2021年4月~8月の間にいただきましたご意見投稿の中から投稿者が「公開しても構わない」とご回答されたご意見の一部をここでご紹介します。
当会サイトを古くからご覧くださっている方からのご意見投稿
●性別:男性
●はじめまして。
私も西暦2000年当初から男性差別反対の立場なので、貴会とは同志です。
何度か入会を考えたこともあります。
関西ではいろいろな路線で非協力乗車をされているようですが、関東では昔からほとんど京王ばかりのようにお見受けします。(確かに京王が諸悪の根源ではありますが。)
関東でも、他の路線でも非協力乗車会をやって頂けないでしょうか?
特に私が非協力乗車会をして欲しいと思うのは東京メトロです。
大阪の地下鉄でも2路線しかやっていないのに、東京メトロは9路線中6路線もやっていてやりすぎ
に思えます。(都営は4路線中1路線だけなのでまだいいですが。)
日比谷線は、昔は8両中1両でしたが、リニューアルして7両になっても1両は設定があるので昔よりも男性差別の比率が上がっています。
ついでに記載すると、その次に非協力乗車会をやって欲しいのは東武鉄道です。(各駅停車しかないローカルな野田線にまで設定する必要はないと思われます。)
東京都内以外でしたら関東にも関わらず時間の設定が多い相鉄です。
特定の路線に集中的に非協力乗車会をするのは、1社に対しては効果がありますが、「任意乗車を世間に広く周知する」という意味では、他の路線でも非協力乗車会をした方が良いかと思います。
あと、札幌や熊本の市営に抗議した時に、「道外・県外の人ですか?」という対応をされたとのことですが、「道(県)外の人が乗ってはいけない&意見してはいけないということはありません」「そちらの道(県)だけの人口よりも、他の都道府県の方が人口が多いのだから、他都道府県からの意見の方が多くなるのは当然」「道(県)外の人でも旅行や出張で乗ることはあります」「そういうあなたは他都道府県の電車は一切乗らないのですか?」と返せば良いと思います。
今後の活動も見守っております。
当会からの回答
※ご投稿ありがとうございます。
今年(2021年)の活動報告に東武と東京メトロでの活動報告をアップいたしました。
2021年6月 東武線&東京メトロ線(半蔵門線&千代田線&有楽町線) 任意確認乗車会
関東ではコロナの関係もあり、しばらく乗車活動を行っていなかったのですが、そのせいか駅員や乗務員・警備員等の対応がひどいものになっていました。
詳しくは上記リンクのページをご覧いただければと思いますが、東武の車掌が電車を約3分止めてまで当会の会員の一人に対し、「男性ですか?女性ですか?答えてください!」などと、至近距離からしつこく問い質したそうです。
そもそも任意協力である女性専用車に乗車しただけで、男性に見えるからと性別を聞き出そうとすること自体がプライバシーに関わることでもあり非常に失礼ですが、それを列車を止めてまでしつこく行うというのはもはや常軌を逸しているとしか思えません。
世間では女性専用車があって当たり前のような感覚になっているのと、「痴漢対策」というもっともらしいうわべの理由を信じている人が多いので、私達のように敢えて乗車する男性の方が常軌を逸していると取られがちです。
しかし、そもそも「女性専用車両」などと強制的なものであるかのような名前をつけながら、法的な絡みから実は「任意協力」にし、それを隠している鉄道事業者のほうがおかしいのです。
あと、熊本や札幌の対応ですが、そもそも女性専用車両やそれに伴う差別その他の問題は、特定の地域や路線の問題ではなく、公共交通機関における普遍的な問題であるはずなんですが、物事を深く考えない人には「反対しているのは部外者だけ」と言っておけば、それだけで納得してしまうんですよね。
一言で分かりやすいですから。
要は鉄道事業者もマスコミも反対意見など何か理由をつけて無効化することしか考えていないというわけですね。
もし、これで地元からも反対多数だったら今度はどう言い訳するのでしょうね。
「これは組織票だ!」とか言い出すのでしょうか。
そういえば、過去に女性専用車両導入アンケートを取って「反対多数」の結果が出たら、「これは組織票だ」と言って、一度取ったアンケートを無効にし、再度アンケートを取って強引に賛成多数ということにして導入を強行するという茶番を演じた鉄道事業者(横浜市交通局)もありましたね。
(これを世間は「ちゃんとアンケートを取って、慎重に正当な手順を踏んで導入しているのだから、鉄道会社の対応に問題はない」などと言うわけですね。)
今後も当会は活動を展開してまいりますが、またお気が向かれましたら入会申し込みフォームからいつでも当会にお越しください。
女は全員ばかだと仰るご投稿
●性別:男性
●女性専用車両から追い出すクソババアがいますけど、そういうのがあるから男女平等社会は成立しないのです。
女っていうのは男女平等を求めているのか求めていないのかはっきりしません。
女は何を求めているのでしょうか?? 女は全員ばかです!!
当会からの回答
※ご投稿ありがとうございます。
確かに女性の中には男性を排除しようとする輩はいますが、そういう人ばかりではないですよ。
当会にも女性会員はいますから。
上記記事は少し古いですが、当会関東本部の活動を取材していただいたものです。
この世の中、少なくともご投稿者様の仰るような女性ばかりではないと思います。
パニック障害をお持ちの男性からのご投稿
●性別:男性
●社会への問題提起、ご苦労様です。
たまたま動画を拝見いたしました。
男性が女性専用車両に乗車する動画は多々ありますが、可能であれば他の検証をしてみていただけませんか?
私は女性専用車両に反対したいと思っています。
もう少し考えてみたいのですが、あと一歩踏み出せません。
以下、検証希望内容
・見た目は男性、戸籍が女性
・見た目は男性、自身の性認識が女性
・女性ではあるが、完成度の高い男装家
目的とは違いますが、
・見た目は男性健常者、実際は身体障がい者(義足など)
いずれも(本当に)そういった人を雇って女性専用車両に乗車していただき、検証できれば良いのですが、人を雇うことに費用がかかってしまうかもしれないので強くはお願いできません。
また、実際にそうでない方が演じても正しい検証にはならないと考えます。
検証に参加する方に目的、場合によっては辱しめを受けるかもしれないことを充分に説明し、必要であれば(その動画を撮ることが違法なのか)を担当弁護士?に相談の上、進めてください。
個人的には近年、インターネットから取り入れる情報が増え、もう見た目では属性を安易に判断することは無理な世の中だと思っています。
私はパニック障害(対人恐怖症)を患っているので少しでも空いている電車に乗りたいです。
普通に会話する程度は大丈夫なのですが、複数の人に触れられたりすると発症頻度が上がります。
発症すると多汗になり、呼吸数が増え、途中下車することもあります。
我慢して一般車両に乗っていますが、そんな私が女性専用車両に乗ったらどうなるのでしょう?
周囲の乗客は見た目では精神的な障害を抱えていることは分からないはずです。
女性専用車両に乗って、動画にあるような声かけをされたら、普通の会話をすることさえ恐怖を感じてしまいそうで怖いです。
当会からの回答
※ご投稿ありがとうございます。
実際に検証するとなると、性認識が女性の方や女装者の方などの中で乗車に応じても良いという人を見つけてお願いしなくてはなりませんので、なかなか難しいでしょう。
折角のご提案に申し訳ありませんが、多分無理だと思います。
恐らく鉄道員も他の女性客なども、外見で男性に見えたら、性認識がどうであろうと女装者であろうと障がい者であろうと関係なく、声をかけようとする人は掛けてくるであろうと思われます。
個々の事情は完全に無視で、外見や属性でステレオタイプ化して扱う~差別事象によくある典型的な例ですね。
実際、当会の会員にも内部障がい者の人がいますが、乗車するとやはり声をかけられたりということがありますから・・・
そもそも、色々な事情を抱えている人がいる中で女性専用車両のようなものを設けるからこうした問題が発生するわけですが、鉄道事業者も女性専用車両を推進する勢力も都合の悪いことはスルーして今も女性専用車両を続けているわけで、私達ももっと社会に訴えていかなければならないと日々思っているところです。
投稿者様は男性でパニック障害をお持ちとのことですが、普段からいろいろと大変であろうこと、お察し申し上げます。
しかし、世間では(特に賛成派の中に)「女性は男性に比べて、電車に乗るにしてもいろいろと大変なのだから、女性専用車両を設けるなど、特別に配慮してはじめて男性と同等になる」などと言う者がいます。
投稿者様のように男性でもいろいろと事情を抱えた方はいますし、また知らずに女性専用車両に乗った高齢男性を追い出す女性客などもいます。
なので、男性と女性をそれぞれひとくくりにして「女性のほうが大変だから、女性のみに特別に配慮するべき」という考えがいかにおかしいかと言いたくなります。
しかし、世間ではそうした考えがまだ罷り通っているようですね。
もちろん痴漢被害にあう女性についても配慮しなければならないのは当然ですが、女性専用車両はそのための手段とは言えない(痴漢対策は建前)ですし、また配慮するとすればそれは監視カメラの設置や警備員の増員、また必要ならば通勤車両がどうしても怖いという人に私服警官の付き添い乗車などを進めるべきで、女性専用車両の設置を進めて「女性に配慮しています」などというのは偽善・間違いであると思います。
当会に初めてご投稿くださった方からの質問
●性別:男性
●初めてご意見投稿させていただきます。
私は首都圏に住む大学生の宮津翔と申します。(事情があって偽名を使わせていただきます。申し訳ありません)
私はあらゆる差別に反対の立場をとっており、皆様の活動も大いに賛成しているところであります。
これからも頑張っていただきたいと言いたいところですが、実は懸念しているところがあります。
それは女性差別に反対する各団体のことで、その方々は女性専用車両に男性が乗り込むことを良しとしておらず、鉄道会社をはじめ様々な方面に働きかけておりますが、その団体についてどう考えていらっしゃるのでしょうか。
長文失礼しました。
当会からの回答
※ご投稿ありがとうございます。
まず仰る「女性差別に反対する各団体」についてですが、世の中には多数のいろいろな団体があります。
このご投稿からはどこの団体のことを指しているのか、少々分かりにくいのですが、ある程度こちらの推測も交えながら回答いたします。
以前、某鉄道事業者に対し「男性が乗車できないよう、男性の乗車禁止を明確な強制力を持ったルールとして定めるべき」と申し入れた団体がありましたが、まず現憲法下では男性の乗車を強制的に拒否することは不可能です。
もしそんなことが可能なら、国土交通省も各鉄道事業者も現状のように女性専用車両を「女性専用と称しつつ、実は任意協力だが、それを隠して強制のように見せかける」ようなことはせず、鉄道営業法34条2項を適用できるようにするか、もしくは女性専用車両への男性の乗車を禁止する新たな法律を作るべく動き出すことでしょう。
よって、団体が「男性の女性専用車両への乗車を禁止しよう」といくら訴えかけたところで、現状それを実現するのは「ほぼ不可能」と言って良いのではないかと思います。
それよりも、現時点では当会のように女性専用車両に反対している団体が「女性に対する嫉妬や憎悪で動いている」と誤解されてしまうことの方が「より注意しなければならないこと」なのではないかと考えています。
というのも、つい先日ですが小田急電鉄車内で無差別殺人未遂事件が起き、その犯人が「勝ち組の女性を狙った」「出会い系アプリで女性に相手にされなかった」などと話していたことから、一部で「人生で不遇な扱いを受けた男性が『自分は女性によって差別されている』と思いこんで、何の関係もない女性に”復讐”するのだろう」といった認識が広まっていると思われ、当会だけでなく男性差別を主張する者全てがそのように誤解される可能性があるからです。
(これは筆者の個人的な見解になりますが、小田急の犯人は取材に来たマスコミ関係者に「僕と握手しませんか?これから有名になると思うので・・・」などと言っていたことなどから、女性が憎くて犯行に及んだというよりも、大きな事件を起こすことで有名になりたかったのではないだろうかと・・・
つまり、「自分が有名になる=ビッグネームになる」みたいな妄想を抱いており、すっかり「有名人を気取ってしまっている」のではないか?というような気がします。)
当会サイトのトップページにも出している通り、当会は「男女が憎しみ合わない社会を」をスローガンに活動する団体であり、言うまでもなく「女性憎悪の団体」ではありません。
当会が物申す相手は鉄道事業者と女性専用車両推進派(男女問わず)であり、女性一般ではありません。
そして、当会には女性の会員も在籍しています。
この先、当会が社会から正しく認識されるよう「女性憎悪の団体ではない」ということも、さらに周知していかねばならないのではないかと考えています。
女性専用車両賛成派からのご投稿
●性別:女性
●男に痴漢されたことある人間です。
とっても不快でした。
突き出せたけど訴えも示談とかもせずもうしないでくれといいました。
警察の方からその時にこれからは女性専用車両に乗った方がいいと言われました
女性専用車両があることで痴漢とかに気を配る必要がなくなって安堵してます。
そもそも防犯カメラとか警備員設置とか言ってるけど、それならばまずそれをつけてから反対をしてください。
無くされてまた痴漢に合えば責任取れますか?
みんながみんなするわけじゃないけどそんなことは分かってるし、でも男性がそう言う生物だからこうなってるんですよ。実際の日本法規の情報でも、女性専用車両に反対してる人は僅か5%でした。
本当にあなたたちみたいな方が電車を遅らせたり、女性専用車両で盗撮したり権利ばっかり主張して、ルールを守らない。日本に住んでるなら日本のルールを守ってください。
法律に反してないならなんでもするんですか?
女子トイレ入ります??
そんな団体作るならもっと他のことしてください。
当会からの回答
※ご投稿ありがとうございます。
少々長くなりますが、是非最後までおつきあいください。
男に痴漢されたことある人間です。とっても不快でした。
突き出せたけど訴えも示談とかもせずもうしないでくれといいました。
このご投稿者は痴漢されたとのことで、とても辛い思いをなさったようですね。
世の中にはどうしてこんな犯罪を犯すものが後を絶たないのでしょうか。
私たちも非常に腹立たしい限りです。
このような経験をお持ちの方々は、程度の差こそあれみなさんPTSD的な状態になっておられるのではないかと心が痛みます。
性犯罪は(かなり変わってきたとは言うものの)なかなか被害を訴え出にくい空気があり「泣き寝入り」になってしまう傾向があります。
このご投稿者も被害を訴え出て刑事事件にすることなく済ませてしまったため、余計に悔しさ・辛さが強いのかもしれません。
社会がもっと「被害者が泣き寝入りすることのない環境」そして「加害者が断罪される状況」になっていくことを私たちも切に願います。
さて、ここで女性専用車両問題に立ち返ってみましょう。
●女性専用車両問題の本質と痴漢被害者の思いについて
辛い経験をされ、PTSDあるいはそれに近い状態の方々にとって、女性専用車両は【今まで冷たかった社会がやっと救済の手をさしのべてくれた】=【神のような存在】に見えることでしょう。
私達の女性専用車両反対活動は、そのような方々の思いをいわば否定する形になってしまうので、その点においては大変心苦しく感じています。
その一方で、私達がいつも主張しているように女性専用車両は「男性という属性だけで【痴漢予備軍】とみなし【排除】する」という、大きな人権問題(性差別問題)をはらんでいます。
それをあまり苦痛と感じない方々もいますが、その一方で大変な苦痛と感じている(主に男性の)方々もいます。
また男性・女性というカテゴライズをもって行動制限をすること自体が問題ありと言わざるを得ません。
JALは2020年10月1日から「Ladies and Gentlemen」とのアナウンスを「All Passengers」「Everyone」等性別を意識させない呼びかけに変更したそうです(記事)。
また、東京ディズニーランド・ディズニーシーは2021年3月18日より、「Ladies and Gentlemen, Boys and Girls」を「Hello Everyone」にする等の対応がとられました(記事)。
どちらもLGBTQの方々への配慮のようです。
また近年アメリカでは非キリスト教者への配慮として「Merry Christmas」ではなく「Happy Holidays」を使う傾向があるとか(記事)。
いずれにせよ、少数者も含めて「相手の事も配慮」「みんなが気持ちよく過ごせるように」というのが社会の流れとなっています。
一方で女性専用車両は外見だけで赤の他人から性別を判断され、しかも公衆の面前で声かけされたり、高齢などはもとより内部障がい・病気等の外見で解らない事情は全く無視で男性(に見える人)を排除しようという、とんでもない人権侵害な代物なのです。
当初女性専用車両は「痴漢対策」との謳い文句のもと導入が進められましたし、今も多くの人がそう信じています。
ところが政治家が選挙対策のために利用したり、鉄道事業者がイメージ戦略や特別価格の広告載媒体として利用したりと、女性専用車両はそもそも痴漢対策ではありません(これは何度も当会サイト内で詳しく述べていますので、興味ある方はご覧ください)。
●女性専用車両に対する当会の立場・考え方
私たちは痴漢対策をするなとは言っていません。
女性専用車両には反対ですが、痴漢対策に反対ではありません。
しかし冒頭にも述べたように、辛い経験をさた方々にとって女性専用車両は【今まで冷たかった『社会がやっと』救済の手をさしのべてくれた】=【神のような存在】に見えてしまうため、つい【女性専用車両=唯一無二最良の痴漢対策】、【女性専用車両反対=痴漢対策反対(女性の敵、また昔に戻す気か)】と受け止めてしまいがちなんですね。
このあたりをどのように啓発していくか、私たちにとっての課題であると認識しています。
このご投稿者は
警察の方からその時にこれからは女性専用車両に乗った方がいいと言われました
女性専用車両があることで痴漢とかに気を配る必要がなくなって安堵してます。
と述べておられます。
では警察はなぜ女性専用車両を勧めるのでしょうか?
警察は「まず防犯」の立場(その他の問題は二の次)であり、残念ながら女性専用車両の真の姿(痴漢対策は建前)をよく理解できていないと思われます。
また、(こういう言い方はよろしくないかもしれませんが)やはりお役所ですから、人件費や手間暇をかけたくありません。
自分達が費用・労力をかけなくても女性専用車両で手っ取り早く痴漢犯罪防止が出来るならとても好都合です。
だから女性専用車両を勧めるわけですが、警察もまた女性専用車両の本質をよく考えずに、嘘に騙されているといえるでしょう。
鉄道は公共交通機関です。
足腰の弱った男性の高齢者や移動もままならない障がい者・病人もたくさんいるわけで、そういう方々への配慮も当然必要です。
そういう方々をも事実上排除して成り立っているのが女性専用車両なのです。
健常者でかつ(遺伝子上は)男性でも心と体の性が一致しない方、男性差別や男性蔑視に対して不快に思われる方も少なからずおられます。
しかもその上、(繰り返しになりますが)鉄道事業者は女性専用車両を客寄せ・金儲け・イメージ戦略に利用しているのですから論外です。
さらに、このご投稿者は「痴漢とかに気を配る必要がなくなって『安堵』」と書いておられるのですが、とても心配なことがあります。
『痴漢【だけ】』にしか視野が向いていないと「女性専用車両で(気分的には)安堵」という面もあるでしょう。
そして以前その安堵感(気の緩み)につけ込んだ女性専用車両専門の女スリのニュースがありました。
また車内で凶器を振り回すような暴漢が現れたとき・列車衝突などの事故が起きたとき、性別でカテゴライズするのは本意ではありませんが、はたして「女性だけの空間」は本当に安堵できるものなのでしょうか?
調べてみると、山陽鉄道列車強盗殺人事件(1898)、こだま485号殺人事件(1988)、のぞみ24号殺人事件(1993)と言った凶悪事件はもとより、乗客が重傷を負うような事故も枚挙に暇がありません(日本の鉄道に関する事件)。
話を戻します。
もちろん私達は、痴漢被害者がどうなってもいいと考えているわけではないので、監視カメラや警備員の増員などを積極的に提唱しています。
「痴漢対策は女性専用車両でなければならない/女性専用車両でないとできない」という決まりはどこにもありません。
痴漢対策として、当会は鉄道事業者に監視カメラ設置や警備員配備を実際に要請していますし、実際カメラをつけている鉄道事業者も増えてきました。
さらには社会全体が大都市集中型でなくなること、時差通勤・通学などでラッシュそのものを緩和することも必要だと考えています。
しかしここでサイトをご覧のみなさまにご理解いただきたいことがあります。
【当会は「女性専用車両に反対する会」であって「痴漢をなくす会」ではありません】。
こう書くと誤解を受けてしまいそうですが、当会も痴漢犯罪がなくなることを切に願っています。
痴漢だけでなく、あらゆる犯罪や事故その他の悲しい出来事がなくなることを願っています。
しかしひとつの団体が【ありとあらゆる社会の問題点すべてに取り組み、改善する】ことは残念ながら労力・能力的に不可能です。
数ある市民団体・企業などの集団はみなそれぞれの主題(活動テーマ・理念)の基に活動しているのです。
女性専用車両賛成の方々の一部には「女性専用車両に反対するなら、まず痴漢をなくしてからにしてください。」という方がいらっしゃいますし、このご投稿者も
そもそも防犯カメラとか警備員設置とか言ってるけど、それならばまずそれをつけてから反対をしてください。
と書いておられます。
女性専用車両を【今まで冷たかった社会がやっと救済の手をさしのべてくれた】=【神のような存在】と感じておられる方からすれば、【神を奪うのなら、あなたが神の代わりをしろ!】となる気持ちは心情的にはとてもよく解ります。
しかし、何度も書いているように「女性専用車両は痴漢対策と言っていながら実は政治家の【選挙対策】や鉄道事業者の【営業戦略】である」という事実、「導入前後で痴漢被害の認知件数は『微減・横ばい・微増』」だった(痴漢防止に効果がない)という事実、「法的に『女性専用』を強制できないのに『専用』と言う名前を付けて強制であるかのように【騙している】」という事実などを見れば、【女性専用車両は神ではない】ことは明白です。
痴漢被害で苦痛を受けている人達と、女性専用車両で苦痛を受けている人達。
数的には前者のほうが多数でしょうが、当会は「少数者(マイノリティ)も声を上げるべき」という発想のもと活動をしています。
女性専用車両で苦痛を受けている人が現にいるのです。
その人達にとっては【神どころか悪魔】なのです。
さて、女性専用車両賛成の方々からこの【痴漢をなくしてから反対せよ】【カメラをつけてから反対せよ】と言う声をよく聞きます。
このご投稿者も「無くされてまた痴漢に合えば責任取れますか?」と書いておられるのですが、そもそも「痴漢をなくす」「カメラをつける」責任・役割を負っているのは誰でしょうか?
社会全体が(構成員一人一人が)、社会から痴漢を含めてあらゆる犯罪をなくす責任・役割を負っていることは言うまでもありません。
そういう意味では当会会員個々人も責任・役割を負っています。
実際、当会にもドア付近にいる女性にじわじわ距離を詰めて行った挙動不審な男に近づいて睨みつけ、退散させたという強者会員もいます。
優先席に座っていた女性に「ここはあんたらの座る場所じゃないんだよ!」と執拗に絡む人物に「なんで座ったらあかんのや!他になんぼでも席空いてるやろ!!」と怒鳴りつけて撃退した強者会員もいます。
しかし、これらは【たまたま居合わせたからできた事】にすぎません。
直接的に犯人を検挙・刑事告訴するのは警察・検察の責任・役割、防犯カメラその他を設置して対策するのは鉄道事業者の責任・役割です。
「反対する会」の責任・役割ではありません。
当会に出来るのは世論に訴え、働きかけることです。
また民事上の賠償責任となると、責任を負うのは加害者(犯人)です。
これも「反対する会」の責任・役割ではありません。
日本は法治国家ですので、このあたりは法に則った解釈が必要になります。
要は『刑事・民事ともに、痴漢のように加害者(犯人)がいる場合、【直接的な責任を負うのは加害者】』なのです。
そしてもし、痴漢対策のために増税が必要・運賃値上げが必要と言うことになれば、当会会員達は社会の一員として惜しみなく協力します。
尤も以前当会が某弁護士に相談をしたときに『女性蔑視・敵視の集団ではないか』と色眼鏡で見られたこともありますので(話していくうちに誤解は解けました)、痴漢被害経験者の方が同様の目で見る気持ちは心情的には理解できますが…そこははっきり否定しておきます。
●ありがちな差別のパターンと、女性専用車両の「怖さ」について
当会のロゴマークには「男女が憎しみ合わない社会を」というフレーズが入っています。
これは当会の重要な理念のひとつです。
【女性専用車両が怖い】のは「追いつめられた【被害者】」が知らず知らずのうちに「差別の【加害者に転じてしまう】」ところです。
差別にありがちなパターンとして『ある属性を持つ人たちが○○な傾向にある』との事実が『ある属性を持つ人たちは○○である』に変わり、さらに『だからその属性の人たちはダメなんだ』にまで暴走してしまう、というのがあげられます。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元会長のM氏が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」と述べて「女性蔑視だ」と大問題になったのは記憶に新しいところです。
様々な属性それぞれに「ありがちな傾向」というのは存在するでしょう(特に顕著というわけではないのに、先入観念により思いこみが生じている場合もあるが)。
その「傾向」には「長所的なもの」も「短所的なもの」もあります。
「短所的な傾向」をもって、「この属性はそういうもの」だから「ダメなんだ」「制限を加えられても当然だ」というような発想につながってしまうことが差別なのです。
(少数ですが女性の性犯罪者も居るのに)このご投稿者の弁によると「男性がこういう生物だから」と、男性だけが生まれながらに十字架を背負っているかのような認識です。
「みんながみんなするわけじゃないけど」と添えてはいるものの、【男性がこういう生物だから(制限を加えられて当然)】と残念ながら上記パターンに当てはまっていて、差別の【加害者側】にまわってしまっています。
このようにして女性専用車両のせいで「男女の憎しみ合い」が生じています。
「痴漢の大部分は男性だが、男性の大部分は痴漢ではない」
このことを私たちはまずしっかり伝えたいと思います。
女性専用車両は「男性がこういう生物だから」ではなく、「女性専用車両を推進すると得をする者達がたくさんいる」という大人の事情が、上記のような「差別の基本的発生パターン」に合致して生じたものなのです。
また「民主主義=多数決」と思われがちですが、衆愚制という言葉もあるように賛成多数であったとしても「賛成が多いから正しい/適切な判断」とは限りません。
少数者が踏みにじられてしまうからです。
まずは少数者の立場・考えも理解してもらうべく、啓発活動が必要なのです。
私たちの活動はこれに当たると認識しています。
●女性専用車両関連アンケートデータに関しての考察
さて、このご投稿者は
実際の日本法規の情報でも、女性専用車両に反対してる人は僅か5%でした。
と述べておられます。
5%という数字が『僅か=とるに足らない』かどうかの議論の前に、注意しなくてはならない点があります。
【数字というのは怖いもの】で、我々は『数字で示されると【客観的事実】=【正しい】』と思いがちです。
しかしアンケート結果はその「取り方」「データ処理方法」によって大きく変わってきます。
女性専用車両の賛否の統計では、いわゆる「無関心層」も「反対でない=賛成」とみなして賛成が大多数であるかのように装うものも見られます。
また、かつて試験実施中の女性専用車両位置で電車を待っている人達にアンケート用紙を配って「賛成多数」の結果を導き出したとんでもない鉄道事業者もありました。
賛否調査データをネットで少し見渡してみると、
>国交省調査(2002年) 男性2613人、女性2535人。反対は男性22%、女性9%。→全体で反対は15.6%(当会計算)。
>熊本市交通局アンケート(2020年) 反対は17.2%。
>日本法規は2018年発表(調査年不明) 反対5%。
等が見つかります。
ご投稿者が指摘しておられるのは、おそらくこの3つ目のデータでしょう。
私たちには日本法規がどのような調査方法・データ処理方法を行ったのか、詳細は解りません。
しかし、
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『セクハラ・パワハラ相談サポート』『モラルハラスメント対策相談サポート』の運用情報やアンケートを元に、「女性専用車両に関するアンケート調査」について発表しました。
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とあることから想像するに、無作為ではなく「女性専用車両が充実していないことに不満を持つ層が多い母集団が選ばれている」可能性が考えられます。
国交省も熊本市交通局も女性専用車両推進側であるため、これらデータも鵜呑みには出来ないのですが、私達は他の結果等も考慮して「女性専用車両反対はおよそ20%弱前後であろう」と見ています。
日本法規の5%は余りに低すぎます。
●女性専用車両賛成派の、ありがちな『不満・要求・質問』
(1)◆電車を遅らせるな◆
このご意見はよく聞きます。
このご投稿者も「あなたたちみたいな方が電車を遅らせたり」と書いておられます。
女性専用車両について詳しくない方や、女性専用車両賛成の方から見れば、【反対派の男性が女性専用車両に乗らなければ電車は遅れない】=【電車が遅れるのは女性専用車両に乗車する反対派男性が悪い】と見えるでしょう。
『反対派の男性が女性専用車両に乗らなければ電車は遅れない』というのは正しいですが、【電車が遅れるのは女性専用車両に乗車する反対派男性が悪い】は【誤り】です。
目の前で起こっていることだけを見ていると解りにくいですが、【悪いのは誰】でしょうか?
解りやすく書いてみます。
①鉄道事業者は男性乗車禁止に出来ない(差別になる)ので「男性の任意の協力」とした。
しかし、本心は乗せたくないので「女性『専用』車両」という、あたかも強制力を伴うような名前を付けて乗客を騙した。
②【「任意協力(どうするか自分で決めていい)」と言われた男性が「じゃあ協力しないよ、差別に屈するのは屈辱だからね」と決めて乗車】した。
③係員の中には「おまえが降りなきゃ発車させないぞ!」と言って強硬手段に出る者も現れた。
また、周りの(本当に専用だと騙されている/乗って欲しくないから騙されたふりをしている)一部の女性客が騒ぎ出し、鉄道事業者が「車内トラブル」として発車を見合わせて処理せざるを得ないケースも起こった。
④結果、電車が遅延する。
「悪い」のは
- 「任意協力」だと言いながら強制であるかのように見せかけて、乗客を騙している鉄道事業者。
- 「任意協力」なのに、おとなしく乗っているだけの男性客に対し強硬手段をとる係員や騒ぎ立てる乗客。
だと見えてきます。
(2)◆盗撮するな◆
最近ニュースなどでもこの「盗撮」という言葉がよく聞かれるようになったため、安易に「盗撮」という言葉を使う人が増えてきたように思います。
「盗撮」の意味はどうなっているでしょうか?
「こっそり撮影すること」としか書かれていませんね。
漢字が表す通り、本来「盗撮」とは「こっそり撮影すること」という意味でしかなく、イコール違法行為とは限らないのです。
では、違法行為になる「盗撮」の定義はどうなっているでしょうか?
「盗撮」は法律用語ではありませんので曖昧な部分は存在しますが、
弁護士法人 渋谷青山刑事法律事務所
弁護士法人 ALG&Associates 姫路法律事務所などの見解
を読めばよく解ります。
「『通常衣服で隠されている身体又は下着』をカメラ等で撮影する/しようとする行為」と定義されています。
上述のことから、電車内で普通に撮影するのは(相手の承諾を得ていなくても、スカートの中でもない限り)違法行為で言うところの盗撮には該当しません。
これが違法行為の盗撮なら、世の中にあふれかえる防犯カメラや報道カメラもみな違法行為の盗撮ということになります。
尤も本人の承諾を得ず個人特定できる形で一般公開すれば、盗撮でなくてもプライバシー侵害や肖像権侵害に該当する可能性が大きいですが、私たちはそういうことはしません(当会の場合)。
そもそも車内で撮影する目的は防犯カメラなどと同じで「証拠保全」です。
車内で不適切な言動や時には暴行(接触を伴う有形力の行使)を受けることがあった場合、正確な事実を記録しておくためなのです(当会の場合)。
実際に女性乗客から蹴られたとか、傘で突かれたという例もありました。
さらに「男性の任意の協力」と位置づけられているのに、過去には御幣島駅(JR西日本 東西線)で当会メンバーが駅員らに手や衣服を引っ張られ、実力行使(暴行)をもって降車させられたということがありました(2014年8月 関西本部:JR神戸(東海道)線&JR東西線で非協力乗車会)。
このときはJR西日本の対応があまりにも横暴だったため、被害届を提出しましたし、弁護士相談も行いました。
それらの際、【録画記録は大いに役立ちました】。
私達ももちろん、見知らぬ人が車内撮影していたら快く思わない人がいることは承知しています。
ですので撮影データの目的外使用はしない・乗車終了後出来る限り速やかに消去するなどの対応をとっています(当会の場合)。
また、車内の動画・静止画をホームページなどに載せる場合でも個人特定できないようモザイクをかけるなどプライバシーには十分配慮しています(当会の場合)。
(3)◆法律に触れなければ何でもありか◆
★OKとNGの境界線って?
法に触れない範囲で「何がOKで何はNGか」の判断は、各自の意識(感性、価値観、その他)に委ねられるため、明確な線引きをすることは出来ません。
ある行為の「OK/NG度合い」は、個人によって違うのです。
「多数の人がNGと判断するか否か」という目安もありますが、これとて一歩間違えば前述の衆愚制になりかねません。
私達は「単に【粛々と】男性メンバーが女性専用車両に乗車する」ことについては「OKな範囲」と認識しています。「NG」と認識すればやりません。
女性専用車両賛成の方達は「男性が乗車するのは、法には触れないものの限りなくNGな行為」と認識し、私達は「あくまで任意の協力で、差別を受けることを拒否するためのものなので、全く問題ない(むしろ好ましい)OKな行為」と認識している…価値観がそもそも違う、ということです。
★権利を主張するのは悪いことなの?
このご投稿者は「権利ばっかり主張して、ルールを守らない」と書いておられるのですが、権利を主張するのは悪いことなのでしょうか?
「権利を主張できる」のは人権を守る(人としての幸福を守る)上でとても大切なことなのです。
戦時下の社会、戒厳令下の社会、独裁政権下の社会、その他諸々非常事態下の社会では権利を主張することは出来ません。
権利を主張できるのは社会が健全な証拠なのです。
何らかの権利主張は利害の反する立場の人から見ると、どうしても「わがままだ、勝手なことばかり言うな!」と受け止められがちです。
その気持ちは誰しも同じで自然なこと、ご投稿者の心境はとてもよく解ります。
しかし視点を変えれば、女性専用車両賛成派の方達の主張は「権利(女性だけの空間が欲しい)ばかり主張して、ルール(憲法に示された両性の平等)を守らない」となります。
女性専用車両という罪な存在が「憎しみ」「対立」を生んでしまっており、とても悲しいことですね。
★ルールってなに?
最近は「ルール」などの言葉を安易に(きっちりした認識の下ではなく、何となくのイメージで)使う方が多いように思います。
そうすると話し手と聞き手の間で意味の解釈がズレて、誤解・拡大解釈などの混乱が生じてしまいます。
ルール(rule)は「規則」「規定」などと訳されますが、明文化されている必要があるか否かなども含め、言葉そのものにも幅があります。とても難しいですね。
女性専用車両に限定して述べるなら、各鉄道事業者の監督官庁に当たる国土交通省が
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現在各鉄道会社で導入されている女性専用車両については、あくまでも利用者のご理解と任意のご協力のもとに行われているものであり、法的な根拠はありません。
女性専用車両はあくまでも男性利用者の任意のご協力のもとに実施されているものであることから、実際の運用に際して、駅係員等が誤乗車された方に対して呼びかけ、ご協力をお願いすることはあると考えます。
しかしながら、強制的に降車させるような行為は不適切と判断されることから、そのような事実があれば指導して参りたい。
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という見解を示しています(参照)。
これが今の日本の『女性専用車両に関する【ルール】』であると私達はそう認識しています。
少なくとも「ルールに従う」=「同調圧力に屈する」ではないと考えています。
国交省の示した「男性利用者の任意のご協力のもとに実施されている」という「ルール」を私達はしっかり守り、その結果「協力しない」という意志決定をしているのです。
また、「主張しなくても基本的人権が守られるのが日本のルール」(憲法で保証)なのに、女性専用車両はじめそうなっていない例が多数あるのは『社会が「ルール違反」している』ということです。
少々古い話ですが、アメリカにローザ・パークスという人物がいました。
バス車内で「白人に席を譲るのを拒み、人種分離法違反の容疑で逮捕」されました。
女性専用車両のような私人の定めたものではなく、明確に【(当時の)法律に違反する行為】です。
「運転手の命令に背いた」とのことなので、(詳細は解らないですが)一悶着あってバスは遅れたと想像に難くありません。
当時のアメリカの白人の多くからは非難囂々だったでしょう。
しかしこれを契機に公民権運動が起こり、アメリカのみならず世界の人権意識は大きく前進しました。
私達は法律はもちろん「ルール」にも従っていますが、時には法律に反する行為さえ高い評価を受けることもある(法律が「悪法」であった場合)という事実も、サイト読者のみなさまに知っていただけたらと思います。