2011年10月 関西本部:JR住吉駅抗議の報告

活動履歴

10月23日の関西本部:神戸市営地下鉄非協力乗車会に参加するため、電車で集合場所(大阪市内)に向かっていた兵庫県在住の当会メンバーの一人が、個人的に女性専用車に乗車していたところ、JR住吉駅で駅員に強制的に電車から降ろされるという”事件”が発生しました。(そのため、そのメンバーは集合場所ではなく、乗車会の出発地点となる、JR大阪駅で他のメンバーと合流)

そこで、神戸市営地下鉄での非協力乗車会終了後、JR住吉駅に直接出向き、厳重に抗議しました。

以下、その報告です。


10・23 関西本部 JR西日本 住吉駅抗議の報告

乗車会の集合場所で参加予定者を待っていると、メンバーのI氏(以下、I)から「遅刻するので出発場所のJR大阪駅で直接落ち合いたい」旨の連絡が入った。

そして大阪駅で我々はIから驚きの情報を耳にすることになる。

駅員から声掛けのみならず強制排除を喰らったというのだ。

Iは姫路方面からの新快速から、三ノ宮駅で普通列車に乗り換えて来たそうだ。

そのまま新快速に乗っていても大阪には到着するが、新快速には専用車の設定がないので、三ノ宮駅で専用車がある普通列車に乗り換え、個人で非協力乗車を実行した。

その際に三ノ宮駅の駅員から呼び止められ、「向こうの車両行って」と言われたが、それでも専用車にそのままとどまって乗車していると、今度は住吉駅で「駅長」の名札を付けた駅員が手を引っ張って引き摺り下ろそうとしたそうだ。

Iが集合に遅れたのもこの一件が原因らしい。

手を引っ張るというのは明らかに専用車の任意性に反する行為であるし、これまで他の地域も含めバイト駅員や警備会社から派遣された警備員が強引な排除行為を行ったことはあっても、今回は「駅長」という役職が付いた立場の人間である(鉄道事業者の正社員や役職のある人間は、概ね専用車の任意性についての知識がある)。

そしてIからも「会として抗議してほしい」旨の要望が出た。

そこで、とりあえずは乗車会を予定通りに実行することにしたが、その後で住吉駅に抗議に行くことが決定した。

神戸市営地下鉄での乗車会終了後、我々はJR住吉駅に移動し、まず当会広報の山尾と会員Iが改札口にある有人改札の窓口にいた駅員2人に我々の団体の趣旨と朝の出来事を説明した。

そして山尾が、過去に会のメンバーが国土交通省(国土交通ホットラインステーション)に問い合わせた際に同省から受けた回答(下記参照)を読み上げて専用車の任意性を説明した。

【国土交通省の回答文】

現在各鉄道会社で導入されている女性専用車両については、あくまでも利用者のご理解と任意のご協力のもとに行われているものであり、法的な根拠はありません。

女性専用車両はあくまでも男性利用者の任意のご協力のもとに実施されているものであることから、実際の運用に際して、駅係員等が誤乗車された方に対して呼びかけ、ご協力をお願いすることはあると考えます。
しかしながら、強制的に降車させるような行為は不適切と判断されることから、そのような事実があれば指導して参りたい。

駅員が問題の「駅長」を呼び出すために、我々は一旦窓口から離れた。

そして10分ほど後に先程の駅員よりも年配の駅員が窓口に出てきた。

その年配の駅員が今回、会員Iの腕を引っ張った「駅長」で、名札を見ると「住吉駅 当務駅長 N」とあった。

N氏は「今、上の者と話をしている」と言うので、その間山尾は再び上記の回答文を用いて任意性についての説明を繰り返した。

「例えばですね、街中で赤い羽根募金の箱を持っている人が、『いや、私は協力しません。』と言った人に『いや、入れなさいよ。』と言ってポケットに手を突っ込んでサイフを引き出しますか?

そういうことですよ。協力したい人は協力すればいいし、協力したくない人は協力しなくていい。

協力しなくてもケチは付けられない。

それが任意の協力であると私達は理解しております。」

この時、偶然ではあるが改札近くで「あしなが募金活動」が行われていて、高校生達が募金箱を持って駅の利用者に募金を呼び掛けていた。

この後、問い合わせの結果を待つために一旦窓口を離れて待っていると再びN氏に呼び出された。

するとN氏は開口一番「確認を取ってみたのですが、我々の勉強不足で、こんなこと(=専用車の任意性)が全然わからなかったので、手を引いてしまって、降りていただいて事情を聞くという感じになってしまった。謝るしかないです。今後もこのようなことがないようにしたい。」と謝罪があった。

正直我々には、N氏が手を掴んだことを認めずに話を有耶無耶にするつもりだったのを抗議に押されて仕方なく上に相談したように見えていたので、この展開は意外だった。

この後もN氏からは何度も謝罪の言葉が出てきた。

この後、「駅長」ほどの立場の人がどうして専用車の任意性について知らなかったのかという話になった。

その話によるとN氏は「駅長」とはいいながらも「当務駅長」というポジションであり、正式な駅長ではないらしい。
当務駅長というのは、正式な駅長が非番の時に、いわゆる係長クラスが代理で駅長業務を命じられる際に冠せられる職名だそうだ。

事実関係や任意性については認めてもらえたことであるし、また謝罪も受けたのでこの場はここで納めることにした。

しかし専用車が任意であることをミーティング等で社員間に周知して貰いたいということ、そしてこの件は国交省には伝えるということは、はっきりと告げておいた(翌10月24日 に国交省に通報済み)。

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