熊本市で市電を運行する熊本市交通局がこの(2023年)11月より乗務員の不足を理由に市電を減便している。
報道によると、2023年4月時点で101人いた乗務員が半年後の同年10月には92人に減り、土曜日は「熊本駅方面のA系統」で16本、「上熊本駅方面のB系統」で14本減便し、平日もB系統で6本減便したとのこと。
そんな熊本市交通局だが、路面電車では全国で唯一、女性専用車両(後に女性優先車両)を運行している事業者でもある。
去る2020年の9月に突然、わずか2両編成の市電に女性専用車両を導入すると発表し、当時インターネット上では「差別だ」「わずか2両のうち1両を女性専用車両にするのは無謀だ」という批判の声が上がった。
その一方、マスコミはこぞって「迷惑行為防止の積極的な取り組み」であるとして持ち上げ、さらに交通局に多数の反対意見が届いてもこれを「県外からの意見」と切り捨てるなど、どこまでも賛成派寄りの偏向報道一色であった。
これだけを見ると、「迷惑行為防止のために『女性専用車両を導入する』と発表した交通局に理解のない人間がインターネットで反対の声を上げたが、マスコミはそれに流されなかっただけ。」と思われるかもしれない。
しかし実は当時の熊本市議会の議事録に「迷惑行為防止の取り組み」とは似ても似つかない、とんでもない『本当の理由』がバッチリ記載されていることをご存じだろうか?
2020年9月の熊本市議会議事録(令和 2年第 3回都市整備分科会-09月17日-01号 )によると、熊本市交通事業管理者の古庄修治氏が議会で以下のような発言をしている。
市電としてもコロナウイルスでこれだけ人が減っておるという中で、いろいろな話題を提供したい、明るい話題を提供したいという中でアイデアの一つとして・・・(中略)・・・女性専用車両というのを導入したらいかがかなと言うことで一つアイデアが出ました
つまり、熊本市電の女性専用車両は「最初からコロナ禍による減客・減収対策だった」のである。
言い換えれば『女性客寄せサービス』ということだ。
こんな男女差別になりかねないものを【公営の公共交通機関】が「感染症の流行で客が減ったから」とレディースデー感覚で平然と導入したのである。
一方、熊本市交通局のサイトには現在も「女性優先車両試験導入の背景」と称して「市電における迷惑行為が減らないので、更なる迷惑行為防止の取り組みとして導入に踏み切った」などと書いてある。
しかし、市議会議事録の内容を見れば【「迷惑行為防止の取り組み」など真っ赤なウソ】であると分かるだろう。
熊本市交通局は公営の交通事業者でありながら、女性専用車両という現代のアパルトヘイトともいえる差別を「コロナ禍で客が減ったから」と平然と導入し、しかもその上で世間に向かっては「迷惑行為防止のためです」などと公然とウソをついているのである。
しかし、この事実はマスコミも一切取り上げず、完全に黙殺されてしまった。
この記事をお読みの反対派の方は今からでも良いので少しでも拡散してほしい。
このように熊本市交通局はかつて感染症の流行で乗客が減ったからと、女性優先(専用)車両という差別的方法に舵を切ってまで女性客の増客を目論み、それを「迷惑行為防止の取り組み」で片付けてしまった。
それから数年経ち、今度は乗務員不足から減便というサービス低下をせざるを得なくなって、利用客に不便を被らせている。これではさらなる減客を招くだろう。
特に男性客にとってはダブルの不便被害に他ならない。
熊本市は「車から公共交通の利用を呼びかけている」ところだそうだが、こんなことになった以上、特に男性客の不便を解消させるためにもまずは「迷惑行為防止など嘘っぱち」の女性優先(専用)車両は即刻辞めるべきである。
情報元:
【熊本市電】乗務員不足で11月から1日最大30本の減便 一方で市は「公共交通の利用」を呼び掛け…市民の足に影響は? | 熊本のニュース|RKK熊本放送(tbs.co.jp)<魚拓>
熊本市議会議事録:令和 2年第 3回都市整備分科会-09月17日-01号 (gijiroku.com)
(熊本市交通局サイト)お知らせ 一般向け / 熊本市交通局 (kotsu-kumamoto.jp)