員に何やら手で合図を出し、女性駅員はその場を離れて行った。
おそらく向かい側ホームの男性駅員がホームで並んでいる私達を見て専用車(両)反対派団体の乗車活動だと感づいたのであろう。
それで声掛けトラブル防止のため女性駅員に合図を送ったのではないだろうか?
この後19:35発の桜島行が到着するまでに「向かい側ホームの男性駅員がこっちに来るか?」と一応気に留めてはいたのだが、結局JRの職員は列車が来るまで誰も私達のところには来なかった。
最近ではJR新大阪駅やJR難波駅などでJR職員による声掛けが多いが、同じ京阪神地区のJR西日本でも駅やエリアによってかなり対応が異なるようだ。
やがて19:35発のゆめ咲線桜島行きが到着したので乗車。こちらも車内は空いていた。
ゆめ咲線は正式名称を桜島線と言い、大阪環状線・西九条から分岐する約4キロの行き止まりの支線である。
大阪の港湾地帯を走る地味な路線だったが、沿線にユニバーサルスタジオジャパン(USJ)が出来たため人で賑わうようになった。ただ、今はコロナの影響もあり乗客は少ない。
しばらく街明かりの少ない暗いところを走ると次の駅、安治川口である。
そして安治川口を出ると、その次はUSJ開業により設置されたユニバーサルシティ駅に停車する。
いつもならここで沢山の乗客が降り、反対側のホームには帰りの電車を待つ人々が列をなしているのだが、やはりコロナの影響だろうか駅は閑散としている。
しかしホームでは女性専用車に男性を乗せないための自動放送が何度も繰り返し流されていた。
ユニバーサルシティ駅で私達以外の乗客が降り、女性専用車内は私達だけになった。
ユニバーサルシティ駅を出てしばらく走ると終点の桜島駅である。
桜島には19:43頃に到着。
切符を買いなおすため、一旦改札口から出た。
JRゆめ咲線→JR大阪環状線・外回り普通列車 桜島→大阪
再び改札口から中に入ると、人気(ひとけ)のないホームに20:02発、大阪環状線直通天王寺行きが停車していた。
終着駅のため当然折り返しだが、まだ発車まで10分以上ある。
私達はすぐに全員、女性専用車に乗りこんだ。
車内は私達以外誰も乗っていない。
全員車内で着席して様子を見ていると、運転士と思われる男性の職員がホームを通りかかったが、私達に声をかけてくることはなく、そのまま通りすぎていった。
その後、今度は車掌と思われる女性の職員が反対側からホームを通りすぎていった。
一瞬チラッとこちらを見てきたが、この職員も声掛けはして来ず、そのまま通り過ぎていった。
発車時刻間際になって女性客が数人程度乗車してきたが、それだけで本当にガラガラの状態のまま桜島駅を発車した。
次のユニバーサルシティ駅でもUSJが臨時休業していることもあってか、やはり乗客はほとんど乗って来なかった。
しかし、先ほどの桜島行で通りかかった際と同様、自動放送で何度も「この電車の前から5両目、5号車は女性専用車です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」と流されていた。
たとえ家族連れや恋人であろうが「男性客が乗ってきたらそんなに困るとでも言うのか?」といいたくなるが、JR西日本にとっては非常に困るのであろう。
といっても「痴漢対策に非協力的だから困る」という理由では❝断じてない❞。
JR西日本の場合、以前女性専用車を「乗っていますか女性専用車?」「毎日終日運行しているからいつでも乗れる」「行きも帰りも女性専用車もう私の習慣です」などと大々的に宣伝していたことからもわかる通り、明らかに客寄せのための「女性向け快適サービス」と位置づけているため、男性がいるとサービス上まずいのである。もう一度言うが、痴漢対策のために男性を乗せないよう一生懸命になっているのでは❝断じてない!❞
以前、抗議した際にJR西の職員がしていた話によると「男性が乗車していると女性客からクレームが入る」とのことだが、ならばその女性客に対し「男性も乗れます。」、もしくは「男性も乗る場合がありますがご了承ください。」と回答する事はできないのだろうか。
女性専用車を女性ウケ狙いサービスとして営利目的に利用している時点でJR西にそんな気はないだろうとは思うが、これまで何度も述べて来た通り他の乗客や職員がその乗っている男性客を強制排除すると強制排除した側が強要罪や暴行罪などの罪に問われることになる。
その次の安治川口駅でややまとまった乗車があり、車内は少しにぎやかになった。中には何気ない会話をし始めた女性客もいたりするなど、周囲の女性客は私達のことを気にしているような様子はなかった。
西九条駅からは大阪環状線に直通し、野田、福島と過ぎて、大阪駅には20:20頃到着、下車した。
そして、JR神戸線に乗り換えるためホームを移動した。
JR神戸線・普通列車 大阪→尼崎
大阪駅では20:30発、普通新三田行きに乗車するため、女性専用車位置に参加メンバー全員で並んだ。
周囲の女性客は並んでいる時には何も言ってこなかったものの、電車が到着し女性専用車に乗車しようとすると会員Aの前に並んでいた中年女性が声かけしてきた。
女性客:すみません!
女性客:(床の『女性専用車』の案内表示に指を指しながら)すみません、ここ女性専用車ですけど…。
会員A:どうかしましたか?
女性客:女性じゃないんですか?
会員A:………。
会員Aはなるべく相手にしないようにしていたようで、最初の第一声目は無視していたものの、それでも足元の『女性専用車』の案内表示を指さしながらまだ言ってくるので仕方なく対応したようだ。
どうやらこの期に及んでまだ女性専用車が【任意協力=女性専用は名前だけ】だと知らない女性客がいるようである。
まあ、知っていながら「声をかければ降りるだろう」とばかりに話しかけてくる者も中には居るかもしれないが、どちらにしてもこういうことがあるのであれば、まだまだ任意周知は行う必要がある。
鉄道事業者は「公共の場での差別」だとか「バリアフリーに反する」とか、その他何か言われた際に「強制していないので差別ではありません」とうまく逃げられるよう「女性専用車」と強制力のある意味合いの名称にしながらも、実際には強制にしていないのである。「何かあった時に、責任を追わなくても良いようにしている」と言い換えることも出来るだろう。
それでいて、女性専用車という強制的な意味合いの名前にしておけば、男性客は女性の目が怖いから(あるいは気まずいから)と、自分からその車両を避けてくれるし、女性客や変な正義感を気取る男性客は本当に女性専用だと勘違いして自ら進んで男性を排除してくれるだろう・・・というわけである。
つまり、鉄道事業者は自ら責任は負わずに済むようにしながら、乗客同士の「同調圧力」に期待していると言い換えることも出来るのである。
だからこそ、私達はそうはさせまいと活動しているわけで、あくまでも対象は鉄道事業者である。
何とかして私達のような専用車反対活動家を「女性に対する憎しみの塊」などと決めつけようとする輩がいるが、これは専用車反対派を叩きやすくするための印象操作であろう。
いつも言っているが、私達は乗り合わせた女性客に用はない。
ホームでは駅員が肉声で、そして電車の発車後は車掌がやはり肉声でほぼいつも通りに
「この電車の前から5両目の『女性専用車』の案内表示のある車両は終日、女性専用車両です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」
とアナウンスしていた。
しかし車内に入ってから他の乗客からの声かけはなく、近くの女性客数人が何気ない会話をしており、先のゆめ咲線同様に私達のことを気にしているような様子はなかった。
関西一の大ターミナルである大阪駅を出たところなので、先ほどのゆめ咲線よりは人が乗っていたが、それでも車内は座席が埋まって立ち客もそこそこいるという程度だった。
20:30過ぎで、通勤帰りのラッシュも少しピークを超えたというところだろうか。
次の塚本駅を過ぎて兵庫県に入り、尼崎駅に20:37頃に到着。
この列車はここから福知山線(JR宝塚線)に入るが、私達はここで降りた。
降りたホームの向かい側にはJR神戸線の普通・西明石行が停まっており、男性客が女性専用車内を通り抜けているのが見えた。
乗車会としてはここで終了だが、先ほど大阪駅で女性客に声をかけられたので、このことについて尼崎駅の改札口で抗議しておくことにした。
対応いただいたのは尼崎駅の駅員N氏。
こちらからは大阪駅での状況説明のあと「任意なのに専用という名前はおかしいのではないか?」と言うと、N氏も任意であることはさすがに知っていた。
以前(女性専用車が導入されて間もないころ)は駅員など現場の職員でも任意だと知らない者が少なくなかったが、さすがに今ではこの点は改善されたようにも思える。
その後、
「人間が生まれ持った属性(人種・性別など)を理由に「お前は出ていけ」と言っているようなもので、これはイジメの論理と変わらないのでは?」
「本来、同じ運賃を支払えばだれでも公平に利用出来なければならない公共交通機関で、痴漢被害が深刻だからやむを得ないという建前でそこを押し切って導入しながら、実際には客寄せやイメージ戦略と化している」
「ラッシュ時以外はガラガラのことが多いのに、毎日・終日実施はおかしいのでは?」
「導入されて20年経ち、今ではあって当たり前という感覚になっているのではないか?」
など、普段思っていることをN氏に伝えた。
JR西日本の場合「痴漢対策から客寄せに変質していった」というのではなく、最初から客寄せサービス的な意味合いで導入されたふしがある。
他の鉄道事業者が公明党の強い働きかけなどから「ラッシュ時の安全確保が困難になる」「車両の混雑差が生じる」と言いつつも半ば押し切られるような形で女性専用車両を導入しだしたのを横目で見ながらJR西日本はさっさと自分から導入し、それも意図的に主要駅の階段に近いところに女性専用車をもって来たり、先述のように女性専用車を売り物のようにポスターや駅のモニターなどで宣伝したり・・・
ただこのN氏も見た感じ、まだ若そうである。
おそらく最初に女性専用車が導入された当時のことは直接は知らないのではないだろうか?
もちろんこういう抗議をしたからといって、今の状況がすぐに変わるというものではない。
それは私達も承知している。
しかし、何かあればこうやって反対派の存在だけは示しておく必要がある。
そうしないと鉄道事業者に「反対する者はもういない」と解釈される可能性があるからだ。
N氏も恐らくは特に何の権限もない駅員と思われるが、私達から抗議があったことは本社に伝えるだろう。
伝えられた本社も恐らくは「ああ、またか・・・」という感覚かもしれないが、それでも反対派の存在だけは示しておかなければならない。
最後は私達の方から「お忙しいところ、ありがとうございました」と礼を述べて、解散した。