1.京阪本線乗車会
当会関西本部では、京阪電鉄が特急にプレミアムカー(有料座席指定車両)を設けて、8月20日のダイヤ改正から運行を開始したことを受け、京阪本線淀屋橋~出町柳間で非協力乗車を行い、さらにそのあと、天満橋に戻って京阪の本社を訪問し、担当者に抗議も含め、いろいろと意見してきました。
京阪・プレミアムカー運行開始
女性専用車両+プレミアムカーで、非女性専用車両は実質6両に
(往路)淀屋橋~出町柳
今回は淀屋橋7時40分発、特急出町柳行きに乗車することになっている。
平日の朝早い時間で、なかなか参加者は集まりにくい(夕方・夜間の非協力乗車会のように、最大で参加者10人以上とまでは行かない)が、それでも今回、4名が参加予定である。
4名のうち3名が淀屋橋駅に集まり、ホームで列車を待っていたのだが、私達が乗車する予定の一本前、7:33発の特急に男性客が一人乗車したので、運転士が声をかけて降ろしているのを目撃。
抗議しようかとも思ったが、私達の乗る列車ももうすぐ入線してくるであろうと思われるので、そのまま列車を待つことにした。
ここで、もう一人の参加予定者から連絡があり、「遅れる」とのこと。
その参加者は神戸方面から大阪(淀屋橋)までやってくる予定だったが、大阪まで来る際に、阪急神戸線で単独で非協力乗車していたところ、女性客にしつこく絡まれ、さらにそのことについて、電車を降りてから駅員に抗議したものの、その駅員もおかしな態度を取った為、かなり揉めたのだという。
とりあえず3人で7:40発の特急に乗り、神戸方面からの会員は、あとから合流ということになった。
私達が到着した列車の女性専用車両に乗りこむと、近くにいた女性客が、「1号車は女性専用車」などと言ってきたため、「協力しません」と言ったら、それ以上は何も言ってこなかった。
私達はクロスシート(向かい合わせで座る座席)に3人で着席した。
始発駅のため私達は着席することが出来たが、女性専用車両を設定している上からさらに、プレミアムカーまで設置したのだから、この先、非女性専用車両への混雑のしわ寄せは、今まで以上になることはまず間違いない。
前回、3月の京阪での乗車会の時は、淀屋橋駅で乗車した私達に、乗務員や駅員が結構しつこく声をかけてきたが、今回、淀屋橋駅では乗務員や駅員などから、私たちへの声掛けはなく、そのまま発車した。
しかし、淀屋橋駅では(女性専用車ではなく)プレミアムカーの前に駅員が集まっており、またこの先々の駅でもやはり、プレミアムカーの前に駅員が集まっていたことから考えて、導入したばかりのプレミアムカーの対応に手を取られ、私達に声掛けできなかっただけであると思われる。
列車は地下の北浜・天満橋を過ぎ、天満橋の先から地上に。窓から朝日がさしこんできた。
ここで、「この列車の一番前の車両は、女性専用車両となっております」とアナウンスが入る。
ほどなくして、列車は次の京橋駅に到着。
京橋駅ではホームの女性専用車両位置に駅員が立っており、「男性のお客様は他の車両へ・・・」などと肉声で案内をしていた。
京橋を出発。
特急は京橋を出ると、枚方市までノンストップで走る。車内は座席がすべて埋まっていた。
隣の非女性専用車両は確認しづらいが多分、かなり混雑していることであろう。
朝日の中を、守口市・寝屋川市・香里園と過ぎて行く。
車内はいたって静かで、列車の走行音以外、ほとんど何も聞こえてこない。
やがて、車窓に枚方パークの大きな観覧車が目に入ってくると、速度を落としながら枚方公園駅を通過し、次の停車駅枚方市へ。
前回、(2017年)3月の乗車会の際は、枚方市やその先の特急停車駅のホームに、「こちらが女性専用車両になります」という、立て看板を持った駅員が立っていたが、これはどうやらプレミアムカー導入(車両改造)のために、一時的に8000系が8両から1両抜かれて7両編成になっていたための対策(つまり、女性専用車両の位置が列車によってずれるための対策)だったらしい。
前回はここでも駅員が車内に乗り込んできて声掛けをしてきたが、今回は声掛けなし。
といっても、なぜ声掛けがないかは、先に述べた通り。
枚方市で多数の乗客が降り、車内はかなり空席が目立つようになってきた。
枚方市の次の停車駅、樟葉(くずは)を出てすぐ、2回目の専用車アナウンス。
樟葉の先で列車は県(府)境を超え、大阪府から京都府に入る。
京都府に入って最初の停車駅、中書島あたりから、再び乗客が増えて、座席が埋まってきた。
七条の手前から列車は再び地下に潜り、七条・祇園四条と停車し、三条で多くの乗客が下車しガラガラに。
そのまま神宮丸太町を通過し、8時42分終点出町柳に到着。
(復路)出町柳~天満橋
出町柳で折り返し、8:49発淀屋橋行特急に乗車。
プレミアムカーの前に駅員が集まっているのは、ここ出町柳でも他と同様だが、京阪では女性専用車両が最も京都寄りの車両に設定されているため、淀屋橋(大阪方面)行の場合、女性専用車両が最後尾になる。
最後尾ということは、常に車掌の目が届くということであり、案の定、私達を見つけた車掌が座席まで「こちらは女性専用車両になっております」と、声をかけに来た。
しかし、私達が一言「分かっています」と言うと、「あ、はい分かりました」とすぐに引き下がったので、恐らく、現場の職員たちも「女性専用車両が任意協力」だということは知らされているのだろう。
車掌が「女性専用車両は任意協力であると知らない(と思われる)関東の京王電鉄とは対照的であり、その時は「何だ、ちゃんと任意協力だと分かっているじゃないか」と思ったのだが、問題はその後である。
その車掌、車掌室に戻ると以後、各停車駅ごとに女性専用車アナウンスをしだしたのである。
まず、三条発車後に女性専用車アナウンス。七条発車後にも、女性専用車アナウンス。
さらに丹波橋・中書島・樟葉発車後にも、全て「この列車の一番後ろの車両は女性専用車です」と専用車アナウンス。
そのしつこさといったら、半端ではない。
もちろん、そんなことをしたところで私達が移動するわけはないが、私達を見て他の男性客が乗って来ないように徹底的に女性専用車アナウンスをしまくっているのだろうか?
私達が協力を拒否したらすぐに引き下がったこと、そしてそのあと徹底的に専用車アナウンスをしまくったことから考えて、「女性専用車両に協力しない男性がいたらこうするべき」という、マニュアルがあるのかもしれない。
もしそうなら、京阪も女性専用車両を守るため、反対派対策をしているということになる。
やがて列車は枚方市に到着。
先ほど、私達が淀屋橋駅で、出町柳行き特急を待っている際に、「遅れる」と連絡してきた当会の会員が、ホームの女性専用車両乗車位置に立っているのが見えた。
座席はほぼ埋まっていたが、枚方市で降りた乗客が結構いたため、一部の座席が空き、その会員は空いた座席(私達が座ってい位置からは少し離れていた)に着席。
すると車掌が車掌室から出てきて、その会員に声掛けをした。
もちろんその会員も協力を拒否し、そのまま乗車。
ほどなく、列車は枚方市駅を出発。
枚方市を出て、またまた女性専用車両アナウンス。
しかし、いくら女性専用車アナウンスを徹底的に行ったところで、「実は男性も乗れる」ことに変わりはないのだが・・・
そもそも公共交通機関で、男性を「男性である」というだけで乗車を禁止する車両など本来作れない。
喫煙や携帯電話での通話は、本人の意思で止めようと思えば止めることが出来る「行為」であり、車内でこんなことをすれば「ルール違反」「マナー違反」と言われても仕方がないが、「男性である」ということは、生まれつきの「属性」であり、本人の意思で男性であることを止めることは出来ない。
だからこそ、「女性専用車両」などと名乗りながら、実は任意協力でしかないのである。
もちろん「男性は乗ってはいけない」などと言うルールやマナーはない。
逆に、「男性に乗車しないことを強制してはいけない」というルールならあるが・・・(男性を強制的に排除すれば、刑法223条・強要罪に該当する可能性あり。体に触れた場合は刑法208条・暴行罪に該当する)
車内は若干立ち客もいるくらいの乗車率。
枚方市からは、京橋までノンストップで走る。
この後、京阪の本社を訪問することにしているので、とりあえず京橋で降りた。
帰りの車内では、女性客からの声掛けは結局なかった。これで良いのだ。
車掌のしつこい専用車アナウンスは不愉快だったが。
京橋が本社かと思いきや、調べたところ、現在ではどうやら天満橋に本社が移転したらしい。
後続の列車(女性専用車無し)に乗って一駅、天満橋へ。
この後の、京阪本社訪問は次のページで・・・