JR西日本は現在平日の朝夕に実施している女性専用車両を来春から毎日・終日に拡大すると発表した。
多くの同業他社が政治的圧力などから、渋々ながら女性専用車を導入・拡大してきた中、自ら痴漢対策とはおよそ思えないような女性専用車をどんどん導入・拡大してきたのがJR西日本である。
JR西日本の女性専用車の車内には、化粧直し用のものと思われる鏡が取り付けられているのだが、痴漢対策に鏡が必要なのだろうか?
こんなことをしている時点で痴漢対策ではなく、女性客のウケを狙った女性優遇サービスであるとわかる。
JR西日本サイトでは早速、女性専用車終日化の件についての発表が行われたが、そこでは白々しくも「痴漢など迷惑行為対策の強化について」という表題をつけ、さらに女性専用車の拡大と共に「警察への連携強化」「痴漢撲滅キャンペーンの実施」などの施策も併記し、いかにも女性専用車両が「痴漢対策の一環である」と、誰もが疑うことなく信じ込んでしまうような発表の仕方をしている。
本当に痴漢対策を真剣に考えているのなら、痴漢件数の減少を期待できない女性専用車両を混雑のない時間帯に拡大するのではなく、JR東日本の埼京線で痴漢件数を半減させた車内監視カメラこそJR西日本も率先して導入するべきであろう。
しかし、JR西日本は一部報道によれば「監視カメラは効果がはっきりしない」などという理由で監視カメラの設置は行わないという。
すでに埼京線で「痴漢件数半減」という結果が出ているのにこれのどこが「効果がはっきりしない」のか?
効果がはっきりしないのは導入後も痴漢件数が減らない女性専用車両のほうである。
ここからもJR西日本の本当の目的が効果的な痴漢対策をすることではなく、「痴漢対策にかこつけた女性専用車両の拡大」であることがわかる。
現在(2010年11月18日~27日)、ライブドアやヤフーなどのポータルサイトでこの件についての賛否を問うアンケートが実施されている。
いずれも、(数的には)反対意見のほうが優勢のようだが、実際には賛成意見はもちろん反対意見もその多くが「女性専用車両=痴漢対策」という前提のもとでコメントを述べている。
「痴漢対策」と言って女性専用車両を導入しておきながら、それで痴漢件数が減らないとわかると、「痴漢件数の統計は取っていない」とウソをついて、自社路線での痴漢件数を隠蔽しているのが女性専用車両を導入した鉄道事業者の多くの実態であるのだが・・・
また、現在全く存在しておらず、今後作られることも考えにくい男性専用車両の設置を前提に賛成している意見もかなり見受けられる。
そもそも女性専用車両は表向き「痴漢対策」と称しているだけで、実際には痴漢対策とはおよそ言えないようなものであるから、「痴漢対策」の延長線上の「痴漢冤罪対策の男性専用車両」など、まず実現しないと考えたほうが良い。
男性専用車両の設置を前提に賛成したところで実際には「無条件賛成」と同じ扱