2024年8月17日にJR神戸線と神戸市営地下鉄西神・山手線で乗車会を行いました。
JR神戸線で西明石駅まで乗車したあと、新長田駅まで戻ってきてそこから神戸市営地下鉄西神・山手線に乗車。名谷駅で抗議も行いました。
以下、その報告です。
JR神戸線と神戸市営地下鉄に乗車
今回はJR大阪駅から開始して、以下のルートで乗車した。
- JR神戸線:大阪→三ノ宮(三ノ宮駅付近で昼食)
- JR神戸線:三ノ宮→西明石
- JR神戸線:西明石→新長田
- 神戸市営地下鉄西神・山手線:新長田→名谷(名谷駅で抗議)
- 神戸市営地下鉄西神・山手線:名谷→三宮
- JR神戸線:三ノ宮→大阪
今回の乗車会の目的と神戸市営地下鉄の現状
今回の目的はまずJR神戸線について、大阪駅から神戸駅あたりまではときどき乗車しているが、そこから先の西明石駅までの区間については会の活動としては長く乗車しておらず、たまには乗車しておく必要があると思われたこと。
そして、もう一つの目的はこの乗車会の3日前(8月14日)に神戸市営地下鉄西神・山手線の妙法寺駅でまたもや会員が個人で乗車中にトラブルに巻き込まれる事案が発生したことを受け、地下鉄名谷駅に抗議を行うためである。
神戸市営地下鉄については今年(2024年)2月に会員が西神・山手線の名谷駅停車中の車内で女性客から髪をつかまれた上、頭を数回殴られるという事件が発生(詳細はこちら)し、警察も出動するなどの騒ぎになった。
会員を殴った女性客は兵庫県警須磨署に現行犯逮捕された。
2月の事件については一部マスコミでも取り上げられるなどしたが、この事件を受けて当会では今年5月21日に当会代表と当事者の会員、そしてもう1人の会員の計3名で地下鉄の運営主体である神戸市交通局の本局を直接訪問した。
本局訪問の際、2月に発生したトラブルについて「本来は任意協力で、男性の乗車を禁ずる強制力がないにも関わらず『女性専用車両』という、強制力を持っているかのような名称で運行しているがために起きたトラブルである」として抗議すると共に、今後はこうした事案が起きないよう女性専用という名称をやめるか、出来ないなら「男性が乗っている」とクレームしてきた女性客に対しては任意協力であることをきちんと伝えること等を申し入れた。
その際、神戸市交通局側から「不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした」と、当該会員に対して直接謝罪があった。
ところがその後、6月にも同じ会員が西神・山手線の妙法寺駅で女性客に絡まれる事案があった。(詳細はこちら)
さらに今回の乗車会の3日前(8月14日)にも今度は女性客から「男が乗っている」と申告を受けた助役2名がまたも同じ妙法寺駅において車内に乗り込み、当該会員に移動するようしつこく声をかけた上、会員が無視していると助役が会員の体に触れたため会員が強く抗議した。
そのため列車が6分ほど遅れるトラブルに発展した。(詳細はこちら)
このように5月に交通局に直接申し入れをした後もトラブルが絶えないため、今回の乗車会では現場の職員(乗務員など)がきちんと『女性専用車両が任意であること』を認識しているのか確認する意味も含め、駅に抗議に行くことにしたものである。
JR神戸線:大阪~三ノ宮
前置きが長くなったが、ここから乗車会の報告に入ろう。
今回はJR大阪駅に11:00前に集合。
ここから神戸のJR三ノ宮駅まで乗車し、一旦改札を出て神戸から参加する会員達と合流。
三ノ宮で昼食を取ったあと、さらに西明石駅まで乗車する予定である。
今回はまず大阪駅ホーム6番線から発車する11:00発、普通宝塚行きに乗車する。
駅の電光掲示板には他の関西圏のJR駅と同様に女性専用車の案内の字幕が流されていた。
やがてその宝塚行きがやってきたので、その列車の女性専用車に乗車。
列車が到着した際、女性専用車から降りてくる乗客の中に男性と思しき乗客が1人混じっていた。
車内は所々空席もある程度の乗車率で、私達が乗車しても周囲の女性客やJR職員などからの声かけは無かった。
ここで数分程度の停車時間があるが、発車間際になって男性客が1人乗車してきた。
しかしその男性客は私達の方をじーっと見たあと、隣の車両へ移動していった。
心の中で「移動する必要もないのに」と思っていたら列車が発車。
大阪駅を発車してすぐに車掌が肉声で「ご理解ご協力を」と女性専用車アナウンスを流した。
しかし表向き「車内における迷惑行為防止の観点から」と言いつつ、実態は女性向け客寄せサービス化している女性専用車にご理解ご協力は致しかねる。
女性専用車両・女性専用席 | 鉄道 :JRおでかけネット (jr-odekake.net)
差別に当たる可能性が高いため、法的にも『任意協力』としかできないにも関わらず『女性専用』とウソをついた上、家族連れや高齢者の男性まで蔑ろにして、疑問や反対の声が出ればそれを「迷惑行為防止のための取り組み」という表向きの綺麗事で済ませようとする「女性ウケ狙いサービス」などになぜ「ご理解ご協力」とやらをしなければならないのか。
『痴漢対策のため』と言わず『迷惑行為防止の観点から・・・』と言い換えている点についても
「痴漢対策なら混雑のない昼間や土休日まで終日実施しているのはおかしい」という批判をかわそうという意図があるのではないかと勘ぐりたくもなるし、また
『(痴漢以外も含めた)迷惑行為防止の観点から・・・』というなら
「迷惑行為は必ず 男→女とは限らないのになぜ、迷惑行為防止で女性専用車なのか」と言いたくもなるが、それらにも触れるとあまりにも長くなるのでここでは一旦おいておくことにする。
なお、JR西日本の女性専用車のどこが「女性ウケ狙いサービス」なのかは当ページ内『JR神戸線 三ノ宮~西明石』の項で後述する。
SNS等を見ていると「女性を守るためのものは差別じゃない」などと言う専用車両賛成派もいるようだが、その理屈なら女性専用車を『任意協力』ではなく本当に強制することだってできるはずである。「女性を守るためのものは差別じゃない」のだから。
女性専用車が世に出て20年以上、なぜ未だにそれが出来ないのかよく考えてみるべきだろう。
「女性を守るためのものは差別じゃない」がまかり通るなら、それは逆に言えば「どんな差別をしようが『女性を守るため』と(表向き)言っておきさえすればOK」ということでもある。女性を守る気がなくても『女性を守るため』とさえ言っておけばいくらでも差別を正当化できるのだ。
現にJR西日本の社員が痴漢や盗撮で逮捕されるケースが今でも後を絶たない。当会ニュースでも何度か取り上げているからご存じの方も多いだろう。
もちろんJR西日本の社員の方々の多くは真面目に仕事をしておられると思うし、そんな方々まで悪く言うつもりはないのだが、ごく一部であってもこのような行為に及ぶ社員が後を絶たない現状があれば、女性専用車を「迷惑行為防止」として運行している会社に対して、やはり不信感を抱かざるを得ない。
女性専用車に熱心なJR西日本でこのような行為に及ぶ社員が後を絶たない一方、京都市営地下鉄等をはじめとする「女性専用車両の全くない鉄道事業者」では社員(職員)が痴漢や盗撮などで捕まったという話はあまり聞かない。
「偶然だろう」という意見もあるかも知れないが、こうして見ると女性専用車に対する熱心さと、社内での痴漢や盗撮等の犯罪の発生頻度がきれいに反比例しているようで、何か象徴的な感じがしなくもない。
もちろん女性専用車を本当に「女性を守るためのもの」だと認めたとしても差別は差別である。痴漢対策などは車内防犯カメラなど他の善良な市民を排除しない方法でするべきであり、女性専用車が「女性を守るため」という理由であったとしても【目的は手段を正当化しない】のである。
なお、「女性専用車両は差別じゃなくて区別です」なんて言ってしまう人は『差別』と『区別』の定義についてもう一度ちゃんと勉強した方が良いだろう。
さて、大阪駅の次の塚本駅を出て尼崎駅には11:08に到着。
今、私達が乗っている列車は宝塚行きで私達の目指す神戸方面には行かず、また尼崎駅から会員1名が合流する予定になっているので私達はここで下車した。
ホームに降りると合流予定の会員が待っていたので、その会員とともに目の前に停まっていた普通西明石行きに乗り換えた。
車内は空いている。私達は一か所にまとまって座席に着席した。ここでこちらの列車でも「ご理解ご協力を」と車掌が肉声でアナウンス。
もちろん先ほども言ったとおりご協力は致しかねる。
この時点で私達のほうが結構な人数になっていたので、空いた車内では結構目立つ存在だったことだろう。私達の近くの席に座っていた女性客の1人が他の席に移動した。
当然だが、私達の方から先に女性客に何かをすることはない。
女性客から話しかけられない限りこちらから話しかけることは原則しないし、こちらから先に女性客に絡むような行為は当会内では禁じている。
途中の西宮駅で隣の車両から男性を含むグループ(多分家族連れ)が女性専用車内を「大丈夫やろ」と言いつつ通り抜けて下車していった。
通り抜けはもちろん、乗車し続けるのも(本当は)「大丈夫」である。
西宮駅ではわずかに女性客が乗車してきたが、西宮駅で降りた乗客の方が多かったため、空いていた車内はさらに空いてガラガラになった。
私達以外に女性客が数えられるほどの人数しかいない。
芦屋駅で快速の先発待ち。
快速から乗り換えの乗客が乗車してきたが、それでもまだ車内は空いている。ここから乗車した乗客の中に男児を連れた母親とみられる女性客が乗車してきた。
車内のモニターでは(ここだけでなくすべての駅でそうだが)『女性専用車 Women Only』という、どう考えても任意協力とは思えない表示がされていた。
以前から当会が言い続けてきたことだが『女性専用”車”』という表示なら、任意だとは非常に解釈しにくいもののまだ「女性専用車という名前なだけで、実は任意協力の一般車両」という解釈もギリギリ不可能ではない。
しかし「女性専用」英語で「Women Only」と言ってしまうと、これはどう考えても「女性専用であって男性は乗れない」という解釈しか出来ない。
JR西日本だけでなく他社局にも「事実に反する表示であり、即刻改めるべき」と当会は主張しているが、「Women Only」表示についてはなかなか改善されない。
住吉駅辺りから乗客が増え始め、座席がほぼ埋まってきた。
六甲道駅で男性が1人乗車してきたが、女性専用車の表記に気づきすぐ隣に移動。
「移動しなくても良いのに」と心の中で思わず言っていた。
結局、座席がほぼ埋まったくらいの状態で神戸の中心街にある三ノ宮駅に11:46に到着。私達はここで一旦下車する予定になっていたのでそのまま降りた。
下車する際に黒っぽい色眼鏡をかけた女性客が小声で「女性専用車」と言って通り過ぎていったが、だから何だというのだろう。
私達が気付かずに乗っていると思って言ってきたのなら「知ってます」と返すところだし、それでも「女性専用車だから降りろ」と言うなら、不本意ながら駅や車内でトラブルに発展する可能性もある。
ただ私達は三ノ宮駅で降りる事になっていたのと、この女性客はさっさと通り過ぎて行ったので結局無視した。
今回は大阪駅からだけでなく三ノ宮駅から参加の会員もいる。そして三ノ宮集合の会員達と合流してこの先の乗車をする予定である。
だから三ノ宮駅で必ず降りる必要があったのだ。
会員と合流&昼食
三ノ宮駅から参加のメンバーは12:00集合である。私達が駅の改札を出ると、すでにここから参加の会員達が集合場所に集まっていた。
合流して挨拶を交わし、ここでしばらく立ち話。
その後、予定通り三ノ宮駅近くの飲食店に入って昼食とした。
今回は参加人数が多く、食事をしながらいろいろな話をして盛り上がり、楽しいひとときを過ごすことが出来た。
当会は単に活動するだけでなく、こうした会員間の交流なども重視している。
近年、当会に入会した会員には以前からX(旧:ツイッター)などSNS上で女性専用車両のことなどについて気の合う人(アカウント)とやりとりしていて「直接会ったことはないが実はお互い知っていた」という人も多く、入会してから目の前の相手がSNS上でやりとりしていた相手だと知り「Xの○○さんですか? おおーっ!」というパターンが見られるようになってきている。
SNSが普及した現代ならではのことであり、当会が発足したばかりの20年前頃には考えられなかったことだ。
女性専用車両に反対の方で「自分もこの会に参加してみよう」と思う方は是非入会申し込みフォームから申し込んでほしい。
JR神戸線:三ノ宮~西明石
さて、食事を終えて私達は再び三ノ宮駅に向かった。
駅の改札口にある電光掲示板では大阪駅同様に「女性専用車は土曜・休日を含め、毎日始発から終電まで設定しております。どうぞご利用ください。」と字幕が流れていた。
かつてモニターやポスターで『乗ってますか?女性専用車』『毎日終日運行しているからいつでも乗れる』『行きも帰りも女性専用車もう私の習慣です』と女性専用車を毎日終日運行していることを売り物のように宣伝(つまり「迷惑行為防止の観点」だなんて、ただの表向き)していたJR西日本だが、今でも(やや遠回しな表現だが)こうした「女性専用車は土曜・休日を含め、毎日始発から終電まで設定しております。どうぞご利用ください。」という字幕でやはり「毎日終日運行していることをアピールして女性客を獲得しようとしている」ようにも取れる。
公共交通機関としてこれはどうなのか。
不快な思いをする男性客もいるだろうし、家族連れの男性や高齢者の男性まで「迷惑行為防止の観点」と称して(任意協力を逃げ道にしながら)事実上排除しているのである。
もっとも、過去にJR西日本が『毎日、終日運行しているからいつでも乗れる』などと女性専用車の終日運行をウリにして宣伝していた過去を知らなければこの「女性専用車は土曜・休日を含め、毎日始発から終電まで設定しております。どうぞご利用ください。」という電光掲示板の字幕も(女性客を引きつけるための宣伝ではなく)「平日朝だけだと思って勘違いしている男性客に知らせているだけ」という風に見えることだろう。
さて、私達は三ノ宮駅13:01発の普通須磨行きに乗車することにした。
車内は空いている。乗車しても特に声かけなどは無かった。
元町駅を過ぎて、その次の神戸駅ではホームに「ウエストエクスプレス銀河」の車両が停まっているのが見えた。
そして神戸駅の次の兵庫駅に停車した時に男性教師と男女の生徒数人と見られる学校関係者らしきグループが階段から上がってきてからホームを走って隣の車両へ駆け込んでいくのが見えた。
いつも言っているがJR西日本は女性専用車をわざわざ階段やエスカレーターなどの前の一番便利な位置に持ってくるようなこともやっている。
(兵庫駅では写真を撮れなかったので、過去の乗車会の際にJR桜島駅で撮った写真を下に出した)
他社局でも駅によっては偶然そうなることもある。しかしJR西日本はわざとやっているようなフシがある。(上記 左側の資料参照)
これでは女性専用車が危険な駆け込み乗車を誘発しているともいえるだろう。
もちろん女性専用車がなくても駆け込み乗車自体は無くならないだろうが、このように一番便利な位置に女性専用車を持ってくると言うのは駆け込み乗車をさらに増やすことになりかねない。
安全よりも女性客の利便性の方が優先なのか?
列車はさらにいくつか駅を過ぎて行き、須磨海浜公園駅停車中にふと車内を見ると、少し離れたところで男性客が1人立って乗車しているのが見えた。
この列車の終点の須磨駅には13:18に到着。折り返し京都行きになるようだ。
他の乗客はすべて降りたが、私達はしばらく車内に留まり、乗務員や清掃員などが私達に声をかけてこないかチェックすることにした。
折り返しの際に運転士と車掌が場所を替わるため、ホームや車内を歩いて通り過ぎて行くのだが、その時に女性専用車(と名の付く車両)に私達がいるのを見て声をかけてこないかどうかチェックするのである。
JR西日本の場合は近年では男性と思しき乗客が女性専用車に乗車していてもほぼ声をかけてくることはなくなった。
この列車でもしばらくして清掃員が車内を通り過ぎ、その後車掌や運転士と思われる職員も私達の乗車している前を通り過ぎていったが、声かけは一切無かった。
声かけについてはこれで良いのである。
声かけチェックも済んだので京都行きとなったこの列車からは降り、ホームでしばらく後続の13:26発普通西明石行きを待つことにした。
須磨駅はすぐ目の前が海水浴場である。
この日も大変暑い一日であったが、海辺にはたくさんの人々が海水浴などを楽しんでおり、非常に賑わっていた。
やがて駅構内に放送が入り、私達が乗車する13:26発の西明石行きがやってきた。
乗車したが、声かけは無し。
車内はやはり空いている。
ここでふと車内を見るとJR西日本の普通列車にも防犯カメラが付いていた。(少し前までは車内防犯カメラは新幹線と在来線の快速や新快速などでしか見かけなかった)
車内防犯カメラは防犯の取り組みであり結構なことだが、女性専用車は先ほども少し触れたとおり、迷惑行為防止(痴漢対策)を表向きの理由にした体の良い「女性客引き寄せサービス」と化しており、およそ防犯対策とは言えない。
車内防犯カメラがJR埼京線で痴漢6割減の実績を残したことは有名であるが、一方で女性専用車を設けても痴漢が他の車両に移動するだけであって、実際に痴漢が大きく減ったというデータはない。また「女性専用車があってもわざわざ乗らない」という女性も多い。
さらに利用している女性の中に「くさい親父がいなくて快適」とか「空いてて楽」等のような自己中心的な意見が多いようではお話にならない。
しかもその上、女性専用車を運行しているJR西日本も真剣に迷惑行為防止(痴漢対策)を考えて女性専用車を運行しているのかと言えばそうではなく、先述の通り女性ウケを狙う方向に走ってしまっている。
またこれはJR西日本に限らないが、設定した当初は痴漢対策だと言われていたものの、のちに鉄道会社は「女性専用車を設けても目に見えて痴漢の件数が減らないこと」や「閑散時を含めた終日運行」など、痴漢対策という理由では矛盾を指摘されることに気づいてきたのか、今では痴漢対策と言うことを避けているようにも見える。
途中、明石駅の一つ手前の朝霧駅で少ない乗客がまとまって降り、車内はさらにガラガラになった。
女性専用車内は私達以外に女性客が10人もいない。
次の明石駅で残りの女性客もほとんど降り、次の終点西明石駅までの間は私達以外は女性客が2人だけだった。
終点の西明石駅に13:43到着。
この後は京都方面に折り返すようだったので、ここでも須磨駅と同様に到着後しばらく車内に留まり、乗務員などからの声かけがないかどうかチェックした。
ここでも乗務員や清掃員が車内やホームを通り過ぎていったが、声をかけてくることはなかった。
JR神戸線:西明石~新長田
西明石駅からは神戸方面に折り返すが、今回は大回り乗車ではないので一旦改札を出て切符を買い直す。
買い直した切符で再び駅構内に入り、階段を降りるとすでに乗車予定の14:01発の普通松井山手行きがホームに停まっていた。
西明石駅始発ということもあり、車内はガラガラでほとんど誰も乗っていなかった。
発車時刻までまだしばらくあるが、とりあえず乗車して発車時刻を待つことに・・・
車内の座席に全員着席して発車時刻を待っていると、ホームを通りかかった1人の男性客が歩きながら喧嘩を売っているのかと思うような目でこちらをじろじろ見ながら通り過ぎていった。
女性専用車を規則やルールの類だと思い込んで「俺はルールを守らない奴は許さない!」と言わんばかりにいきり立っている、いわゆる「正義マン」だろうか。
どちらにしても『女性専用車』という名前を文字通りに信じ込んでいる時点で思いっきり「無知」なのだが・・・
もし車内に乗り込んできて文句をつけてくるならトラブルにもなるかと身構えたが、そのようなことはなくそのまま通り過ぎていった。
やがて発車時刻になり、西明石駅を発車。
発車してすぐ車掌が肉声で女性専用車アナウンスを流した。
次の明石駅で多数乗車してきて座席が埋まる。
この列車内では特に何も無く14:18に須磨駅に到着。ここで須磨駅始発の後続列車に乗り換えるために下車した。
少しでも多く任意周知するためである。
そして須磨駅に停車中の(須磨駅始発)14:27発普通京都行きに乗車。停車中に車掌が女性専用車アナウンスをした。
発車時刻になり、須磨駅を発車。
車掌は発車後にも何度か繰り返し女性専用車アナウンスをした。
私達の存在に気づいていたからだろうか。それにしてもこの車掌のアナウンスはしつこかった。
須磨駅を発車した時点ではガラガラだったが、次の須磨海浜公園駅で少し乗ってきた。車内はまだ空席がある。
この列車には新長田駅まで乗車して、そこで神戸市営地下鉄に乗り換える予定である。
そして、新長田駅からさらにもう1人会員が合流する予定である。
その新長田駅には14:33に到着。私達はここで下車した。
新長田駅から合流する予定の会員が今、JR神戸線でこちらに向かっているとのことだったのでしばらく待つことにした。
待っている間に後続の列車が到着したが、女性専用車に男性が2人ほど乗っているのが見えた。
やがて合流予定の会員がJR新長田駅に到着したのでホーム上で合流。参加者全員と挨拶を交わし、そのまま改札を出て全員で地下鉄の新長田駅に向かった。
神戸市営地下鉄西神・山手線:新長田~名谷
地下鉄新長田駅から14:56発西神中央行きに乗車。
車内は座席がほぼ埋まっている程度で混んではいない。特に声かけは無く何駅か過ぎ、一瞬地上に出て今年6月とつい先日(8月14日)にもトラブルのあった妙法寺駅。
ホームの部分だけが地上の妙法寺駅を出てまたすぐ地下に戻り、さらにもう一駅進んで再度地上に出ると名谷駅。名谷駅も妙法寺駅と同じく地上の駅で地下鉄感はあまりない。
ここで下車して8月14日のトラブルの件なども含め、抗議することにした。
名谷駅で抗議
私達は抗議のため、ホームから階段を上って駅の窓口に行った。
このページの冒頭でも述べたが、もう一度整理しておくと
- 神戸市営地下鉄では今年2月に個人で非協力乗車していた当会の会員が名谷駅停車中の車内で女性客に暴行され、暴行した女性客が警察に現行犯逮捕される事件があった。
- そのため、5月21日に当該会員含む3名で交通局の本局を訪問し、2月のトラブルについて「本来は任意協力で、男性の乗車を禁ずる強制力がないにも関わらず『女性専用車両』という、強制力を持っているかのような名称で運行しているがために起きたトラブルである」として抗議すると共に、今後はこのようなことが起きないように努めるよう申し入れた。
- しかしそれ以後も6月に(2月とは別の)女性客が会員にしつこく降車を要求しトラブルとなり、さらにこの乗車会の3日前の8月14日にもまた同じ会員が今度は女性客から申告を受けた助役らからしつこく降車を迫られたうえ、体を触られる事案が発生したので「本局から指導はあったのか?」そして「もしあったのなら現場はきちんと守る気があるのか?」ということで抗議することにしたものである。
しかし応対した名谷駅の助役は「僕の立場では交通局として公式に回答することは出来ませんので・・・」の一点張り。
さらに、2月に女性客が当会会員に暴力を振るい大騒ぎになったことも、5月に当会が交通局に申し入れを行ったことも全く知らない様子。
どうやら当会が交通局本局を直接訪問して抗議や申し入れをしたにも関わらず、本局から現場に連絡や指導等はなされていなかったらしい。
余談になるが後日、当該会員が個人的に神戸市交通局に8月14日のトラブルについてメールで抗議したところ交通局から返信があり、以下のようなことが記載されていた(要約)。
- 女性専用車両は男性乗客の任意協力により運用しており、係員による移動や降車のお願いはしていないが、他の乗客(ここでは女性客)から対応を求められた場合、現行の取扱いは「女性専用車両である案内だけにとどめ、移動や降車を求めない」となっており、一旦は案内の声かけをする場合がある。
- 今回対応した係員は上記の取扱いをしっかりと認識していなかったので今後周知徹底する。
- 女性専用車両については、廃止を求める意見がある一方で、より厳格に運用を求める声も多数ある。
少なくとも今年5月に当会が行った申し入れを現場に伝えていたなら、当該係員が「取り扱いを認識していなかった」などありえないはずである。
『今後周知徹底する』と言っても、当会が5月に交通局に直接申し入れしたにも関わらず、今まで周知出来ていなかったことから「本当に周知徹底するのか?」と言いたくもなってしまう。
「女性専用車両をもっと厳格に運用を求める声を多数頂いている」という事についても正直なところ「本当か?」「男性を半ば騙して事実上排除しようとしていることに対する言い訳ではないのか?」と疑いたくはなってくるが、もし本当にそういう声が交通局に大量に届いているのだとしても、だからといって「任意協力」の車両に自分の意思で乗車している男性に対してしつこく声をかけ続け、それでも降りなければ体に触れてよいという理由にはならない。
どうやら神戸市交通局に対しても、今後さらに粘り強く抗議活動を続けていく必要がありそうだ。
神戸市営地下鉄西神・山手線:名谷~三宮
抗議を終えて名谷駅15:26発の新神戸行きで三宮(神戸市営地下鉄の駅は『三ノ宮』ではなく『三宮』表記)方面に戻ることにした。
私達がその列車の女性専用車両に乗車すると少しだけこちらを見てきた女性客はいたものの、こちらもさほど混んでいるわけではなく、私達が三宮駅で降りるまで声かけはなかった。
今年に入って当会会員が度々トラブルに見舞われている場所だが、たまたま声かけがなかっただけなのか、それとも私達が集団だったからか。
名谷駅を出ると三宮駅までは妙法寺駅付近を除き、すべて地下である。
先ほど乗車した新長田駅も過ぎ、さらに地下を進んで三宮方面を目指す。
途中の大倉山駅で女性専用車両内を男性が通り抜けた。
そして15:45頃に三宮駅に到着。ここで下車した。
車内は座席が埋まって少し立ち客がいる程度でそれほど混んでいないと思っていたが、ホームに降り立つと各車両に乗車していた乗客が一斉に降りて、ホームは人で一杯になった。16時前のまだ帰宅ラッシュには少し早い時間帯であるがゆえ、車内はそれほど混んでいなかったが、やはり神戸の中心街ということで、三宮駅の利用者は少なくないようだ。
神戸から(正確にはJRの三ノ宮駅から)参加したメンバーはここで解散し、各自帰路についた。
一方、この乗車会に大阪方面から参加したメンバーは引き続き、JR神戸線で三ノ宮駅から大阪方面へ向けてさらに乗車する。
JR神戸線:三ノ宮~大阪
地下鉄三宮駅から地上に上がり、再びJR神戸線の三ノ宮駅に戻った私達は16:03発普通松井山手行きに乗車、車内は所々空席があるぐらいで空いていた。
乗車して各自着席したが、特に声かけ等はなく、途中いくつか駅を過ぎていくうちに乗客が少しずつ降り、車内はさらに空いてきた。
途中の住吉駅で1人の男性客が乗車してきて優先席に着席。甲南山手駅まで乗車した。
この方は足が不自由な方のようだった。
また、途中で男児を連れた母親と思われる女性が乗車してきたが、私達のことは特に気にする様子もなく、近くに着席した。
JR神戸線三ノ宮~大阪間は新快速なら20分ほどで着いてしまうが、普通列車だと40分以上かかる。
(JR神戸線や京都線等の快速・新快速には女性専用車無し)
車内は空いていて、他の乗客から声かけがありそうな気配もなく、時々会員同士で何気ない会話をするなど、いつしか非協力乗車というより、電車で普通に移動している時のような雰囲気になってきた。
尼崎市内の立花駅あたりから急に乗客の数が増えてきて、そのまま次の尼崎駅に到着。
この列車は尼崎駅からJR東西線経由で松井山手駅まで行く(大阪駅に行かない)列車なので、ここで連絡していた16:37発の普通高槻行きに乗り換え。
乗り換えた高槻行きの車内はそれほど混んでいなかったが、すでに男性と思しき乗客が1人乗車しており、座席に座りながら下を向いて寝ていた。
一方で両隣の車両と女性専用車の混雑差が明白であった。
しかしながら混雑差も問題だが「それが解消すればOK」というものでもない。女性専用車に関しての一番の問題は「差別」であり「人としての尊厳」に反することであるからだ。
痴漢被害も人間としての尊厳に反するという反論もあるかも知れないが、ここまでさんざん述べてきた通り「女性専用車は痴漢対策ではない」し、またこれを痴漢対策と認めたとしても「手段は目的を正当化しない」。
当会は「痴漢対策は他の善良な市民を排除しない方法で行うべきである」と言っているのであって、痴漢対策自体をするなとは決して言っていない。
痴漢が減らない上に差別に当たり、しかも『くさい親父がいないから快適』などと言う自己中心的な女性客が調子に乗る女性専用車ではなく、「差別にならない上、JR埼京線で痴漢6割減の車内防犯カメラなど、ありとあらゆる他の手段に取って代わるべき」と主張しているのだが、なぜかこういう主張をすると必死になって防犯カメラをはじめとする「女性専用車両によらない痴漢対策」を否定する者が出てくる。
最近は「鉄道会社が車内防犯カメラを設置しても女性専用車は廃止されない」と分かったためか、当会が車内防犯カメラを推進しても「防犯カメラごときに何が出来る!」とネットで大騒ぎする者はほぼいなくなったが、こういう賛成派の動き一つ見るだけで女性専用車に賛成している者の中に「痴漢被害者がいる以上、女性専用車が絶対に必要」と言いながら実は効果的な痴漢対策など求めておらず、「痴漢やその被害者の存在を口実に、女性専用車をどこまでも増やしたいだけ」の輩が少なからずいることが分かる。
本当に効果的な痴漢対策を求めているなら「JR埼京線で痴漢6割減」の監視カメラに飛びつくはずであり、「カメラごときに何が出来る!」と、痴漢6割減の実績を無視して「防犯カメラ叩き」などをするわけがないからだ。
結局、こちらの列車でも声かけなどは全くなく16:44頃、無事に大阪駅に到着。
今回はここで改めて解散し、乗車会は終了とした。