2016年12月24日に、JR大阪環状線に新しく導入される新車、323系が運行開始されることになりましたが、その一番列車となる、京橋16:09発の環状内回り電車において、非協力乗車を行いました。
当日はその前に、天王寺駅から関西線・おおさか東線・片町線でも非協力乗車を行いました。
以下、当日参加したメンバーからの報告です。
JR西日本・323系運行初日に非協力乗車
女性専用車のみ特別仕様の大阪環状線新型車両
JR西日本323系、12月24日に運行開始
現在、JR西日本では「大阪環状線改造プロジェクト」と称して、駅やその他、施設の改良工事等を進めているが、その一環としてJR大阪環状線に新しく導入される新車、323系が2016年12月24日運行開始となった。
従来、大阪環状線を走ってきた103系や201系などと同様、この323系にも終日女性専用車が設定されるが、女性専用車のみ特別仕様にするなど、随分と女性専用車に力を入れた作りとなっている。
恐らく、女性専用車だけ特別仕様にした分、余計に建造費がかかっているだろうが、ここは女性優遇大好きなJR西日本のことである。
表向き、「痴漢行為など迷惑行為防止への取り組み」としながら、実際には「女性を優遇すれば儲かる」とばかりに、女性客の力を過大評価しているJR西日本らしいとは言えるだろう。
初めて当会サイトを見る人や、普段あまり見ない人などで、「何を根拠にJRの女性専用車は痴漢対策ではないと決めつけているのか?」「女性専用車は痴漢対策に決まっているだろう」などと思う人は、まず、当会の過去のJR西日本に関する「活動報告」によく目を通していただきたい。
2016年8月 関西本部:JR大和路線・学研都市線・東西線・神戸線 非協力乗車会の報告
2016年10月 関西本部:JR神戸線・JR東西線・大阪環状線 非協力乗車会の報告
もちろん、そんなJR西日本のトンデモぶりを、ただ指をくわえて見ているような私達ではない。
まずは運行初日の女性専用車に乗ってやろうということで、今回、乗車会を行うこととした。
事前につかんだ情報では、当日、京橋駅を16:09に発車する列車が、その一番列車となるということで、私達もその列車に乗ることにしたが、当日は土曜日で、仕事が休みの会員が多かったこともあり、大阪環状線だけではもったいないということで、大阪環状線に乗車する前に、天王寺駅から、関西(大和路)線・おおさか東線・学研都市(片町)線などでも非協力乗車を行うことにした。
天王寺~(おおさか東線)~京橋
[乗車列車]
◎天王寺15:09(普通・王寺)→久宝寺15:19
◎久宝寺15:24(普通・放出)→放出15:38
◎放出15:39(普通・西明石)→京橋15:44
当日は15時にJR天王寺駅に集合。
天王寺駅から、まずは15:09発の関西線・王寺行普通に乗車。車内はドア付近に立ち席が若干出る程度の混雑率で天王寺を出発。
やはり、女性専用車の両隣の車両のほうが混雑する傾向はここでも見られた。
車内では特に、女性客などからの声掛け等はなかったが、会員の一人が男性を侮辱した内容の車内広告を発見。
消臭剤の広告で、「男のニオイ撃破!」などと書かれている。
花王の「リセッシュ」の広告である。
「女性専用車内で、男性の目がないからと思って、このような広告を出しているのか?」 と思い、後で他の車両も調べたが、他の車両でも同じ広告を発見。
どうやら「女性専用車限定広告」ではないようである。
だとすれば、いわゆる「炎上商法」のように、男性差別反対派を怒らせるような広告をわざと出して、怒った反対派がネットなどでそれを拡散し、結果的に宣伝してくれるのを期待しているのだろうか?
もしそうだとすれば、企業名と商品名を晒しても、これは宣伝に協力していることになってしまうので敢えて言うが、この広告を見て「許せない!」と思った人は今後、当該メーカーの製品を極力買わないようにするべきだろう。
久宝寺でおおさか東線に乗り換え。
おおさか東線はとにかくガラガラだったが、女性専用車はそれに輪をかけてガラガラだった。
おおさか東線で気になったのは、各駅のエレベーターがことごとく女性専用車の前にあること。
当サイトでもいつも、「JR西日本は、女性専用車がわざと便利な位置に来るよう設定しているふしがある」と言い続けているが、おおさか東線でも、結局終点の放出駅まで、ほぼすべての駅で見事にエレベーターが女性専用車のど真ん前だった。
ここでもう一度、JR西日本の女性専用車は営利目的であることを思いだしていただきたい。
ある会員が、「こうなると完全に福祉切り捨てのにおいがしますね」と言っていたが、まさにその通り。
もちろん、そのあたりを突っ込まれてもJRは、「任意協力なので問題ありません」「障がい者は男性も乗れます」で上手くかわすことも可能である。
しかし、「女性専用車は任意協力で、男性の障がい者も乗車可能(本当は誰でも乗車可能)」と言っても、実際には一般の男性利用客が敢えて乗車するのはなかなかハードルが高く、事実上の強制のようなものである。
結局のところ、これはJRに限ったことではないが、こういう突っ込みをされた時にうまくかわせるようにするために、女性専用車を「任意協力」「男性障がい者の単独乗車可」にしているのではないだろうか。
結局、おおさか東線でも声かけなどは無く、無事放出(はなてん)に到着。すぐに学研都市(片町)線電車に乗り換え。
途中、鴫野駅付近では、おおさか東線の新大阪延伸工事が今、たけなわであった。
いつも当サイトでも言っている通り、この区間が開通すれば、どうせ初日から終日女性専用車を設定するのだろうが、その頃までには私達も、もっと会員数を増やしておきたいところだ。
新規入会者は常に募集しているので、入会申し込みフォームよりぜひ、お越しいただきたい。
京橋から、いよいよ323系一番列車に・・・
[乗車列車]
◎京橋16:09(環状線内回り)→大阪16:17→新今宮16:35
15:44に京橋駅学研都市(片町)線ホームに到着した私達は、そこから階段を上って、大阪環状線ホームに移動した。
環状線ホームに上ると、そこはすでに323系1番列車を狙う人々で、まるでラッシュ時のように混雑していた。
京橋から新たに会員2名が合流。私達は7人となった。
323系一番列車の発車まで、まだ20分近くあるが、この混雑ぶり。
私達は女性専用車に非協力乗車するため、とりあえず専用車両位置まで移動した。
朝ラッシュのように人でいっぱいの京橋駅ホームも、ここだけは比較的人が少なく、ある会員がこれを、「専用車位置がエアポケット状態」と表現していた。
やはり周囲には鉄道ファンが多数詰めかけていたようで、あちらこちらから鉄道の専門用語が聞こえてくる。さらに周囲にはカメラを構える人々の姿も・・・
私達は女性専用車位置に7人で並んだが、この状況でJR職員も手が回らないのか、私達には何も言ってこなかった。
やがて京橋駅の電光掲示板に、「普通 △1~8 16:09 環状」の表示が現れると、周囲の雰囲気はさらに盛り上がった。
もちろん私達は、これからの非協力乗車に備え、乗車位置に並びながら気を引き締めていた。
やがて、列車の到着を知らせる駅構内アナウンスが流れ、遠くのほうから列車が近づいてくると、場の盛り上がりは最高潮に。
多数の人が入線してくる列車にカメラを向け撮影していた。
やがて入線した列車がホームに停止。ドアが開くと私達はすぐに座席に座った。
座ってから辺りを見回すと、私達以外にも女性専用車内に多数の男性客が乗車していた。
車内は結構な乗車率で立ち客多数だが、押し合いへし合いにはなっておらず、何とか車内を見渡せる程度。
後でツイッターやyoutubeの情報で知ったのだが、この一番列車、女性専用車以外の車両はひどい混みようだったらしい。
女性専用車に構わず乗車した男性が多数いたとはいえ、やはり混雑格差は生じていたようだ。
やがて列車はゆっくりと京橋駅を発車。
ふと外を見ると、京橋駅の反対側のホーム(外回りホーム)の端に、カメラを構えた鉄道ファン(いわゆる撮り鉄)が多数いて、一斉にこちらにカメラを向けているのが目に入った。
私達のいたホーム(内回り)にも撮り鉄はいたが、どうやら反対側ホームの端から狙ったほうが良い写真が取れるらしく、とにかくものすごい人数だった。
京橋を出て次の桜ノ宮に向けて走っている途中、車内に323系車両を紹介する車内アナウンスが流れ、その中で、女性専用車を特別設計にしたことにも触れていた。
わざわざ女性専用車だけ特別設計にしたことを車内アナウンスで流してくるあたり、JR西日本はやはり女性専用車を「ウリ」にしていることが分かる。
女性専用車が痴漢対策でも何でもなく、ただの女性優遇サービスであることは以前から繰り返し述べている通りだが、JR西日本が、「自分の目先の得だけで喜ぶ女性客の支持を取り付けておけばよい」と考えているのだとしたら、これは実はJR西日本が女性を見くびっていることになる。
先の、2016年10月の活動報告でも少しふれているが、JR西日本は以前から社員による痴漢や盗撮が多数発生しており、現在もそれが後を絶っていない。
このような会社が、「痴漢など迷惑行為防止の取り組みとして・・・」などと言いながら、実際には「女性専用車限定広告」で割高な広告料を取って金儲けをし、しかも、「痴漢対策と言うなら効果のほどを示せ」と言われると、「公開するために痴漢件数の統計を取っているのではありません」と言って、公開を拒否しているわけだから、実はこの会社が痴漢被害者を保護するために女性専用車をやっているのではなく、「馬鹿な女性を喜ばせておけば儲かる」程度の認識でしかないことが分かる。
それでも、「どんな理由だろうと、女性専用車に乗った女性が痴漢に遭わないのだからいいじゃないですか」などと言う専用車賛成派がいるとしたら、それはその賛成派も「その程度」ということである。
京橋~大阪~新今宮
列車は桜ノ宮・天満を過ぎ、大阪キタの中心部である、JR大阪駅に到着。
ホームは人で一杯で、ここで半分くらい乗客が入れ替わった。
そしてここからさらに会員1名が合流。参加者は全部で8名となった。
大阪駅から合流した会員によると、大阪駅で列車(もちろん女性専用車)に乗りこもうとした際、体格の良い中年男性から、「ここは女性専用車やで、乗ったらあかんで!」などと大きな声で言われたそうだ。
もちろんそのような言葉に従うわけもなく、その会員は構わず乗車したが、当会の過去の乗車会でも、こうした「正義漢気取り」の男性客に遭遇することが何度かあった。
やはり、「女性専用車=痴漢対策」で世間では通っているので、「女性専用車は正しい」「それを守らない奴は注意されて当然」などという思い込みがあるのかもしれない。痴漢対策でも何でもないことはつい先ほど述べた通りだが・・・
列車は大阪駅を出て福島・野田へ。
先ほどの京橋駅ほどではないが、各駅とも撮り鉄でいっぱいで、大阪環状線は半ばお祭り騒ぎ状態であった。
車内を見渡すと、やはり私達以外にも多数の男性が乗車している。
さらに西九条・弁天町と過ぎ、このあたりから車内もやや空いてきた。
と言っても普段よりは明らかに人が多い。
立ち客はやや少なくなってきたが、普段ならこのあたりは日中はガラガラである。
そのまま大阪ドームを間近に見ながら大正を過ぎ、芦原橋・今宮を過ぎて、下車を予定していた新今宮駅へ。
予定通り、私達はここで下車した。
結局、大阪駅で合流した会員が乗車前に男性客に声をかけられた以外、今回は乗客やJR職員などからの声掛けはなかったが、今日のこの状況では、JR側も女性専用車に乗車する男性に声をかけるどころではなかっただろう。
今日の乗車会では、先ほども述べた通り、私達以外に多数の男性客が女性専用車に乗車していたわけだが、今後どうなるか、さらに粘り強く乗車活動を続けていく必要があるだろう。
ホームから出発していく323系を見送り、改札の外へ出て、私達は「新世界」のとある居酒屋で2次会を行うこととした。
関西の方ならご存知の方も多いと思うが、「新世界」とはJR新今宮駅近くの繁華街のことを指す名称で、有名な「通天閣」もその中にある。
私達が入った店は、少々古い感じの、落ち着いた雰囲気の店で、結構「安くてうまい」店であった。
やはり大阪と言えば、「ソース2度づけ禁止」の串カツは外せない。
他にもいろいろと注文したが、飲食しながら会話が大いに弾んだ。
そして2017年も、改めて活動を頑張って行こうということで、関西での2016年の活動を締めくくった。