2022年4月 関西本部:JR神戸線&神戸市営地下鉄線&JR東西線等で非協力(任意確認)乗車会

活動履歴

当会関西本部では2022年4月23日(土)にJR神戸線、神戸市営地下鉄線、JR東西線などで非協力乗車会を行いました。

近年、関西では男性が女性専用車両(JR西日本では女性専用車と表記)に乗車していても声かけされることは少なくなりましたが、一方で土日まで含めて毎日・終日実施の路線が多く、痴漢対策と言いながらガラガラの列車に当たり前のように女性専用車両が設置されている現状があります。

今回は乗車会の報告に加え、女性専用車両の終日実施のおかしさや痴漢対策とは思えない推進のされ方の過去と現状について、少し深めに考察もしてみました。


土曜日のためか男性の乗車がちらほら…

JR神戸線 大阪~三ノ宮

2022年に入ってもまだ世間ではコロナ云々言われているが、流行し始めたころから比べると人々の意識も変わってきたのか、土曜日昼間の大阪駅もかなり活気が戻って来たような感じがする。

当日の大阪駅の様子
13:08発須磨行に乗車

私達は13:08発須磨行普通に乗車するため、大阪駅ホームの女性専用車位置に並んだ。

しばらくして約3分遅れで列車がホームに到着。多数の乗客が乗っていたがその中に確認できただけで男性が数名混じっていた。

当日が土曜日で他の多くの鉄道事業者が女性専用車両を実施していない日だからというのもあるかもしれないが、スタートから良い傾向である。

ほとんどの乗客が大阪駅で降り、私達は入れ替わりに乗車。大阪駅で多くの乗客が入れ替わった後の車内は座席がほぼ埋まっているものの若干立ち客がいる程度で混んでいない。

ホームで並んでいる時もそうだったが、車内に入ってもやはり誰も声をかけて来なかった。

任意協力であるということが知れ渡った結果なのか、それとも単に「この連中に声をかけると面倒なことになるかも」という考えからなのかは分からないが、前者なら良いことではある。

ただツイッターを見ていると、(たぶん他路線で乗車会当日のものでもないが)未だに男性が車内にいるからと出ていくように言った者がいることを報告・絶賛するツイート(下左)に同意の返信(下右)がつくなどしており、男性を追放することが「正しい・称賛に値する」と考えている者も少なくないようだ。

これは女性専用車両だと気づかずに乗っていた男性に正義漢気取りの男性客が声をかけて追い出したのを勘違い女性客が「私達のテリトリーを守ってくれて、おっさんありがとう」と喜んでいるケースだ。

このツイート主の「おっさん」という言い方にも男性全般に対する見下しの感情が読み取れるが(そもそも「おっさん」に本来そういう意味はない)、あえて非協力(任意確認)乗車している反対派はこんな風に声をかけられても絶対に移動したりはしない。

『女性専用車両』という名称でも実は(鉄道会社や監督省庁の責任逃れのため)任意協力であることを知っているし、また声掛けに従って移動したら正義漢気取りの勘違い男性や女性専用車両を自分たちのテリトリーと勘違いしている女性客がそれに味をしめてますます男性排除をするようになるのも知っているからだ。

しかし先ほども述べた通り、関西では男性が乗車しても声かけは非常に少なくなって来ている一方、まだまだ敢えて乗車する男性も少ないので、それを増やし形骸化を進めていく必要がある。

普段から女性専用車両に疑問を持っている男性の方は当会に入会するなどして是非積極的に乗車してほしい。

但しこれはあくまで形骸化させるため・反対意見の存在を知ってもらうためであって、乗り合わせた女性客を敵視したり攻撃する目的で乗るようなことは決してしないでいただきたい。

(また、このページをご覧の皆様の中にはいないとは思うが、暴力やその他、車内で犯罪にあたるような行為は厳禁である)

さて、列車はやや遅れて大阪駅を出発。しばらく市街地を走行し約3分で次の塚本に到着した。

ここでややまとまった下車があり、早くも車内は空きはじめた。

そして塚本の次の尼崎でもさらに乗客が降りて、私達以外には女性客が数えるほどという状態になった。

まだ大阪駅から2駅だがこの状況である。

下の画像は乗車会当日のものではないが、イメージとすればこんな感じだ。

こんなガラガラなのに女性専用車が必要なのか

すでにご存知の方も多いと思うが、JR西日本は混雑のない日中や土日祝も含めて毎日・終日女性専用車を実施している。

これだけでも導入理由が「痴漢対策」というのはかなり怪しいといえるが、そもそも土曜休日はさほど混雑しないばかりでなく客層としても家族連れや恋人などが多いと思われ、その日にまで女性専用車を設置するのは非常に疑問である。

かつてJR西日本は「乗ってますか? 女性専用車」「毎日・終日運行しているからいつでも乗れる」「行きも帰りも女性専用車。もう私の習慣です」「私は乗る、女性専用車」などと、女性専用車の終日運行をポスターやモニターで盛んに宣伝していたことがあった。

もうお分かりだろう。痴漢対策ではなく、女性専用車を客寄せサービスと捉えているのだ。

先日牛丼チェーンの吉野屋の取締役が若い女性向けのマーケティング戦略のことを「生娘シャブ漬け戦略」などと発言して問題になったが、 JR西日本の女性専用車も表向きは「迷惑行為防止(痴漢対策)の取り組み」と言いつつ、 実際は「女性客シャブ漬け戦略」なのではないか。

JR西日本は女性専用車には熱心だが、一方で職員による痴漢や盗撮が後を絶たないという状況もある。

これでは痴漢対策に熱心なのではなく女性専用車に熱心なのだといわれても仕方がない。

それも「女性客を喜ばせておけば、簡単に釣られてJRに金を落としてくれるだろう」と思っているのだとしたら、まさに吉野家の取締役と同じような考え方をしていると言えるのではないだろうか?

また一方鉄道事業者だけでなく、女性専用車両を推進する政治家なども「コロナで混雑が減った今こそ専用車両拡大のチャンス」とばかりに、一層熱心になっていたりする。

痴漢対策なら本当に混雑する路線にこそ必要なわけだが、混雑が緩和されたから導入のチャンスというならそれはもはや痴漢対策ではなく女性専用車両の拡大自体が目的になってしまっているということである。

(一応念のために言っておくが、JR西日本の女性専用車導入は自発的なものであって政治絡みではない。政治絡みの女性専用車両は首都圏の鉄道路線や札幌・名古屋・大阪など各都市の地下鉄に多い)

しかし、世間は女性専用車両を痴漢対策だと思ってくれているから、こんな状況があったとしても女性専用車両を問題視する声はなかなか上がってこない。

賛成派としても女性専用車両が痴漢対策だということにしておけば、「男が女性に迷惑をかけるようなことをするから女性専用車両が出来た。ただの自業自得。差別でも何でもない。男の問題」と言うだけで男性に全ての責任を押し付けられるうえに差別を全面的に正当化でき、反対派をギャフンと言わせられる。痴漢対策という口実は実に都合がよいのである。

つまり反対派も「痴漢対策が建前」だと分かっていなければ、議論で賛成派に簡単に押し切られてしまう。

だから反対派としては「痴漢対策は建前」と認識する必要がある。

さて、列車は途中の芦屋で若干の乗客の入れ替わりがあったが、三宮から近い六甲道駅あたりまでずっとガラガラのままだった。

六甲道あたりから少し乗車率が上がるものの、まだ空席が多い状態。

ここから男性客が一人乗車してきて着席した。

結局、塚本駅以降座席が埋まることのないまま神戸の中心部である三宮駅に13:52頃到着。

ここで降りて神戸市営地下鉄に乗り換えた。

神戸市営地下鉄西神・山手線、三宮~西神中央

JR三宮駅から徒歩で地下鉄の三宮駅まで移動、ここで三宮から参加の会員と合流して地下鉄一日乗車券を購入し、改札内へ入った。

地下鉄一日乗車券
地下鉄三宮駅ホーム

14:06発西神中央行に乗車するためホームに並んでいたら、高齢の女性客が声をかけてきた。

「ここは女性専用車両」「移動しなければならない」などと言うので、会員の1人が「移動は義務ですか?」と応答。

さらに近くにいた他の会員も「女性専用車両なのは承知しています。任意協力ですから」と返すと、「知らずに乗って、後で座れなくなったらと思って…」などと言っていた。

声をかけたら移動すると思っていたら移動しなかったので、とっさに言い訳したのだろうか?

到着した西神中央行き

しばらくして西神中央行の電車が到着し乗車した。

車内は座席がほぼ埋まるくらいの乗車率。

向かいの座席に一人、男性客がいるのが確認できた。

ここから県庁前、大倉山、湊川公園と神戸の市街地の地下を進むが乗車率など特に変化はなく、他の乗客からの声掛けもなかった。

列車はさらに新長田、板宿、妙法寺と進んで名谷みょうだに駅の手前から地上に出ると、そこからは終点西神中央まで地上を走る。

以前、西神・山手線で非協力乗車した時は途中の総合運動公園駅で多くの乗客が降りて西神中央まで私達以外ほとんど人がいないような状態になったので、またそうなるかと思いきや今回はそこまではいかなかった。しかし空席も結構多く、やはりかなり空いている。

名谷から先、西神中央まで西神・山手線は地上を走る

―さて、神戸市営地下鉄と言えば女性専用車両登場当初の2000年頃を思い出す。

JR西日本同様に神戸市営地下鉄も土日も含め毎日・終日実施だが、三宮発車時点でも立ち客は少なくて混雑しているとは言えず、やはり痴漢発生と程遠い状況である。

JR西日本が女性専用車を毎日・完全終日化したのは2011年のことだが、神戸市営地下鉄は導入当初の2002年から毎日完全終日実施だった。

現在の女性専用車両は2000年の年末に京王電鉄が深夜時間帯に導入したのを皮切りに以後公明党などが人気取り政策として全国的にガンガン推進していった。

もちろん名目は痴漢対策だが、最初から終日導入した神戸市営地下鉄の事例を見る限り、現代の女性専用車両は端から混雑しない昼間をも含めた終日運行を目指していたようなフシがあると言わざるを得ない。

国土交通省が2003年に出した「女性専用車両路線拡大モデル調査報告書」(2002年に阪急と京阪に社会実験として女性専用車両試験導入を行わせた際のまとめ)を見ても、終日実施を望んでいる意見は最大で2割ほど(阪急京都線利用の女性)であり、男性や京阪の利用者(男女とも)に至っては1割にも満たない。

これは報告書内16ページにグラフがある。

しかもこれは女性専用車両を設置することを前提としたアンケートであり、「女性専用車両の設置自体に反対」という選択肢がない。

つまり、回答している人はすべて賛成派か容認派であるということである。

それでも終日実施を望む人は少数派であるということだ。

しかし、報告書の中では、

運行時間帯については 2 つのパターンが考えられる。それは、終日実施するか、それとも一部の時間帯のみ実施するかである。

京阪は実施する時間帯を朝ラッシュ時のみとした(中略) これは、最も利用者のニーズが大きく導入効果が見込める時間帯に試験導入を行い、 定着を図ってから対象時間の拡大を検討していこうという意図によるものである。

アンケートでは両鉄道会社の利用者ともに、導入すべき時間帯に関しては「朝ラッシュ」という回答が男女ともに最も多く、続いて「夕ラッシュ」「深夜」「終日」の順であった。

一方、グループインタビュー(※)においては、女性利用者に「終日」導入を希望する声が多く聞かれた。 男性利用者には「平日の終日導入は否定意見も多いと思うが、最低限ラッシュ時間は入れないと意味がないであろう」という意見があった。

さらに「曜日、時間、電車によって女性専用車両が実施されたり、実施されなかったりという運用をするよりは、 終日実施の方がわかりやすくて良い」というものもあった。

※国交省が「意見を聞くために集めた人々の意見」を報告書に掲載している。つまり「これは国交省の見解ではなく、意見を聞くために集めた人の意見だ」ということにして、実際には当時の国交省の考えに都合のよい意見をピックアップして掲載しているものと思われる。

などと、明らかに当時の国交省が終日実施を前提に話を進めようとしていたことがわかる記載が多数見られる。

特に一番下で引用した内容など、アンケートで終日実施を求める意見が少なかったことを一応認めておきながらその後にわざわざ「曜日、時間、電車によって女性専用車両が実施されたり、実施されなかったりという運用をするよりは、 終日実施の方がわかりやすくて良い」という極端な賛成意見を男性側の意見として出すなど、かなり恣意的といえるだろう。

この報告書は先にも述べた通り2003年のもので、まだ女性専用車両がそれほど多くの路線に設定されておらず、これからどんどん拡大されようとしていた頃のものである。

つまり、現代の女性専用車両は「痴漢対策としてやむなく導入されたものが、どんどんそこから外れていった」のではなく 「最初から痴漢対策かどうか怪しい代物であった」と言うべきではないだろうか?

結局14:40頃に終点、西神中央に到着。全員下車した。

神戸市営地下鉄西神・山手線、北神線、西神中央~谷上

西神中央駅でトイレ休息などをした後、折り返し14:53発谷上行きに乗車するため、コンコースから階段を降りると、ホームにはすでに谷上行の列車が入っていた。

西神中央14:53発谷上行に乗車
ホームにはすでに列車が入線していた

ここ西神中央が路線の終点のため当然ながら折り返しだが、発車までまだしばらく時間がある。

車内は人が少なくガラガラ。

乗車してから発車するまでの間注意して様子を見ていたが、ここでは乗務員や女性客からの声かけなどはなかった。

やがて時刻通り、14:53に西神中央を発車。

その時点ではガラガラだったが、総合運動公園駅あたりから座席が埋まってきた。

名谷から再び地下区間に戻るが、座席は完全には埋まらないまま神戸の都心部まで来た。

ふと両隣の車両を見ると立ち客がおり、乗車率に明らかに違いがあるのが分かった。

三宮で乗客が入れ替わるが、三宮から乗ってくる人も結構いたため、女性専用車両内の乗車率は変わらなかった。

両隣の車両は下車が多かったのか、女性専用車両と同じくらいの乗車率になっており、三宮到着前のような混雑格差はなくなっていた。

三宮を出ると次は新神戸で、ここからは北神線に入る。

新神戸から谷上までは一駅だが、山岳地帯の地下を通るため駅間が異様に長い。

暗い地下トンネルを約8キロ近くも走って、ようやく地上に上がったかと思うとすぐに終点の谷上である。

北神線終点、谷上駅

山の中の駅だが、周囲が住宅地として開発されていることや、神戸電鉄との共同使用駅であることなどから駅自体は結構大きい。

神戸市営地下鉄の電車から改札口を通ることなく、そのままホーム上で神戸電鉄に乗りかえることも出来る。

今回は神戸電鉄には乗らない(神戸電鉄は土日祝日の女性専用車両はない)ので、折り返し西神中央行に乗車して三宮まで戻ったのだが、その際に会員の一人に女性客が声をかけたらしい。

谷上からの電車では会員各自がそれぞれ少し離れた位置に分散して乗車したので、筆者は気付かなかったのだが、ある会員によると「任意協力であること」を説明するなどしたら、女性客は引き下がったとのこと。

結局、神戸市営地下鉄では女性客からの声掛けが2回。

いずれも大きなトラブルにはならなかったが、JRに比べると神戸市営地下鉄は声掛けが多いのだろうか。

いや、JRでも以前は乗務員や駅員だけでなく、女性客などからの声掛けも少なくなかった。

やはり普段から乗車活動をして、男性が女性専用車両にいるのが当たり前の状態(つまり、任意性が確保されている状態)にしておく必要があるということなのかもしれない。

JR神戸線 三宮~(JR東西線経由)京橋・JR大阪環状線京橋~天満

JR三宮からは16:18発、松井山手行き普通に乗車することにした。

三宮駅で降りてくる乗客の中に男性が一人。車内は座席がほぼ埋まるくらいの乗車率だった。

土曜日の普通列車だからか、混雑はしていない。さらに途中の住吉駅でまとまった下車があり、以降ガラガラになった。

そのまま特に何事もなく兵庫県内を東進しながら芦屋や西宮などを過ぎ、尼崎からこの列車はJR東西線に入る。尼崎を出てしばらくすると列車は地下へと潜り大阪府へ入る。

JR東西線に入って加島、御幣島みてじま、海老江、新福島と過ぎてもガラガラだったが、途中の北新地で多数乗車してきて車内がにぎやかになった。

今回の乗車会では初めて立ち客が一杯になったが、それでも押し合いへし合いするような混雑ではない。

そのまま大阪天満宮、大阪城北詰を過ぎ、地上に上がって京橋駅に到着。ここで大阪環状線に乗り換えた。

京橋駅の大阪環状線ホームに移動し、しばらく待って環状線内回り電車に乗車。

ここでも男性客が一人座っていた。隣の女性客とペアと思われる。

結局、こちらでも特に何事もなく天満駅に到着。ここで乗車会は終了とした。

終わりに

今回は土曜日ということもあり、恐らくは「今日は女性専用車はやっていない」と思って乗車している男性客が多かったのかもしれない。

しかし乗務員や駅員、警備員からの声掛けがなかったのは、これまで当会だけでなく他にも多くの反対派達が地道に活動を続けてきた結果であろう。

もちろんいつも言っているように、当会は痴漢対策自体に反対ではない。女性専用車両以外で差別にならない痴漢対策をするのなら大いに結構である。

当会は様々な痴漢対策を鉄道会社などに対して提案してきたし、特にJR埼京線で2009年に痴漢6割減の実績を打ち出した監視カメラについては今では多くの鉄道事業者で採用されている。

しかし、監視カメラが登場した当時、世の女性専用車両賛成派たちはこれを全力で潰そうとしてきた。

それまで「女性専用車両に反対するんだったら女性専用車両を上回る代替案を出してください。それが出来ないんだから女性専用車両があるのも痴漢がいるからしょうがないでしょう」などと言っていた賛成派が監視カメラによってJR埼京線の痴漢が6割も減ったことを知ると、今度は

「監視カメラには死角がある」(←実際には痴漢対策としては女性専用車両よりもはるかに効果的)

「設置費用が莫大」(←これはウソ、地方の赤字ロ―カル線でもやっている)

「プライバシーが侵害される」(←個人宅ならともかく、公共の場で何がプライバシーなのか?)

などと、一斉に監視カメラ叩きをはじめた。

そして「女性専用車両を無くしたいんだったら代替案を」とは、ひとことも言わなくなった。今まで「代替案、代替案」と言っていたのは「そう言っておけば、反対派は対案を出せずにギャフンと黙る」と思っていたからであって、本当に代替案を望んでいたわけではない。

女性専用車両を自分たちの既得権益と捉え、それを守りたい・増やしたいがために痴漢対策を盾にしていただけで、実は最初から効果的な痴漢対策など求めていなかったのだ。

この手の賛成派が求めているのは「女性専用車両の徹底的な拡大」であって、痴漢対策ではない。

女性専用車両の差別性を正当化し、反対派をギャフンと黙らせる便利な口実が「痴漢対策」なのである。

賛成派が本当に効果的な痴漢対策を求めているなら、JR埼京線で痴漢6割減の監視カメラに飛びつくはずだが実際には「監視カメラのせいで女性専用車両が廃止されてしまう!」とばかりに監視カメラを叩いていたのだ。

この時点で賛成派はすでに馬脚を現していたといえるだろう。

最初は監視カメラの導入を渋っていた鉄道事業者も近年になって次々とカメラの導入を進めたが、女性専用車両を廃止するのではなくカメラを併設する形で推進したため、それに安心したのか賛成派の監視カメラ叩きは収まった。

これを見ても、多くの賛成派は「痴漢対策、痴漢対策」と言いつつ、実際は「女性専用車両がありさえすれば良い」という考えであることがわかる。

また、最近では女性専用車両を推進する政党も、

「痴漢対策なら女性専用車両より監視カメラのほうが効果的」

という反論があるのを意識してか「防犯カメラ+女性専用車両」が必要だと主張するようになった(実際には「監視カメラ云々」よりも、ほぼ女性専用車両の拡大が目的のようにも見える)。

また、「女性専用車両はジェンダー平等に反する」という反論に対応して「女性専用車両はジェンダー平等のために必要」という主張も出始めている。

恐らくは「女性は男性に比べて不利な立場にいるのだから、優遇して初めて平等になる」という意味合いなのだと思われるが、そもそも女性専用車両は痴漢対策と言いつつ、実はそこから外れているのはこれまで述べてきた通り。

このように女性専用車両は政党などの票集め策になっている(運行している鉄道事業者も、広告や客寄せなどの営利目的に利用している)一方で、「世間ではまだ痴漢対策だと思われている」「痴漢対策を隠れ蓑にした公共の場における差別が今でも平然と行われている」「さらに推進までされている」という現実がある以上、私達も活動をやめるわけには行かない。

もちろん、抗議するべきは鉄道事業者や推進派・賛成派に対してであって【女性】ではない。

非協力乗車をしているのも女性専用車両を強制にすると法的にも問題になるしまずいからと建前上任意にし、それを隠して強制であるかのように装う鉄道事業者のウソを許さないためのものであって、同乗した女性客を威圧するためのものではない。

当会は「男女が憎しみ合わない社会を」をモットーにしている団体であり、女性を憎悪するいわゆる「ミソジニスト(女嫌い)」の集まりではない(女性専用車両賛成派や当会アンチはそういうレッテルを貼りたがるが、事実無根である)。

そのことをご理解の上、我こそはと思う方は入会申込フォームから入会を申し出ていただければ幸いである。

また、この記事にはコメントをつけることも出来るので、よろしければコメントもつけていただければ幸いである。

以下のコメント欄では当会会員以外も、どなた様でもコメントができます。

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