2024年2月17日に神戸市営地下鉄名谷駅付近で発生した女性専用車両内での当会会員に対する暴行事件。
事件の詳細は当会サイトのニュースで先日、記事(女性専用車両で当会会員に暴行した女性客が現行犯逮捕される)として取り上げたので、そちらを参照していただくとして、当記事では事件があったことを当サイトやX(旧ツイッター)で公開した後のことについて述べていく。
当会では暴行を受けた会員からの報告を受けて後日、事実確認も兼ねて名谷駅に「なぜ会員から通報するよう要請されたのにすぐに警察に通報しなかったのか?」等、問い合わせの電話を入れた。
さらに当該事件を当会サイトのニュース記事として2月24日に公開し、さらにX(旧ツイッター)でもお知らせしたところ、インプレッション数(Xでのポストの閲覧数)が公開後2日間で50万回を超えるなど、非常に大きな反響があった。
さらに一部マスコミでもこの件が取り上げられた。
神戸市営地下鉄「女性専用車両」に男性が乗りトラブルに 男性側は「女性から暴行受けた」と主張、市側の見解は?
2/26(月) 17:06配信
ヤフーニュースのコメント欄にも1000件を超えるコメントがつき、この件への関心の高さが伺えた。
さらにはX(旧ツイッター)の引用や返信、当該記事のコメント欄や当会ご意見等フォームなどにもいろいろなご意見が寄せられた。
多数のご意見が寄せられたため、ここですべてのご意見に対して述べていくのはとても無理だが、その中で今回の加害者の女性客について、警察が「(加害者の女性が)泣いて反省しているので、寛大な処分にしてやってほしい」とお願いしてきたのに対して、会員がそれに応じたことについて「どうして許してしまったのか?」という意見が結構あった。
さらにその中には単に「なぜ許してしまったのか」というだけでなく、「相手が女だから甘い対応をとったのではないか?」というニュアンスの意見もいくつか見られた。
こちらで紹介したXでのポストもそうした意見の一つだが、このポストの主は「(反対する会は)加害者が女だから甘い顔をして許した。そんな団体じゃないと思っていたのに・・・」と思い込んでショックを受けているようだ。
しかしながらこれは大いなる誤解である。
なぜなら、当会は誰かとトラブルになっても「相手が非を認めて詫びているならそれ以上は追及しない」というのが基本姿勢であるからだ。もちろん相手が男であっても当会は同じ対応をとる。
『罪を憎んで人を憎まず』である。
決して「相手が女だから甘い対応を取った」のではない。
ちなみに上記ポストに出てくる「チン騎士」とは、下心ありきで「男性から女性を守ろうとする男性」のことであるらしい。
(参考元:https://neetola.com/chinkishi/)
もちろん相手が非を認めない・謝らない・反省もしないなどであるなら、このような相手に甘い対応をとってはいけないが、当会の目的は公共交通機関における差別を是正することであって、特定の相手をとことん叩きのめすことではない。
当会に寄せられたご意見の中には「本心で泣いているわけじゃないだろう」「実は心の中で逆恨みしているんじゃないか?」といった意見もみられたが、今回の件は当会の乗車活動の中で起きた事件ではなく、あくまで1人の会員が個人的に女性専用車両に非協力乗車していて遭遇した事象であり、今回の女性客が「本心から」泣いて謝っていたのかどうかについては本人以外は知る由もない。
また当事者の会員としても女性が明らかに演技だと分かるような態度を取ったのでなければ、今回の一件だけではなんとも判断できないだろう。
それに当会は一番には会員個人の意向を最大限尊重していることから、会員個人がそれ以上の追及を望まないのであれば当会としてもこれ以上の対処をすることはない。
今回の事件で一番悪いのは「女性専用車両」という表示で(本当は任意協力で男性も乗れるのに)男性は乗れないかのように思わせている鉄道事業者である。
実際、当会にいただいたご意見やヤフーニュースのコメント欄の中にも「任意なのに『女性専用』の表示」を問題視している意見がいくつか見られた。
暴力を振るった女性は直接的には加害者ではあるが、ある意味「『女性専用車両』という虚偽表示に騙された被害者」でもある。
だからこそ暴行を受けた会員としても今回は「寛大な処分」を受け入れたのだ(これは後日、会員本人が実際にそのように言っていた)。
そして会員は神戸市交通局や国土交通省にも「任意なのに女性専用表示」ではなく、「男性も乗れる」ということが乗客にもきちんとわかりやすく伝わるような表示をするよう求めた。
こう言うと「男性も乗れるのなら女性専用車両の意味がない」と言い出す者が出てくるが、そもそも公共交通機関で本当の❝女性専用❞の車両は作れないため、女性専用車両の意味なんて最初からないのである。
だからこそ、鉄道事業者は女性専用車両と表示しつつ「実は任意協力」ということにしてごまかし続けているのであるが、女性専用車両が実は任意協力であることはすでに世間に知られてしまっている。
だからこのような車両は廃止するか、車両の名称を「男性排除の意味を含まないもの」にするべきであって、現状のままいつまでも続けるべきものではないのだ。
しかしながらこの先もこれらの状況が現状のまま改善されないのであれば、今後当会としても今回のような事件に対しては毅然とした対応を取ることも考えることになるだろう。
また、今回の女性客と再び遭遇する可能性は低いとは思われるが、もしその女性客が私達にもう一度同じことをして来たなら、今回の反省は嘘だったということなので、その時には今回のように許すことはないだろう。
情報元:
会員からの報告
X(旧ツイッター)のポスト
ヤフーニュース