2013年6月1日から旅行業のJTBワールドバケーションズ西日本販売本部が大阪市営地下鉄御堂筋線の女性専用車両の車体と車内に女性専用車両限定広告を出している。
これは同社が展開している女性向け旅行商品「ルックJTB 女子旅つくるプロジェクト姫様」シリーズの車体広告を車体に施し、さらに車内にも御堂筋線沿線のJTB店舗や商品紹介の広告を出すというもの。
「女性専用車両に女性向け広告を出せば効果が高い」ということで「女性専用車両限定広告」の広告主を募集している鉄道事業者が、大阪市交通局以外にも多数存在する。
また、当会サイト内「限定広告調査」のページでも紹介しているが、「女性専用車両限定広告」の広告料を他の車両よりもかなり割高に設定している鉄道事業者が存在することも分かっている。
このように、女性専用車両は表向き「痴漢対策」と言いつつ、実際には鉄道事業者の良い収入源となっているのである。
「同じ運賃を払えば誰でも“公平”に利用できる」というのが公共交通の大原則である。
それを「痴漢対策」と称して根底から覆し、しかも実際にはそれを収入源として使うなど、「公共交通機関として言語道断」と言われても仕方がないのではないだろうか。
そして、そんなもののために同じ運賃を支払いながら、乗る車両を制限され(女性専用車両は任意協力といっても、事実上強制のようなもの)、しかもその上、「男が痴漢するからこんな車両が出来る。
全て男が悪い」などと言われる男性乗客の皆様には「女性専用車両は痴漢対策だから仕方がない」と、思考停止してしまうのではなく、まずは「痴漢対策」という理由が本当なのかどうかをまず疑ってみて頂きたいところである。