2011年11月、当会会員が東京都議会に対し、車内防犯カメラ設置について陳情しました。
以下、陳情後の動きに関する報告です。
東京都交通局の不当な根回しにより都議会で電車内への防犯カメラ設置を不採択
2011年11月22日、当会会員が東京都都議会に対して提出した「都営地下鉄における車内防犯カメラ設置に対する陳情」が受理されました。陳情の願意は下記の通りです。
都において、都営地下鉄を安心して不満なく円滑に利用できるように、各線において、車内迷惑行為対策として、犯罪行為の抑止又は犯罪行為の事実確認における客観的証拠としての活用を目的とした、車内防犯カメラを設置した車両を導入していただきたい。
通常、陳情が出されると、担当局の担当者が各党(会派)を回り、その時に採択・不採択・継続審査について、局としての要望も伝えます。
今回の陳情については公営企業委員会に付託され、委員会採決で不採択となっていました。
この陳情の取り扱いについて東京都都議会の古賀俊昭都議及び土屋敬之都議が異議を唱え、東京都交通局に不採択になった理由を問い合わせました。
これについて東京都交通局から、下記の通り回答がありました。
1.女性専用車両反対の活動をしている方からの陳情で、主旨に酌むべきものがあったとしても不採択でお願いしたいと考えている。(別添陳情一覧)
2.痴漢の発生が極めて多かったことから、警察からの要請で、JR埼京線と京王線で一部の車両にカメラが導入されたが、警察も鉄道事業者も、今後、カメラの拡大を考えていない。
3.カメラによる犯罪抑止効果が明らかでなく、プライバシーの問題、コスト、メンテナンスの課題もあるので、都営地下鉄をはじめ、他の事業者でも考えていない。
4.車内防犯対策については、鉄道事業者として、ポスター、放送などで対応していく。鉄道の車内への防犯カメラの設置は、全車両となると膨大なコストになり、鉄道事業者の対応の域を大きく超えている。京王線・埼京線も車両の一部の痴漢の発生が多発した数箇所(一両のドア8箇所の内の4箇所)だけを監視するもので、抑止を目的としたものではない。
URLをクリックすると、根回し文書を見ることができます。(陳情一覧も含む)
つまり、東京都交通局が各党(会派)を回り、この回答をもって不採択にするよう根回ししていたのです。
箇条書きをする場合、通常は最も言いたいことを一番最初に持ってくるのですが、東京都交通局は一番の理由としてこんなことを書いてきました。
女性専用車両反対の活動をしている方からの陳情で、主旨に酌むべきものがあったとしても不採択でお願いしたいと考えている。
何と東京都交通局は「女性専用車両反対の活動をしている方からの陳情」であることを理由に問答無用で不採択にすべきと言ってきており、いわば「変な人からの陳情なので不採択だ」としてきたのです。
また、過去の女性専用車両に関する陳情内容を添付資料として出し、「これまでも不採択になったのだから、今回も当然不採択にすべき」と思わせるようにしたのです。
東京都交通局は痴漢などの犯罪防止効果のある車内への防犯カメラ設置を否定するため、偏見を持った理由をつけて詳細を知らない議員を根回しをすれば、議員に誤った判断をさせることになります。
また、女性専用車両に反対していることを理由に不採択にするというのは、陳情者の人権を侵害する行為です。
さらに、陳情は国民の基本的人権であると憲法16条に明記されています。
それを踏みにじるというのは、憲法16条に違反する違憲行為でもあります。
日本国憲法第16条
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
今回の件について、土屋敬之都議は東京都交通局の不当な対応を自らのブログで厳しく批判し、動画も配信されました。
それぞれ下記のリンクからご覧ください。
東京都交通局による狡猾なマインドコントロール(アーカイブ) (現在はリンク切れ)(ブログ)
陳情の背景および舞台裏について (現在はリンク切れ)(動画)
当会からも東京都交通局の対応と不当な回答について抗議書を提出し、質問書として下記の質問を挙げました。
1.請願者が「女性専用車両反対の活動をしている方」であるという理由で、なぜ議論もせずに不採択にしようとしたのですか? 2.JR埼京線の車内に防犯カメラを導入したところ痴漢が半分以下に減ったという事実があるにもかかわらず、なぜ御局は「カメラによる犯罪防止効果が明らかでなく」と断定したのですか? 3.警察庁や警視庁が防犯カメラの効果を認めているにもかかわらず、なぜ御局は警察が「カメラの拡大を考えていない」と断定したのですか? 4.今や防犯カメラはあらゆる場所に導入され、エレベーターの中など密閉された場所にまであるにもかかわらず、なぜ防犯カメラの是非を議論せずに、電車の中だけ「プライバシーの問題」であるとして防犯カメラ導入を否定するのですか? 5.実際に痴漢犯罪防止効果が出ている電車内への防犯カメラ導入を否定するということは、御局には防犯カメラ以上に痴漢犯罪防止効果が得られる手段があるのですか?その手段をご教示願います。既に導入されているものであれば、その効果を示す信憑性あるデータを提示願います。
URLをクリックすると、抗議書と質問書を見ることができます。
この質問書に対して、東京都交通局から回答が届きました。
回答は長いため、HP上での表記は割愛します。
URLをクリックすると、東京都交通局からの回答を見ることができます。
東京都交通局への申し入れ先
下記の件について、大いに聞いてみましょう。
- 何故、女性専用車両に反対する人の陳情は不採択にすべきなのか?
- 多くの利用者が求めている車内防犯カメラの設置や、痴漢防止・痴漢冤罪防止策について、どのような対応をしようと考えているのか。
担当窓口 :東京都交通局電車部管理課 加納卓夫課長
直通電話番号:03-5320-6071
また、「都民の声」にもメールでご意見をお願いします。
都民の声はカウントされて、石原都知事に報告されます。
是非声を届けましょう。
E-mail: koe@metro.tokyo.jp
石原都知事は女性専用車両を問題視し、女性専用車両に乗車することを宣言されています。
(当該記者会見はこちら(現在はリンク切れ))
東京都交通局や「都民の声」に対し、多くの皆様の抗議をお願いします。
皆様のご意見で、東京都交通局の不当な対応を改めさせましょう。