2022年4月 関西本部:JR線(おおさか東線&大和路線等)で非協力(任意確認)乗車会

活動履歴

当会関西本部では4月3日にJR大阪駅からJR京都線で新大阪まで行き、そこからおおさか東線や大和路線、そして大阪環状線の天満駅まで乗車会を行いました。

JR西日本では3月12日にダイヤ改正があり、その関係でおおさか東線の使用車両がすべて新型の221系に置き換えられましたが、その告知ポスターで「ロングシートからクロスシートへ」「トイレがあります」と221系の快適性をアピールしながら、それと同列に「女性専用車があります」とも記載し、女性専用車の存在もアピールしていました。

当会は以前から「JR西日本は女性専用車を営利目的にしており、痴漢対策とは全くかけ離れている」と主張してきましたが、やはりJR西日本が女性専用車を女性客を引き付けるための「ウリ」にしているのは相変わらずのようです。

以下その報告です。


201系の置き換えの221系の快適性をポスターでアピール

大阪~新大阪(JR京都線)

大阪駅15:02発 高槻行き普通に乗車。

日曜日の日中のため、車内はさほど混んでいなかった。

立ち客がちらほらいる程度。

車内では特に何事もなく、約3分で次の新大阪駅に到着。乗り換えのため下車した。

以前に比べると他の乗客からの声掛けも非常に少なくなったし、駅員や乗務員からの声掛けもないか、または声をかけてきてもこちらが移動を断ればそれ以上しつこくはしなくなってきたが、女性専用車をセールスポイントとしているJR西日本の姿勢は相変わらずである。

新大阪駅でJR京都線からおおさか東線に乗り換えるため構内を歩いていると、こんなポスターが貼ってあるのを見つけた。

JR新大阪駅のポスター

先日(2022年3月12日)にJR西日本でダイヤ改正があったのだが、その際にこれまでおおさか東線で使用されてきた、201系という国鉄時代からの古い車両がすべて221系に置き換えられたのである。

221系もJRになってからの製造とは言え相当に古いが、かつては新快速として関西エリアの東海道・山陽線で大活躍していた車両である。

車内は一見、特急列車かと思うような快適なクロスシート車両(向かい合わせに座る座席)であり、また車内にトイレも設置されている。

全車両が首都圏の普通や快速列車のグリーン車のような車両(ただし2階建てではない)で、しかもそれに通常の運賃だけ(グリーン料金等の特別料金なし)で乗れるようなものである。

これまでの「純粋な通勤用車両」である旧型の201系とは大違いだ。

201系
221系

JR西日本がそこをセールスポイントとしてアピールするのは分かるのだが、その中に「女性専用車があります」という表記も当たり前のように記載されていた。

女性専用車があることがクロスシートやトイレ設置と同じく「素晴らしいこと」であるといわんばかりだ。

何度も言っているが、そもそも公共交通機関に女性専用車のようなものを設けること自体が「同じ運賃を支払えばだれでも公平に利用できる」という公共交通の大原則に真っ向から反するものだ。

そこを「痴漢対策のため」と言って、反対を押し切って導入されたのが女性専用車なのである。

それを収益を上げるための「女性ウケ狙いサービス」に利用するとはどういうことか。

営利目的のために男性を差別しながら「痴漢対策なので差別には当たりません」と言っているようなものだ。

公共交通機関としてあるまじきことではないか。

しかも、もし差別だと言われても「強制していないので差別には当たりません」とうまくかわせるよう、女性専用車は建前上『任意協力』になっているのである。

おおさか東線 新大阪~久宝寺

さて、新大阪駅のおおさか東線ホームには15:10発の久宝寺行きが停車していた。

車両はもちろん新型の221系である。

新大阪駅の駅標
新大阪に停車中の久宝寺行

私達が車内に入ると、すでに結構な数の男性客が乗車していた。

ベビーカーを引いた若い夫婦、座席で会話している若い男性2人組。その他やや年配の男性もいた。

そこへ私達も集団で乗車したので、車内の男性の数はかなりのものになった。

日曜日の昼間のため、車内にはまだ少し空席がある。

参加メンバーも各自、空いた座席に着席した。

おそらく他の鉄道事業者の多くが土日祝日は女性専用車両を運行しないので今日は設定がないものと思って乗車している可能性が高いが、逆に言えば土日祝日も混雑のない日中も関係なく毎日・終日女性専用車を運行しているJR西日本が異常なのである。

そもそも女性専用車両(JR西日本では女性専用車)は『混雑時の痴漢等迷惑行為防止の観点』から設置されたということになっている。

しかし、混雑のない日中や土日祝日にも設置している時点で、『迷惑行為防止』などただの建前でしかないことが分かる。

しかも以前、JR西日本に女性専用車を設けて痴漢はどれくらい減ったのかと尋ねると「公開するために統計を取っているのではありません」と言って公開を拒否した(2016年活動報告)。

このことからも、女性専用車を設置しても特に痴漢は減っていないであろうことがうかがえる。

そもそもよく考えてみてほしい。

仮に痴漢する男性がいたとして、その男性が女性専用車両に乗らなければ他の車両では痴漢をしないようになるだろうか。

いや、きっと他の車両にまだ十分にいる女性客に痴漢をすることだろう。

むしろ女性専用車両があると他の車両では混雑率が上がって痴漢しやすい環境になっていると感じる。

つまり、結局女性専用車両でない車両で痴漢が起き、女性専用車両があったところで痴漢を減らすことにはならないのである。

それに、よく「女性専用車は差別だといわれるが、痴漢被害が圧倒的に女性だけに集中していることに配慮した措置であって差別ではない」などと言う詭弁を弄する者がいるが、そもそも「痴漢対策」自体がウソであり、女性専用車はど真ん中の差別である。

大体、土日祝日の日中などは混雑がないばかりでなく、客層としても家族連れや恋人連れなどが多いと思われ、そうしたところに痴漢対策と称して終日、それも多くの駅で階段などの位置に合わせて女性専用車を設置するのは非常に疑問である。

私達がJRで乗車活動をしている時も家族連れが乗車後、男性(夫や父親)だけ隣の車両に移動したりというような光景を何度か見てきた。

表向き痴漢対策と言いつつ、こういうところもかなり痴漢対策からは外れているといえる。

JR西日本は家族連れの男性(夫や父親)が家族の目の前でおかしなことをするとでも言うのか?

JR西日本や熊本市交通局などは政治的圧力はほぼ関係なく、自分から「女性専用サービスは世間から良い目で見られるし儲かるだろう」と、レディースデー的発想で女性専用車両を設置している可能性が高い(実際には良い目で見られるかも、儲かるかも疑わしいが・・・)。

一方で首都圏の多くの路線や各都市の地下鉄などでは公明党などの政党が市議会などで鉄道事業者にかなりの圧力をかけて推進してきたという経緯がある。

レディースデー的発想や政党の票集め策になっている時点で女性専用車両はすでに痴漢対策ではない。

表向きの理由は「痴漢対策」だが、実際は女性向けの人気取り政策であり、また政党の実績作りのための政策でもある。

特にコロナで乗客が減ったのをチャンスとばかりにこの機を捉え女性専用車両のさらなる拡大を要望とは・・・。

本来、痴漢対策ならより混雑する路線にこそ必要なはずだが、逆に「混雑が緩和されたから」と女性専用車両をここぞとばかりに推すのは、それが痴漢対策のための手段ではなく、もはや専用車を拡大すること自体が目的化してしまっていることの表れである。

そうしたところも「女性専用車両は差別じゃない論」に対する反論として使えるだろう。

なおもう一度念のために言っておくが、JR西日本の女性専用車は自発的なものであり政治絡みではない。

政治絡みは主に首都圏の多くの鉄道事業者と、札幌・名古屋・大阪など各都市の地下鉄などである。

新大阪停車中も特に駅員や乗客からの声掛けもなく、列車は発車時刻通り無事に出発した。

JR京都線の東淀川駅の横を通過してしばらくすると高架に上がりJR京都線と分かれ最初の停車駅、南吹田に到着。

その後も各駅で少しずつ乗客の入れ替わりはあったが、車内の乗車率に大きな変化はなく、鴫野しぎのから学研都市線と次の放出はなてんまで並走する。

やはり(旧型の)201系のロングシートと異なり、元新快速のクロスシートは快適そのもの。

しかしJR西日本は女性専用車の存在をそれと同等にセールスポイントとしてアピールしているのである。

クロスシートや車内トイレのように誰もが受けられるサービスと、男女同じ運賃を取りながら男性だけを事実上排除し「臭いオヤジがいなくて快適」などという、一部の女性客を喜ばせている女性専用車を同列に扱うこと自体おかしいが、JR西日本は「女性客と違って男性客はあまり文句を言ってこないし、痴漢対策と言っておけば大抵は騙されて納得するから全然問題ない」と、男性客をなめているとしか思えない。

だからこそ私達は鉄道事業者に抗議するのであって、女性に恨みがあるわけではない。

そしてなぜ乗車するのかと言えば、鉄道事業者に直接抗議しても糠に釘だからである。

もちろん鉄道事業者に反対意見の存在を示すために直接抗議も行うが、抗議しても任意協力を盾に「強制していないから差別ではない」と逃げを打たれるだけである。

つまり、抗議しても適当にやり過ごされるだけなので「そんなに任意というなら実際に乗りますよ」ということで乗車しているのである。車内の女性客に抗議したり嫌がらせをするのが目的ではない。

ましてや痴漢行為をすることが目的などでは決してないが、インターネットを見ていると「女性専用車両に反対する奴は痴漢」などと、繰り返し何度もレッテルを流し続けている者が存在する。

しかし、これなどは送信者自身で「私は上辺でしかものを判断できない人間です」と公言しているようなもの。

先にも述べた通り、女性専用車両は痴漢対策ではないし、また導入後特に痴漢が減っていないので鉄道事業者も「公開するために統計を取っているのではありません」と、認知件数を隠すのである。

つまり、女性専用車両があっても痴漢は他の車両でやりたい放題できるので、痴漢は何も困らない。

よって「痴漢が女性専用車両に反対する必要はない」のである。

にも関わらず「女性専用車両に反対する奴は痴漢」と言っているのだから、いかに上辺だけでしかものを見られていないかが良く分かる。

その点、女性専用車両で痴漢が減らないと分かったらすぐに「女性専用車両は痴漢を減らすためのものではない、シェルターだ」と主張する者の方がまだ論理的だとは言えるだろう。

しかし、これはこれで今まで使っていた理由が使えなくなったからと今度は別の理由をもってきているわけで、何が何でも女性専用車両をなくさせないために理由を後付けしているということなのだが・・・。

列車がJR長瀬駅付近に差し掛かったころ、遠くのほうに『あべのハルカス』が見えた。

距離で言うと5~6キロぐらいは離れているだろうか。

あべのハルカスがあるのはJRで言うと天王寺駅の近くだが、高さが約300mもある超高層ビルであり、ここからでもその存在をはっきり見ることが出来る。

JR長瀬駅付近。
中央やや左寄りにあべのハルカスが見える。

その後、後から追加設置された衣摺加美北きずりかみきた駅を過ぎ、さらにその次の新加美駅を過ぎるとJR大和路線と並走して終点の久宝寺に到着である。

JR大和路線 久宝寺~天王寺

久宝寺には15:43に到着したが、次の大和路線天王寺方面行までしばらく時間があった。

10分あまり待って15:55頃、JR難波行きの普通列車が入ってきた。

こちらはまだ旧型の201系だったが、もうしばらくすると大和路線からも完全に姿を消すのだろう。

久宝寺駅に入ってきたJR難波行普通列車

到着時点で車内はガラガラだったが、久宝寺でさらに何人か降りていった。

入れ替わりに私達が乗車したが、私達以外には乗客が3人だけという状態だった。

JR難波行きはここで大和路快速の先発待ちのため、16:01まで停車する。

その3人のうち1人は男性だったが、大和路快速が到着するとそちらに乗り換えていった。

大和路快速からは女性客が2人ほど乗りかえてきたが、車内がガラガラのままであることに変わりはない。大和路快速を見送り、予定通り16:01に久宝寺を発車。

先ほど「おおさか東線 新大阪~久宝寺」の項の最初の方で

「そもそも女性専用車(両)は表向き「混雑時の痴漢等迷惑行為防止のため」設置されたということになっている。しかし混雑のない日中や土日祝日にも設置している時点で、「迷惑行為防止」などただの建前でしかないことが分かる。」

と述べた。

以下の写真は久宝寺を発車してすぐの時点での車内の様子である。

こんな状況で女性専用車を運行しているJR西日本。
痴漢対策はウソである。

こんな状況で(混雑に紛れてドサクサに行う)痴漢が発生するだろうか?

混雑していないどころか、そもそもほとんど人がいない。

JR西日本は2011年に女性専用車を終日化したが、その時の理由というのが「平日の昼間も土日祝日も平日の朝ラッシュと同じように痴漢が発生している」というもの。

デタラメも甚だしい。

(警視庁サイト「都内における痴漢犯罪の発生状況 ~ 平成22年上半期 ~ 」より。)

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no1/koramu/koramu8.htm(現在はリンク切れ)

これは平成22年(2010年)の首都圏における時間帯別痴漢認知件数だが、ご覧の通りである。

首都圏は関西圏と違い、昼間でも列車によってはそこそこ混んでいることもある。それでも昼間はこの通りなのだ。

まして関西の昼間のガラガラの列車で朝ラッシュ時並みに痴漢が発生するなど、ありえない。

しかし、JR西日本は女性専用車終日化を痴漢対策の名目の下に強行した。

JR西日本が女性専用車拡大による客寄せ効果への期待から、終日化に性急になっていたであろうことがはっきりと読み取れる。

そのJR西日本が女性専用車を終日化した際の宣伝がこちら。

キャッチフレーズは、

「いつでも女性専用車」

である。

どう見ても女性専用車終日化で女性客を呼びこもうとしているようにしか見えない。

JR西日本は女性専用車を設置することで、鯉のいる池にエサをばらまいた時のように女性客が飛びついてくることを期待していたのではないだろうか。

その後も「毎日、終日運行しているからいつでも乗れる」「行きも帰りも女性専用車。もう私の習慣です」などと宣伝して、女性専用車で女性客を釣ろうとしていたのは明白だ。

こう考えて行くと、「JR西日本はある意味、男性客だけでなく女性客もナメているのではないか?」という気すらしてくる。

(これは3月の活動報告ページで問題にした熊本市交通局についても言える)

実際問題、JR西日本も女性専用車には非常に熱心だが、一方で職員による痴漢や盗撮が後を絶たない。

そしてこれまで述べてきた通り、女性専用車を女性客寄せのための道具としか考えていないようなフシがこれでもかと言うくらいある。

「女性など、優遇して喜ばせておけばどんどん思い通りになってJRに金を落としてくれる」と思っているのではないだろうか。

先日、牛丼チェーンの吉野家の取締役の発言が問題になったことがあった。

吉野屋取締役が「生娘をシャブ漬け戦略」発言 会社が謝罪「極めて不適切」「到底許容できない」

―取締役は自社の若年女性向けマーケティングを「生娘をシャブ漬け戦略」と発言し、「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」とも話していた

https://news.yahoo.co.jp/articles/bb528d1616e9ca92e52219da0ccc48451d4443f8  (J-CASTニュース)

JR西日本の女性専用車に対する姿勢も表向き「痴漢対策」と言うもっともらしい大義名分があるから気づかれにくいが、この吉野家取締役の考えとよく似たところがあるのではないか?

その後、加美、平野、東部市場前と過ぎたが、乗客はさほど増えずガラガラのまま天王寺に到着した。

ここで大阪環状線内回りに乗り換えるために降りたのだが、見事に女性専用車が階段の目の前。

天王寺駅大和路線ホーム。女性専用車が階段の位置にきっちり合わせられている。

以前から当会サイトをご覧の方ならすでにご存知かと思うが、JR西日本は故意に女性専用車を出来るだけ便利な位置に来るようにしている。

(こちらも当会サイトを以前からご覧の方ならご存知かと思うが、下記画像はJR西日本が2004年に大和路線と阪和線に新規に女性専用車を導入した際のJR西日本の資料)

他社線でもたまたま女性専用車が階段等の目の前に来ることはあるが、この資料の文言からも分かる通りJR西日本の場合は明らかに故意である。

JR西日本がいかに露骨に男性客(足腰の弱った高齢男性を含め)を蔑ろにしているか、良くわかる。

痴漢対策という表向きの綺麗ごとに世間が騙されているから、こうしたこともやりたい放題である。

大阪環状線内回り 天王寺~天満

天王寺駅大和路線ホームから階段を上り跨線橋を渡って、環状線内回りホームに降りてきたら、ここもまた階段を降りたところが女性専用車位置である。

次の16:15発は女性専用車の設定がないようだったので、16:26発まで待つことにした。

大阪環状線も女性専用車毎日・終日実施だが、大和路線と乗り入れする大和路快速や阪和線に乗り入れる関空・紀州路快速には女性専用車はない。

天王寺駅大阪環状線ホームの発車案内板。「普通」の後の△は女性専用車無し。〇はありの意味。

やがて16:22頃に16:26発の列車がホームに入ってきた。

車内はまだ少し空席がある状態。私達の他に1人男性客が座席に座っていた。

しかし、天王寺停車中に車掌が「土曜・休日も含め終日女性専用車」との車内アナウンスを2度も流したため、座席に座っていた男性客は移動していった。

その後、天王寺駅を発車したが、発車直後にもまた「終日専用車」アナウンス。

次の寺田町駅発車後、その次の桃谷駅発車後にも「終日専用車」アナウンス。

この車掌、異常なくらいに専用車アナウンスがしつこい。

誰かが「男が乗っている。追い払ってほしい」などと車掌に言いに行ったのだろうか。

まあ、そんなことをしたところで私達は移動しないが、任意協力ということにしておきながら実態はこれである。

ふざけるなと言いたくなるが、以前は職員が車内に乗り込んで電車を止めてまで、降りるまで徹底的に声かけしたり、場合によっては力ずくで引きずり降ろしたりすることもあった。

私達の活動によって近年ではさすがに降りるまで声かけを続けたり、引きずり下ろすというようなことはなくなったが、形骸化にはまだまだである。

 鶴橋駅でまとまった乗車があり、中学生ぐらいの男子を何人か連れた中年女性グループも乗車。

そこへまた車掌が「終日女性専用車」アナウンスを流すが、そのグループは移動しなかった。

女性の一人が「終日・・・?」と言っていたので、アナウンスは認識していたのだろう。

結局最後まで直接の声かけはなかったが、大阪環状線の車内アナウンスのしつこさはちょっと異様だった。

当日は日曜日だったため、女性専用車の設定がないと思って乗車している男性がいたようだが、そういうことではなく本来男性の乗車は禁止ではない(「任意協力だから差別ではない」ということになっている)のだから、もっと男性が積極的に乗車して、男性乗車禁止のように見せかけている鉄道事業者のウソを許さないようにする必要がある。

先ほど「休日の混雑のない女性専用車で家族連れの男性(夫や父親)だけが移動しているのを何度か見たことがある」と述べたが、本当に痴漢対策なら排除するべきは痴漢であって男性ではない。

こう言うと「痴漢の99%は男性だから、男性を排除するのは当然」などと詭弁する者が必ずといっていいくらい出てくるが、ちょっと気をつければそれはおかしいとすぐ分かる。

もし賛成派がこう言って来たら「では男性の何%が痴漢なんですか?」「痴漢の99%が男性だからといって、男性の99%が痴漢ということではありません」と返すべきであろう。

「痴漢の99%が男性」と「男性の99%が痴漢」がイコールでないことぐらいちょっと考えれば分かりそうなものだが・・・

全体から見ればごくわずかであろう痴漢犯罪者「だけ」を見て「そのうちの99%が男性だから」と言って、いかにも男性の大多数が痴漢であるかのように印象操作しているのだ。

痴漢ではなく、それ以外の大多数の男性を排除しようとしている時点で女性専用車は痴漢対策としてはおかしいのである。

まあ、それ以前にここまで繰り返し述べている通りそもそも痴漢対策など表向きの建前なのだ。

実際は世間に女性専用車は正当なものであると思わせて反対派を黙らせるために痴漢対策を錦の御旗にしているだけである。

そんなもののために、家族連れの男性(夫や父親)だけが車両を移動するなどあってはならない。

やがて列車は乗車会終了予定の天満駅に到着したので私達はここで下車し、解散した。

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