2013年2月 関西本部:JR京都線(東海道線)で非協力乗車会

活動履歴

当会関西本部では、2月24日の日中にJR京都線(東海道線)大阪~高槻間で非協力乗車会を行いました。

以下、参加したメンバーからの報告です。

実施区間:大阪~高槻~大阪(大阪~高槻間往復)


JR京都線(東海道線)で非協力乗車 任意周知のさらなる徹底を!

私達が乗車活動を定期的に行う意味

これまで当会が何度も述べている通り、女性専用車両は「専用」と称していても実際は任意協力であり、男性も乗れる。

これは、鉄道事業者はもちろん、各鉄道事業者の監督省庁である国土交通省も認めていることである。

つまり、現在の女性専用車両は「任意協力で、男性の乗車を禁止していないから、法の下の平等を定めた日本国憲法に違反しない」ということになっているのである。

女性「専用」という名称は、実は虚偽なのだ。

しかしながら、実際は任意協力であることを鉄道事業者は利用客にほとんど告知しておらず、女性「専用」という名称によって、多くの利用客が「男性は乗ってはいけないもの」と思い込まされている。

つまり鉄道事業者はそうやって、「強制すると法的に問題になりかねない女性専用車」を、法に触れないようにしながら維持しているのである。

そして、そのことに抗議する者がいないと、時間の経過と共に、「女性専用なのだから、男性が乗ってはいけないのは当然」「女性専用なのだから男性を強制的に排除しても良い」という方向に、鉄道事業者も利用客も傾いていく。

これは昨年の、近鉄での一件を見ても明らかである。

(参考)2012年12月 近鉄への質問状提出についての報告

だからこそ、私達は定期的に乗車活動を行い、鉄道事業者の対応に問題があったときは、それに応じて抗議なども行っているのである。

大阪~高槻

さて、今回の乗車会は、大阪駅から高槻駅を目指し、高槻から再び大阪駅まで戻ってくるというルート。

これまで関西本部では、JRはもちろん、地下鉄や私鉄など多数の路線で非協力乗車会を行ってきたが、JR京都線(大阪駅から京都方面)については、当会としてはほとんど乗車会を行ったことがなかった。

当会にはJR京都線沿線に住んでいる会員も何人かいるのだが、彼らが通勤などで個人的に女性専用車に非協力乗車していると、女性客から強い態度で文句を言われたり、JR職員から強く移動を求められたりということがあったということで、これらの報告を受け今回、JR京都線(東海道線)大阪~高槻間で非協力乗車を行うこととした。

大阪11:11発、高槻行き普通列車の女性専用車に乗車。

ホームに警備員がいて、私達が乗車しようとすると、「女性専用車ですので・・・」と言ってきたが、メンバーの一人が「協力しませんので」というと、「あ、はい」とすぐに引き下がった。

どうやら「任意協力」であるということは、この警備員も分かっているようだ。

以前だと、こうは行かなかったかもしれない。

定期的に乗車活動(場合によっては抗議)なども行っていく必要性を改めて再認識した。

車内はところどころ空席もあるくらいの乗車率。男性客の姿もあった。

発車後すぐに「この列車の前から●両目は、終日女性専用車でございます。皆様のご理解ご協力を・・・」とアナウンスが流れた。

新大阪・東淀川・吹田と過ぎ、岸辺駅あたりからはさらに空席が目立つようになってきた。

当会サイトをいつもご覧の皆様ならお分かりだろうが、昼間のJRの普通列車の車内はいつもこんな感じでガラガラである。(下の写真は乗車会当日のものではないが、大体こんな感じだと思っていただければ良い)

毎度のことながら、「昼間や休日もラッシュ時並に痴漢が発生する」と言って、女性専用車を完全終日化したJR西日本の言い分がいかにおかしいかがよく分かる。

そして駅構内では「行きも帰りも女性専用車、もう私の習慣です」「毎日、終日運行しているからいつでも乗れる」などと宣伝し、女性専用車を女性客の集客に利用しているJR西日本の女性専用車は痴漢対策などではない。

世間もいい加減、「女性専用車は痴漢対策」というウソにそろそろ気付いても良いのではないかと思う。

JR西日本の昼間の普通列車の車内はこんな感じ。
JR西日本駅構内でのモニターによる女性専用車の宣伝
JR西日本駅構内でのモニターによる女性専用車の宣伝

列車は茨木駅に到着。

茨木駅ホームの女性専用車乗車位置で男性客一人が立っていて、そのまま乗車。

駆け込み乗車等ではなく、その位置で待っていたので(そしてホームにははっきりと「女性専用車乗車位置」と表示しているので)恐らく、そこが女性専用車と分かった上で乗車してきたのであろう。

女性専用車が任意だと知っていて、敢えてそこから乗車してきたのなら、結構なことである。

11:35高槻到着。

私達の乗った列車の終点でもあり、私達はここで降りた。

高槻駅では、上下線ともちょうど女性専用車の位置に階段とエレベーターがある。

駅によって階段等の位置は異なるため、どの車両に女性専用車を持ってきても女性専用車の前が階段やエレベーター・改札口に当たるという事象は発生するが、JR西日本の場合、出来るだけ階段に近い位置に女性専用車をわざと設定しているようなふしがある(2004年に、当時、女性専用車の無かった関西線と阪和線に女性専用車を新規に設置した際、JR西日本は「天王寺駅での乗り換えに便利なよう、前から●両目に女性専用車を設定しました」というようなことをパンフレットに書いていたことがある)。

また、JR西日本では駅改良工事などで階段やエレベーター・エスカレーターの位置が変わった場合などに、ちょうど女性専用車の位置に階段やエレベーター・エスカレーターなどが来るようになった例もよく目にする。

偶然ならまだしも、わざとそのようにしているのなら、これはとんでもないことと言えるだろう。

高槻駅ホーム(女性専用車の位置にエレベーター)

高槻~大阪

高槻駅からは11:48発、新三田行き普通列車で大阪方面を目指した。

車内はこちらも所々空席があるくらいの乗車率。

高槻駅発車後すぐに、また「この列車の前から●両目は、終日女性専用車でございます。皆様のご理解ご協力を・・・」とアナウンスが流れた。

この列車ではその後、吹田駅発車の際も同じアナウンスを流していたが、どのアナウンスも必ず「終日」という言葉を入れている。

やはり終日実施であるということを繰り返し流して、少しでも男性が乗らないようにしているのであろう。

以前は「男性はご乗車いただけません」という、明らかに事実に反するアナウンスをする車掌がいたが、このところは(私達が知っている範囲では)見かけない。

しかし、ツイッターなどでは、未だにそういうアナウンスをしている車掌がいるという情報も目にする。真偽のほどは確認していないが、事実なら問題である。

乗車会当日の高槻駅。写っている電車は米原方面行きの新快速

さて、今回の乗車会の話からはややそれるが、今(2013年2月)、関東での乗車活動の動画がネット上で話題となり、「弁護士ドットコム」というサイトでも、女性専用車両の任意性についての記事が取り上げられ、さらにヤフーなどのポータルサイトでもそれが取り上げられて、大きな話題となった。

「弁護士ドットコム」の記事の内容は、ネット上で乗車会の動画が話題になっていることについて触れた上で、男性が女性専用車両に乗ることは法に触れないのかどうかを弁護士に確認し、弁護士が「男性が女性専用車両に乗ることに違法性はない」と結論付けているというもの。
http://www.bengo4.com/topics/202/

そのため、「女性専用車両が実は任意協力に過ぎず、何ら法的強制力を持たない」ということがまた改めて、世間の多くの人々に知れ渡ることとなった。

それは専用車両反対派にとっては歓迎するべきことなのだが、女性専用車両の任意性や、私達の活動の存在が広く知れわたった一方で、

「専用車両反対団体が、他の乗客や鉄道員に対して喧嘩を売る目的で乗車し、わざとトラブルを起こして電車を遅延させ、多くの人々に迷惑をかけている」「法律で決められていなければ何をやっても良いと思っている連中」

というような、「誤った認識」が一部に広がるという状況も生じた。

私達はトラブルを起こしたり、列車を遅延させる目的で乗車しているのではない。また列車を遅延させているのは私達ではなく、(女性専用車両は「任意協力」と言いながら、列車を止めてまで私達を降ろそうとする)鉄道事業者自身である。

また、私達は「女性専用車両はそれ自体問題である」と思っているから乗車活動も行うし、それに対する批判には、「私達の活動に違法性は全くない」と反論することもあるが、だからと言って「法に触れさえしなければ何をやっても良い」と思っているわけではない。

法に触れないからと言って、車内で携帯で大声で通話したり、シートで寝そべったりするようなことは決してしないし、専用車両に乗車活動中でも、座席に座っている時に高齢者や障がい者の方などが近くに来たら座席を譲る。

当会も、当会の友好・協力団体も、乗車会の際は、

●他の乗客から話しかけられない限り、こちらからは話しかけない
●他の乗客が話しかけてきたとしても、相手が強い態度に出てこない限りは、こちらもあくまで紳士的に対応する

というガイドラインを定め、それを徹底して活動している。

つまり、こちらから他の乗客に対して喧嘩を仕掛けたりすることはないし、また女性客から(普通に)声を掛けられただけで声を荒げたりするようなことのないよう、乗車会前に参加メンバーには指導をしている。

当会サイトを以前からずっとご覧くださっている方なら、男性が女性専用車両に乗ることについて、関西よりも関東の方が(女性客や乗務員・警備員などが)明らかにうるさいということはすでにご存知かと思う。

しかし、男性の乗車にうるさい関東でも、乗車活動をしていて何らかのトラブルになる確率はさほど高いわけではない。

もし、当会のほうから周囲の女性客に喧嘩を売る目的で乗車しているのなら、関東・関西問わず、毎回何らかのトラブルになっているであろう。

もちろん、今回の乗車会も特に何事もなく無事、大阪駅に到着。

その後、大阪駅近くのファミレスに移動して2次会を行い、飲食しながら仲間どうし、いろいろな話で楽しく盛り上がった。

改めて乗車活動の意味

先にも述べた通り、敢えて乗車する者がいないと、時間の経過と共に、「女性専用なのだから、男性が乗ってはいけないのは当然」「女性専用なのだから男性を強制的に排除しても良い」という方向に、鉄道事業者も利用客も傾いていくので、(ただ乗っているだけでも)定期的に乗車活動を行うことは反対派にとっては重要なことである。

私達は別にトラブルを起こしたいわけではない。

任意性が周知され、それで何も起きないのなら大いに結構なことである。

しかし、今でも個人的に乗車活動をしていた当会会員が、女性客やJR職員などから強い態度で移動を求められたりするケースがあったり、またツイッターなどでも女性専用車両から男性が半ば強制的に降ろされたという情報をたまに見ることがある。

だから、私達が会として行った乗車会で何事も無かったとしても、それが即、「任意性が周知された結果だ」とはまだ言い切れないのが現状なのかもしれない。

時間帯や列車にもよるのかもしれないが、この先も根気よく活動を続ける必要があるであろう。

「女性専用車両の任意性」がネットで大きく取り上げられた効果もあり、このところでは「任意協力なら、自分も今度女性専用車両に乗ってみようと思う」というような、男性のものと思われる書き込みもネット上で見られるようになった。

こういう活動は一人でも多くの方が実践することが重要であり、乗車活動をする人が増えることは、反対派としては望ましいことである。

しかしながら、乗車活動の経験がない・又は少ない者が単独で女性専用車両に乗車するのは、それなりに勇気も要るし、またトラブルになった場合など、うまく対処するにはそれなりの経験も必要だ。(任意協力なら本来、協力の意思の無い男性も普通に乗れなければならないのだが・・・)

やはり、出来ることならまずは(当会や、当会の友好・協力団体のメンバーのような)経験豊富な人と一緒に活動して、経験を積んで行くのが望ましい。

女性専用車両の嘘に気付き、「自分も乗車してみよう」と思い立った方、出来れば当会に入会して私達と一緒に活動していただけるならば幸いである。

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