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【福岡】2025年6月 西鉄天神大牟田線で非協力乗車

2025年6月3日の朝、西鉄柳川駅から西鉄福岡駅(天神)まで非協力乗車会を行いました。

過去の活動報告をご覧いただければお分かりいただける通り、西鉄は男性が非協力乗車すると駅員(助役)がぴったり最後までついて来ますが、今回はどうだったかご覧ください。


西鉄柳川駅で

6月3日朝7時過ぎ、西鉄柳川駅周辺はあいにくの雨模様である。

今日はここから西鉄福岡駅(天神)まで西鉄電車に非協力乗車を行う。

柳川駅前は雨
同左

参加予定の会員が揃ったので、改札口を抜けてホームに降りると既に通勤通学の人々がホームに並んでいた。

この後、7:18発の急行に乗車する人々だ。

私達はこの列車には乗らず、もう1本後の7:29発の西鉄福岡行き急行に乗車する。

この7:29発の急行は柳川駅始発の列車である。

西鉄柳川駅ホーム。
ホームに到着した7:18発の急行

7:18発の急行が発車してホームに人が少なくなったところで私達はホームに並んだ。

ホーム端で次の列車を待つ
ホームの女性専用車両乗車口表示

西鉄の女性専用車両は7両編成の最後尾にある。

つまり端のほうということになるが、西鉄柳川駅のホームの端のほうには屋根がない。

まだ小雨がポツポツと降っていたため、傘を差しながら並んでいると「この列車の最後尾の車両は女性専用車両です。皆様のご理解とご協力をお願いします。」という肉声放送が流れた。

しばらくすると、大牟田側から私達の乗る7:29発の急行が到着。柳川駅始発のため、当然だが誰も乗っていない。

ドアが開き私達が着席すると、しばらくして1人の女性客が他の席からわざわざこちらに来て「女性専用車両です」と言いにきた。

会員の1人が「知ってます」と返すとその女性客はすぐ元の場所に戻っていったが、ここでもし女性客が引き下がらなかったりすると大きなトラブルに発展することもある。

しばらくして車掌が「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」と肉声でアナウンスした。

わざわざ「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております」を2回繰り返すなど何とかして私達を移動させたいようだが、任意協力である以上、私達に移動する義務はない。

発車時刻になり、車内にわずかに空席のある状態で柳川駅を発車。

西鉄柳川→西鉄福岡(天神)

柳川駅を発車してしばらくしてから「ただいまから車掌が車内へと参ります。」という車内アナウンスが流れ、車掌が車内を巡回しにきた。そして座席にいる私達の目の前を通り過ぎたが、声かけはしてこなかった。

また、先ほど柳川駅停車中に声かけしてきた女性客も私達が乗っていることを車掌には申告しなかったようである。

急行は柳川駅を出ると次は大善寺駅まで停まらない。大牟田駅から久留米駅までの間は急行も特急と停車駅は同じ(大牟田→新栄町→西鉄柳川→大善寺→花畑→西鉄久留米)である。

雨が降る中、列車は次々と駅を通過して大善寺駅に到着。ここでややまとまった乗車があり空席が埋まった。特に声かけなし。

大善寺駅発車後しばらくして車掌が再度肉声で「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。皆様のご理解とご協力をお願いします。」とアナウンスした。

またも「この列車の最後尾の車両は女性専用車両となっております」を2回繰り返しアナウンスしたわけだが、私達は承知の上で敢えて乗車している。私達を移動させるためというより、私達が乗車しているのを見て他の男性客が乗ってこないようにしているのだろうか。

大善寺駅発車後の車内

大善寺駅発車後はラッシュ時で列車が詰まっているのか、それとも他に理由があるのか、これまでのような快調な走りではなく速度を落として走行。

津福駅では反対方向の大牟田行きが行き違い待ちをしていた。

大善寺駅からこの先の聖マリア病院前駅(旧:試験場前駅)までの間、線路は単線である。

天神大牟田線は大部分が複線だが久留米以南ではまだ所々、虫食いのようにこのような単線区間が残っている。

今走っているこの区間は久留米市の中心部にもほど近く、利用も決して少なくないと思われるが線路際まで住宅などが建て込んでいるところもあり、複線化は難しそうだ。

九州新幹線の高架下をくぐり、こちらも高架に上がって久留米市の中心部へと向かって行く。

高架で久留米市内を走行

聖マリア病院前駅を通過し、ここからは複線区間に。

信号が赤なのか線路上でしばらく停車。再び動き出すと西鉄久留米駅の1つ手前の花畑駅に到着。

多数の乗車があり立ち客が一気に増えた。花畑駅を出てすぐ隣の西鉄久留米駅にも停車。ここでもややまとまった乗車があり、車内は混雑し始めた。

特急は西鉄久留米駅を出ると西鉄二日市駅まで一気に駅を通過して行くが、急行はここからほぼ1~2駅おきくらいに停車するようになり、特急よりも圧倒的に停車駅が多くなる。

次に停車した宮の陣駅でもまとまった乗車があり、立ち客で車内が見通せなくなってきた。

西鉄小郡駅では降りていく人もそこそこいた。車内は相変わらず結構な混雑。急行はこまめに停まるが駅間ではかなり飛ばす。恐らく時速100kmは出しているだろう。

列車は三国が丘駅、筑紫駅、朝倉街道駅と停車。それぞれの駅で乗り降りがある。西鉄二日市駅でもまとまった乗車があった。

西鉄二日市駅発車後に車掌がまた女性専用車両の案内肉声アナウンスを流した。

しばらく走って、次の停車駅の下大利駅に到着。比較的最近(2022年)に高架化されたので駅はきれいである。

白木原しらきばる駅を通過し、さらに高架を走り続けて春日原かすがばる駅に到着。ここも下大利駅と同時期に高架化されたため駅はきれいだが、混雑した車内に次々と人が乗車して混雑がさらに増した。

福岡市内に入り、昨年新しく開業した桜並木駅を通過。さらに雑餉隈ざっしょのくま駅、井尻駅を通過して大橋駅に到着。ここからもまとまった乗車があり、車内はもう少しで押し合いへし合いになる状態である。

急行は本来なら大橋駅を出ると薬院駅まで停まらないが、この急行はイレギュラーで大橋駅から西鉄福岡(天神)駅まで各駅停車になる。

車掌が「お客様にご案内いたします。この列車、大橋から福岡天神までは各駅に停まります」とアナウンス。本来急行が停車しない高宮駅、西鉄平尾駅にも停車して薬院駅に到着。

ここで「本日、この列車は5分ほど遅れて到着しております。朝のお忙しい時間に列車遅れまして申し訳ございません」とアナウンスが入った。先ほど西鉄久留米駅を出てから、駅間でやたら飛ばしていたのは遅れを取り戻すためだったのか。

もちろん今回は柳川駅で女性客が一言声をかけてきただけで特に大きな問題はなかったので私達が原因ではない。

そういえば大善寺駅を出た後、花畑駅までノロノロ運転したり駅手前で止まったりしていたが、ラッシュ時で列車間隔が詰まっていたからではなく、そこで何かあったのだろう。

薬院駅で多数の人が降りて車内はやや混雑が緩和された。薬院駅を出ると次は終点の西鉄福岡駅である。

辺りはビルが建ち並び、完全に都会の風景である。ここで再び車掌のアナウンスが入り、「本日約8分遅れで福岡天神駅に到着いたします。本日は列車遅れまして申し訳ございません」とお詫びがあった。

そして8:39頃、西鉄福岡駅のホームに到着した。

西鉄福岡駅に到着(折り返し花畑行きになるようだ)
多数の人々が行き交う(西鉄福岡駅)

少し前に実は…

今回、車内アナウンスが少々しつこかったものの、駅員や乗務員が声をかけてくることはなく、また以前のように途中駅から助役がずっとついてくるということもなかった。

実は今回の乗車会よりも以前に関西のある会員が個人的に九州に旅行に行き、そこで地元福岡の会員と共に西鉄福岡駅の案内所を訪問して「女性専用車両は任意協力か?」「男性が女性専用車両に乗車したら声をかけるのか」等を尋ねたことがある。

対応した職員の答えは「任意協力であり、男性の乗車を禁止するものではない」だった。

そこで会員が「以前、男性が女性専用車両に乗車すると、駅員(助役)が一緒に乗車してきて付いて来たりしていたが、今もしているのか」と尋ねると、「現在はしておりません」とのことだった。

もちろんこれは九州に旅行に行った会員が旅行先で福岡在住の会員と会い、個人的に行ったもの(その日が祝日だったため、女性専用車両の実施がなく乗車活動は出来なかったらしい)で、会としての正式の活動ではなかったから活動履歴として記事にはしていない。

しかし、そのときに西鉄職員の言っていた「現在はしておりません」という言葉が本当かどうか、今回の乗車会で検証するような格好になった。

今回は西鉄柳川駅を出たところで車内を巡回してきた車掌が私達の目の前を通り過ぎながらも一切声掛けしてこなかったことや、さらに途中の停車駅から助役などが乗り込んでこなかったことなどから、西鉄福岡駅の職員の言葉は本当だったと見て良いだろう。

とは言え、任意協力であるにも関わらず『女性専用車両』という名前で現在も列車が走り続けている以上、今後も継続して任意周知を行う必要はある。

福岡やその周辺にお住まいの方で入会してみようと思う方(もちろん福岡以外でも全国的に会員は随時募集している)は是非当会まで入会申し込みいただきたい。

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【熊本】2025年6月 熊本市電で非協力乗車

2025年6月2日朝、熊本市電の女性優先車両に非協力乗車を行いました。

今回、乗務員からも女性客からも声掛けなどは全くありませんでしたが、途中で車内に貼り出されていた「女性優先車両」の案内掲示に変化があることに気づきました。


乗車会前日に一部区間が不通

昨年(2024年)から事故やインシデントが止まらない熊本市電。昨年も走行中にドアが開いたり、脱線したりするなど10件以上の事故・インシデントを起こしたが、今年(2025年)の3月25日にはついに10名以上の負傷者を出す衝突事故を起こしてしまった。

そのため当会内からも「熊本市電に乗るのはやめておいた方が…」という声まで出たくらいだが、こんな状態でもやはり熊本市交通局(市電)はまだ女性優先車両をやっているのかどうか、それを確かめる意味もあり今回、乗車会を行うことになった。

現在、熊本市交通局のウェブサイトには女性優先車両導入当初の過去記事が「お知らせ」のコーナーに残っているだけで、それ以外は全く触れられておらず、サイトを見るだけでは現在も女性優先車両をやっているのかどうか分からない状態である。

当会が昨年(2024年)の3月に乗車会を行った際、交通局サイトには(過去記事以外)全く女性優先車両の記載が無い一方で実際に市電の電停に行ってみると、電停の時刻表に「平日7時~9時前後を運行する低床車両には女性優先車両があります」と表示されている状態だった。

地元の利用客以外にはなるべく女性優先車両の存在を知らせないようにして、できるだけ批判をかわそうとしているのだろう。

恐らく今回も昨年3月の時と同じ状態(=ウェブサイト時刻表に記載なし&現地でのみ「女性優先車両があります」と案内)だと思われるが、とりあえず実際にやっているかどうか確認するということで、乗車会前日(6月1日)の夜に熊本駅前電停の時刻表を見に行った。

熊本駅前電停の時刻表は印刷ではなく、モニター画面に時刻やその他いろいろ表示されるタイプのものである。

熊本駅前電停のモニター時刻表(写真は過去の乗車会の際のもの)

画面を見てみると小さい文字ではあるが『平日7時~9時前後を運行する低床車両には女性優先車両があります』の表示があった。やはり女性優先車両は今でも実施されているのだ。

なお画面上に『時刻表はホームページでもご覧になれます』とあるが、ホームページ(交通局サイト)の時刻表では、女性優先車両の案内がない。

熊本駅前電停の時刻表(画面)にあった女性優先車両の案内

ここで画面(電停に設置の時刻表)を見ていた会員の1人があることに気づいた。

画面に表示された「次の電車」の行き先が「臨:辛島町行」となっており、時刻表と違うと言うのだ。

熊本駅前電停から出る電車はA系統の健軍町方面行きと上熊本方面に向かうB系統の2種類があるが、時刻表上ではA系統の電車はその多くが終点の健軍町電停まで行く。つまり通常、辛島町止まりはほとんど運転されない。

乗客が多すぎて臨時便でも走らせているのかとも思ったが、今はGWやお盆などの多客期でもなく、また沿線で何か大きなイベントがあるという話も聞いていない。乗客が多すぎて臨時便を出しているというわけではなさそうだ。

周りで電車を待っている人々の会話から、どうやら辛島町電停から先の一部区間で運休になっているらしいことが分かってきた。

そこでスマホで検索をかけて調べると、辛島町電停から水道町電停までの間が現在も運休になっており、熊本市電A系統は中間が運休していて、その両側で折り返し運転をしている状態らしいことも分かった。

運休になった理由は今日の日中に走行中の列車で異音が発生したことから線路の点検・復旧のため一部区間運休にしているとのことである。

どうやらレールが破損していたために異音がしたということのようだが、ただでさえ、相次ぐ事故やインシデントで利用者の信用を失っているだろうに「またか」という感じだった。

明日は通常ダイヤで運行されるのかどうかも分からないが、とりあえず明日の朝に一応、集合場所に集まろうという話になった。

朝、集合場所の電停で

一夜明けて6月2日朝、集合場所は市立体育館前電停である。

先述の通り、朝から通常ダイヤで運行されるのかどうかも分からない状態だったが、目の前の電停にやって来る列車は「熊本駅前・田崎橋」「上熊本」などの表示を掲げて走っており、どうやら今日は運休区間はなく平常ダイヤで運行されているようだ。

今日はここから熊本駅前方向に向かって非協力乗車を行う。とはいえ、この状況で女性優先車両は実施しているのだろうか。

市立体育館前電停

電停の時刻表によれば、女性優先車両があるのは平日朝の2両編成の低床車で、7:39発の熊本駅前・田崎橋行きがそれに該当するようなので、とりあえずその電車を待つことにした。

市立体育館前→熊本駅前

電停でしばらく待っていると、その7:39発の列車がやってきた。

列車が電停に入ってくる際、後ろの車両に着脱式の女性優先車両表示が掲出されているのを確認した。

到着した列車

ドアが開いたので電停にいた他の乗客と共に私達も乗車。車内はすでに立ち客が結構いる状態だった。

今回は単純に熊本駅前方向に向けて一回乗るだけで、途中下車や折り返し乗車などはしないため一日乗車券は購入せず、各自ICカードで乗車。

私達が乗車した女性優先車両にはドアの所(つまり今、私達がいるすぐ近く)で扉の開け閉めなどの操作をしている乗務員がいたが、私達には全く声掛けはしてこなかった。

さらに車内にはすでに男性が1人乗車していて、座席に着席していた。

熊本市電は女性専用車両(現在は女性優先車両)を導入して以来、男性が乗車しても声をかけることはしていないようである。当会も過去何度か熊本市電で非協力乗車しているが、男性が乗車しているからということで乗務員に声をかけられたことはこれまで一度も無かった。

それ自体は良いのだが、熊本市電の女性優先車両がとんでもない理由・背景で導入されたことは当サイトでも過去に何度か触れているので、出来れば改めてよくご覧いただきたい。

表向きは「迷惑行為防止対策・いろいろな取り組みをしてきたが(痴漢などの)迷惑行為が減らないため導入に踏み切った」ということになっているが、決して痴漢被害が深刻なために取ったやむを得ない措置ではない。

熊本市議会の議事録にも「コロナウイルスで人(利用客)が減っているので、アイデアの一つとして」とあり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による減収対策として(つまりは客寄せと収益アップのために)女性専用(優先)車両を設置したことが分かる。

これは公営の公共交通機関がするべきことではない。

(参照)

2021年3月 当会からの質問状に対する熊本市交通局の回答および熊本市議会議事録について

2022年3月 熊本市電の女性優先車両の本格導入とその後の動向、当会とのやり取りについて

(熊本市議会の議事録より)

列車は市立体育館前電停を発車。乗務員だけでなく周りの女性客も私達には何も言ってこなかったが、次の電停に到着する直前になって会員の1人が市立体育館前電停で乗車した際にICカードをタッチし忘れたことに気づき、近くにいる乗務員に「前の電停から乗ったが、そのときにタッチし忘れてしまった」と申し出た。

すると乗務員は「今タッチして下さい。全然問題ありませんので」と丁寧に対応した。

熊本市電の運賃は乗車区間に関係なく一律200円である。だから必ず乗った電停でタッチしなければならないということはない。(余談だが、この乗車会の前日の6月1日から200円に値上げになった)

以前から何度も乗車しているが、熊本市電の乗務員は接客の丁寧な人が多いように思う。

それだけに、上層部の利益優先思考で女性優先車両を導入したことで現場の乗務員を含めて、一部の人々(当会も含め)から「熊本市電は女性車両を導入する差別的な事業者」となってしまうのは残念なことである。

もちろん、COVID-19感染症の大流行で人(乗客)が減ったからと「話題作り・客寄せ」のため女性専用(優先)車両の導入を推し進め、それを表向き「迷惑行為防止の取り組み」とサイトで発表した交通局がとんでもないことに変わりはないが…

一応、熊本市電の女性専用車両(現:優先車両)は、現場の運転士のアイデアだったということになっている。お偉方から「感染症の大流行で乗客が減っている状況を打開するアイデアはないか?」と現場に問いかけたところ、そういうアイデアが出てきたというのだ。

しかし、これがもし本当だったとしても上層部がこんな意見を採用して実際に実行に移した時点で、交通局自身が公平性を強く求められる「公営の公共交通事業者である」という自覚にあまりにも欠けていたと言え、利益優先思考になっていたと言わざるを得ない。

列車は新水前寺駅前電停で多数の乗客が乗車してかなりの混雑になった。恐らくJR豊肥本線からの乗り換え客だろう。男性客も何人か女性優先車両に乗車してきた。

しばらく混雑したまま進んでいくが、電停に停車する度に少しづつ人が降りて、水道町電停辺りまで来ると、女性優先車両は少し余裕が出てきた。

熊本市電では女性優先車両の運行時は車外の他、車内にも着脱式の女性優先車両の表示を出す。

先ほどまで車内が混雑していたため気づかなかったが、よく見ると車内の女性優先車表示に

●男性のお客様のご協力により運行しています

男性のお客様もご乗車いただけます

と明記されていることに気づいた。

「男性のお客様もご乗車いただけます」と明記

以前はこういう表示はなかったのではないか?

女性専用(優先)車両導入の経緯があまりにもひどいものだったことに加え、昨今の事故・インシデントの連発で強いお叱りを受けた結果なのだろうか。

今回、熊本市電が女性専用(優先)車両を実施している鉄道事業者の中では恐らく初めて「男性のお客様もご乗車いただけます」と案内を出したわけだが、本当は日本国内で「女性専用車両」とか「女性優先車両」と表示されている列車は全て「実は男性も乗れる」のである。

しかし、現時点で熊本市電以外の鉄道事業者では全くこのような案内はされていない。

そういう意味では熊本市電の表示は一歩前進と言えるのではないだろうか。

さらに熊本市内中心部を走行し、通町筋電停では家族連れと思われる男性も乗車してきた。そしてその次の熊本城・市役所前電停では多数の乗客が降りて車内の立ち客はまばらになった。

辛島町電停を過ぎ、ここからは(JRの)熊本駅前に向けて走って行く。

熊本は熊本城・市役所前電停や辛島町電停周辺が中心部でありJRの熊本駅はやや街外れにある。列車も市街中心部で多数の乗客を降ろしたため、今は女性優先車だけでなく、前の車両も車内に余裕がある。

いくつかの電停を過ぎて8:14頃、熊本駅前電停に到着。私達はここで下車し、今回の乗車会はここで終了とした。

車外の女性優先車両表示。『男性のお客様もご乗車いただけます』と明記

下車した後、車外に掲出されていた女性優先車両の表示を改めて撮影した。

こちらにも「男性のお客様もご乗車いただけます」と明記されていた。

熊本駅前電停でほとんどの乗客が降りてガラガラになった列車はしばらく停車したあと、終点の田崎橋電停に向けて発車していった。

熊本駅前電停で降りた電車を見送る

追記

後日、このページを編集している時に熊本市電の電車が動かなくなり牽引というニュースが入ってきた。

本当にトラブル続きで大丈夫なのかと思う。

こんな状況で(男性も乗れると明記したとは言え)女性優先車両などやっている場合だろうか。

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【熊本】2024年3月 熊本市電(A系統)で非協力乗車会

当会では2024年3月19日の朝に熊本市電A系統で非協力乗車を行うことにしました。

熊本市交通局の公式サイト内の時刻表から女性優先車両の設置対象列車の案内(印)が消えたため、市電が女性優先車両を継続しているのかどうか分からなくなったので、その確認のためです。


熊本市電で非協力乗車

今回乗車会をすることになったワケ

今回、久しぶりに熊本市電での非協力乗車を行う事となった。

このページをご覧の皆様もご存じの方は多いかと思うが、熊本市電を運行する熊本市交通局が2020年の9月に突然、わずか2両編成の市電に女性専用車両(後に女性優先車両と改称)を導入することを発表。
インターネット上では疑問や反対意見が多数上がり続ける中、マスコミは一貫して賛成の姿勢で「痴漢対策であること」を前面に出して報道し、さらに交通局に多数の反対意見が届いたことも「ほとんどが県外からの意見」などと理由をつけて切り捨てた。

そして約半年間の試験導入期間の後、交通局が行ったアンケート調査で「賛成が反対を上回った」として、翌2021年3月に「女性優先車両」と改称した上で正式導入が発表された。

一方、ちょうどその頃に熊本市議会の議事録で「コロナで人(乗客)が減っている中で、明るい話題を提供したい中、アイデアの一つとして…女性専用車両を導入したらいかがかなということで…」という趣旨の、交通事業管理者(要は交通局のお偉方)の2020年9月時点での答弁が公開されるなどした。(令和 2年第 3回都市整備分科会-09月17日-01号)

http://kumamoto.gijiroku.com/voices/cgi/voiweb.exe?
ACT=200&KENSAKU=1&SORT=0&KTYP=0,1,2,3&KGTP=3&FYY=2020&TYY=2020&TITL=
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当会としても

「これは熊本市交通局が、最初から迷惑行為防止痴漢対策)ではなく、コロナで乗客が減ったための減客・減収対策として、客寄せ狙いの女性専用(優先)車両を導入したという証拠に他ならない。表向き迷惑行為防止を謳っているだけで、痴漢対策・迷惑行為防止は真っ赤なウソ。公営の公共交通機関がそんなことをするとは言語道断だ!」

と強く批判し、交通局に訪問してまで抗議したが、その後も女性優先車両は運行され続けた。

最近では昨年(2023年)に5月と11月の二度にわたって市電のダイヤ改正が行われている。

昨年5月の改正時点では交通局サイト内の時刻表に女性優先車両設置列車を表す印があったのだが、同じ交通局サイト内の11月改正の時刻表では女性優先車両設置列車を表す印が無くなっている。(下記画像参照)

上が5月改正、下が11月改正の時刻表で、5月改正時刻表では女性優先車両のある列車が■または□で表示されているが、11月改正の時刻表ではそれがない(○印は低床車両を表すが、すべての低床車両に女性優先車があるわけではない。よってどの列車に女性優先車両があるのかがこの(11月改正の)時刻表では全く分からない)。

2023年5月改正ダイヤ ■または□が女性優先車両設置列車(7:11、8:35、8:52が該当)
2023年11月改正ダイヤ ○は低床車、★は日によって運休する場合があるという意味。女性優先車両設置列車の表示は無し。

熊本市交通局サイトでは最近では女性優先車両のことは全く触れられておらず(過去の告知記事のみ)、また上記の通り昨年11月からはサイト内の時刻表からも女性優先車両の表示が消えたので、当会内では「もしや熊本市交通局は、告知せずに女性優先車両をシレっと廃止したのでは?」との見方も出てきた。

そこで確認のために熊本市電であらためて乗車会をすることになったのである。

ただ、乗車会をすることになったまでは良いが、上記で述べたとおり時刻表では優先車両設定列車が特定できないし、それどころか女性優先車両を今もやっているのかどうかさえ、インターネットではいくら調べても出てこない。

仕方が無いので、乗車会当日は朝7:30に熊本駅前電停に行き、そこで女性優先車両の表示のある列車が来るまで待つことにし、設定列車が確認出来なかった場合には交通局を直接訪問して女性優先車両を今もやっているのかどうか質問するということにした。

朝の熊本駅前電停に集合

乗車会当日の朝、予定通り7:30に参加者が熊本駅前電停に集合した。

当日の熊本駅前電停
同左

電停のホームをざっと見回してみたが、女性優先車両の案内らしきものは全く無し。

時刻は電停内に立っているデジタルサイネージに表示されているようなので、それを見てみると時刻表の下に(近づいてよく見ないと分からないくらいの)小さな字で「平日7時~9時前後を運行する低床車両に女性優先車両がある」旨、表示されていた。どうやら女性優先車両は今も運行されているらしい。

熊本駅前電停に立つデジタルサイネージ
デジタルサイネージのアップ。平日朝に女性優先車両があることが小さく記載されている(黄枠内)

そこでどの列車に設定されているのか見ようとしたが、これも全く目立たず、時刻の数字の横に小さく印がついているだけ。

つまり現地(電停)まで行き、このデジタルサイネージを至近距離でよく見ないと、女性優先車両設定列車の時刻はもちろん、女性優先車両が運行されていること自体さえ分からないということである。

普段からいつもこの時間帯に市電を利用している人にしか女性優先車両の存在が分からないようになっているのだ。

どうやら熊本市交通局はこのところ女性優先車両の存在をできるだけ隠す方向に動いているようだ。

田崎橋電停から乗車

さて熊本駅前電停のデジタルサイネージによれば、熊本駅前発8:01発と8:57発が女性優先車両設置対象とのこと。

8:01発に乗ることにしたが、まだ少し時間があるので市電の始発駅である田崎橋電停まで約500メートルほど歩くことにした。

線路に沿ってしばらく歩き、二本木口電停の横を通り過ぎるとすぐに田崎橋電停が見えてきた。

田崎橋電停のすぐ先で線路は終わっている。

田崎橋電停に掲出されていた駅時刻表によると、田崎橋7:54発(=熊本駅前8:01)が女性優先車両該当列車になるようだ。

田崎橋電停のホームでしばらく待っていると列車がやってきた。

田崎橋電停に入ってきた7:54発健軍町行き
車内に「女性優先車両」ステッカーを貼る車掌

列車に女性優先車両の表示が出ていないと思って見ていたら、車掌が車内に表示を貼り出し始めた。

車掌が女性優先車両の表示を車内に貼り終えるとドアが開き、私達も含め乗客が乗車。

車内は座席が埋まる程度。

私達は女性優先車両の座席に着席したが、周囲の乗客や車掌などからは声掛けなし。

そのまま田崎橋電停を発車。

田崎橋~健軍町

田崎橋電停を発車してすぐ次の二本木口電停に着く。そこでも少し乗車してきて、さらにそこから少し走ると先ほど私達がいた熊本駅前電停に到着する。ここで3分間停車。

ホームは多数の乗客が並んでおり、順番に乗ってきた。

車両のドアは女性優先車両の一番前の位置にある。つまり2両編成のうち、後ろの女性優先車両と前(優先車両でない方)の車両との境界近くに位置しているが、男性だけでなく女性も結構な数、乗ってきてから前の車両(優先車両でない方)へ移動していった。

一方、後ろの女性優先車両にも男性が数人乗車してきた。

車内はまだ押し合いへし合いにはなっていないが、結構混んできはじめた。

しばらく停車のあと、熊本駅前電停を発車。

女性優先車両に乗ってきた男性のうち1人は次の祇園橋電停で下車。

祇園橋電停の次の呉服町電停はホームが人の肩幅ほどしかない。

(呉服町電停で写真を撮ることが出来なかったため、この下に出した写真は同じ熊本市電の別の電停のものだが、熊本市電にはこのような電停がいくつもある)

ホームが人の肩幅ほどしかない電停

余談ではあるが、熊本市交通局は将来、市電の急行運転も考えているという。

しかし、こんな人の肩幅ほどしかない狭いホームに人がいる状態で急行列車が通過していくというのは安全上いかがなものか。

以前の熊本での乗車会で呉服町電停から乗車したこともあるが、ホームに電車が入ってくるとすぐ目の前、わずか数十センチほどのところに電車が滑り込んできて(もちろんホームドアなどもあるはずがない)現状でも決して安全だとは言えないが、通過列車となるとなおさらである。

わずか2両編成の市電の1両を女性専用(優先)車両にしようという「とんでもない話」になったのも、熊本市交通局のこうした体質もあるのではないだろうか?

(2両中1両を女性専用車両にしても、元々混雑が前の車両に偏りがちな事もあり、当初懸念されたような混乱は「たまたま」起きなかったが…)

ちなみに交通局は女性優先車両を設けたのも表向き「迷惑行為防止の一環として」と言っているが、実際には熊本市議会の議事録に「コロナで人が減っている中で、いろいろな話題を提供したい、明るい話題を提供したい」と交通局のお偉方が答弁しているのが記載されているのは先述の通りである。

公営の公共交通機関がアパルトヘイトまがいの施策をするのが明るい話題? と突っ込みたくもなるが「迷惑行為防止の取り組み」という理由は「後付け」であり、本当の理由ではない。

「迷惑行為防止」は表向きの理由だ。

熊本市交通局サイトに掲載されていた「女性優先車両試験導入の背景」(=表向きの理由)↓と市議会議事録の内容↑を見比べてみれば議事録に残っていた「本当の理由」と交通局の言う「表向きの理由」がいかに乖離しているかよく分かる。

さて列車は河原町電停、慶徳校前電停を過ぎ、この辺りから熊本市街の中心部に入ってくる。

辛島町電停で多数の乗客が降り、車内はまだ立ち客がいるものの少し空いてきた。

辛島町手前あたりから、市街中心部に入ってくる

男性が3人くらい女性優先車両の前の方にいたが次の花畑町電停で降りた。

この辺りから前の車両まで見通せるくらいの乗車率になってきた。

女性優先車両も前の車両もそれほど混雑差はないようだが女性優先車両内の男性は私達だけになった。

熊本城・市役所前電停でふと見ると、女性優先車両と前の車両の間くらいに男性が1人。

通町筋電停でも男性2人乗車、うち1人は前の車両に移動したが、もう1人が車内に留まった。

引き続き列車は熊本市街の中心部を走る。

次の水道町電停で何人か降りて、女性優先車両、前の車両とも立ち客がほぼ居なくなる。

車と一緒に走る市電。九品寺交差点付近
車内。女性優先車両のステッカーが貼り出されている

九品寺くほんじ交差点電停から空席も出始めた。車内には私達以外に2人の男性客がいる。

交通局前電停で少し乗車があり、再び座席が埋まった。

女性優先車両の前の方にいた男性客2人が後ろに移動して着席。

味噌天神前電停。ここもホームが人の肩幅程。

車内は座席が埋まり立ち客が数名程度。

新水前寺駅前電停手前で、車掌が「只今の時間、後ろの車両は女性優先車両です。ご協力をお願いします」

とアナウンスした。

男性の着席が目立つようになって来たからだろうか。ただし誰も移動しなかった。

ふと見ると、新しく男性の立ち客が乗車していた。これで私達以外に男性が3人。

ただしその男性の立ち客は次の電停で降りた。

神水くわみず交差点電停(神水・市民病院前から改称)手前の時点でもまだわずかだが立ち客がいる。

通町筋電停からの男性客はまだ着席している。

いつの間にか女性優先車両内の男性は私達とその男性客だけになっていた。

神水交差点電停を出て、女性優先車両内は空席が出始めた。

前の車両も同様のようだ。

終点一つ手前の健軍交番前電停を出ると、車掌が女性優先車両の掲示を手で外し始めた。

8:55に終点健軍町電停着。

健軍町電停
同左

通町筋電停からの男性は最後まで女性優先車両にいた。

結局、乗務員や他の乗客からの声掛けはなかったが、実際に現地に赴いた事により交通局が女性優先車両の存在を、実際に乗車した客以外にはなるべく知らせないようにしていることが分かった。

また、予定していた交通局訪問は女性優先車両が現在も運行されていることが確認できたので今回は無しとした。

乗車会としてはここで終わりだが、列車を降りたあと駅前のミスタードーナツに入り、一息入れたあと私達は熊本駅前電停まで乗車して戻る(女性優先車両設定時間は過ぎたので、単なる移動)ことにした。

健軍町のミスタードーナツで休息

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活動履歴

2022年3月 熊本市電の女性優先車両の本格導入とその後の動向、当会とのやり取りについて

2020年9月に突然、2両編成の市電に女性専用車両の導入を発表し、翌2021年4月に女性優先車両と名称を変えて本格導入した熊本市交通局。

本格導入から約1年が経ち、最近はあまり話題にならなくなってきましたが、当初からおかしなことだらけだったので当会としても様々な方法で抗議活動を行ってきました。

ここで昨年(2021年)11月に3回目の質問状を出したことも含め、導入発表から現在までの経緯を様々な考察も交えながら振り返ってみることにしました。


感染症の流行で乗客が減った⇒女性専用車両を設けて女性客を呼び込もう

女性専用車両は痴漢対策だから仕方ない?

女性専用車両と言えば世間では痴漢対策だと多くの人が認識していると思われる。

「本当に痴漢対策なのか?」と疑問を呈する人は恐らく少数派だろう。

(以下はインターネット上で良くある専用車両賛成派と反対派のやり取りをこちらで再現したものである)


反対派:女性専用車両は差別!

賛成派:痴漢する男がいるから女性専用車両ができたんでしょう。そんなに差別差別って言うなら痴漢に文句を言えばいいのでは?痴漢を無くせば女性専用車両も必要なくなりますよ。
(↑痴漢をゼロにすることはほぼ不可能なので、そう言っておけば反対派はギャフンと黙るだろうと計算をしている。また詳しくは後述するが、女性専用車両には痴漢対策ではない存在理由があり、仮に痴漢がなくなっても女性専用車両はなくならない。そして鉄道事業者は痴漢の件数を公表していないため、痴漢がなくなったことを把握するすべがない。)

反対派:痴漢に文句を言っても聞くわけがない。女性専用車両は差別だから廃止するべきです。

賛成派:痴漢被害者がどれほどひどい目にあっているか、知らないんでしょうね。
まあ、痴漢被害が深刻だから設けられた女性専用車両を差別だなんて言ってしまうようではそこまで考えられないのも仕方ないかもしれませんね。

(↑痴漢被害者を引き合いに出す賛成派の常套手段。女性専用車両が絶対唯一の痴漢対策であるかのような前提でものを言い、反対派を「痴漢被害者のことを考えられない奴」に仕立て上げてしまう。こういう人間は男性への差別に無配慮なのはもちろん、痴漢被害者に対しても配慮しているように見えて、実は「自分が女性専用車両を保持・拡大したい」から痴漢被害者をダシにうまく利用しているだけである。

反対派:女性専用車両で痴漢は減っていませんが…

賛成派:女性専用車両はシェルターなんだから、痴漢が減る・減らないは関係ないですよ。
それに、そんなに女性専用車両を廃止したいんなら代替案を出すべきです。
(↑女性専用車両で痴漢が減らないと分かったので「これはシェルターであって、痴漢を減らすためのものではない」と正当化。導入当初の目的は「痴漢を減らすため」だった。また「代替案を出せ」といいつつ、実は代替案など望んでいない。「どうせ代替案など出せるわけがないだろう」と思って言っている。)

反対派:車内監視カメラをJR埼京線に設置したところ、痴漢が6割減少しました。痴漢の減らない女性専用車両と監視カメラならどちらが有効ですか?

賛成派:死角も多いカメラで一体何ができるのですか?
まして、監視カメラはプライバシーの侵害です!
それにカメラは設置費用が莫大なんです!

世の中何をするにもお金がかかる…そうすると結局設置が進みませんね。
地に足つけてものを考えないとダメですよ!
(↑あれほど「痴漢被害者が!」と言っていたのに、より効果のある代替案を示すと「女性専用車両を無くすな!」とばかりにあの手この手で反撃。こういうところからも「女性専用車両を保持したいだけ」で、効果的な痴漢対策など実は全く望んでいないのが分かる。)

反対派:設置費用が莫大と言うのはウソですよ、一畑電車など地方の赤字ローカル線でもやっているところがありますから。痴漢対策は監視カメラに任せて、公共の場での差別である女性専用車両は廃止しましょう。代替案は出しましたよ。

賛成派:女性専用車両と監視カメラを同時に運用すればいいんですよ!

反対派:あれ? さっき「カメラはプライバシーの侵害」とか言ってませんでしたか?
女性専用車両と併設すると、監視カメラがプライバシーの侵害でなくなるんですか?
それに監視カメラの設置に莫大な費用が掛かるというなら、女性専用車両と同時に運行した場合はもっと費用がかかるはずです。
監視カメラ導入によって女性専用車両が廃止になるのを阻止したいだけなのがミエミエですよ。
本当は効果的な痴漢対策など望んでないのでしょう。
女性専用車両を守るために痴漢やその被害者をダシに使っているだけじゃないですか?

このように正論で応答していると(インターネット上の議論ではありがちだが)賛成派に逆ギレされることもある。

賛成派:女性専用車両は差別だとかくだらないことばっかり言ってるから%$#&@?#Φなんだよ!(…以下、暴言のため略)
(↑自分の立場が悪くなると暴言を吐いて反対派をブロックしてしまう。暴言には「モテない」だの、「アホ」「ボケ」「低脳」だの、挙げ句の果ては「○ね!」だのと目を覆いたくなるような誹謗中傷・罵詈雑言・人格攻撃が含まれることも。)

反対派:あぁ、これは賛成・反対以前の問題だね。
女性専用車両を守るのに必死でなりふり構わずになってしまってるよね。
自分で「賛成派なんてこの程度」と言っているようなものなんだけど、気づいてないよねきっと。


一応念のために言っておくと、当会は鉄道事業者の施策に異を唱える団体であって、女性に敵対するための団体ではない。

あくまで活動対象は鉄道事業者であって女性ではない。

また、インターネットネット上では当会のような団体を「非モテ男の集まり」と決めつける人もいるが、実際には多くの男性会員が普通に女性との関わりも持っているし、何なら既婚者だっているし、女性会員もいる。

当会の会員達は鉄道会社の欺瞞を許せない者達の集まりである。

さて、上記の”再現”では敢えて反対派を勝たせたが、実際のやり取りでは「女性専用車両が差別であり不当だ」といくら主張しても「痴漢対策だから差別じゃなくて区別」「ちょっとは被害者のことを考えろ!」「男が痴漢するから悪い!」などと一方的に押し切られた経験をお持ちの方も多いのではないだろうか?

上記の賛成派のように女性専用車両を自分の既得権益と捉え、それを守ろうとしているだけの人間でも、痴漢やその被害者の存在を引き合いに出せば、もっともらしく被害者の擁護をしているフリをして差別を正当化できるのである。

しかし、乗客の中にそうした者がいるだけでなく、女性専用車両を痴漢対策以外の目的で導入しているとしか思えない鉄道事業者がほとんどだ。

以前から述べているように、女性専用車両自体が本当に痴漢対策なのかどうかは非常に怪しい。

今回、以下に紹介する熊本市交通局もそんな事業者のひとつだ。

「迷惑行為防止の取り組み」は表向きの理由だった

熊本市交通局が突然、2両編成の路面電車に女性専用車両を導入すると発表した2020年9月以降、当会から2度にわたって熊本市交通局に質問状を出している。

いずれも交通局から回答があったが、女性専用車両(優先車両)は「痴漢等、迷惑行為防止の取り組み」という前提での回答であった。

(2020年12月に出した1回目の質問状

ところが、女性専用(優先)車両が本導入されることがほぼ本決まりになった翌2021年3月頃になって、熊本市交通事業管理者の古庄修一氏が2020年9月の市議会で「コロナで市電の利用が減っている中で話題作りのため、女性に快適に乗車していただくため、女性専用車両を設けようというアイデアが出ました」といった趣旨の答弁をしていたことが判明した。(下記)

http://kumamoto.gijiroku.com/voices/cgi/voiweb.exe?
ACT=200&KENSAKU=1&SORT=0&KTYP=0,1,2,3&KGTP=3&FYY=2020&TYY=2020&TITL=
%93s%8Es%90%AE%94%F5%2C%8C%9A%90%DD&TITL_SUBT=%97%DF%98a%81@%82Q%94N%91%
E6%81@%82R%89%F1%93s%8Es%90%AE%94%F5%95%AA%89%C8%89%EF%81%7C09%8C%8E17%93%
FA-01%8D%86&KGNO=1558&FINO=2908&HUID=190151&UNID=K_r02091735011

熊本市議会議事録での「古庄発言」これでは女性専用(優先)車両は、コロナによる減客・減収対策だと言っているようなもの

要するに「コロナウイルスで乗客が減ったから女性専用車両を設置して女性客を呼びこもう!」ということだったのである。

女性客に対する人気取り、コロナによる減客・減収対策であり、最初から「防犯のためのやむを得ない導入」などではなかったのだ。

交通局はそれを「痴漢等、迷惑行為防止の取り組み」などと称していた(今も称している)のである。

しかも、熊本市交通局が女性専用車両の導入を発表した2020年9月から当会で「女性専用車両」「女性優先車両」などのワードで数か月にわたって何度も市議会議事録を検索したのだが、表示されるのは「該当する発言は存在しませんでした」の文字ばかりだった。

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熊本市議会議事録の検索画面。古庄氏の答弁から約3か月経った2020年12月の時点でもご覧の通り

ところが先述の通り、2020年9月の古庄氏の答弁から約半年も経ってから、女性優先車両の本格導入がほぼ決まった翌年の3月ごろになってようやくその答弁が公開されたのである。

女性専用(優先)車両の導入が本決まりになるまで、一般に知られないよう公開を遅らせていたのだろうか。

マスコミも偏向報道で女性専用(優先)車両の正当化に加担

2020年9月に熊本市交通局が女性専用車両の導入を発表した直後からマスコミ報道を見た全国の人々から熊本市交通局に反対意見が殺到するも、偏向マスコミが「女性専用車両=痴漢対策」の前提で報道し、さらに「反対意見はなぜか県外からのものばかり」などと、最初から反対意見を「よそ者の意見」として切り捨てた。

そもそも女性専用車両が差別か否かは特定の地方・路線の問題ではなく、「公共交通における普遍的な問題」であるので、このように県外だからと切り捨てること自体おかしい。

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画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2020-09kumamoto-05.png
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2020-09kumamoto-06.png

https://www.j-cast.com/tv/2020/09/15394400.html

https://kumanichi.com/news/1601574

https://kumanichi.com/news/1595315

もし、県外からの意見が反対ではなく賛成意見だったら、マスコミはそれを「県外からの意見」と切り捨てただろうか?

恐らく「熊本の女性専用車両導入は地元だけでなく、全国的にも広く支持されている」などとやっていたであろうことは想像に難くない。

要するにマスコミは最初から一方的に賛成側に寄った偏向報道をしていたのだ。

これがマスコミによる世論形成(プロパガンダ)の常套手段ではあるわけだが。

ちなみにネットニュースのコメント欄には地元民からのものと思われる反対意見も少なからず存在したのだが、取り上げられることなく黙殺されてしまった。

 
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また、2020年9月に女性専用車両の試験導入を発表してから翌年3月までの間に交通局は2度にわたって乗客にアンケートを取り、女性専用車両に賛成多数だったとして、女性専用車両の本格導入を決定した(本格導入がほぼ決まってから古庄氏の発言が市議会議事録に公開されたのは先述の通り)。

これだけでも交通局・マスコミ共にやり方が非常に汚いといえるが、良く考えてみてほしい。

そもそも公共交通機関に女性専用車両のようなものを設けること自体が「同じ運賃を支払えば誰でも公平に利用できる」という、公共交通の大原則に真っ向から反するものだ。

そこを「痴漢対策のため」と言って、原則を無視して導入されたのが女性専用車両なのである。

なのに今回の熊本市交通局は感染症の流行で客が減ったからと、女性客を呼び寄せ収益を上げるための人気取りサービスとして女性専用車両の導入を行っており、まさに言語道断。

ましてや熊本市交通局は❝公営の❞公共交通事業者である。

公営の公共交通機関がこんなことをしても良いものだろうか?

もっとも、そのあたりを追及しようとすれば「任意のご協力で強制ではありませんので、公共の場における差別には当たりません」と言い逃れすることだろう。

そう考えて行くと、なぜ熊本市交通局が女性専用車両を本導入の際に「女性優先車両」と改名したのか、良く分かろうというものである。

熊本市交通局への3回目の質問状とその回答

先述の通り、1回目と2回目の質問状を出した時点では当会もそうした情報(=古庄氏の発言など)を知らされておらず、何かおかしいと思いつつも一応「女性専用車両は痴漢等の迷惑行為防止の取り組み」という前提で質問せざるを得なかった。

しかし「女性優先車両が痴漢対策ではない」といえるほぼ決定的な証拠が市議会議事録で公開されたため、当会では2021年10月に3回目の質問状を熊本市交通局に出すことにした。

(質問状冒頭の挨拶及び、末尾の連絡先等の記載は省略)

それに対する熊本市交通局の回答は実にふざけたものだった。

(こちらも冒頭の挨拶及び、末尾の連絡先等の記載は省略)

【女性優先車両に関する質問に対する回答】

<質問 1> 貴局市電における女性優先車両の導入について、本当の目的は何でしょうか。

【回答】

これまでお答え申し上げたとおり、市電車内で痴漢や盗撮等の迷惑行為が毎年発生しており、その被害を受けるおそれのある女性のお客様に対し、少しでも安心して利用できる環境を提供するために導入いたしました。

<質問2> 導入理由が変遷しているといえる点」について、その経緯をご説明願います。 また、当初「女性専用」としていたものを「女性優先」と変更した件はこの導入理由の変遷とは関係があるのでしようか。

【回答】 導入理由が変遷している認識はございません。

(補足) 令和2年 第3回都市整備分科会での発言は、委員からの質問に対し、その導入を検討するに至った切っ掛けについてお答えしたもの(他の団体等からのご意見ではなく、現場の提案をきっかけに検討を進めたこと)でありその後局内において検討した結果、被害を受けるおそれのある女性のお客様に対し、少しでも安心して利用できる環境を提供することで、快く市電を利用いただくという趣旨で導入することにしたものでございます。

交通局からの回答はこれだけである。

当会からの質問状には、質問の前に前置き(女性優先車両の導入理由が交通局の発表と市議会の内容とで大きく異なることなど)を記載し、その上で「【これらの経緯を踏まえ】以下の通り質問します」と書いてある。

ところが交通局は「これらの経緯」をほとんどスルーして回答しており、都合の悪いことには触れず、ただシラを切ったようなものである。

<質問1>への回答について、質問状の中で当会からは

「迷惑行為防止の取り組み」に端を発したものではなく、「女性専用車両(女性優先車両)の導入によって話題作りと女性客の呼びこみを行い、新型コロナウイルスの影響による減収対策にしよう」という意図が明白であります。

と言った上で、「本当の理由は何でしょうか」と質問しているのだから、それでもやはり交通局が「女性優先車両は痴漢や盗撮等の迷惑行為防止の取り組みだ」というのなら、きちんとその根拠・理由も言わなければ説得力がない。

なのにそこにはまったく触れずに、ただ「これまでお答え申し上げた通り、痴漢など迷惑行為防止の取り組みです」と、シラを切ったようなもの。

シラを切るだけなら小学生でもできる。

なぜまともに回答しないのか。

一言で言えば「答えられないようなことをやっているから」である。

当会の言っていること(=女性優先車両は迷惑行為防止のためではない)が違うというのなら、きちんと反論すれば良いのである。

それをせずにこのようなふざけた対応をするということは熊本市交通局がどういう考えで女性専用(優先)車両を推していたか、良く分かろうというものだ。

<質問2>への回答についても同様。

「導入理由が変遷している認識はございません」と、とぼけるだけなら小学生でもできる。

古庄氏が「コロナで人が減っている中で、話題作りのため…」と言っていたのが、いつの間にか「迷惑行為防止の取り組み」に変遷しているのは誰の目にも明らかではないか。

(熊本市交通局サイト内、一般向けお知らせページ)

http://www.kotsu-kumamoto.jp/kihon/pub/detail.aspx?c_id=3&id=1156&pg=1

それを理由も述べずに、ただ「変遷している認識はございません」とすっとぼけて済まそうとするのはみっともないにも程がある。

まるで不正を追及されて言い訳ができなくなり、「記憶にございません」を連発している政治家のようだ。

また、回答の最後に(補足)として、

令和 2 年第 3 回都市整備分科会での発言(=古庄氏の発言)は、その導入を検討するに至った切っ掛けについてお答えしたもの(他の団体等からのご意見ではなく、現場の提案をきっかけに検討を進めたこと)であり…

と書いてきているが、そもそもコロナ禍で客が減ったからと、女性専用(優先)車両を導入する話が出てくる時点で「迷惑行為防止の取り組み」はウソである。

逆に言うと、コロナ禍による減客・減収がなければ女性専用(優先)車両導入の話は出て来なかったわけで、これを

その後、局内において検討した結果、被害を受けるおそれのある女性のお客様に対し、少しでも安心して利用できる環境を提供することで、快く市電を利用いただくという趣旨で導入することにしたものでございます。

などと言っても、客寄せのために女性専用(優先)車両を導入したのを、後から「迷惑行為防止の取り組み」にかこつけて正当化しているだけなのがバレバレである。

これだけ見ても、熊本市交通局がいかに腐りきっているか、よくわかるだろう。

このすぐ下の「熊本市交通局は女性専用(優先)車両に集客効果を期待していた」の項で後述するが、
実は交通局自身も女性専用(優先)車両導入による集客効果に非常に大きな期待を寄せていたのである。

当会は熊本市交通局に対し「(交通局が自ら)女性客寄せのためにやったんだろう?迷惑行為防止は建前だろう?」と今回の質問状で追及したわけだが、いずれにしても交通局は当会の追及には答えず、シラを切っただけで完全スルーした形である。

「女性専用(優先)車両も本決まりになったので、あとは反対派が何を言おうがもう女性優先車両の本格導入は動かない。だから都合の悪いことを突っ込まれても、まともに答えず適当にあしらっておけばそのうち諦める。」と見くびって、交通局はこのようなふざけた回答をしてきたのだろう。

だからこそ徹底的に非協力(任意確認)乗車して、こちらからも「決して諦めない」と意思表示をする必要がある。

諦めたら交通局の思う壺だ。

インターネットを見ていると、我々の非協力(任意確認)乗車という「諦めない意思表示」に対し「女性専用車両に不満があるなら、無理やり乗り込んで迷惑かけるという馬鹿なことはしないで本社(本局)に直接言えばいいのに反対派って何でこんな簡単なことも分からないんだろうね。」などという人間がいる。

だが何も分かっていないのは実はそのように言う人間である。

本局に直接言えば交通局が言うことを聞いてくれると思っているのだから。

それに女性専用車両(熊本は「優先車両」だが…)と書いてあっても、これは「男性は乗車禁止と勘違いさせるため」であって実際は任意協力なのだから、乗ったから迷惑と言うのもおかしい。

本当に「女性専用」だと勘違いしているから迷惑と思うだけである。

他の車両に男性がいただけで迷惑と思うかどうか考えてみれば良い。

女性専用車両も「”女性専用”車両と書いたステッカーを貼った、ただの一般車両」であって本当に女性専用というわけではない。

我々の非協力(任意確認)乗車という「諦めない意思表示」に対し「反対派は本局に行け」と批判する人は、一度ご自身が交通局に直接行って「男の乗車を禁止にして下さい」と申し入れてみてはどうだろう?

局がどういう対応をするか、よくわかるはずだ。

熊本市交通局は女性専用(優先)車両に集客効果を期待していた

ここまで、

「熊本市交通局は女性優先車両を女性向け人気取りサービスとして捉えている」

「迷惑行為防止の取り組みはウソだ」

と言い続けてきたが、中には「本当にそうなのか?」と思う人もまだいるかもしれない。

「確かに市議会で交通事業管理者の古庄氏が『コロナで人が減っているので何とかしたい中で、女性専用車両を設けたらどうだろうというアイデアが…』と発言していたが、それは古庄氏がそう言っていただけで交通局全体が女性専用(優先)車両を『女性客を呼びこむための切り札』だと考えていたと言えるのだろうか?」と。

実は交通局側が女性専用(優先)車両をどのように考えていたかが良く分かる、こんなエピソードがある。

2020年9月に交通局が女性専用車両の導入を発表した際「わずか2両編成で女性専用車両を設置して混乱を生じないか?」という懸念の声がネットをはじめ、あちらこちらで上がったのだが、交通局がそれに対して、

「乗客の男女比が1:1なので、2両に1両女性専用車両を設けても今まで一緒に乗車していたのが分かれて乗車するようになるだけなので問題ない」

などと答えていたことがある。

すでに女性専用車両が導入されている路線を利用している人なら分かると思うが、女性専用車両を設けたからと言って女性がすべてそちらに行くわけではない。

だからこそ女性専用車両を導入しても痴漢がなくならないのである。

交通局は「女性専用車両を設けると女性が100%女性専用車両に乗るはず」という、ありえない思い込みをしていながら、それを全く意識していないのだ。

さらに交通局はその「女性専用車両を設置すると100%男女が分かれる」という思い込みを前提にして、

「他の時間に利用していた女性が女性専用車両に乗りたいと考えることで、女性専用車両の混雑率が上がるかも知れない」

などと、さらにぶっ飛んだ回答をしていた。

つまり、「熊本市電の利用者の男女比は1:1で、女性専用車両を導入すると女性がすべてそちらに行く。なので男性が乗る非女性専用車両はこれまで通りだが、女性専用車両の効果で女性客が大幅に増えて、そちらが混雑してしまわないか?」と言っているのである。

これは2020年9月11日付の「FNNプライムオンライン」で報道されたものだが、これを見ても熊本市交通局の考えがいかにズレているか、手に取るように良く分かるだろう。

2両編成の1両を“女性専用車両”に…路面電車に試験導入する熊本市に聞いた(FNNプライムオンライン)

https://www.fnn.jp/articles/-/81330

熊本市交通局は「女性専用(優先)車両を設けると、まるでアイドルにキャーキャー言って群がるファンのように女性客が女性専用車両に乗りたがり、どんどん集まってくるだろう」と考えていたのである(もちろん実際にはそんなことにはならないが)。

すなわち、「熊本市交通局は女性専用車両設置による客寄せ効果に強い期待を寄せていた」ということになる。

またこの発言(報道)について、2020年12月に出した当会からの1回目の質問状で交通局に「本当に事実なのか」と確認を取ったところ、回答で「事実であること」を認めていた。

(質問6とその回答を参照)

なおこれは余談だが、熊本で2両中1両女性専用(優先)車両を設けても混乱しなかったのは、もともと首都圏や関西圏ほど人が多くないというのもあるが、一番の理由は朝の時間帯は数分に1本程度の高頻度運転を行っている上、女性優先車両がある列車はその中のごく一部(10本中1本程度)だからである。

交通局の言うように「今まで一緒に乗っていたのが男女分かれて乗るようになっただけだから」では、決してない。

それは2020年12月に行った、熊本市電への非協力乗車会で女性専用車両でない前方車両にも女性客が多数乗っていることを確認済みである。

質問状への回答だけではない、熊本市交通局のふざけた対応

上記の「3度目の質問状」(2021年11月)からは少し戻るが、熊本市交通局通局は2021年の3月に女性専用(優先)車両の本格導入を決める前に、一度「1月から本格導入を行う」と発表したことがある。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2020-12kumamoto-11.png

この時は市議会で「拙速すぎる」との批判を受け、とりあえず3月に延期したようだが、なぜ熊本市交通局はこのような「拙速な」本格導入を実行しようとしたのか?

実は、当会が2020年の12月7日に熊本市交通局本局を直接訪問し抗議活動を行ったのだが、それに先立ち11月の下旬に「12月7日にそちらを訪問したい」と、交通局に申し入れていたのである。

すると当会が訪問する直前の12月4日になって突然「熊本市交通局が2021年1月から女性専用車両を本格運用」というニュースが流れ、12月7日の交通局訪問の前日(つまり12月6日の夜)全国から熊本に集まったメンバーが急遽、交通局に直接質問する内容を変更する話し会いを行わざるを得なくなったのである。

2020年12月 熊本市電非協力乗車会&熊本市交通局訪問の報告

もちろん、女性優先車両の本格導入発表がたまたま当会の訪問の直前になった可能性も完全に否定は出来ないが、当会の申し入れを受けて交通局がそれに合わせて本格導入を発表したのなら、かなりやり方が露骨だとも言えるだろう。

それこそ当会が抗議に行った時点で「既に本格導入は決まってしまいましたので、残念でした!」で片付けようとしていたのではないかと勘ぐってしまう。

しかもその上、当会が12月7日に実際に交通局を訪問すると「このあと研修があるので」と対応を非常に短い時間で切られてしまい、こちらが言うべきことも十分に言えないまま抗議を終わらされてしまった。

これも本当に研修があった可能性もゼロとは言いきれない(あるいは当会が抗議に来ると知って、わざと研修を入れた可能性もある)が、やはり当会をさっさと帰らせるための作戦だったと見るほうが自然な気がする。

当会が訪問の一か月以上前から話し合いを重ね、本格導入を阻止するべく作成していた質問の数々も、訪問直前の「本格導入決定発表」で大幅に書き直さざるを得なくなった。

仕方なく訪問前日に熊本市内でミーティングを行って、限られた時間内で必死で質問の内容を話し合いなんとか作り直したのだが、それで実際に訪問したらこれである。

このことからも、熊本市交通局は女性優先車両を本格導入するため、反対派対策としてあの手この手を尽くしていたことが分かる。

もちろんここまで再三述べて来たように、痴漢被害から女性を守るためではない。

世間一般の人々からすれば、恐らく「女性専用車両は痴漢被害から女性を守るために設置されたのに、それを理解できない男たちが差別だの不公平だのとゴネている」程度の認識しかないだろう。

そして交通局もそれを知っていてわざと「迷惑行為防止の取り組み」などとウソを言っているのだろう。

「コロナによる減客・減収対策」という本当の目的を隠すために…

先ほども貼ったが、交通局がウソつきだと再認識していただくため、もう一度熊本市交通局サイトに記載されていた「女性優先車両導入の背景」を貼っておく。

痴漢対策・迷惑行為防止の取り組みではないからこそ、交通局はそれを指摘される前に先回りしてわざわざこのようなページをアップし、「これは迷惑行為防止のための取り組みなんです!」と予防線を張っておく必要があったのだろう。

ここまできっちりとこのページを読んでくださった方なら、当会に偏見のある人や女性専用車両を自分の既得権益だと捉えているような人でない限り、交通局の言う「迷惑行為防止の取り組み(痴漢対策)」など、単なる「表向きのキレイごと」であることがお分かりいただけると思う。

だからこそ私達は抗議活動を行っているのだ。

そして抗議の対象は「女性」ではなく、このようなふざけた態度をとる鉄道事業者である。

当ページをお読みくださっている皆様へ

世間では特にインターネット上の女性専用車両賛成派や当会アンチなどは、反対派が『女性だけ優遇されてずるい!』という認識で女性を憎んだり怨んだりしているという方向に話を持って行きたがる傾向がある。

「常に女性に恨みや憎しみを抱いており、そのうち女性に対して恐ろしいことをやりかねない」といった実際とかけ離れた反対派のイメージを世間に垂れ流しているのだ。

またマスコミがそういった記事を流すこともある。

「女性専用車両を許せない男」が女性に抱く6種類の怒り-「この世は女尊男卑」と信じる人たち
PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

https://president.jp/articles/-/37888

この記事の書き手は「女性専用車両反対派=ミソジニスト(女性嫌悪者)」と、本当にそう思って書いているのなら、もう少し当会をはじめ反対派のことを良く見るべきだろう。

まさかとは思うが、意図的に女性専用車両反対派=ミソジニストと世論を誘導しようとしたのならとんでもない事である。

(とは言え、この世に一人でも「女性専用車両反対を唱えるミソジニスト」がいれば、この記事も一応は「嘘はついていない」となってしまうので、こちらとしては何とももどかしいところではある。)

先ほども言ったが、私達の活動対象は鉄道事業者である。

鉄道事業者に文句が言いたいのであって、女性に文句が言いたいのではない。

女性の側から文句を言ってくればこちらも対応せざるを得ないが、それが当会の目的ではない。

私達は鉄道事業者や専用車両推進派(男女問わず)に異を唱えているだけであり、女性を憎んでいるわけではない。

ただ、公共交通機関における男女差別に疑問を抱き、活動しているだけなのだ。

当会は性別に関係なく、当会の活動の趣旨を理解し同意してくださる方なら入会を受け付けているし、実際に女性の会員もいる。


以前、当会関東本部の活動を取材していただいたマスコミ記事。女性会員の存在も記載されている(左の記事のアップ)

大体、当会が本当に女性を憎悪するような団体なら、そもそも女性の入会を受け付けるわけがない。

当会は「男女が憎しみ合わない社会を」をスローガンに掲げている団体であり、女性に対する憎しみや恨みから「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」で「女性専用車両反対」を言うような人は当会に入会を申し込んできたとしてもお断りである。

もちろん当会の活動趣旨を正しく理解し、賛同いただける方には是非とも当会に入会していただきたい。

先ほど、交通局は反対派など軽くあしらっておけばそのうち諦めると思っている。だから徹底的に非協力(任意確認)乗車して、こちらからも「決して諦めない」と意思表示をする必要があるのだと述べた。

しかしながら現在、熊本には非協力乗車する会員がいない状態である。

当会から何度か会員が関東・関西・名古屋などから熊本に出向いて非協力乗車などをしているが、毎日のように乗車するわけには行かない。

この先も交通局を牽制する意味でも、熊本やその周辺にお住まいの方で女性専用車両に反対の方や交通局のやり方・態度に疑問を感じる方は是非入会申し込みフォームより入会申し込みいただきたい。

今回は「熊本市交通局の女性優先車両は迷惑行為防止の取り組みを口実にした女性客寄せサービス」という話をしたが、これは熊本だけの特殊事情ではない。

当会サイトでは関西のJR西日本の実態なども再三取り上げてきた。

もし興味があれば過去の活動履歴も読んでみてほしい。

もちろん熊本市交通局通局やJR西日本以外の鉄道事業者でも、女性専用車両が客寄せやイメージ戦略・広告料収入源などになっていることは往々にしてある。

引き続き関東・関西・名古屋(札幌や福岡も)の新規入会も受け付けているので、熊本以外の方も是非お願いしたい。

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2020年11月 福岡:西鉄天神大牟田線で非協力乗車会

福岡地区で11月25日に西鉄天神大牟田線花畑~西鉄福岡(天神)間で非協力乗車を行いました。

西鉄といえば非協力乗車している男性を見つけると職員が乗車してきて見張り番のようにピッタリと近くに立ち、そのままどこまでもついてくる「付きまとい乗車」がその特徴ですが、今回も途中駅から乗車してきてピッタリついてきました。


西鉄小郡・筑紫で声掛け。停車駅ごとに女性専用車両アナウンス。

朝の西鉄花畑駅で

今回は市内にある西鉄花畑駅に朝7:50に集合し、7:59発の急行福岡(天神)行きに乗車する予定である。

西鉄花畑駅。西鉄久留米のすぐ隣の駅である
私達が乗車したのは7:59発の急行

ホームで他のメンバーと合流して一緒に女性専用車位置に並んでいると、隣のドアの位置に並んでいた女性客がわざわざ私達のところまで歩いてきて「ここは時間帯で女性専用になるんですけど」と言ってきたので、メンバーの一人が「承知しています」と言うと、その女性客はすぐに引き下がった。

西鉄では今回のような乗客からの声かけは少ない。

乗客から声をかけられたのはかなり久しぶりだ。

しかし西鉄で非協力乗車をしていると、職員からは毎回ほぼ確実に声掛けがある。

そして職員が声をかけてもこちらが移動しないと分かると、今度は途中駅から助役などが乗り込んできて、こちらが女性専用車両からいなくなるまで、まるで桃太郎電鉄(ビデオゲーム)の貧乏神のようにピッタリとついてくるのだ。

昨年(2019年)7月に関東・関西のメンバーと合同で行った乗車会(2019年7月 福岡・西鉄天神大牟田線・非協力(任意確認)乗車会の報告)の際には大牟田で声を掛けてきた車掌が無線で西鉄柳川駅に連絡を入れたため、助役が西鉄柳川駅から乗りこみ、終点の福岡天神までずっとピッタリついてきた。

こちらが途中で電車を乗り換えても一緒に降り、さらに乗り換えた電車にまでついて乗りこんでくるなど、ここまでやられるとはっきり言って気持ち悪い。

要は女性客から「男が女性専用車両に乗りこんでいるのに西鉄は何もしないのか?」とクレームをつけられるのを警戒して、非協力乗車する男性を見張っているのだろう。

任意協力であり、本当は女性専用でもない車両に女性専用車両などという「ウソの名称」をつけるからこうなるのであって、クレームをつけられたとしてもそれは西鉄側の自業自得である。

それにしても西鉄は人員に余裕があるのだろうか?

非協力乗車するたびに必ずといっていいほど職員がついてくる。

花畑駅に入ってくる急行列車
花畑駅ホームの女性専用車両位置表示

さて、花畑駅のホームでしばらくそのまま待っていると、向こうから歩いてきた職員が女性専用車両位置で並ぶ私達のすぐ近くまできて立ち止まり、一瞬こちらをちらっと見た。

声をかけてくるかと思ったが、かけて来ず。

しかし職員はそのままホームに立って待っていたので「今回は最初から付きまとい乗車か?」と思ったが、7:59発の急行が到着すると、車掌に何かを伝えて去って行った。何だったのだろう?

すぐにドアが開いて、私達は早速乗車した。この急行は花畑始発で、そのせいか車内はまだ半分以上空席の状態である。

西鉄の女性専用車両は最後尾車両のため車掌がいるが、私達は敢えて車掌の目が届く場所に着席した。

しかし、花畑駅停車中に車掌は声をかけてこなかった。

「西鉄も少し対応を変えたのだろうか?」とその時は思ったが、後々実はそうでないことが判明する。

西鉄小郡で最初の声掛け

やがてドアが閉まり、花畑駅を発車。2分ほど走ってすぐ隣の主要駅、西鉄久留米駅に到着した。

ここからは大量に乗ってくるかと思ったがそれほどでもなく、空いた状態のまま西鉄久留米を発車した。

ここで車掌が「この電車の最後尾の車両は女性専用車両となっております。皆様のご理解ご協力を…」とアナウンスをした。

通り一遍の簡単なアナウンスだったので単なる形式上のものかと思っていたのだが、その後停車駅を発車するたびに毎回このアナウンスが流され続けることになる。

西鉄の急行は停車駅が多いので同じアナウンスを恐らく10回くらいは耳にしたように思う。

西鉄久留米からしばらく走ると次の停車駅、宮の陣。

さらに走ると辺りは市街地から広々とした田園風景に変わる。

久留米を出てしばらくすると辺りは田園風景になる

その中を急行列車はかなりのスピードで走行し、再び市街地に入ると小郡市の代表駅、西鉄小郡である。

ここで特急の通過待ちのため、数分停まる。

すると車掌が車掌室から出てきて座席に座っている私達の目の前にひざまづき

「西鉄電車をご利用いただきましてありがとうございます。こちらは女性専用車両となっておりまして、ご協力をお願い出来ませんでしょうか?」

などと言ってきたので、私達から手でお断りのポーズを取ると、

「はい、失礼いたしました。西鉄電車をご利用いただきましてありがとうございます。失礼いたします」

と言って引き下がっていった。

西鉄小郡~福岡(天神)

特急の通過を見送り、列車は西鉄小郡を発車。

この時点でもまだ車内は混んでおらず、余裕がある。

西鉄小郡で声をかけてきた車掌はこれでもかと言うくらい腰の低い対応だったが、これまでの経験上こちらが移動を拒否したら、無線で行く先の駅に連絡が入り助役が乗ってくるというのがパターンである。

多分今日も同じだろうと思っていたが、やはり筑紫駅のホームに助役が待機しており、ドアが開くと車内に乗りこんできて、私達の目の前で「こちら女性専用車両となっておりますので…」と要請した。

さっき車掌相手にお断りしたのにしつこい。任意協力である以上、何度私達に言っても同じである。

もちろん私達からは「承知しております」と答え、移動する意思のないことを伝えた。

そのまま一緒に乗車するのかと思ったが、助役はホームに戻っていき、列車は筑紫を発車した。

筑紫発車後の車内
この時点でもまだ立ち客はほとんどいない。

このあたりになると線路沿いも市街地や住宅地が続くようになる。

途中の小さな駅を結構な速度で通過しながら、朝倉街道・西鉄二日市と停車し、下大利あたりからしばらくの間は現在高架工事中のため、列車はこれまでの快調なペースから一段落して、ややゆっくりと走るようになる。

筑紫で助役の乗車がなかったため、今回は西鉄名物「付きまとい乗車」はないかと思ったが、春日原で職員が乗り込んできた。

声はかけてこなかったものの、私達が座っているすぐ横に立ち、ピッタリとついてきた。

この職員は上からの指示で乗りこんできているのだろうが、ここまでするところを見ると、西鉄は「女性専用車両の男性を放置すると、女性客から非難される!」という脅迫観念にでも駆られているのか?と思ってしまう。

そもそも現憲法下では「女性専用車両」と銘打っていても実際には任意協力にしかできないのに、それを隠して西鉄の職員らがここまでしつこく付きまとってくるのはおかしい。

女性専用でもないのに「女性専用」車両などとウソをつくからこういうことになる。

このあたりまで来て車内はやや混雑してきた。

私達の近くに立った職員は声をかけてくる様子はないし、周囲の女性客も声をかけてくるような雰囲気ではないが、座席で何もせずじっとしているのも何か見張られているようで嫌だったので、座席に座りながらスマホをチェックすることにした。

しばらくして列車は大橋駅に到着し、私達の横にいた職員はここで降りていったが、一緒にいた他の会員によると大橋駅からまた別の職員が乗車してきたそうだ。

大橋駅からは福岡の都心部に入り、列車は高架線を快調に飛ばしながら高宮と西鉄平尾を通過。

辺りがすっかり都会の風景になったところで薬院駅に停車し、ややまとった下車があった。

終点の西鉄福岡には8:51ごろ到着し、乗車会はここで終了とした。

西鉄福岡駅の改札口

西鉄福岡駅の改札を出てから近くの喫茶店に入り、喫茶店を出てからはしばらく福岡市内を散策するなどして、その後解散した。

福岡・中洲の風景
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2019年7月 福岡:西鉄天神大牟田線で非協力乗車会

福岡地区では、普段は地元の会員が時々、西鉄で個人的に乗車活動を行っている状態ですが、今回、久しぶりに関東・関西から会員が福岡に出向き、福岡地区の会員とともに、7月16日の朝、多人数で乗車会を行いました。

それに先立ち、関東・関西の会員と福岡地区の会員による、懇親会も行われました。


天神大牟田線で任意確認(非協力)乗車

西鉄柳川から天神まで、助役がずっと私達をマーク

夜の久留米で懇親会

当会の過去の活動報告をご覧いただけると分かるように、2009年・2010年に「福岡集会」として、他の地域から出向いたメンバーと福岡のメンバーが顔を合わせたり(この時は休日で、乗車活動は行われなかった)、2011年2016年にはそれぞれ、福岡地区の会員と他地区の会員との合同で、西鉄での乗車会が行われたりするなどしたが、ここ数年は福岡地区の会員が時々、個人的に西鉄で任意確認(非協力)乗車している状態だった。

今回、また合同で西鉄での乗車会を行おうということで、福岡に当会の会員が集まったのだが、今回はそれに先立ち、夜の久留米で懇親会を行うことにした。

夜の7時に久留米に集合し、市内の居酒屋で焼鳥などを食べながらいろいろ語り合ったのだが、関東・関西の会員も地元福岡の会員もお互い普段からチャットなどでよく顔を合わせており、実際に直接会ったのは数年ぶりだが、全然そんな感じがしない、ついこの前も会っていたような感覚である。

うまい焼鳥

当会は、北は札幌から南は福岡まで全国に会員がいるが、インターネットの普及によって、距離を意識せず、普段から接し合うことができるのである。

昔、インターネットが普及する前の世の中では考えられなかったことである。

関東・関西はもちろん、福岡・札幌・名古屋などでも会員募集をしているので、女性専用車両に疑問を持つ反対派の方は是非、入会申し込みいただきたい。

入会申し込みフォーム

ただし、団体での行動になるので、最低限の協調性をもっている人であることが条件である。

内部でトラブルばかり起こすような人や自分は何もせずに、会に文句や注文だけ言うような人では困るのだが、そうでないなら是非、当会に入って単に活動するだけでなく、仲間の輪を広げていただけたらと思う。

居酒屋でいろいろ話をしている中で、各地の名物の話になった。

久留米と言えば、ラーメンがまず思いつくが、いま食べている焼鳥も久留米の名物とのこと。

確かになかなか美味しい焼鳥だ。

そして、楽しくワイワイと語り合って、気がつけば夜の9時過ぎ。

せっかく久留米まで来たので、居酒屋を出た後、地元福岡の会員の案内で近くのラーメン屋にも立ち寄ることにした。

ラーメンもうまい

こちらのラーメンもなかなかのものだったが、夜も遅くなってきたので、ここで解散することに。

そして、関東・関西のメンバーは宿泊先のホテル等に、地元の会員は自宅に、それぞれ帰っていった。

大牟田から西鉄に乗車

西鉄の女性専用車両は、平日の朝の上り(天神方面行)の急行・特急への設定である。

関西のJRのような、上下とも毎日終日実施などと言うとんでもないことはしていないが、一方でそのために普段、仕事などのある人は乗車活動がしにくいという事情もある。

もちろん地元福岡の会員も同じで、仕事などがあるため、いつでも乗車活動できるわけではない。

しかし、私達だって本当は乗車活動などしたくない。

通常の車両に乗るのと違い、やはり何かあったらすぐ対応できるよう、気を引き締めて乗車する必要がある。

乗車している間は気が抜けないのだ。

だが、何もしないでいて、ウソの塊である女性専用車両がますます「あって当たり前」になるのはもっと嫌だから、敢えて乗車しているのである。

今回は大牟田から乗車する、「大牟田組」と途中の久留米から合流する「久留米組」に分かれて乗車することにした。

乗車会当日の大牟田駅前
大牟田駅西口

「大牟田組」は朝、7:15に大牟田駅集合。

7:34発の福岡(天神)行特急に乗車する予定である。

その7:34発の特急であるが、発車時刻の20分以上も前、7:10ごろに大牟田駅に入ってきた。

ご存知の方も多いと思うが、西鉄は大牟田が終点であり、すべての列車がここで福岡方面に折り返す。

だから乗車予定の列車が早めに入線してくるだろうとは予想していたが、これほど早くやってくるとは思わなかった。

大牟田駅の駅標
ホームの様子。入選している列車は、私達が乗車する一本前の急行

やがて、集合時刻が近づき、参加予定の会員が集まってきた。

乗車予定の列車はすでにドアを開けてホ―ムに停車しており、いつでも乗車できる状態である。

まだ発車まで時間があるせいで、車内はほとんど誰も乗っていないが…

大牟田駅ホームの女性専用車両位置表示

改札口付近で駅員が「この電車の1番後ろの車両は女性専用車両とさせて頂いております。お客様のご協力をお願い致します。」というアナウンスを何度かしていたが、私達は構わず乗車。

駅員のいる場所と女性専用車両の位置が少々離れていたせいか、駅員は声をかけて来ず。

私達が乗車した時点でも、まだ車内は私達の他は女性客が数人ほどの状態。

西鉄の女性専用車両は最後尾の設定のため、車掌の目の届く場所ではあるが、発車まで時間があるためか、車掌はまだ乗務員室には入っておらず、また周囲の女性客も私達に声をかけてきそうな気配はなし。

発車時刻が近づくにつれ、少しずつ乗客は増えていったものの、大牟田発車直前でも座席がほぼ埋まる程度の乗車率。

時折、乗車してきて車内を通り抜けて隣の車両に行く男性客はいたものの、女性専用車両内で着席した男性客はゼロ。

大牟田駅停車中の特急
車内

発車する少し前に、車掌のU氏が車掌室に入り、女性専用車両の案内も含めたアナウンスをした後、予想通り、こちらに近づいて来て、声かけをしてきた。

U車掌:すみません、こちら女性専用車両になっています。

会員A:別に強制ではないのですよね?

U車掌:ああ…、わかりました。

福岡では、「女性専用車両=任意」というのがどれだけ周知されているか、未知数な部分があったので、ひと悶着あるかもしれないと少々身構えていたのだが、この車掌は任意だということは知っていたようで、すぐ引き下がった。

間もなく発車である。

大牟田~西鉄久留米(柳川から助役M氏が乗り込み)

電車は大牟田を定刻通りに発車。数分走ってすぐ次の新栄町駅に停車。

新栄町を出ると、列車は時速100キロは出ているであろう、かなりのスピードで田園風景の中を快調に飛ばし始めた。

朝のラッシュ時だが、まだダイヤには余裕がありそうだ。

途中の駅を次々と通過し、やがて列車は減速。柳川駅に到着である。

「ご乗車ありがとうございました。柳川、柳川です」とアナウンスが入った。

ここまで、特にこれといった事はなかったので、今回特に何事もなく終わるかと思ったが、柳川駅に停車すると、ホームに待機していた助役M氏が車内に入ってきて声かけしてきた。

恐らく、U車掌が柳川駅に連絡を入れていたのであろう。

M助役:すみません、こちら女性専用車両とさせて頂いております、ご協力をお願い致します。

会員A:さっきも車掌に言われて断りました。しつこいです。
この国では男女差別が禁止されてるから強制できないんでしょ?協力できません!

M助役:わかりました。

と言ってその場は引き下がったものの、そのまま助役M氏が乗った状態で電車が発車。

助役M氏は車掌室の前で、こちらを監視するかのように立っていた。

車内はちらほら立ち客も出はじめたが、まだそれほど混雑はしていない。

列車は引き続き田園風景の中を快調に飛ばし、途中の駅をいくつも続けて通過した後、次の停車駅、大善寺に到着。

助役M氏は降りることなく、車掌室の前で引き続きこちらをマークしていた。

大善寺を出て安武・津福と通過。

津福の先で線路は高架に上がり、このあたりから久留米の市街地に入っていく。

高架で久留米の市街地を走行

市街地の中を高架で進み、試験場前駅を通過。ほどなく次の花畑駅に到着。

ここでも引き続き助役M氏は降りることなくこちらをマークしている。

どこまでついて来るつもりだろうか?

花畑を出ると、次の停車駅はすぐ隣の西鉄久留米である。

ここでは特急が2駅連続で停車する。

高架のまま列車は市街地の中をさらに進み、やがて減速。

西鉄久留米に到着である。

西鉄久留米~二日市(久留米からのメンバー達と合流)

西鉄久留米からは、「久留米組」の会員達が合流する予定だが、列車が西鉄久留米駅のホームに入る際、車内から「久留米組」の会員達がホームで並んでいるのが見えた。

ドアが開くと、「久留米組」の会員達が乗車。

まず車内で私達と「おはようございます」と挨拶を交わした。

そこへ近くにいたM助役が「こちら女性専用車両となっていますので、ご理解ご協力を…」と、早速声をかけに来たので、久留米から乗車した会員Kが「理解してますけど?」と返し、M助役の声掛けをかわした。

もちろん、「理解して協力(降車)する」という意味ではなく、「女性専用車両は任意協力でしかないということを理解している」という意味での「理解している」だが…

助役M氏はこれに対して、「はい」とだけ答えていた。

(恐らく、こう返すしか無かったのだろう)

久留米からは立ち客が増えたが、まだ押し合いへし合いにはなっていない。

しばらく列車は久留米の市街地を走った後、高架から地上に下り、周囲の風景は再び田園風景に戻った。

久留米を出てしばらくすると、再び田園風景に

助役M氏は相変わらず、車掌室の前からこちらを見ている。

本当にどこまでついてくるつもりなのか?

関西の阪急などでも、助役などが乗り込んできて乗車活動している会員についてきたりということはあるのだが、せいぜい数駅程度である。

ここまでしつこくピッタリとマークしてくるケースは、少なくとも私達の知る限りでは初めてである。

特急は西鉄久留米を出ると、次は二日市まで停まらない。

列車は相変わらず時速100キロくらいで快調に飛ばしている。

辺りは田園風景から、少しずつ宅地などが目立つようになってきた。

やがて列車は減速し、次の停車駅である二日市駅に8:24頃到着。

二日市~西鉄福岡(後続の急行に乗りかえ)

西鉄二日市に到着した私達は、ここで「自由が丘作戦」をとることにした。

自由が丘作戦とは、当会や差別ネットワークでの内部用語で、少しでも多く任意周知するため、途中で列車を降り、後続の列車に乗りかえることを指す。

私達が下車したのを見て、柳川駅からずっとついて来ていた助役M氏も一緒について降りてきた。

本当にどこまでしつこいのか?

二日市駅のホームで会員同士、「どこまでついて来るつもりなんだ?」「ここまでしつこくついて来るのも珍しい」などと話していたのだが、助役M氏は私達から少し離れた場所で、携帯でどこかに連絡をしている。

会員Aが「(今回は)柳川からついて乗ってきましたからね」と言うと、地元福岡の会員Zが「100%無線ですね、これ…」

やはり、先ほどの特急のU車掌が無線で柳川に連絡していたようだ。

当日の西鉄二日市駅の様子(左右とも)

会員Zによると、柳川には乗務所があるので、そこの助役が出てきてもおかしくはないとのこと。

しかし、天神大牟田線は久留米を境にして、北側と南側で西鉄内での管轄が異なるらしい。

つまりM助役は、柳川から境界である久留米を超えて二日市までやって来たことになる。

普段、会員Zが個人的に(久留米以北から)非協力乗車する際、二日市か、遅くても春日原あたりから、ほぼ必ず助役がついて乗ってくるとのことだが、今回M助役が管轄を超えてやってきたことについては、会員Zも「管轄超えてるし…」と言っていた。

二日市駅の女性専用車両案内

しばらく二日市駅のホームで待っていると、後続の二日市8:30発、急行・福岡(天神)行きが到着。

私達がその女性専用車両に乗車すると、助役M氏が私達に近づいてきて、また「あの、すみませんけど、こちら女性専用車両となっていますので…」などと声かけ。

これには会員Aも思わず、「ちょっと、何さっきからついて来てるんですか? しつこいです!!」

柳川や久留米で、すでにこちらから「移動する意思はありません」と伝えているにも関わらず、また同じM助役が再度声をかけてきたわけだが、このことからも分かるように、助役M氏が再度私達に声をかけてきたのは、私達を移動させるためではなく、周囲の女性客に「私達(西鉄)はきちんと仕事してます」とアピールするためである。

つまり、後続の急行の女性客にも「声掛けしているところを見せるため」に声掛けしてきたわけだ。

西鉄側は、女性客から「女性専用車両に男性が乗っているのに、西鉄は何もしようとしない(=ちゃんと仕事しろ!)」とクレームされるのを警戒しているのだ。

しかし、専用でもないのに「女性専用車両」などという名前で運行し、しかも任意であることを言わないのだから、女性客も本当に専用だと思いこんでクレームしてくるのである。

だからクレームされたとしてもそれは、真実を言わない西鉄側の自業自得だろう。

急行も立ち客は多かったが、最ラッシュ時は過ぎているためか、押し合いへし合いするような混雑にはなっていなかった。

先ほどの大牟田からの特急と異なり、こちらは途中駅からの乗車のため、私達は全員つり革をもって、立って乗車。

周囲からの視線は感じたものの、こちらの列車でも女性客からの声掛けはなかった。

急行は下大利・春日原と停車。

このあたりは現在、高架化工事中で駅も現在は仮駅舎で営業中である。

工事のためか、列車は少し速度を落として運転していた。

このあたりまでくると、福岡の都心も近い。

那珂川を渡り、高架に上がると、近年特急も停まるようになった大橋駅に到着。

大橋を出ると、高宮・西鉄平尾を通過し、薬院駅に停車。

辺りはすっかり都会の風景である。

薬院を出て少し走るとすぐに終点、西鉄福岡(天神)駅である。

ここで今回の乗車会は終了だが、結局、助役M氏は、終点の天神までついて来てしまった。

西鉄側は、女性客からのクレームを相当恐れているようだ。

西鉄福岡駅ホーム

西鉄福岡(天神)駅のホームで「今回のこと、抗議に行くか?」と参加メンバーどうし、その場で少し話し合った。

今日は平日なので、本社も営業しているはずである。

ただ、福岡の会員Zによれば、現在西鉄本社は博多に移転しているとのこと。

ここ天神からだと、地下鉄に数駅ほど乗る必要がある。

助役M氏のマークはしつこいの一言だったが、女性客からは特に声掛けなどはなく、何か特別大きなトラブルになったわけでもないので、今回は本社ではなく、西鉄福岡駅の駅事務室に抗議・申し入れを行うことにした。

西鉄福岡(天神)駅の改札口
列車が到着するたびに多数の人が降りてくる

西鉄福岡駅で抗議

西鉄福岡駅の改札を出て、すぐ近くの駅事務室に入り、中にいた女性の係員に事情を話し、助役を呼んでいただくことにした。

しばらくしてやってきたのは、男性のK助役。

まずは私達から、女性専用車両は任意かどうか、確認するために質問を投げかけてみた。

最初、K助役は「女性専用になっていますので…」などと答えたため、会員Fが「それは法的根拠に基づくものですか?」と返すと、法的根拠がないことは認めた。

さらに今度は会員Aが「女性専用車両を設定している根本的な理由は何なのですか?」と問うと、K助役はその場で黙りこみ、しばらくウーンと考え込むような動作をしたあと、「私は答えかねますので、ちょっと確認させてもらっても良いですか?」と言って、事務室の奥に引っ込んだ。

「反対派に下手なことを言って、言質を取られてはまずい…」と思ったのだろうか。

しばらく経ってから戻ってきて、「痴漢や性犯罪への対策としてさせて頂いております」と答えた。

会員A:では、痴漢件数がゼロになったり減ったりでもしたのですか?

助役K:ゼロにはなっていませんね…。(…実際はゼロどころか、減ってすらいない路線が多い。西鉄はどうなのだろうか)

そのあと、もう一人助役(O助役)がやってきて、今度はO助役が受け答えする側に回り、K助役は私達とO助役のやり取りをメモする側に回った。

恐らく、O助役のほうがクレーム対応を得意としているのだろう。

こちらからは、

「任意なのに専用と表記するのは、公然とウソをついているようなもの」

「そういうことをするから、女性客にいちいち言い訳しなければならなくなるのでは?」

「見た目で判断して、個別に声掛けしないでいただきたい」

等、いろいろと突っ込んだが、助役O氏からは「これからも会社として声かけはさせて頂きます」
など、とても納得できないような回答ばかりが返ってきた。

そして、「会社として、そのような方向性になっているので、我々(西鉄社員)はそれに従って行動するしかない」というようなことを繰り返し強調していた。

まあ結局はそういうことだろう。

これ以上やり合っていても、埒が明かないので「今回のことは本社に伝える」ということで、とりあえず抗議はここで終わりにした。

抗議を終えた後、私達は近くの喫茶店に入り、そこで今回の乗車会を振り返った。

今回の対応などから考えて、やはり西鉄についても、出来れば今後も継続的に非協力乗車などを行い続けたいところである。

福岡周辺でお住まいの方で、女性専用車両に反対の皆様には入会申し込みフォームより、申し込みをお願いしたい。

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2016年8月 福岡:西鉄天神大牟田線で非協力乗車会

当会では、2016年8月10日に、福岡の西鉄天神大牟田線で非協力乗車を行いました。

今回、「差別ネットワーク」埼玉支部長であるレノン氏が福岡に来られたため、当会の福岡地区メンバーとともに実施することにしたものです。

以下、当日の報告です。


車掌や乗客から声掛け

本社も認める「任意協力」を、「勝手なルール」などと言う車掌も

久留米~小郡

乗車列車その1

【列車番号】急行G070

【乗車区間】久留米(7:32)→小郡(7:41)

【乗車車両】6702(6055F+6702F)

久留米7:32発、福岡(天神)行の急行に乗車する予定にしていたのですが、少し時間があったので、久留米駅を出ていく女性専用車付きの福岡方面行列車の乗車率を観察していました。

どの列車も女性専用車のほうが空いている印象。

また駅では、女性専用車のある列車が来るたび、必ず一回女性専用車のアナウンスをしていました。

しばらくして7:32発の急行が到着したので、最後尾の女性専用車に乗車。

途中、宮の陣駅では、階段がホーム最後尾(大牟田寄り)一カ所しかなく、そこに女性専用車が停まるため、男性客は否応なく一両分余計に歩かされる恰好になっています。

また、甘木線との乗換駅でもあり、甘木線からの乗客も、その階段を通ってしか福岡行に乗り換えられないので、やはり一両分余計に歩く格好で、かつて、関東の東急東横線の菊名駅で大きな問題となった、「菊名問題」を彷彿とさせるものがあります。

もっとも、今回乗車したこの列車は、甘木線との連絡時間に比較的余裕があるのですが、他の列車はどうなんでしょうか?

連絡時間に余裕がないと、駆け込み乗車を誘発しそうです。

列車は宮の陣を発車。発車後に車掌が声をかけてくるかと思ったのですが、結局車掌や乗客などからの声掛けはなく、そのまま無事に小郡に到着。

ここで、自由が丘作戦(任意周知のための後続列車乗り換え)のため、下車。

小郡~二日市

乗車列車その2

【列車番号】急行H072

【乗車区間】小郡(7:52)→二日市(8:07)

【乗車車両】5136(編成不明+5136F)

※この動画は当日の参加者がアップしたものであり、参加者から許可を取って掲載しています。

朝の通勤時であることや、小郡がそれなりに大きな駅であることなどから、この駅から乗客もやはりそれなりに多いですが、やはりこの列車でも、最後尾の女性専用車両は比較的乗客が少ない状態でした。

乗車した際に女性客が声掛けしてきたが、レノン氏が反論。

女性客はそれ以上何も言って来ませんでしたが、それだけかと思ったら今度は、車掌が乗客の間をかいくぐって私達のところまでわざわざやってきて、(次の停車駅である)三国が丘で前の車両に移動してくださいなどと言ってきたが、もちろん拒否。

しばらくして到着した三国が丘では何事もなかったが、その先の筑紫では乗務所(筑紫駅には乗務所が併設されている)の助役による声掛けがありました。

これはどう見ても、車掌が無線で通報して乗務所に手配が入ったのだと思われます。

またこの車掌、私達が乗車していたからか、停車駅を発車するごとにしつこく女性専用車アナウンスをしていました。

やがて列車は二日市駅に到着。私達はここでも自由が丘作戦を取ることにしました。

二日市~福岡(天神)

乗車列車その3

【列車番号】急行K080

【乗車区間】二日市(8:15)→福岡(天神)(8:36)

【乗車車両】5103(5007F+5103F)

西鉄二日市駅に入ってくる、二日市始発の急行。(ホームから撮影)

西鉄二日市では、ここ始発の急行がたまたまあり、自由が丘作戦には都合が良かった。しばらく待っていると、ホームに列車が入線し、私達は最後部のドアから乗車した。

発車までまだ少々時間があり、列車は二日市駅でしばらく停車。

二日市停車中に、車掌がひとしきりアナウンスをした後、車掌室から出てきて私達に声掛け。

一旦引っ込んだ後、再度声掛けをしてきたが、その際、私達が「女性専用車両は任意協力である」ことを言うと、「それはそっちの勝手な決まり」と車掌が発言した。本社も任意協力と認めているものを、「勝手なルール」とは…

これは失言だと言われても仕方がないだろう。

以下その際のやり取り。

車掌:ちょっとすみません、最後尾一両女性専用車両となっておりますので、恐れ入りますが前のほうへ行ってもらえますか。

(一同無視するが、しばらくして車掌が再度声をかけてくる)

車掌:あ、申し訳ありません。ここ女性専用車両となっておりますので…

レノン:そういう名前の車両だということは知っていますが

福岡地区会員Y(以下Y):だけどまあ、(車両に女性専用車の)ステッカー貼ってないけど、ここにこういうステッカー貼ってるからといっても(=貼っていたとしても)意味ないでしょう。男性の協力で成り立っている車両なんですから…

車掌:申しわけありませんが協力願えますか。

Y:ご協力願えますかって言ったって…
ご協力願っているんだから(=強制ではなく、お願いに過ぎないのだから)協力しないということも成り立つんであって…

車掌:そういう、それはそっちの勝手な決まりでありますので…

Y:勝手な決まり!?
勝手な決まりというのはどういうこと? 本社に行っても「乗れる」って聞いてるよ?? ご協力は願っているとは言ってたけど。

レノン:要するにさ、痴漢に乗ってほしくないというのは分かるんですけど、そうじゃなくて男に見えるからここから退散してくれって話ですか? 私らが男に見えるから?

Y:私らが男に見えるし痴漢だから退散してくれということ?

車掌:いやそういうわけじゃなくて…

Y:だったらもう声掛けはしないでほしい。

車掌:わかりました

列車は二日市駅を出て、その後、下大利に到着した際、乗車してきた女性客から「ここ女性専用車です」と声掛けがありましたが、「知ってます」と返すとそれ以上何も言ってきませんでした。

さらに進んで福岡市内に近づくにつれ混雑も徐々に激しくなってきました。

そして大橋で車掌からの連絡を受けたのか、駅の助役(大橋駅勤務となる福岡管理駅の助役と思われるが詳細不明)による声掛けがありました。

※この動画は当日の参加者がアップしたものであり、参加者から許可を取って掲載しています。

何度声をかけても、私達は「任意」であることを知っているから降りるつもりはないし無駄なのに…と思いつつも、要は女性客への、「私達はちゃんと仕事しています」アピールなのでしょうね。

強制できないものを、「女性専用」などと称して強制的なもののように見せかけて運行するからこういうことをしなければならなくなるわけで、全くおかしな話だと思う。

結局、その後は何もなく、福岡(天神)駅に到着しました。

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2010年8月 福岡集会の報告

当会では昨年(2009年)にも福岡で「福岡集会」を開催しましたが、今年もまた福岡で実施いたしましたので、報告いたします。

昨年の福岡集会の報告については、こちら

今回も関東・関西から多数のメンバーが参加。

地元福岡はもちろん、熊本からの参加者もあり、普段顔を合わせることのない遠隔地のメンバーが一堂に会し、今後のことなどについて話し合いを行いました。

以下、福岡集会に参加したメンバーからの報告です。


福岡・天神にて「2010・福岡集会」を実施

関東・関西・九州の当会メンバーが福岡に結集

●「反対する会」今年も福岡へ

昨年8月、福岡・天神に当会のメンバーが集まり、「2009・福岡集会」を実施したのは、昨年の「活動報告」で報告したとおりだが、今年もまた、8月28日に「2010・福岡集会」として、福岡での集会を実施した。

昨年の福岡集会では、西鉄福岡駅への抗議や動線調査などを行ったが、今回の主な目的は、福岡でも当会が本格的に活動を開始できるよう、その基礎固めをすることである。

集合場所は西鉄福岡駅の改札前。

新幹線その他で九州入りした関東・関西メンバーが続々と到着し、九州のメンバー達と合流した。

地元、福岡周辺のメンバー達はもちろんのこと、特急で1時間以上もかかる熊本からも参加があったのだが、すでに九州メンバーどうしで普段から個人的に連絡を取り合っているらしく、待ち合わせ場所では九州メンバー同士でかなり親しげに話をしていた。

やがて集合時刻を過ぎたので、西鉄福岡駅から徒歩で会場に移動。

関東・関西メンバーの中には、九州メンバーと初対面の者もいたので、会場ではまず互いに自己紹介を行い、雑談から始めた。そして皆が打ち解けてきたところで、今後の福岡地区について、まずは福岡でも定期的に活動を行おうということで、話し合いを行った。

いろいろな意見が出て、結局、次回の福岡での活動の日時の決定にまでは至らなかったが、今後、定期的に九州メンバーが顔を合わせる機会をできる限り作ろうということで意見が一致した。
そして、それを受けて後日、九州地区メンバーによる西鉄天神大牟田線での非協力乗車会が実施された。(詳細は下記)

夏の長い陽も傾いた頃、メンバーは関東・関西本部ともより密に連絡を取り合いながら、西鉄に対して女性専用車両廃止の働きかけを続けていくことを約束しあって帰路についた。その後、一部の有志で二次会も行われ、交流を深めた。

九州の鉄道では唯一、女性専用車両を運行している
西日本鉄道(西鉄)の本社ビル。

●西鉄で福岡メンバーによる非協力乗車会

上記の通り、福岡集会で「今後も福岡で活動を続けていこう」という話になったのを受け、その後、9月に入ってから西鉄天神大牟田線で、福岡メンバーによる非協力乗車会が実施された。

当会サイト、「活動報告」には出していないので、ここで簡単に書いておくと、西鉄の大橋駅から福岡(天神)駅まで、朝の急行列車の女性専用車両に福岡メンバーで非協力乗車を行ったとのことである。

大橋駅を出てすぐ、一人の女性客が「ここ女性専用ですが…」と声かけしてきたものの、参加メンバーが「任意協力ですので、男性が乗っても問題ありません」と言うと、それ以上は何も言ってこなかったとのこと。

やがて列車は西鉄福岡(天神)駅に到着したが、今回は大橋~福岡(天神)と、区間が短かったので、次からは二日市や筑紫の辺りから乗車会を行いたいとのことであった。

福岡では今後、本格的に活動を開始するにはもう少し人数の欲しいところなので、福岡及びその周辺の方で入会を考えている方は、入会申し込みフォームから申し込んでいただければ幸いである。

当会サイトや、当会のことが取り上げられたマスコミ記事等を見るだけでは私達の素顔のようなものは分かりにくいかもしれないが、普段は真面目に専用車問題に取り組みつつ、集会の二次会等では、飲食しながら歓談し、互いのコミュニケーションを取り合うことも重視している。

専用車問題に関心のある方は、どうか気軽に入会申し込みをしてほしい。

もちろん、関東や関西の入会希望者も引き続き募集しているので、こちらも入会希望の方は気軽に申し込んでいただければ幸いである。

(報告:関西本部 福山)

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活動履歴

2009年8月 福岡集会の報告

当会では現在、関東と関西に活動拠点がありますが、会員募集は全国で行っております。

名古屋・札幌近辺の他、今年に入ってから福岡においても数名の入会者がありましたので、他地区のメンバーとの交流を深め、さらに将来、福岡にも活動拠点を設置するための足がかりにできるよう、去る8月8日に福岡において、「福岡集会」を開催いたしました。

福岡でも大手私鉄の西日本鉄道(西鉄)が女性専用車両を運行しています。

そのため今回は、関東・関西メンバーと福岡のメンバーとの交流を深めるだけでなく、西鉄への直接抗議や動線調査(当サイト「女性専用車両の各種調査」に掲載している、専用車と階段・エレベーターなどとの位置関係を調査したもの。前回、調査してから何年も経っているので、再度調査することにしました)なども行いました。

以下、福岡集会に参加したメンバーからの報告です。


反対する会 福岡へ

関東・関西・福岡のメンバーが交流深める 西鉄福岡駅にも抗議

2009年8月8日、福岡において当会の「福岡集会」が開催されることとなった。

集合場所は西鉄福岡駅の改札前。

私は新幹線で博多に向かうことにしたのだが、ちょうどお盆の帰省ラッシュの時期で、私が乗車した新幹線も指定席は全て売り切れで、自由席は通路に立ち客が出るくらいの混雑だった。

私は自由席に乗車したのだが、乗車駅(新大阪)のホームで並んでいたので何とか着席することができた。

今回は関東・関西あわせて、結構な数のメンバーが福岡に行く予定になっている。

誰しもまだ福岡のメンバーと直接会ったことはないのだが、関西から約600キロ、関東からだと約1200キロの距離を越えて、交流の輪を広げられれば良いなと思いつつ、車窓風景を眺めていた。

新大阪から3時間弱で博多に到着。

そこから集合場所である西鉄の福岡駅(天神)までは、地下鉄に数駅ほど乗車する必要がある。

新幹線の駅から徒歩で福岡市営地下鉄の博多駅へ…

程なくして到着した、姪浜(めいのはま)方面の列車に乗車。

列車はやがて天神駅の近くにさしかかり、車内アナウンスが西鉄線への乗り換え駅であることを告げる。

天神駅で下車し、あとは駅構内の案内にしたがって西鉄の駅へ向かった。

地下鉄の駅から少し距離があるが、案内にしたがって行けば西鉄の駅まで迷わず行くことができる。

西鉄福岡駅の案内表示

待ち合わせ時刻は14時だったが、私はその約30分前に待ち合わせ場所に到着した。

まだ当会のメンバーは誰もいない。私が一番乗りだったようだ。
しばらく待ち合わせ場所で待っていると、関西のメンバーが1人やって来た。

まずは「今日はよろしく」と挨拶し、2人で待つことに。

そのメンバーは飛行機で福岡までやってきたとのこと。
その後も関東・関西のメンバーが続々到着。待ち合わせ場所は賑やかになった。

福岡のメンバーも合流して、お互い「はじめまして」と挨拶を交わした。

結局、交通機関の乱れやその他、特に問題もなく、集合時刻の14時までに参加予定者が全員揃った。

福岡駅前のファミレスで打ち合わせ

参加予定者が全員揃ったので、地元福岡のS会員の案内で私達は駅近くのファミレスに入った。

ファミレスで少し待ち時間があったので、そこでお互いにいろいろと話をした。

関東・関西での非協力乗車会のこと、会で作成しているチラシのことなど、話題は尽きない。

まずは良い感じで関東・関西メンバーと福岡のメンバーが互いの接点を持てたようだ。

ファミレスで食事をしながらそこで、この後に予定している西鉄福岡駅への直接抗議の内容についてと、西鉄の動線調査についての打ち合わせを行った。

西鉄福岡駅への直接抗議については、まずどのようなことから話を切り出すか、などを話し合った。

そして、動線調査については、今回、時間が限られているので、効率よく調査を進める必要がある。そこで二手に分かれて分担して調査を進めようという話になった。

また、西鉄福岡駅への直接抗議を先に行う予定にしているため、抗議終了の時刻が何時ごろになるかによって、調査の手順も変更するなど、臨機応変に対応する必要がある。(場合によっては翌日、再度集まって調査する必要が出てくるかも知れない)

そのため、調査の進め方については、やや時間をかけてきっちりと打ち合わせを行った。

西鉄福岡駅北口

西鉄福岡駅に抗議

後に予定がいろいろ控えていたので、早めにファミレスを後にし、私達はまず西鉄への抗議に行くため、西鉄福岡駅のお客様案内窓口へと向かった。
窓口の女性にまず、西鉄では専用車は任意か強制なのかについて尋ねると、「ちょっと待ってください」とのことで、しばらくして代わりに西鉄福岡駅の助役が応対に出てきた。

そこから約50分間ほど、私達からいろいろと助役に意見を述べたり、質問したりしたのだが、その内容については別にまとめてあるので、西鉄福岡駅 抗議活動の報告 をご参照いただきたい。

西鉄天神大牟田線・動線調査を実施

福岡駅の助役に、「長時間、真摯に話を聞いていただきありがとうございました」と礼を述べて、窓口から出ると時刻は午後4時半頃だった。

今日中に全て完了できるかどうかは分からないが、これから西鉄天神大牟田線の動線調査に向かうことにした。

まず、ファミレスで打ち合わせたとおり、二手に分かれてまず大牟田方面に一気に行き、そこから少しずつ戻りながら、各グループで分担して駅の階段・エレベーターなどの位置関係を調べていくことにした。

西鉄福岡駅から大牟田行き特急に乗車。

土曜日の夕方で、平日のラッシュ時ほどには人は多くないはずだが、それでも私達の乗った特急は結構よく人が乗っていた。

ぎゅうぎゅう詰めとまでは行かないものの、かなりの立ち客がいる状態で西鉄福岡駅を出発。
私の入ったグループは、4~5人で特急列車の先頭に乗車した。(もう一方のグループは最後尾に乗車。)
駅ホームの最前部または最後部にしか出入り口や階段のない駅については、数年前の調査と現在とで位置関係等が変わっていないかどうか確認するだけなので、通過列車の中からでも確認できるため、通過列車の中から確認を行うことにした。

列車は福岡の市街地を高架線で勢いよく駆け抜けて行った。

運転席の速度計を見ると時速100キロあまり出している。

西鉄福岡から何駅か過ぎたが市街地が途切れない。

福岡の市街地も結構広いようだ。大橋駅を通過した先で那珂川を渡る。

ここよりも下流で福岡の繁華街(中州)を通っている川だ。

西鉄二日市を過ぎ、列車は西鉄久留米駅に到着した。

ここでたくさんの人が降り、混んでいた車内も若干空いてきた。

久留米駅から乗ってきた老夫婦が空いた座席を指して周りの乗客に「ここ、座ってよかですか?」と方言で尋ねていた。今、福岡にいるんだなと改めて実感した。

列車は久留米駅を発車。

それまではあまり意識していなかったが、よく聞くと、車内のあちらこちらから方言の会話が聞こえてくる。

久留米の先でJR鹿児島本線・久大本線と建設中の九州新幹線の高架と交差した。

新幹線の工事もかなり進んでいるようだ。
西鉄柳川を過ぎ、列車は終点大牟田の1つ手前の新栄町駅に到着。最後尾に乗車のグループはここで降りて新栄町駅の調査をしたあと、福岡方面行きの各停で西鉄柳川までもどり、そこでも調査。

一方私達は、終点大牟田まで行き、大牟田駅を調査。

その後大牟田発の福岡行き特急に乗り、西鉄柳川で下車。

新栄町で降りたグループが西鉄柳川駅の調査をしているところへ合流するという予定である。

西鉄大牟田駅の駅標
大牟田駅に停車中の電車

列車は終点の西鉄大牟田駅に到着。私達はホームに降りた。

時刻は午後6時になっていたが、夏なのでまだ辺りは明るい。
大牟田駅での列車・改札口の位置関係が、数年前に調査した時と変わっていないことを確認して、次の福岡行き特急を待つことにした。駅で列車を待つ間、そして列車に乗ってからも皆でいろいろな話をし、関東・関西・福岡のメンバーがここでも交流を深めあった。

やがて私達の乗った福岡行き特急列車は西鉄柳川駅に到着。

予定通り、先ほど新栄町で降りたほうのグループのメンバーと合流した。

そこから先もまた二手に分かれていくつかの駅をそれぞれ分担して調査。

限られた時間の中で効率よく調査できるようにした。

そんな感じで調査を終え、西鉄福岡駅に戻った時には午後8時を回っていたが、結局その日のうちに動線調査を全て完了することができた。

福岡名物「屋台」で2次会

そろそろ夕食も取りたい時間であることから「皆でどこかに一緒に夕食を取りに行こう」という話になり、「それならば」ということで、福岡名物「屋台」で食事しようということになった。

そして福岡のS会員の案内で、西鉄福岡駅近くに何軒か出ていた屋台のうちの一軒に入ることにした。

立ち並ぶビルや自動車が走る車道など、現代的な夜の街を見ながら情緒たっぷりの屋台で食事をするというのは、関東・関西などでは通常ではないことで、私も初めてだったため、とても新鮮に感じたのだが、何だか「本当に福岡に来たんだな」と、(先の久留米駅で方言を聞いた時もそうだったが)また改めて実感した。

そして、その屋台で出しているものがまた美味しいのである。

皆でラーメンやおでんなどを注文し、私も鳥かわ串を一本注文したのだが、「うまい」の一言であった。
昼間、ファミレスで食事した時からここまで、関東・関西・福岡のメンバーが行動を共にしてきたわけだが、皆すっかり打ち解けて、福岡の夜の屋台で食事をしながら盛り上がり、本当に楽しい2次会となった。

やがて時刻は夜9時半を回り、各自ホテルのチェックインの関係などもあるため、ここで解散となったが、また機会があれば福岡の屋台で食事してみたいと思った2次会であった。

(報告:関西本部 福山)

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2009年8月 西鉄福岡駅での抗議活動の報告

当会では、去る8月8日に福岡において、「福岡集会」を開催いたしましたが、その中で西鉄福岡駅において、女性専用車両についての抗議を行いましたので報告いたします。


まずは西鉄福岡駅の案内窓口へ…

会員:すみません。お忙しいところ恐れ入ります。
女性専用車両のことについてお伺いしたいのですが、西鉄さんは女性専用車両の位置づけをどう考えておられるんでしょうか?

窓口の女性:位置づけ? …位置づけ??
義務でやっているか、ということですか?

…どのような経緯でやることになったとか??
(↑どうもこちらの質問の意味が良くつかめなかったようである。)

会員:まあ、導入の経緯も聞きたいのですが、まず、乗客がきっぷ・定期を買った時点で西鉄との運送契約が成立したということになると思うんですが、その契約上の義務の1つとして「男性は専用車に乗らないこと」ということになっているのでしょうか?

それとも「出来れば乗らないで欲しいが、義務ではなく、あくまで任意」ということなのか?

ということなんですが…

窓口の女性:分かりました。ちょっとお持ち下さい。(と言って、奥の事務所に下がっていく)

このあとしばらくして奥の事務所から助役が対応に現れたのですが、窓口の女性が奥の事務所に行ってから助役が出てくるまで、結構時間がかかっていました。

恐らく、西鉄は今まで女性専用車両についての抗議を受けたことがほとんどなかったものと思われます。

そのため、どのように応対したらよいのか分からず、躊躇しているようにも思えました。

西鉄福岡駅の助役登場

西鉄福岡駅・M助役(以下、助役):こんにちは。

会員:お忙しいところ恐れ入ります。お時間とって申し訳ありません。

助役:いえいえ、私は福岡駅の助役の●●と申します。
女性専用車の件ということなんですが、その部分の設定とか、そういう話になると本社の旅客サービス係というのがございまして、そちらに聞かれた方が良いと思います。

会員:各現場の駅では分からないということですか?

助役:設定しているのは西鉄(本社)になりますので…

会員:それを実際に運用していくのは現場の駅員なり乗務員なりということになりますね。
ですから質問に対しては本社の方に聞いてくれということで良いと思うのですが、各駅の職員さん達がきっちりと「専用車の定義づけはどうなっているのか」、「男性客が乗車した場合どう対応するのか」が、共通理解になっていなければ…

助役:女性専用車に男性が乗車しようとしている場合は注意いたします。

会員:それはどういう風に?声かけだけですか?他社では身体をつかまれたという事例もあるようなんですが、西鉄さんではそういうことはないですか?

助役:まあ、身体をつかんだりしますと、暴力とかになりかねませんからね。でもお客様のモラルという部分で…

会員:今、モラルと仰いましたが、他社では導入理由を「痴漢防止」「女性に安心して乗っていただくため」としており、西鉄さんも恐らく同じようなことを理由にされているのではないかと思いますが、女性にも犯罪者はいるので、女性だけなら絶対安全とはいえないと思います。
男性の一部が悪いことをするかもしれないといって、善良な男性まで一律に排除するというのは人権問題ではないかと…

助役:女性専用があって男性専用が無いという声かもしれませんが…

会員:男女別になっても、エレベータ前が男性専用車になったら、おばあさんなどがそこに乗れないという問題も生じますので、混雑緩和していって車内犯罪を起きにくくするのが本来ではないかと。
失礼ですが、ダイヤ見せてもらったら、まだ余裕があると思うんですが…費用はかかるでしょうけれども。

助役:まあ、そのあたりのダイヤの運用関係となりますと、営業と運転の方とございますので、ダイヤ改正等を行う時に(本社で)種々検討しておると思うんですが、そのあたり含めて本社の方に投げかけていただければと思いますけれども、現場では「こういう経緯でこうした」とかの詳しい部分はお答え出来かねますので…

現場での共通認識は出来ているのか?

会員:先ほども申し上げましたが、現場に共通認識が出来ていなければ、駅によって、職員によって対応が違うということが起きてくると思うのですが…

助役:いえ、ですから平日の大牟田発の何時何分から最後部1両が女性専用という…

会員:そういうことではなく、例えば先ほど申し上げた、「運送契約上の義務として設定されているのか、任意協力なのか…」ということとかですが…
また、先ほど、マナー(モラル)ということをおっしゃいましたが、専用車両に協力するのがマナーだとは私達は考えていません。

助役:マナーというよりもまあ、ご協力ですよね…

会員:約款・法律に基づくものであるのかどうか、各現場で答えられないというのは、共通理解が出来てないということですかね?

助役:まあ私共はですね、営業列車の最後部1両が女性専用であるということで、やっておりますので、そのあたりの現場周知は徹底できておりますよ…

会員:では、それに乗ろうとした男性がいた場合に、法律に触れるのかどうかという共通理解は出来ているんですか?

助役:そこまでは出来ていないと思いますが…

会員:して頂かないと困りますね。

女性専用車は任意?強制? 西鉄の見解は?

会員:私どもの方で国土交通省の方に問い合わせをしたんですよ。
で、こういった回答をもらっているんですよね(と言って、「女性専用車は任意協力である」という、国土交通省からの回答文を見せる)あくまでも任意協力で、法的根拠はなく、性差別になりますから強制は出来ないということで…現場の方は、こういった認識はされているんですか?

助役:注意はしますね。ここは女性専用ですよと。でも強制的に降ろしたりはしないと思います。

会員:「注意」というと、何か悪いことをしている人を注意しているかのように聞こえますが…優先席と一緒(任意協力)ですよね?そこに若い健常者の人が座っても注意しますか?

助役:まあ身体の不自由な方とかが立っておられる場合には、「代わっていただけませんか」と…これもご協力なんですよ。

会員:女性専用車も「ご協力」とお考えですか?

助役:本省がこのような回答を出しているのであれば、うちもそれにならって行かないといけないですね。

会員:女性専用という名称はおかしいと思いませんか?「専用」と言うことは一般の人から見ると、「男性は乗ってはいけない」と思うと思いますが、実際には任意協力です。
「女性優先」ならまだ分からなくはないですが…

男性の障がい者の専用車への乗車について

会員:あと、もう一点なんですが、男性の障がい者が乗る場合は「介護者が女性である場合のみ乗車できる」とありますが、これは「女性の見張りが無ければ障がい者の男性が何か悪いことをするかも」という前提があるんですか?

助役:「障がい者と介護者が乗車される場合」というのは、「障がい者お1人では乗車できかねる場合もあるであろう」という部分からなんですよ…

会員:介護者だったら男性でもいいのですよね?

助役:男性でもよろしいですよ。障がい者の介護者というのは…

会員:でもホームとかには「障がい者・介護者のどちらかが女性の場合、乗車可能」という表記があるんですよね?

助役:ああ、いや、で、ですから…
(↑ちょっとあわてた様子。)

会員:「両方男性ではだめ」という事を言っているんですよね?
ということは、障がい者も介護者も男性の場合、そういう人達が改札に近いところを利用しようとしても遠回りしなければならない…

助役:女性専用車として設定しておりますので、そこはご協力を…

会員:そういう言い方をするなら、「障がい者男性と女性の介護者の場合」でも移動をお願いしなければならないはずですよね?

会員:障がい者の男性より健常者女性を優遇しているということですよね?要は。

会員:そうですね。障がい者の方でも、自分で移動するのが困難な人ですと一両分移動するだけでもかなり負担になると思いますが、そのあたりを置いておいて、健常者女性を障がい者男性よりも優先しているのはおかしいと思いますが。

助役:駅の作りとしましてですね、まあ、中央から降りていく…

会員:そうとは限らないですよ。

助役:作りで種類がありますね。入口の関係とかですね…

会員:例えば、大牟田の駅でしたら一番向こう側(福岡駅から見て終点側。福岡行き列車の最後尾側)にしか出入り口がないですね。
ということは、女性専用車両がちょうど改札口の位置に来るということですから、障がい者の男性は(女性の介護者がいなければ)イヤでも1両分余計に歩かなければならないですね。

助役:ですね。

男性の障がい者の乗車以外の問題点

会員:それから、健常者の男性でも女性専用車を避けようとして駆け込み乗車することも考えられます。
それで他の乗客と衝突するということも、実際に他社では発生しているんですよね。
それとか駆け込み乗車でドアに挟まれたりとか、いろいろ危険なことも起こっていると思うんですよ。
しかし根本的には、善良な男性まで男性だからということで一緒に排除してしまうのは、人権上の観点からも許されないのでは?

助役:そのあたりの話はですね、私も現場の助役ですから、そのあたりの話になりますと…

会員:では現場としては、女性専用車に私(男性)が乗ったら、止められるわけですか?

助役:注意はします。

会員:軽く言って、それでももし「協力したくない」ということであれば、そのまま乗れるわけですか?助役:実力行使は出来ないですよ。

会員:では、西鉄では一応乗れるわけですね?

助役:いや、それは私の口からは言えないですよ。ご協力をお願いしたいと…

会員:優先席と一緒ということですか?そういう扱いでいいんですか?

助役:うちの今の…女性専用車にしている部分では男性の方はご遠慮いただきたいと…

会員:会社によっては、「お願いだ」と言いながら(男性客が)降りるまで、電車を発車させないというところもあるようなんですが、西鉄ではそういうことをなさる場合はありますか?

助役:それはないでしょう…これは運転のほうにお尋ねいただくか、それか旅客サービス係というのがありますが、そちらのほうにですね…
今日は土曜日で居ないと思いますが、平日の9時30分から18時20分が営業時間になっていますので、そちらに聞いていただいたほうが明確なお答えができると思いますけど…

会員:あと、女性を専用車に誘導したりとか、女性が他の車両に乗ろうとしたら、なるべく専用車をご利用くださいと言ったりとかはされるんですか?

助役:それはないですね

会員:今見てますと、全国的に導入しているところはどこでもそうなんですけど、「男子禁制車両」になってて、男性がそこに乗るなというのは非常にうるさく言われるんですけど、「女性は一般車に乗らずに、できる限り女性専用車両に乗ってください」という案内をしている会社は無いんですね。
それから高齢者の男性について乗車可能と言っている会社もないんですね。
助役さんというお立場では、そういう会社全体の制度をどうすることも出来ないとは思いますけど、そのあたりやはり非常に不条理だと思います。

助役:はい

会員:本気で(痴漢等の)被害をなくそうとしているとは思えないんですよね。
何か国交省から言われたからやっている…みたいな。

会員:あ、そうそう、西鉄さんの専用車の案内が(国交省の)九州運輸局になぜかあったんですよね。
(西鉄での)導入時期が確か2003年なんですが、その時期は(関西の)南海とか阪神にも導入が拡大した時期でして、関東はまだ京王とかほんの一部しかやっておりませんでした。
専用車の拡大にはちょっとした流れがあることは事実でして、2002年頃から関西から始まりまして、その中で名古屋やここの西鉄さんも巻き込んだという流れはあったみたいです。

そして今度は東京でもやろうみたいな感じで、…実はある政党が絡んでいるんですが、国土交通大臣がその「ある政党」の人間になったときの2005年に、関東の方でも導入がされまして、いたるところで拡大されて今日に至ります。
国策が絡んでいることはほぼ間違いないですが、そのあたりはご存じなかったですか?

助役:いや、私は知らなかったです。

会員:そのあたりですね、導入した西鉄のトップの方が何をお考えだったのかはわかりません。
どういう経緯で決まったのかは…西鉄単独で決められたのか、それともウラで何かあったのか…

会員:女性専用車が任意であるということが周知されていないから、関東では特にそうなんですが、専用車に男性が乗ると女性客のほうから文句を言ってきてトラブルになってしまうんですよね。

会員:女性客の中に特権意識のある人がいますね。

会員:女性どうしでも年配の女性が女性専用車に乗ると、「あなたみたいな人が痴漢にあうの?」みたいな冷たい目で見られると、だからと言って一般車に行くと、男性から「それでなくても混んでいるのだから、女性は専用車に行け」みたいな冷たい目で見られるということで、女性同士でも揉め事というか気まずい思いをすることが起こっているんですね。
これは、関東に住んでいる私の知り合いの女性が実体験として言っていたことなんですけども、女性専用車を設ければ全て女性が安心快適になるかといえばそうではないということも是非知っていただきたい。

会員:結局女性も鉄道会社も、専用車に協力する男性に対して「親切な協力者」という考えがないんですよ。
「協力して当然、しなければとんでもない奴」なんですよね。

会員:(車内アナウンスで、男性客に協力の)お礼は言うんですか?
助役:あの、申し訳ないんですけど、私どもの方では分かりかねますんで…

会員:ここの駅で放送しているかどうかも分からないですか?

助役:ホームではしてないですね。

会員:理由はあるんですか?

助役:理由は無いですね。朝の案内放送というのは基本的にあまりしていないんですよ。
列車遅れのダイヤ乱れの部分で案内しますけど、案内放送の簡易化とかですね…

会員:会社としては男性客に負担をかけているというのは認識しておられますか?

助役:ご協力いただいておりますから、(申し訳ないと)思っておりますよ。

会員:それを表には出さないと?

助役:出さないというかですね…

会員:そしたら(専用車乗車の男性に)「注意」なんて言い方は出来ないと思いますよ。

助役:お願いですね。

会員:女性専用車両が出来てまだ10年そこそこ(かつての婦人子供専用車とは別)経たないくらいなんですが、小さな子供達が女性専用車両を見て今、育ちつつあるわけです。

そうすると、男=悪だと刷り込まれていくわけです。

これは事実かどうか分かりませんが、小さな女の子が父親に「お父さんも痴漢するの?」と聞いたと…実際その「男=悪」を刷り込まれた女の子たちが大人になって社会を担うようになった時どういう社会になるのか?

あるいは、男=悪と刷り込まれた男の子達がどういう劣等感を持ってしまうのかと考えると凄く恐ろしいことだと思います。

…このような感じで約50分間にわたり、この他にもいろいろな話をさせていただきました。

最後は私達の方からM助役に「長時間真摯に話を聞いていただいてありがとうございました。」と礼を述べ、窓口を後にしました。