2013年2月23日にインターネット上の「弁護士ドットコム」というサイトにおいて、『通勤電車の「女性専用車両」男性が乗車するのは違法か?』という記事が掲載された。
記事の内容は『一部の男性が「女性専用車両は男性の乗車を法的に禁ずるものではない」として女性専用車両に乗り込み、トラブルに発展するということが起きているが、さて、男性が女性専用車両に乗っても法的に問題は無いのか?』ということで、弁護士に確認を取っているというもの。
この「弁護士ドットコム」の記事はネット上で話題になり、ヤフーやライブドアなどの知名度が高いポータルサイトでも同様のニュースが配信された。
女性専用車問題についての関心・知識が多少でもある人なら、「女性専用車両は任意協力であり、乗る乗らないは男性客の意思に委ねられている」という事は既にご存知かと思うが、もちろんこの「弁護士ドットコム」の記事でも、弁護士の見解は「女性専用車両に男性が乗っても違法性はない」である。
そもそも「同じ運賃を支払えば誰でも公平に利用できるのが大原則」である公共交通機関において、「性別」という、本人の意思では如何ともしがたい生まれつきの「属性」を理由に乗る車両を制限したりすることは許されない。
そんなことをすれば、「人種」という、本人の意思では如何ともしがたい生まれつきの「属性」を理由に公共の場から黒人を排除してきたアパルトヘイトと同じになってしまう。
だからこそ国交省や鉄道事業者も女性専用車両を強制にはしていない(というより出来ない)のである。
「女性専用車両が実は任意協力に過ぎない」ということは、これまで当会やその協力団体が周知活動を続けてきたところであり、今回こうして取り上げられたことにより、より多くの人が真実を知ることになったと思われるが、一方で「女性専用車両が痴漢対策だと信じきっている人が未だに非常に多い」という現実も見えてきている。
当会やその協力・関連団体は、痴漢対策に反対しているわけではない。
女性専用車両がその導入された経緯、そしてその後の経過などから、おかしいことだらけで、とても痴漢対策とは思えない代物だから反対しているのである。
今後は「女性専用車両が実は任意協力に過ぎない」ということだけでなく、以下のようなことも広く世間に周知していく必要があるだろう。
- 女性専用車両が出来たのは「痴漢被害が深刻だからやむを得ず」ではなく、政治的背景からのものであり、某政党・政治家の人気取り・女性票獲得の手段に過ぎないこと。
- 痴漢対策と称していながら、女性専用車両導入後も痴漢件数に大きな変化がなく、むしろ増加してしまった線区もあるが、そのことを隠蔽しながら、鉄道事業者はいつまでもこのアパルトヘイトまがいの施策を続けていること。
- しかも一部の鉄道事業者は女性専用車両限定で主に女性向けの広告を割高な広告料で募集し、広告料収入源として利用していること。(女性専用車両の商業利用)
- (一部の)専用車賛成派は「代替案を示せ」と言いながら、反対派から「埼京線で痴漢件数を6割も減少させた監視カメラ」を代替案として提示されると、「監視カメラで痴漢6割減、女性専用車両では痴漢は減らない」という決定的な点をスルーして「監視カメラは死角が出来るからダメ、そんなもの一体何の役に立つの」などと、効果は無視して「女性専用車両さえあれば、痴漢件数が減ろうが減るまいが関係ない」という態度を取っていること。(つまり、女性専用車両を守るために「痴漢被害」を口実にしているだけで、実は効果的な痴漢対策など望んでいないのが見え見え)
- 女性専用車両に賛成している女性の大半が「臭いオヤジが居なくていい」「空いていて快適」「男性の目が無いので車内で化粧や食事が出来る」といった、痴漢対策とはかけ離れた理由で賛成しているという調査結果が既に出ていること。
- 現在問題視されている高齢化社会において、男性老人を締め出す非情な措置であること。(むしろ男女を問わずお年寄りや障がい者、またベビーカー同伴の若夫婦等も乗れるよう、名称・形態を変更することが望ましいのではないか?)