当会関東本部では、東横線と副都心線の直通運転に伴って、女性専用車の導入の拡大が想定されることから、女性専用車の導入の拡大を阻止すべく、9月10日に「差別ネットワーク」「男性差別を許さない市民の会」「全国男性復権を目指す会」と合同で要請文を東京地下鉄(東京メトロ)・西武鉄道・東武鉄道・東急電鉄に提出しました。
以下、参加メンバーからの報告です。
私たちは断固として女性専用車両の導入拡大に反対します
各社に要請文を提出
2013年3月16日に、東急東横線と東京メトロ副都心線が相互直通運転が開始されます。
既に実施済の東武東上線・西武池袋線・有楽町線と東京メトロ副都心線との相互直通運転に加わることになりますが、現在は東急東横線のみ朝の下りと夜間に女性専用車両を実施していることから、それに便乗して女性専用車両の導入が拡大される可能性があります。
そこで上記4団体ではまだ女性専用車両の運用が決まっていないこの時期に、ダイヤ改正に便乗した女性専用車両の導入拡大を阻止すべく、9月10日に「要請文」を各社に提出しました。
●東京地下鉄(東京メトロ)
受付で「要請文」提出の旨を話したところ、突然の訪問にもかかわらず、忙しい中、二人の担当者が来ました。
中へ通していただいたので、主張と概要を説明しました。真摯にそれを聞いていたように感じたので、私たちも紳士的な態度で、「女性専用車両の拡大をしないよう、男性の人権を侵害しないようお願いします」と最後に頭を下げ、東京地下鉄・本社を後にしました。
●西武鉄道
受付を済ませたところで、ちょうど昼休みの時間に差し掛かり、待つことになりそうなので、受付で「要請文」を手渡し、必ず担当者に渡してもらうようお願いしました。
●東武鉄道
二人の担当者の方が出てきました。最初は「要請文」の提出ということもあり、警戒している感じがしましたが、私たちの話を真摯に聞いてくださいました。
こちらでも「抗議」というよりは、「女性専用車両」導入・拡大という間違った方向に進まないよう「お願い」という形で、「要請文」を提出しました。
●東急電鉄
受付でアポイントを取っていないと受け付けないと言われたため、「要請文」を受付に渡し、必ず担当者に渡すように念を押しました。
導入拡大された時に発生する問題点
上記の図は、2013年3月16日以降の関係する運転系統です。
大きく分けて「東上線⇔有楽町線」「西武線⇔有楽町線」「東上線⇔副都心線⇔東横線」「西武線⇔副都心線⇔東横線」の4つの運転系統となります。
車両ですが、東武の車両が西武に、西武の車両が東武に入らない以外は各社の車両が入り乱れて走ることになるため、運用がかなり複雑になります。
現在、東横線は5号車に、それ以外の路線は1号車に女性専用車両が設定されています。
改正後の運用は9月現在で未定ですが、各社で折り合いがつかないと、半蔵門線関連のように東武と東急で設定車両が異なり、同じ編成に違う種類のステッカーが複数貼られてしまう可能性があります。
●東横線→副都心線の場合(朝)
現在は副都心線の和光市方面行きには導入されていませんが、改正後は東横線から直通する電車が渋谷を過ぎてからもそのまま導入し続ける可能性があります。
したがって、東京メトロと東武と西武には朝の渋谷方面からの電車に女性専用車両を導入しないよう要請しました。
●副都心線→東横線の場合(朝)
副都心線では9時20分をもって女性専用車両が終了となりますが、東横線下りが10時まで実施していることから、有楽町線も含めて10時まで運用拡大される可能性があります。
それ以前に、ラッシュと逆方向になる東横線下りで女性専用車両を運用する必要性が感じられません。
したがって、東急には東横線の朝の下りの女性専用車両の実施を取りやめるよう要請しました。
●東横線→副都心線の場合(夜)
このパターンは現在導入されていませんが、東武と西武が「東急がやっているからウチも」という感じで便乗し、池袋駅発着の乗り入れしない系統も含めて夜間への導入拡大する可能性があります。
また、東横線からの直通電車では、始発駅や途中駅から女性専用車両を導入することになるため、後述する通り様々な問題点が発生します。
したがって、東京メトロと東武と西武には夜間の女性専用車両の導入をしないよう要請しました。
●副都心線→東横線の場合(夜)
東横線下りの夜の女性専用車両は17時から導入されていますが、副都心線との直通後は始発駅または途中駅から導入することになります。
始発駅から実施すると、東上線川越市駅や西武線飯能駅から副都心線直通列車に限り女性専用車両を実施するというおかしな現象が発生します。
また、渋谷発17時からであれば、東上線や西武線ではラッシュと関係ない時間の、それも逆方向で女性専用車両を実施することになります。
さらに、東上線や西武線には同じ車両を使用した有楽町線への直通電車も走るため、混乱が予想されます。
ほとんどの利用客が女性専用車両は痴漢対策であると認識しています。
しかし、ラッシュと逆方向の区間で特定の運用限定で導入するというのは単なる運用の都合でしかなく、明らかに痴漢対策ではありません。
また、途中駅(和光市駅・小竹向原駅・池袋駅・渋谷駅など)から女性専用車両を実施すると、鉄道会社社員・警備員・女性客らがこれまで乗車していた男性客に理不尽な移動を求めることによってトラブルの原因となります。
国土交通省の見解から、誰であろうと、それまで乗っていた男性客を追い出すことはできません。
このような混乱が想定されるため、途中駅から女性専用車両を導入している路線は一つもありません。
したがって、東京メトロと東武と西武には夜間の女性専用車両の導入をしないよう要請し、東急には夜間の女性専用車両の実施を取りやめるよう要請しました。
以上の理由から、ダイヤ改正に便乗した女性専用車両の導入拡大は、到底受け入れることができません。